ミュージカル『グランドホテル』#2 成河 ビジュアル撮影レポ&インタビュー

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■ミュージカル『グランドホテル』vol.2■


今春の『タイタニック』も大好評を博したロンドンの若き鬼才、トム・サザーランドが贈るミュージカル『グランドホテル』
1920年代の大都市ベルリン、華やかなグランドホテルを舞台に、そこに集う人々の人間模様を描いていく作品で、ブロードウェイでは1989年に初演、日本では1993年に宝塚歌劇団月組が上演した名作中の名作です。

今回は、〈GREEN〉〈RED〉の2チームでの上演なのですが、こちら、単なるWキャストではなく、トムさんがそれぞれのチームとじっくり向き合い、そのチームの個性から生まれるドラマを大切にしていくそうで、なんと結末も2パターン用意される予定、とか!

げきぴあではこの注目のミュージカルのビジュアル撮影現場を取材、同時にキャストインタビューも行ってきました。

今回はREDチームで主人公・オットーを演じる成河さんに迫ります。
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成河さんといえば、軽やかにどんな役も演じてしまう、その演技力の高さが観る者を惹きつけ、国内外の演出家たちに引っ張りだこですが、この手のミュージカルへの出演は非常に珍しい。
演劇ファンもミュージカルファンも、成河さんが演じるオットー、気になるのではないでしょうか!?


◆ ビジュアル撮影レポート ◆


成河さんが演じるオットー・クリンゲラインは、重い病を患う元会計士。
貯めたお金を全て使い、人生最期の日々を豪華なグランドホテルで過ごそうと、ここにやってきました。
ミュージカルと言って抱く華やかなイメージとは一線を画した、重いものを背負っているような主人公です。
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デザイナーさんと、全体のコンセプトなどを確認中。
「笑顔は基本、なくていいですから」とデザイナーさん。
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しかも場所は1920年ベルリン、やがてナチスが台頭してくるという時代。オットーはユダヤ人でもあります。
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のちほどお話を伺ったところ、(まだ稽古まで数ヶ月あるどころか、脚本も出来上がっていない状態での撮影でしたので)「言われるがままですよ!」と笑っていらした成河さんですが。
何か、見るものの心に訴えかけてくるような、そんな空気感がすでにありました。
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成河さんが演じるオットー、どんな風になるのでしょう。
お話も伺ってきましたよ!


◆ 成河 INTERVIEW ◆

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――過去にも『ハムレット』に出演されたり、今夏には『100万回生きたねこ』に主演されていましたし、ミュージカルと銘打たれた作品にも出られていますが、こういったグランドミュージカルには初めての挑戦でしょうか?

「クラシックなミュージカルは、初めてです。ただ、『グランドホテル』というのは群像劇の基礎を作ったと言われるような作品だとを伺って、それを演劇的に深めた形でミュージカルにしたい...ということで、声をかけてくださったことが、とにかく光栄で。華々しいミュージカルの世界に入らせてもらうのではなく、自分が今までやってきたことを、ミュージカルという中でどこまで活かせるのかなということを、楽しみにしています」


――『グランドホテル』という作品自体についてのイメージは?

「そういえば僕も、群像劇を指す〈グランドホテル方式〉という言葉を聞いたことがあったな、って(笑)。とにかく群像劇の基礎になっているというところに興味を惹かれました。あるひとりの人物や物事に焦点を当てるのではなく、様々な人物の生き様に焦点を当てて、それが折り重なっていくことで何かが見えていく...。その効果は、ものすごく演劇的でもあります。そういう作品が、ミュージカルで、しかも日本で上演される、そこに参加できるのが嬉しいです」


――ホテル自体はとても豪華なホテルです。

「きらびやかな中に影がある、そこがたぶん一番大事なんじゃないかな。絢爛豪華な中に、人物の陰影を持たせられるというのがすごく素敵なことだなと思っています。特にこのお話はこの直後にナチスが台頭してくる。その足音が聞こえてくるようなところもある。そういう皮肉がまぶされているような部分にも、惹かれます」


――演じるオットーも、決して派手な人物ではないですね。

「本当ですね。人間臭いといいますか。...おそらく全員が人間臭くて、誰もに共感できる。誰もがそれぞれの人生を背負っている。ひとりひとりが、きちんとくっきり浮かび上がることで、作品が成立するんじゃないかな」


――先ほどの撮影はどんな気持ちで臨んでいましたか?

「まだ(稽古もずいぶん先で)オットーのイメージもわからず、言われるがままでした(笑)。でもシルエットで撮ったりもして、出来上がった写真を見せていただいて、ちょっと何かオットーがわかる感じがしました。きっと...陰影のある作品であったらいいんじゃないかな、と」
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――演出は、英国演劇界で注目のトム・サザーランドさんです。お会いしたことは?

「一度、お会いしました。大劇場でもやられてますが、特にオフ・ウェストエンドで活躍されている方ということで...日本でいうと小劇場ですよね? 日本ではなかなか"小劇場でミュージカル"というのは発想しずらいのですが、きっと彼らの土壌の中ではそういうことがありえるんだろうし、すごく自由にミュージカルというものを捉え、作ってきた方なんだなという匂いがしました。セリフを掛け合いでやらせていただいたのですが、当たり前のように親身に芝居をつけてくださって、話をきいてくださった。自分のやってきたことを、この人と一緒に作り上げていけたら面白くなるんじゃないかなって手ごたえを感じました。オットーもトムさんが僕たちに宛ててどういう設定に書き換えてくれるのかということも含め、稽古しながら決まっていくことも多いと思うので、自分であまり決め付けずに、フラットな気持ちで稽古に入っていけたらと思います」


――ダブルキャストで、2チームに分け、結末も少し変えるそうですね。

「面白いですね、そういう発想の自由さが。脚本も書ける方だと聞きましたので、それぞれの稽古の進行を見て、書き換えていくんでしょうね。彼の中で自由度が膨らむんでしょうね。すごく期待をしています。あと僕、ダブルキャストって初めてなんですよ。ちょっと、どうしていいかわからなくなりそうですが(笑)。でもひとのやっていることを見られるといういのは、きっといいことしかないと思っています」


――最後に。ご自分が今までやってきたことをぶつけ、この世界の中でどう活かすか...とお話されていましたが、成河さんが持つ強みは、何だと考えていらっしゃいますか?

「好奇心が人一倍強いこと、かな? やってみたくないことは、一個もないので。知らないことはどんどんやってみたいです。この作品は色々な出会いもありそうですし、人への好奇心だけは枯らさずにいたいと思っています!」
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取材・文・撮影(ビジュアル風景):平野祥恵
撮影(インタビュー):源賀津己

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