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大ヒットミュージカル『エリザベート』が、2015年、装いも新たに登場します。
キャストもガラリと変わり、
さらに舞台美術、衣裳も一新されるとのこと。
どんな『エリザベート』になるのか、楽しみにしているファンも多くいらっしゃると思います。
そんな中、ヒロイン・エリザベートを演じるのは花總まりと蘭乃はな。
ともに宝塚娘役トップとして、現役時代にエリザベート役を演じた経験アリ!
中でも花總さんは、日本初演となった1996年の雪組公演でヒロインを演じた、まさに日本のオリジナルキャスト。その美しさと圧倒的な華、気品で、今も語り継がれている伝説のエリザベートです。
その後1998年宙組公演、また宝塚退団後にはガラ・コンサートでこの役を演じていますが、東宝版『エリザベート』には初出演。
花總さんがどんな思いでこの役にふたたび向き合うのか。
お話を伺ってきました。
――いよいよ『エリザベート』ですね。作品のファンの方ならみんなが知っていることかと思いますが、花總さんは日本初演だった宝塚雪組公演(1996年)にエリザベート役で出演しています。日本のオリジナルキャストで、ご出演を心待ちにしていたファンも多いかと思いますが、今回ふたたび挑戦してみようと思われたのはなぜですか?
「このお話をいただいた時に、やはりエリザベートという役は自分の中でも特別な役でしたし、もう一度この時期にチャレンジできるということは、自分にとってすごく良い機会になると思いました。もちろんあの帝国劇場で、東宝ミュージカル版の『エリザベート』でエリザベート役...というのはものすごく責任が大きいことではあるのですが。私にとってもとても勉強になることがいっぱいあると思います。"もう一度"という部分と、"また新たにエリザベートという作品に取り組む"という、ふたつの自分の中の期待感が大きかったです」
――その決断はすんなりと出てきましたか?
「悩むことはなかったです。チャレンジしてみよう、と」
――「自分の中でも特別な役」と仰いましたが、どのあたりが特別なのでしょう。
「歌で気持ちを伝える、歌でお芝居をしていく、という経験が私にとっては『エリザベート』が初めてだったんですね。それまでもショーで1曲歌うとか、男役さんとデュエットをするということはありましたが、自分のお芝居として歌で気持ちを伝えるのは初めてで、それがこんなにも楽しく面白いことだと感じた初めての経験だったんです。そこから歌がすごく好きになった、というきっかけにもなりました。それに、ありがたいことにお客さまが私の演じるエリザベートをもう一度観たいと仰ってくださる、そんな役をやれたということは、私の財産のひとつになっていますので、やはりちょっと、ほかの役とは違うんです」
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『十二夜』、いよいよ開幕が近づいてきました!
げきぴあではシェイクスピアのロマンチックで美しいこの喜劇の魅力を多角的に追ってきていますが、本日は主人公の双子の兄妹、ヴァイオラとセバスチャンに扮する音月桂さんのインタビューをお届けします。
――稽古も佳境ですね。何度か稽古場を拝見させて頂いていますが、稽古場自体、素敵な空間でした。
「そうなんです、空間が広い稽古場で、物語の世界をイメージしやすいんです。陽射しも入って、外の寒さを忘れて心が温まる、喜劇にぴったりな感覚で稽古が進んでいて、心地がいいです」
――音月さんはずっと宝塚で活躍されていましたが、退団後は映像がメインで舞台出演は2作目ですね。
「昨年『ブラック メリーポピンズ』に出演して、今回は2回目の舞台出演です。ずっと舞台で育ってきたので、久しぶりに舞台に戻ってきて、その楽しさをまた噛みしめています」
――シェイクスピアというと、どうしても"古典"のイメージがあります。退団2作目で、よくこの作品へのご出演を決意されたなと思うのですが...。
「シェイクスピア、しかもジョン・ケアードが演出する作品に出演するというのはなかなか経験できることではないと思いましたし、私はもともとひとつの役を没頭して作っていく作業が好きなんですね。ですので、ふたつの役を演じてくださいとお話を頂いて、それが2倍になり、しかも男装もしますので2.5倍? これはやりがいがあるし、充実感が得られるお仕事なんじゃないかなと思ったんです。私も最初は"シェイクスピア"、"十二夜"という響きだけで堅いんじゃないかな、難しい作品なんじゃないかなと思ったんですよ。でも実際稽古がはじまると、そういう不安は全然なくなりました。あっという間にこの世界にどっぷりはまって、今すごく楽しいです。ジョンが生きた情報をどんどん提供してくれるのも楽しくて、シェイクスピアをもっと早く知っておけばよかった! ...って思うくらいです。もし彼が生きていたら、いいお友だちになれたんじゃないかな...というのはあつかましいですね」
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ジョン・ケアード演出、音月桂主演の『十二夜』。
シェイクスピアが描いた、幻想的なロマンティック・コメディです。
今回のプロダクションの美術・衣裳を担当したのは南アフリカ出身で、オペラやクラシック作品なども手がける、世界的に著名なアーティスト、ヨハン・エンゲルス。
残念ながら昨年11月、この作品のデザインを仕上げた直後に亡くなられました。
『十二夜』は彼の遺作となります。
会見で、ジョン・ケアードは次のように語っていました。
「コスチュームとセットは本当に美しいものになっています。私の親しい友人だったヨハン・エンゲルスさんが手掛けたものです。11月に、この作品のデザインをし終えたその直後に亡くなりました。僕はこのデザインを見るたびにほろ苦さと甘さをもって思い出します。芝居自体が死や喪失、時間経過を表しているだけに、特にそう思います。この作品を心の中でヨハンに捧げようと思います」
そのヨハンさんと20年ともに仕事をし、今回はコスチューム・スーパーバイザーとして本作に参加しているビニー・ボワーマンさんに、お話を伺ってきました。
◆ ビニー・ボワーマン氏 INTERVIEW ◆
――ビニーさんから見て、ヨハンさんの手掛ける衣裳というのは、どういった特徴がありますか?
「彼はたくさんのことを話していましたので、説明するのは難しいのですが、よく「セクシーであるべきだ」と言っていました。そして、リッチで、最上級よりさらに上(over the top)。ヨハンさん本人のように「オーバー・ザ・トップ」なものを作っていました。
また彼は特徴的であったり、スペシャリティがあるようなタイプではない...というのが特徴でもあります。ほかのデザイナーはもっとモダンなことをしようとしますが、彼はもっとオーセンティック。すごくゴージャスではありますが、時代に即したものを作ります。(演出の)ジョンも、そのことを知っているから、彼に今回の仕事をオファーしたのだと思います」
『十二夜』を彩る衣裳の世界の続きを読む
開幕直前!
梅田芸術劇場10周年を記念するミュージカルコンサート『Golden Songs』、稽古場レポートの第3弾です。
今回は『蜘蛛女のキス』『ファントム』『モーツァルト!』、そしてオープニングのジャズメドレーのシーンをご紹介します。
石井一孝さんは『蜘蛛女のキス』『CHESS in Concert』等のコーナーに登場。
こちらは『蜘蛛女のキス』より『She's a Woman』、切ない石井モリーナです...。
梅田芸術劇場10周年を記念するミュージカルコンサート『Golden Songs』がまもなく開幕します!
豪華なキャストの顔ぶれを見るだけで、あの傑作が、あの名作が脳裏に蘇る...という方も多いのではないでしょうか。
ミュージカルファン必見、私も今から楽しみでなりません。
2月某日、そんな『Golden Songs』の稽古場を覗いてきましたよ。
すでに予定楽曲が公式HP等々で発表になっていますが、このコンサート、大きな流れとしてはいくつかの(もちろん、梅田芸術劇場で上演された)作品ごとのブロックから構成されています。
※それだけではない部分は、おいおいゆっくりと...。
その数、日替わり含め今のところ15演目分!(メドレー除く)
やっぱりそれは外せないよね、というものから、懐かしのあの演目まで、様々な楽曲が登場します。
全シーンご紹介したいのは山々なのですが、それももったいないですので、いくつかのシーンに絞ってレポートすることにします。
まず今回はミュージカル『アイーダ』のシーンを軸にお届けいたしましょう。
こちらは梅田芸術劇場のオリジナルミュージカル。
もとは、宝塚歌劇団で『王家に捧ぐ歌』として上演され、2003年度芸術祭演劇部門優秀賞を受賞した大作です。
エジプト対エチオピアの戦いを背景に、エジプト将軍ラダメスと、エジプトに捕らえられたエチオピアの王女アイーダの悲恋を描いた物語です。
その、2003年星組での初演で、主人公ラダメスを演じていたのが湖月わたるさん。アイーダを演じていたのが安蘭けいさん。
さらに2009年には、宝塚を退団した安蘭さんを再びアイーダに迎え、タイトルも新たに『アイーダ』として梅田芸術劇場が上演。この時のラダメスは伊礼彼方さん。
ちなみに今年、宝塚歌劇団でも宙組で再演が決まっています。
ということで、初代アイーダ&ラダメス、そして2009年のアイーダ&ラダメスが今回は揃っています!
ラダメス将軍の力強いナンバー『エジプトは領地を広げている』は、ふたりのラダメスの競演で!
湖月わたるさんと...
伊礼彼方さん。
ふたりが「私だ!」「私だ!」と張り合う様も、カッコよくも新鮮です。
市村正親アルバン、鹿賀丈史ジョルジュで贈る、日本初演から30年目の『ラ・カージュ・オ・フォール』。
開幕も目前です!
本日は1月末に取材した稽古場レポートの後半をお届けします。
★前半は→コチラ
20年連れ添ったゲイカップルのアルバンとジョルジュ。
ふたりの愛する息子(正確にはジョルジュの実の息子です)ジャン・ミッシェルが結婚したい!ついては相手の両親に、マトモな家庭であることをアピールするために実の母親を呼んで!と言い出したことが、ちょっとした事件を巻き起こしていきます。
つまり男同士の両親ではなく、男女の両親が必要...と言っているわけで、ということは、母親代わりとしてジャン・ミッシェルを育ててきたアルバンは、両家の顔合わせの場には不要だということ。
ジャン・ミッシェルの結婚を喜ぶアルバンに、ジョルジュはそのことを伝えられずにいます。
切ない...。
日本初演から30周年を迎える今年、『ラ・カージュ・オ・フォール』が帰ってきます!!
舞台は南仏サントロぺ。
ゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」のオーナーのジョルジュと、看板スターの"ザザ"ことアルバンのゲイカップルを中心に、彼らと彼らを取巻く人々の愛情が優しい目線で描かれた物語です。
クラブ「ラ・カージュ」の華やかなショーシーンも見どころ!
1983年にブロードウェイで開幕した本作、日本では1985年に初演。
1993年から市村正親がアルバンを務め、さらに2008年からはジョルジュ役に鹿賀丈史を迎えて上演を重ねています。
市村・鹿賀という、日本ミュージカル界の二大巨頭であり、公私共にでも盟友であるこのコンビでの『ラ・カージュ~』は史上最高・最強との評判。
今年のふたりはどんな愛を紡ぎ出してくれるのでしょうか...。
1月末の某日、この稽古場を取材してきました。
この日は、それまで「稽古場ピアノ」で稽古を重ねてきたキャストが実際にオーケストラと音を合わせる"オケ合わせ"の日。
稽古場にはオーケストラが入り、スペースが...「狭っ」という感じになります。
俳優たちが演技する舞台エリアとスタッフたちのいるスペースの間にオケが入るため、演出台がとっても高いところに設えていました。
こちらは演出の山田和也さん。
そしてみんなの人気者・指揮&音楽監督の塩田明弘さん。
塩田さんの指揮は、周りをパァっと明るくしますね!
オーケストラがオーバーチュアを奏で出したとたん、市村さんもノリノリで指揮棒を振るアクションで...。
1983年にブロードウェイで幕を開け、人生のほろ苦さを描く芝居と華やかなレビューシーンでトニー賞6部門を受賞した名作ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』。
ジョルジュとアルバンというゲイ夫婦の哀歓は、現在にも通じる人間ドラマとして2005年と2010年にもリバイバル上演、再びトニー賞を受賞している。
日本初演はブロードウェイからすぐの1985年で、こちらも現在まで再演を重ね大ヒット。
日本初演30周年を迎える今年、キーパーソンとなるジュルジュの息子ジャン・ミッシェルを演じることになった相葉裕樹に聞いた。
「ラ・カージュ・オ・フォール」は南仏サントロぺの大きなゲイクラブ。オーナーであるジョルジュ(鹿賀丈史)と華やかな"美女ザザ"として大人気のアルバン(市村正親)は、
20年間、夫婦として生活してきた。ジョルジュは息子ジャン・ミッシェル(相葉)を溺愛し、アルバンも母親がわりとなってジャンを大切に育ててきた。
そんなある日、ジャンが突然結婚したいと言い始める。相手はよりによって、保守派の政治家として知られるダンドン議員(今井清隆)の娘アンヌ(愛原実花)。
ダンドン夫人(森公美子)も伴い挨拶に来るというジャンに、ジョルジュとアルバンは慌てるが...。
鹿賀と市村という、日本ミュージカル界の双璧ともいえる"夫婦"の息子役。多くの舞台作品で安定した実力と華やかなたたずまいを見せる相葉だが、
今回はさすがに「日生劇場の舞台に立つのも初めてで、出演が決まった時は本当に僕でいいのかな? と正直思いました」と率直な心境を語る。
過去の上演も記録映像で鑑賞済みだが「薄めでチラチラと見るようにしました」という。その理由は「素晴らしい俳優さんばかりですし、見たら話し方や歌い方に影響されてしまいそうで(笑)。
でもせっかく僕を選んでいただいたのだから、歴代の方たちとはまた違う、自分なりのジャンを作れたらいいなと思います」と笑顔で話した。
とはいえ『PIPPIN』や『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』など、ブロードウェイ製ミュージカルには、メインキャストで出演済み。
「でも僕は、特に"ブロードウェイミュージカルだから"とか意識したことはないんですよ。作品の大小に関わらず、まず役として生きること、
そしてカンパニーでの自分の役割をまっとうすることを第一に考えます。今回も光栄だという気持ちは保ちつつ、それには振り回されないでいたいですね」と相葉。
ちなみにセリフを覚える時は、しばしば公園に行くのだとか。「子供たちのキャッチボールの声を聞きながら台本を読むのが心地よくて」と相葉は話す。
ブレない軸をもって、一歩ずつ前へ。そんな彼の、大舞台での姿を期待したい。
公演は2月6日(金)から28日(土)まで東京・日生劇場、3月6日(金)から8日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。両公演ともにチケット発売中。
取材・文 佐藤さくら
開幕が近づいてきましたミュージカル『ボンベイドリームス』。
インドらしい音楽とダンス満載の作品で、中毒性の高そうな作品になっています!
1月某日に稽古場を取材してきたげきぴあですが、稽古場で(少しですが)主人公アカーシュ役の浦井健治さんにお話しもお伺いすることができましたので、今回はそのインタビューをお届けします!
★稽古場レポート前編はコチラ
★稽古場レポート前編はコチラ
★ 浦井健治 INTERVIEW ★
――現在の稽古場はどんな雰囲気ですか?
「楽しいですよ! ラフマーンさん(A.R.ラフマーン。インドのモーツァルトと称される)の楽曲がすごいノリノリだというのもあって、稽古場が明るく、笑いが絶えないんですよね。老若男女楽しめる楽曲で、出演者もスタッフもリズムを刻んでしまうようなナンバーが多いので、お客さまにも楽しんでもらえると思います。耳で楽しめる、それがまずありますね。
さらに目で見ても楽しめるようにと、梅棒さんと原田(薫)さんがつけてくれた振付が、これまた面白くて! 各キャラクターの個性を活かしつつ、ふんだんにインド色も取り入れながら、ド派手に振付していただいているので、目でも楽しめるものになっています。
それにこのカンパニーは団結感がとにかく凄いんです。例えば、稽古の動画を梅棒さんが上げてくれて、みんなが復習できるような環境を整えてくれたりするんです。そういう成功させようとする強い気持ちをみんな持っていて、その積み重ねがみんなを仲良くさせているのだと思います。それもまた舞台の上に反映されて、お客さまに楽しさとして伝えられたら素敵ですね」