■ミュージカル『グランドホテル』vol.14■
【ぴあニュース】
「まったく別の作品」ふたつの『グランドホテル』まもなく開幕
4月9日(土)に開幕を控えるミュージカル『グランドホテル』の出演者たちが7日、舞台稽古のさなか会見を開催した。英国出身の鬼才、トム・サザーランドが演出を手がけ、キャストをGREENとREDの2チームに分け、結末も2パターン用意する注目の作品。主演は中川晃教(GREEN)と成河(RED)。ほかに元バレリーナの草刈民代(RED)や、これが初ミュージカルとなる真野恵里菜(RED)など、様々な個性を持ったキャストが集結し、"ふたつの『グランドホテル』"を描き出す。
グレタ・ガルボらが出演した映画でもよく知られる作品だが、物語は1920年代のベルリンを背景に、豪華なグランドホテルに行きかう人々の人間模様を描く群像劇。中川と成河が演じるのは、重い病を患い、残された日々をグランドホテルで過ごそうとやってきたオットー。それぞれ「グランドホテルで人生を探したい、そんなオットーを生きられたら。舞台の端から端まで、上も下も、全部余すことなく堪能していただく舞台です。集中してやっていきたい」(中川)、「華やかで煌びやかで、かつ影がある作品。オットーはその中で、哲学的なメッセージを背負ってホテルを出て行く存在ですので、その部分を注目していただければ」(成河)と意気込みを語った。
なんといっても見どころは、2チームが全く異なる結末だということ。稽古も別で、お互いがどうなっているのかを出演者自身も知らないという。両チームに出演する藤岡正明は「こんなに違うと、(2パターン)覚えるのが本当に大変、と稽古をしながら思っていました。まったく別の作品を観るつもりで来ていただければ」とアピール。同じく両チームに出る湖月わたるも「セットの転換も違うし、場面の見え方が全然違う。私は素敵な男爵(宮原浩暢、伊礼彼方)とバレエを踊らせていただくのですが、そのシーンはまったく同じ曲なんですが、まったく違う振付になっています」と話す。
和気藹々とした雰囲気の中、ソツなく両チームのアピールをするキャストが多い中、「作品としてはREDの方が1ナノくらい面白いんじゃないかな」(吉原光夫/RED)、「負けてらんねえ!と思います。僕はREDとGREENのバトルだと思ってます」(伊礼彼方/RED)、「宣戦布告をされましたが、僕はあんまり戦ったりするのは好きじゃない(笑)。最終的にはお互いいい作品になればと思いますが......やっぱり負けられませんね」(宮原浩暢/GREEN)など、ライバル心をむき出しにした発言も。ぜひ両チームを見比べてみてほしい。
公演は4月9日(土)から24日(日)まで、東京・赤坂ACTシアターにて。その後、愛知、大阪公演あり。チケットは発売中。
◆ REDチーム フォトコール ◆
▽オットー・クリンゲライン役、成河
▽エリザヴェータ・グルシンスカヤ役、草刈民代
▽フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵役、伊礼彼方
▽フレムシェン役、真野恵里菜
▽ヘルマン・プライジング役、吉原光夫
▽ラファエラ役、土居裕子
▽オッテンシュラッグ医師役、佐山陽規
▽エリック役、藤岡正明
▽スペシャルダンサー役、湖月わたる
湖月さん、ご自身の役の紹介を「DEATH、死」と仰ってました。
グルシンスカヤとラファエラの関係性がどう描かれているのかも気になるところ。
男爵とグルシンスカヤは、恋に落ちます。
▽ズィノヴィッツ役、大山真志
公開稽古でも気になってしまった、吉原社長を肩にかつぐ藤岡エリックです。
そんなところばかり注目してしまってごめんなさい...。
というより、本当に舞台上、色々なことが同時に起こっていて(中川さんの言葉で言えば「舞台の端から端まで、上も下も、全部余すことなく堪能していただく舞台」)、目が足りない!という状態なんです。
青山航士さん扮する運転士もとっても気になる存在!
杉尾真さんも目を引きます。
さまざまな顔を見せていく舞台セットも注目。
エリックの笑顔♪
取材・文・撮影:平野祥恵
【バックナンバー】
#12 公開稽古レポート
【公演情報】
・4月9日(土)~24日(日) 赤坂ACTシアター(東京)
・4月27日(水)・28日(木) 愛知県芸術劇場 大ホール
・5月5日(木・祝)~8日(日) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)