インタビューの最近のブログ記事

sseed_01.jpg 「ストレンジシード」について話すウォーリー木下

静岡ストリートシアターフェス「ストレンジシード」の総合演出を手掛けるウォーリー木下に、本企画についてインタビュー取材した。

「ストレンジシード」は演劇、ダンス、アート系大道芸など多彩なパフォーミングアーツ・舞台芸術が一同に会し、ゴールデンウィークの3日間、いつもの街を劇場に変えてしまうという壮大なフェスティバル。

今回は駿府城公演と静岡市街を非日常空間に変貌させます。

本企画の総合演出を昨年から務めているウォーリー木下にインタビュー取材し、本企画の魅力について聞いた。【動画3分】

記事全文をエントレで観る


エントレで観る
Youtubeで観る

(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

チケット情報はこちら

去年、七回忌を迎えたつかこうへい作「熱海殺人事件」は1973年の初演以来、様々なバージョンで演じ継がれてきた4人芝居。

2月に上演される最新作はタイトルに"NEW GENERATION"と冠し、若さみなぎる面々がこの傑作を受け継ぐ。

中でも主演・木村伝兵衛部長刑事役の 味方良介 は、風間杜夫、阿部寛ら名だたる男優が演じてきたこの大役を、史上最年少の24歳で挑むことに。

「テイク・ミー・アウト」などでも好演し、メキメキ頭角を現している注目株に、その胸中を訊いた。


★げきぴあ②NL0_8286.jpg


――味方さんが「熱海」の木村伝兵衛を演じるという一報を聞いたとき、かなりの驚きがありました。

理由としては年齢と、去年の「新・幕末純情伝」に続いてつか作品がまだ2作目ということがあると思うのですが。

ご自身はこのオファーを、どう受け止めたのでしょうか?


「僕自身も 『え? いいんですか、僕で 』 というのが正直な感想でした(笑)。『やりたいです! やらせてください』 とすぐお答えしたんですが、自分が思っている以上に"木村伝兵衛"という存在の大きさを今、感じています。

『お前にできんのか?』 というのも含めて、周りからの期待を感じるし。

先日もある舞台を観に行ったとき、見知らぬ中年男性の方に、『味方くんですよね? 「熱海」楽しみにしてます』 と声を掛けられて。

『そこまで大きなことなんだな』 という実感が、日に日に増していくというか。たぶん僕の今までもこれからも全てが変わるような役なので、自分が今できる以上のことをぶつけていきたいし、見せていきたい。

今の自分の手札にないもの、引き出しにないものを使わなきゃいけない役だと思うんですけど、それもものにして、これまでに木村伝兵衛を演じてきたいろんな方々の中に、胸を張って並べるようにしたいなっていうのは、お話をいただいたときから思っていることですね」


――確かに、錚々たる先輩たちが演じてきた役ですよね。最近では、2014年に馬場徹さんが演じました。味方さんにとってはミュージカル「テニスの王子様」で同じ役(柳生比呂士)を演じたという共通点があります。


「木村伝兵衛を演じると発表した日に、演出の岡村(俊一)さんがばーちょん(馬場)さんを連れてきてくれて、一緒にご飯を食べました。

そのとき、『大丈夫だよ、楽しみにしてるよ』 って。もっと言うと 『イケるイケる、お前ならイケる』みたいな軽い感じだったので、僕は内心、『いやちょっと待ってくださいよ、そんな簡単に言いますけどね!』っていう(笑)。

でも話が進んでいくと、『これは4人の中で誰が主演だっていう作品じゃない。その日の空気やテンションでみんなが主役になるし、みんながフィーチャーされる。その中でお前は絶対負けるなよ!自分を信じて突き進んで、木村伝兵衛として勝ち残れ!』 という力強い言葉をもらったりしました」


★げきぴあ①NL0_8188.jpg


――その共演者たちについて、現段階での印象などを聞かせてください。


「文音さん(水野朋子役)についてはほとんどお会いしたことがなくてこれからなのですが(取材時)、多和田秀弥(熊田留吉役)と黒羽麻璃央(大山金太郎役)は 『テニミュ』 で一緒にやっていて、

秀弥とはつい最近の 『テイク・ミー・アウト』 から立て続けに一緒。僕にとってはガチガチに緊張感のある空間で、秀弥というリラックスできる存在がいるのは、助かるなと思っています。人間性を知っているからやりやすさもあるし、遠慮せずに言い合えるし。

対して麻璃央とは 『テニミュ』 以来で、当時の彼は知っているけど、それ以降の経験を積んできた彼は知らないので、ほぼ初共演のような気がしています。

麻璃央はつか作品も岡村さんの演出も初めてで、秀弥は岡村さんが演出するつか作品は初なのかな。でも岡村さんが選んでいるから絶対に間違いはないだろうし、熱量のある2人なので、何も心配なところはありません」


――味方さんは、生前のつかさんに会ったことは?


「ないんです。 『新・幕末純情伝』 で初めてちゃんと知りました。でも初めて作品に触れて、いろんな資料をもらったり、つかさん本人を知っている先輩方に思い出話を含めていろいろ聞いたり。

『あの作品のこのシーンがカッコいいんだ』 みたいなことも、たくさん教えてもらいました。つかさんの作品は"泥臭い"と言われると思うんですけど、その泥臭さって、泥団子を究極まで磨くと、ものすごく綺麗な球になるじゃないですか。

僕はああいうイメージなんです。でも砕いたら泥なんだ、みたいな。本来はけしてきれいじゃないものが光っている。光らせているものは、演者や演出家やいろんな人間たちの愛じゃないのかなって」


――つか作品を経験すると、覚醒したようにひと皮むける若手は多いです。味方さんもその一人かと思いますが、どういう点が今までの演劇体験と違うんでしょう?


「僕はもともとミュージカルを目指してこの世界に入って、去年 『新・幕末』 のひとつ前に 『グランドホテル』 という大作のミュージカルに出演させていただきました。子供の頃から観てきたミュージカル俳優たちの中に自分がいて、まさに夢見ていた世界でした。

そしてもちろんすごくいい経験で勉強になったのですが、何か心が埋まらない感じが正直あったんですね。

それが次に 『新・幕末』 をやったときに、「これか!」と。ミュージカルの場合は歌や音楽や振付という、助けてくれたり補ってくれるパーツがいっぱいあるんだけど、つか作品の場合は自分の体ひとつと台詞だけで、ドン!と居なくてはならない。

自分の力量全てが試されるし、演劇における稽古の大切さも改めて感じさせてくれます。『新・幕末』はド頭、僕演じる桂小五郎の長台詞から始まるので、責任もものすごく感じたし。

でもこれだから演劇って楽しいっていうか、言い方が軽いですけど(笑)『演劇やってるな』 って実感があるんです。岡村さんとも 『どうだ、演劇やってるだろ?』 『演劇やってますね。楽しいですね!』って会話を交わしたりして」


★げきぴあ⑤NL1_4290.jpg



――アツいですね! 今、お話にも出ましたが、味方さんが木村伝兵衛をやることに驚いたのは、もともとミュージカル志望であることを知っていたからでもあります。
むしろ演劇(ストレートプレイ)のど真ん中の作品・役であり、大きな方向転換とも感じるのですが、そのあたりの心境を聞かせてください。


「ミュージカルや歌うことは今でももちろん好きなんですけど、好きなこととやれることって違うんだなって思ったり......いや、それ以上に演劇の深さや楽しさに触れたんです。
一番初めは3年前に 『恋するブロードウェイ♪ vol.3』でスズカツ(鈴木勝秀)さんの現場を経験したことで、『歌わんでいい』と言われて。

そのときは歌う舞台だったので 『え?』 と思いながら(笑)、『お前は30まで芝居を勉強すりゃいいんだよ』 って話をしてくれたことがすごく胸に響いて。
ミュージカルをやるにしても、芝居というものをちゃんと背負っていたいなという気持ちになっていったんですね。ミュージカルだってベースはお芝居なので、そこを背負ってやったら歌うことを含めていろんなことが変わってくるはず。 『グランドホテル』 でご一緒した成河さん(元★☆北区つかこうへい劇団)を観ていても、やっぱり魅力が全然違うんですよね。

空気をガラッと変える力があって、自分もそうありたいと思うので。そのとき、成河さんに 『つかさんの作品に出るんです』 と相談したら、『イイよ!良介だったらイケるよ!』 って言ってくれたのがうれしかったですね」


――いろんな成長や気持ちの変化を飲み込んでの味方さんの木村伝兵衛! ますます楽しみになりました。


「 『白鳥の湖』 が大音響で流れるあのオープニングを想像しながら台本を読んでいるだけで、『わー、スゴい!』って思うんです。

木村伝兵衛は色っぽいっていうか、エロいというか。『 「白鳥の湖」......そっか、ヤラしいな 』 って。

ちょっとワケわかんないかもしれないですけど(笑)。もちろん年齢が上の人たちがやることで出る色気ってあると思うんですけど、逆に僕しかできない、若さゆえのエロさが出たらいいなと思っています」


★げきぴあ③NL0_8289.jpg

★げきぴあ④NL0_8300.jpg


ライター:武田吏都

--------------------------------------------

【公演情報】

熱海殺人事件 NEW GENERATION

作:つかこうへい

演出:岡村俊一

会場:東京・新宿 紀伊國屋ホール

期間:2017年2月18日(土)~3月6日(月)


出演:味方良介 / 文音 / 多和田秀弥 / 黒羽麻璃央




チケット情報はこちら

チケット情報はこちら


柚希礼音ソロコンサート『REON JACK2』の大阪・東京公演に世界の振付家に認められた上野水香(東京バレエ団プリンシパル)が登場、夢の共演が実現する。昨年4月に『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』で対談し、意気投合した二人が再び語り合った。


...お互いの印象を教えてください。

柚希 上野さんはクラシックバレエをやっていた頃から憧れの存在。対談後、絶対にご一緒したいと思っていました。実は上野さんからもお声がけいただいたのですが予定が合わず。それが、こんなに早く実現するとは!今回、一緒に踊るということで、共に挑戦し、お互いの良いところが出るように、高みを目指します。

上野 柚希さんは宝塚というジャンルを超えた、舞台人としての大きさを持っていらっしゃる。私自身はこれまでバレエ一筋で、いろんなパートナーと踊ってきました。そこで柚希さんと一緒に踊れたら...と、ふと頭に浮かんだんです。自分の何かとシェアできたら舞台上でどう見えるのか、個人的に興味を持ちました。『REON JACK』を拝見したら、バレエのお客様と全く違う客層、雰囲気で、そこに自分が参加できることにワクワクします。

柚希 あの時、ステージ上から上野さんを見つけましたよ。

上野 振りを覚えていなかったから、浮いてたでしょ?

柚希 いや、アームがやたらきれいで目立ちました(笑)。上野さんの舞台にかける本気度、基礎を大切にストイックに取り組む姿は刺激になります。私も毎日自分自身と戦い、挑む姿勢を大切にしてきました。『REON JACK2』で一緒に踊る2人の化学反応、また世界で活躍する錚々たるダンサーたちが命がけで戦う姿、互いに刺激し高めていく熱い姿を見ていただきたいです。アーティスティックでカッコいい、ひたすら感動していただけるステージを目指します。


IMG_2136rコピー.jpg


...セットリストの構想は?

柚希 3月1日発売の1stミニアルバム『REONISM』の5曲を含めると、持ち歌が10曲になるんです。この豪華なダンサーの方々とどの曲で何をやろうか、頭を抱え悩んでいます(笑)。

『REONISM』は中身の濃い5曲。リード曲「僕は何を探してるんだろう?」は、子供の頃に夢を持って何でもできると信じていたけど、壁にぶち当たり、過去を振り返る曲。でも最終的には希望を感じる、今の自分がとても共感できる曲です。「Yes!世界に魔法が降りそそぐ」は明るく可愛いラブの曲。意外でしょ?(笑)。「お気に召すまま」をやったからこそ、この曲を歌いたいと思いました。「太陽を射る者」は、宝塚時代を振り返りつつ、挑戦し続ける自分に重ねて書いていただいた曲。「Two Snakes」と「Witch's Mirror」は幸せや楽しいばかりが愛ではない、ラブのダークサイドについて。森雪之丞さんが「僕は〜」「Yes!」の詞を書いてくださいました。

上野 私は歌のことはわからないけど、歌っている柚希さんの輝きは、踊りやお芝居とはまた違う。柚希さんの発する声や歌から、魅せられますね。

柚希 嬉しい!昔はダンスが一番好きで、歌は難しいと思っていました。でも音程より、どんな人がどんな思いで歌っているのか、心の叫びを表現しようと考えるようになってからは、怖くなくなりました。今回、パシフィコ横浜という特別なコンサート会場では、大阪と福岡では聴けない歌を入れる予定です。ファンの皆様に色々聞きながら、参考にしようかと。





エントレ主催の《第5回クォータースターコンテスト》の結果発表と授賞式が昨年12月に開催され、藤原佳奈さん(mizhen)の投稿動画『マルイチ』がグランプリを含む4賞を獲得しました。


2012年に始まったクォータースターコンテスト(以下QSC)は、演劇・舞台系動画のニュースサイト・エントレが主催する"15分編集なしの演劇動画を競う"コンテストで、グランプリを獲得すると賞金30万円が副賞として授与されます。
グランプリはエンタテインメント分野で活躍するクリエイターが審査員を務め、第5回は鴻上尚史さん、鄭義信さん、別所哲也さん、行定勲さんという豪華な顔ぶれとなりました。

また、協力団体が選出する各賞があり、げきぴあも第1回目から参加しています。

第5回は全国から96本の作品がエントリーされました。
その中から見事グランプリに輝いたのは、
藤原佳奈さん(mizhen)の『マルイチ』です。
4人の審査員全員が1位から3位までのいずれかに選んでいますので、この作品への評価の高さがうかがえます。

各審査員が選んだ結果とコメント詳細はこちら 


物語はバツイチ子持ち同士の男女の恋愛を描いたもの。オリジナルで作ったという楽曲が印象的な音楽劇。男性から見た状況と女性が受け取る感覚の違いをリフレインの手法を用いて効果的に見せています。前半の会話劇から後半の音楽劇に変化する手法など、工夫を凝らした演出もみどころです。

=====================
【動画作品情報】
『マルイチ』
脚本・演出:藤原佳奈(mizhen)
出演:佐藤みゆき、橋本拓也
音楽:黒沢秀樹
撮影:佐々木智崇
協力:藤沢宏光、くるみ、じおん、ミサキドーナツ、フォセット・コンシェルジュ
=====================



そして第5回QSCの【げきぴあ賞】もグランプリと同じ『マルイチ』が獲得しました!
本作はげきぴあを含む3つの団体賞も獲得しています。
各賞の受賞作品はエントレの「第5回クォータースターコンテスト 結果一覧」をご覧ください。


【げきぴあ賞】の副賞はげきぴあへのインタビュー掲載です。
そこで、さっそく脚本・演出の藤原佳奈さんにお話を伺いました。

P1050818.jpg

チケット情報はこちら

ダンス界のカリスマ、新上裕也
ダイナミックさと繊細さを併せ持ち、独特の世界を創造するそのダンスは日本だけでなく海外でも高い評価を集めている。

その活躍はダンス界のみならず、ミュージカル界でもよく知られており、人気ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』では初演よりヴァンパイア・ダンサー(伯爵の化身)として出演し続けるなど、小池修一郎、山田和也、荻田浩一など人気演出家の作品にも多数出演。
また振付家としては昨年の話題作『王家の紋章』を担当、彼が手がけた戦闘シーンのダンスは、作曲家のシルヴェスター・リーヴァイ氏が絶賛したという。

その彼が吉本真悟(ヴァルナ世界国際バレエコンクール金賞受賞)、蔡暁強(元劇団四季、脅威の身体能力を誇るダンサー)、大野幸人(マシュー・ボーン作品や『CHESS THE MUSICAL』など数々の人気作に出演)、横関雄一郎(ローザンヌ世界国際バレエコンクール一位)というハイレベルなスキルを持つ男性ダンサーとともに、待望のオリジナル作品を上演する。

タイトルは CRAZY DANCE SHOW「WEDNESDAY」
新庄を中心に公演にかける思い、また共演の4人のダンサーにも意気込みを訊いた。


★ 新上裕也 ×  吉本真悟、蔡暁強、大野幸人、横関雄一郎  INTERVIEW★


CDS_1.jpg
△ 左から横関雄一郎、吉本真悟、大野幸人、蔡暁強、新上裕也


●区切りの年に、"再生"をしたい(新上)

―― 昨年はミュージカル『王家の紋章』の振付やKバレエ・カンパニーの振付など、大作続きで大忙しだった新上さんですが、構成からご自身で手がける新作は少し久しぶりですね。なぜこのタイミングで新作をやろうと思ったのでしょう。

新上「もともと僕はダンス人生の中で、色々な時に、色々なことをやりたいと思っていたんです。その中でたまたま2017年は僕の個人的なことでキリの良い、節目になる年。ここから先、今まで積み重ねてきたものをなくすことはできないけれど、ひとつ生まれ変わりたい、"再生"したいな、思いました。なので、テーマも『2030年』という、もうさほど未来でもない、次に行く時代、というような設定にしています。「次の時代に進んでいく」という気持ちですね。舞台は2030年12月25日の水曜日なんです」


――タイトルがなぜ『Wednesday』なのか、と一番最初に思いました。

新上「水曜日..."(週の)真ん中"というのと、あと"水の日"、"大いなる水"というイメージがあります。大いなる水がすべてを洗い流してくれる...これも、先ほどの"再生"という意味にも繋がります。「空、風、水、火、土」という5つのエレメントの中で、水だけが大陸と海とか、何かと何かを"繋げる"ものだと思っています。伝えていく、繋げていく、ということも含めて、水の日である『Wednesday』です」

チケット情報はこちら

昨年の世界初演は大好評、チケットは全公演即日完売したミュージカル『王家の紋章』が、今年ふたたび上演されます!

累計発行部数4千万部を誇り、40年間連載が続いている少女漫画界屈指の大ヒット作を原作に、『エリザベート』『モーツァルト!』の音楽を手がけたシルヴェスター・リーヴァイを作曲に迎えて制作された超大作ミュージカル。

原作の魅力を最大限に生かしながらも、深い人間ドラマが描かれたグランドミュージカルとして、原作ファン、ミュージカルファン入り乱れ、大熱狂を巻き起こしました。

その熱狂の渦の中心にいたのが、主人公・メンフィス役の浦井健治
"ミュージカル界のプリンス"として幅広く活躍、いまやミュージカル界のみならず演劇界にとって欠かせない存在となった人気俳優ですが、この初演が、ミュージカルの聖地・帝国劇場での初単独主演でした。

その浦井さんに、初演の思い出や作品の魅力、そして再演への意気込みを伺ってきました。
oumon2017_01_01_F743468_fix.JPG

●物語●

アメリカ人少女・キャロルは、エジプトで友人や恋人共に考古学を研究していた。ある日、ピラミッドの発掘が行われることになるが、それは古代エジプトの王・メンフィスの墓だった。その直後、キャロルのもとに現れた謎の美女・アイシス。弟メンフィスを愛するアイシスの呪術によって、キャロルは古代エジプトへとタイムスリップしてしまう。
彼女を待ち受けるメンフィスとの出逢いや様々な試練、そしてエジプトを狙うヒッタイト王国の王子・イズミル――。数奇な運命が、キャロルを歴史の渦へと巻き込んでいく――。
(公式サイトより)

oumon2017_MTB_0746_0104.jpg

◆ 浦井健治 ロングインタビュー ◆


――初演が去年の8月でした。開幕前から大変な注目で、初日の時点で再演が発表になりましたね。

「こんな短期間での再演って、なかなかないと思います。初日に再演を発表させていただいたというのは本当に光栄なこと。この短期間で、いかに我々ひとりひとりが成長できているか、初演の自分を超えられるかというのがひとつの課題になってきます」


――それから5ヵ月ほどたちましたが、浦井さんの中に、メンフィスはずっといましたか?

「...切り替えないと、次の作品に取り掛かれないというのはあるのですが。でも、どこかにはいましたね。セリフや歌がふとした瞬間に浮かんできたり。それに原作がまだ連載中ですから、新刊が出たりするとやっぱり思い出しちゃう。書店に行って、単行本の帯に自分の写真があったりすると「あっ!」って妙にドキドキしたりして(笑)。あとドラマCDが出る(62巻限定特装版の付属CD)と聞いては喜んだり。完全に"王族"(原作ファンの通称)ですね」


――それにしてもあまりに短いスパンでの再演です。『天使にラブ・ソングを...』などは昨年の5月から始まり、全国ツアー公演を今年の2月までやっていますよ。ひとくくりのプロダクションでもおかしくない期間での再演ですが、でも、初演の形のままでの上演ではないんですよね?

「はい、再演はまた進化したものになります。新曲が追加されるということも発表になっていますし、かなりブラッシュアップされるみたいですよ。より"王族"の皆さんに、ミュージカルファンの方に、そしてミュージカルを初めて観る方にも楽しんでいただけるようにと、スタッフさんたちが総力を挙げてかなりの熱量で取り組んでいらっしゃいます。荻田(浩一)さんは脚本から練り直しているそうで、単なる再演にはならないはずです」
oumon2017_30.jpg

チケット情報はこちら


チャールズ・M・シュルツ原作のコミック『ピーナッツ』の世界観がそのままミュージカルになった『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』が今年、日本では久しぶりに上演されます。

老若男女、誰もが知るあのスヌーピーチャーリー・ブラウンたちが、歌い、踊り、しあわせのメッセージを届けてくれます!

といっても、子ども向けのキャラクター作品ではありません。
今年上演50年を迎える、由緒正しきブロードウェイ・ミュージカルです。

しかもキャストは、チャーリー・ブラウンに村井良大、スヌーピーに中川晃教、ルーシーに高垣彩陽、サリーに田野優花、ライナスに古田一紀、シュローダーに東山光明、というバラエティに富んだ顔ぶれ。
どんな舞台になるのか、ワクワクしますね。

チャーリー・ブラウンを演じる村井良大さん、
スヌーピーを演じる中川晃教さんに、作品やお互いの印象について、じっくり伺ってきました。
peanuts01_01_F742267_fix.JPG



俺たち、カワイイよね!(中川)
"カワイイ"に慣れてきましたね(村井)


――おふたりでお話するのは、今日が初めてだそうですね。

村井「一度、ご挨拶はさせてもらいましたが、こんなにお話したのは、今日が初めてですね」


――でも、いい感じですよ。すでにチャーリー・ブラウンとスヌーピーのように可愛く見えてきました。

中川「ホント!? でも俺たち実際、カワイイよね」(一同笑)

村井「(笑)! ...ですよね~! それは思います。だからキャスティングされたんだなって!...どうしましょう、まわりが笑っちゃってますけど」

中川「いや、今回は"カワイイ"でしょ、俺たち。今回はカワイイでいいんじゃない? でも最初の頃は「カワイイ」と言われると、ちょっと俺たちの年齢の男がそう言われてもなー、と思わなくもなかったんだけど」

村井「「禁句です」って言ってました。でも慣れてきましたね(笑)」

中川「もう、"カワイイ"でいこう!」

▽ 村井良大
peanuts01_24_F742311_fix.JPG
▽ 中川晃教
peanuts01_21_F742399_fix.JPG

チケット情報はこちら

シアタークリエ開場10周年を飾るシリーズ1作目として、2017年1月4日(水)に開幕するマイケル・メイヤー演出、柚希礼音主演の『お気に召すまま』。2007 年トニー賞最優秀演出賞を受賞したマイケルさんに何年も前からコンタクトを重ね、やっと実現したという記念すべき日本初演出作品です!

原作はシェイクスピアの傑作喜劇『お気に召すまま』ですが、今作はマイケル・メイヤー版として新たな世界観で描かれます。キービジュアルからもわかる通り、時代設定をマイケルが「アメリカが一番自由で幸せだった時代」という1967 年に置き換え、劇中の"アーデンの森"はサンフランシスコのSummerof Love (10 万人のヒッピーが集まったイベント)に、"宮廷"は当時のワシントンDCに!

マイケルさんのポップな世界と、"シェイクスピア作品で最も幸福な喜劇"と言われるロマンティックな世界が融合した本作が一体どうなるのか...気になりますよね! そこで、『お気に召すまま』の名台詞「人生は舞台 ひとは皆役者に過ぎぬ」を語る登場人物・ジェイクイーズを演じる橋本さとしさんにお話を聞かせていただきました。

IMG_6932r.JPG

チケット情報はこちら

レストランを訪れた客たちの人間模様を、ユーモアとペーソス溢れるオムニバス形式の芝居と音楽で見せる舞台『ア・ラ・カルト』。89年の初演以来、毎年12月に青山円形劇場で上演されていたものの、14年、劇場閉館と共に一区切りを迎えた本作が、昨年の『ア・ラ・カルト Live Show』を経て、今回「移動レストラン」として帰ってくる。

alacarte01.jpg

「シアターイーストの空間でどんなものを作れるのか、まだ想像がつかないです。ただ、劇場然としたプロセニアムの舞台にはしたくないので、突然そこにレストランが現れた、という感じにしたいなと思ってます。移動遊園地のように、ある日できたと思ったら、翌朝には消えていて、次はどこに現れるのかなあ?というような雰囲気でできたらいいですね」と、これまで毎回、同作の台本を手がけ、主演もこなしてきた劇作家で俳優の高泉淳子は語る。

「レストランにやって来る人がどういう人達で、そこに来るまでにどんなことがあったのかを、食事の場面だけで描き出すのは、書き手としての腕の見せどころ。ア・ラ・カルトは1つの話を15~20分で表現しなくてはならない。大変です。今回は、こちらのテーブルでは食べ続けていて、あちらのテーブルでは何やら話し込んでいる......というふうに映画的に作ってみようかなと考えています」

alacarte02.jpg

『ア・ラ・カルト』と言えば、豪華ゲストも楽しみの一つだ。今回は、池田鉄洋、近藤良平、春風亭昇太、三谷幸喜、山田晃士、ROLLYが日替わりで登場。

「三谷さんとはお互い劇団の頃からのお付き合いですが、『ア・ラ・カルト』今回初登場。昨年、リーディング公演で出演して頂いたところ、台詞も歌も素晴らしくて。この作品に出演してもらうことが夢でした。嬉しいです! ROLLYはもうレギュラーメンバー。『ア・ラ・カルト』を毎年盛り上げてくれているお方です。クリスマス時期に会わないと落ち着かないですね。音楽も人柄も素敵な人で、会う毎にお芝居も上手くなっていて。昇太さんは今年、笑点の司会はするは、来年大河に出演するはで、今、絶好調。歌います、トロンボーンも吹きます、小咄も披露してくれます。ありがとう、昇太さん! 近藤さんは自由人。以前出演してくれた時、台本読んできてなくて(笑)。でも役者とは違った味があって良いんだなあ。そして近藤さんの踊り、必見です! 池鉄さんは昔、深夜のドラマで見てファンになり、何度も出てもらっています。いつも掛け合いが楽しみ。山田晃士さんは、私が彼の音楽ユニット『ガレージシャンソンショー』の大ファンで。去年、『ライブハウスだから大丈夫』とだまして(笑)芝居もやってもらいました」

舞台では、俳優達が実際に食事を食べ、ワインを飲みながら演じる。

「これまで、芝居作りのために色々な料理人の方々にお会いしてきましたが、料理を創り出す人は劇作家でもあり役者でもあり演出家でもあるんですね。学ぶことが多いです。創った芝居が終わると消えてしまうことを寂しく思った時期もあったけれど、お料理こそ、ずっと仕込んできたものが、口の中に入ったら、芝居よりも短く、あっという間に消えてしまう。それでも見えないところにも思いを込めて作って、語らず、強制せず、また来たいと思わせる。私の芝居もそうでありたいと願っています」

取材・文:高橋彩子

alacarteビジュアル.jpg

公演情報
2016/12/16(金)~12/26(月) 東京芸術劇場 シアターイースト
2016/12/28(水)~12/29(木) 近鉄アート館

チケット情報はこちら

チケット情報はこちら

演劇×音楽の人気シリーズ第3弾、豪華キャストの意外な一面を大放出!!

絶賛ツアー開幕中の『サンバイザー兄弟』より、作家と出演者のインタビューを前後編でお届けするスペシャル企画。後編はりょうさん三宅弘城さんそして宮藤官九郎さんの3人をお迎えし、アメリカ映画『ブルース・ブラザース』に触発されたという最新作『サンバイザー兄弟』への意気込みを伺いました。そこで明かされたりょうさんの20年越しの思い、三宅さんが挑む初めてのアレとは......。想像力をフル稼働しても追い付かない宮藤ワールドの一端に触れ、いよいよ本番が待ちきれなくなるはずです!


「ありそうでなかった素っ裸のボクサー役。そこは冒険です」(三宅)

DB3A2823.JPG

--それぞれの役どころから教えてください。

宮藤りょうさんは極妻です。『ブルース・ブラザース』も、ジェイクが意味なく謎の女に追いかけられていて、あれがすごい好きなんですよね。悪役は女の人がいいなと思って、ヤクザなので極妻。しかも役の触れ幅が大きいほど面白いので、出演がりょうさんに決まってから色々と設定を足しました。煩悩が一杯ある役です。」

りょう 「清野菜名ちゃんが、凄く自分に近い役だったそうで、みんなも「そうだよね~」という感じなんですけど、私はすごい誤解されてるなと(笑)。」

宮藤 「でしょうね(笑)。」

三宅 「でもいるよね、ヤクザから神父さんになる人とかね。」

宮藤 「実際に極道の妻から弁護士になった女の人とか、参考にしました。見た目は普通なのに入れ墨があるんですよね。本当の性格はどちらなんだろうなとか。」

--三宅さんや、宮藤さんの役柄は?

宮藤 「三宅さんはボクサー役。昔のギャング映画やちょっといかがわしい話には、必ずと言っていほど賭けボクシングの場面が出てくるんですよ、だいたい絡んでくる。三宅さんがボクシングをやってたことは知っていたので、それは使えるだろうと。」

三宅 「今回は、僕のせいで物語が始まるんですよね(苦笑)。」

宮藤 「僕はホステス役だったり。まだうろ覚えなので本番で迷惑かけないように、新人のような気持ちでやってます。」

--りょうさんは、念願の宮藤作品初出演ですね。

りょう 「官九郎さん、大好きです! 稽古では、今までに経験したことのないような瞬発力を求められるというか。普通はもうちょっと役について固められるんですけど。何が起こるか分からない、本当にライブだなと。」

--その場合、どこを頼りに役作りを?

りょう 「官九郎さんに言われたことをやろうと。皆川(猿時)さんと一緒の時に、さらにライブ感が上がりますので。」

宮藤 「一人野放しの人がいるので(笑)。皆川さんはラッパー役。彼と絡むとどうしてもライブになってしまう。でも、りょうさんはまだ固まってる方ですけどね。」

りょう 「どこか1本筋を通そうと思うんですけど、それが叶わない。それはいらないんだなと思うんですけど、難しいですね。」

宮藤 「岩下志麻さんみたいに最後までビシッとやったり、色んな役を演じてもらうよりは、あえて一つの役の中でブレてる方が面白そうだなと思って。書いてくうちにシフトしました(笑)。」

りょう 「強い時もあるし女っぽい弱さもある。今は、その瞬間瞬間でイキイキやっていれば、ヒールなんですけど結構愛おしく感じるかなと。思いっきりやってます。」

--三宅さんはボクサー役ということで、役作りのポイントは?

三宅 「髪の毛ですかね。後ろ長くして、横刈ってみたいな。」

宮藤 「辰吉(丈一郎)の感じで。あとは肉体美ですよね。ボクサーなのでほとんど脱いでます。」

三宅 「前作『高校中パニック! 小激突!!』での客いじりもそうですが、宮藤さんとは付き合いが長いんですけど、意外と初めてのことをやらせて頂けるので。今回も今までやってそうでやってなかった素っ裸っていう、そこは冒険です。」

--りょうさんは、ピアノ演奏にも挑戦されるとか。

宮藤 「2曲弾いて頂きます。1曲を2回弾くので3曲ですね。もともと1曲の約束だったのが、後から1曲足しちゃったんですよ。それは申し訳なかったなと。」

りょう 「大丈夫です。最初の1曲は1ヶ月ぐらい前から毎日1、2時間練習して、なんとか弾けるようになったんですけど。2曲目の練習を始めたら最初の曲を忘れてしまって、「全然弾けない!」と慌てた時期もありましたが、今は落ち着いてきました。」

三宅 「安心して聴いていられますけどね。弾き方がカッコいいんですよ。」

りょう 「足を広げて体全体でリズムをとりながらじゃないと、弾けないんですよ。そうしたら足の前に幕ができました。」

宮藤 「思いきり弾いて頂くために。基本、和装なので(笑)。」

カテゴリー

ジャンル

カレンダー

アーカイブ

劇団別ブログ記事

猫のホテル

文学座

モナカ興業

谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇団青年座

劇団鹿殺し

 はえぎわ

柿喰う客

ONEOR8

M&Oplaysプロデュース

クロムモリブデン

演劇集団 円

劇団チャリT企画

 表現・さわやか

MONO

パラドックス定数

石原正一ショー

モダンスイマーズ

ベッド&メイキングス

ペンギンプルペイルパイルズ

動物電気

藤田記子(カムカムミニキーナ)

FUKAIPRODUCE羽衣

松居大悟

ろりえ

ハイバイ

ブルドッキングヘッドロック

山の手事情社

江本純子

庭劇団ペニノ