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1983年にブロードウェイで幕を開け、人生のほろ苦さを描く芝居と華やかなレビューシーンでトニー賞6部門を受賞した名作ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』。
ジョルジュとアルバンというゲイ夫婦の哀歓は、現在にも通じる人間ドラマとして2005年と2010年にもリバイバル上演、再びトニー賞を受賞している。
日本初演はブロードウェイからすぐの1985年で、こちらも現在まで再演を重ね大ヒット。
日本初演30周年を迎える今年、キーパーソンとなるジュルジュの息子ジャン・ミッシェルを演じることになった相葉裕樹に聞いた。 

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「ラ・カージュ・オ・フォール」は南仏サントロぺの大きなゲイクラブ。オーナーであるジョルジュ(鹿賀丈史)と華やかな"美女ザザ"として大人気のアルバン(市村正親)は、
20年間、夫婦として生活してきた。ジョルジュは息子ジャン・ミッシェル(相葉)を溺愛し、アルバンも母親がわりとなってジャンを大切に育ててきた。
そんなある日、ジャンが突然結婚したいと言い始める。相手はよりによって、保守派の政治家として知られるダンドン議員(今井清隆)の娘アンヌ(愛原実花)。
ダンドン夫人(森公美子)も伴い挨拶に来るというジャンに、ジョルジュとアルバンは慌てるが...。 

鹿賀と市村という、日本ミュージカル界の双璧ともいえる"夫婦"の息子役。多くの舞台作品で安定した実力と華やかなたたずまいを見せる相葉だが、
今回はさすがに「日生劇場の舞台に立つのも初めてで、出演が決まった時は本当に僕でいいのかな? と正直思いました」と率直な心境を語る。
過去の上演も記録映像で鑑賞済みだが「薄めでチラチラと見るようにしました」という。その理由は「素晴らしい俳優さんばかりですし、見たら話し方や歌い方に影響されてしまいそうで(笑)。
でもせっかく僕を選んでいただいたのだから、歴代の方たちとはまた違う、自分なりのジャンを作れたらいいなと思います」と笑顔で話した。 

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とはいえ『PIPPIN』や『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』など、ブロードウェイ製ミュージカルには、メインキャストで出演済み。
「でも僕は、特に"ブロードウェイミュージカルだから"とか意識したことはないんですよ。作品の大小に関わらず、まず役として生きること、
そしてカンパニーでの自分の役割をまっとうすることを第一に考えます。今回も光栄だという気持ちは保ちつつ、それには振り回されないでいたいですね」と相葉。
ちなみにセリフを覚える時は、しばしば公園に行くのだとか。「子供たちのキャッチボールの声を聞きながら台本を読むのが心地よくて」と相葉は話す。
ブレない軸をもって、一歩ずつ前へ。そんな彼の、大舞台での姿を期待したい。 

公演は2月6日(金)から28日(土)まで東京・日生劇場、3月6日(金)から8日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。両公演ともにチケット発売中。 

取材・文 佐藤さくら

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【チケットぴあニュース】


山本耕史、濱田めぐみらが出演するブロードウェイミュージカル『メンフィス』が1月30日、東京・赤坂ACTシアターで開幕した。音楽をボン・ジョヴィのデヴィッド・ブライアンが手掛け、2010年トニー賞では4冠に輝いた名作。日本ではこれが初演となる。
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物語は1950年代メンフィスが舞台。音楽好きの冴えない無職の白人青年・ヒューイは、黒人オーナーの経営するクラブで黒人歌手フェリシアの歌声を聴き、恋に落ちる。彼女や、その仲間たちが歌う音楽に惚れこんだヒューイはやがてラジオ局にDJとして就職、白人社会ではタブーとされていた黒人音楽を流した。彼の番組は大反響となり、次第に黒人音楽は受け入れられていく。フェリシアも歌手として評判を得て、ふたりは恋心を募らせていくが、それでもやはり白人と黒人の恋は世間には受け入れてもらえず......。
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音楽の力が異文化を繋ぐ...というのは、ミュージカルというジャンルが得意とする王道のストーリー。だがデヴィッド・ブライアンによるソウルフルな楽曲群が、新鮮さと力強さを運ぶ。そしてなんといっても、肝となる音楽をパンチのきいた歌唱で響かせたキャスト陣が素晴らしい。ヒューイ役の山本耕史は異文化の相手の懐にもいつの間にかもぐりこむ愛嬌と、色気ある歌声が良い。さらにフェリシア役の濱田めぐみの歌声は聴く者を恋に落ちさせるパワーがあり、黒人音楽を広めたいというヒューイの熱の原動力になる説得力が見事に生まれていた。ジェロ、吉原光夫らの歌声も力強く、まさに黒人音楽の特徴である自由さと楽しさをキャストたちが体現している。
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日本演劇界に燦然と輝くミュージカルの金字塔、『レ・ミゼラブル』
ヴィクトル・ユゴーの同名小説を原作とし、19世紀初頭のフランスの動乱期を舞台に「無知と貧困」「愛と信念」「革命と正義」「誇りと尊厳」といったテーマを描く壮大な作品です。
日本では1987年に初演。
その後も上演を繰り返し、2013年には、ロンドン初演から25年を記念し舞台装置からキャラクター造形までを一新した"新演出版"を日本でも上演。
映画版のヒットもあいまって、大反響となり、その凱旋公演千秋楽に早くも2015年の再演が発表になりました。

(2013年の記事より)

そんなファン待望の『レ・ミゼラブル』、いよいよチケットが発売開始になります!

★座席選択プリセール(WEB先着先行)受付決定!★
受付:1/31(土)10:00~2/5(木)18:00 ※4月公演分


そんな中ですが、本日は、昨年11月17日にキャスト総勢73名が集結して行われた制作発表記者会見の模様をお届けします。

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この日は報道陣のほか、事前募集の抽選で当選したオーディエンス300名も会場に。
このオーディエンスの応募は5000通あったそうで、ファンの期待の高さが伺えます。

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開幕が近づいてきましたミュージカル『ボンベイドリームス』
インドらしい音楽とダンス満載の作品で、中毒性の高そうな作品になっています!
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1月某日に稽古場を取材してきたげきぴあですが、稽古場で(少しですが)主人公アカーシュ役の浦井健治さんにお話しもお伺いすることができましたので、今回はそのインタビューをお届けします!

★稽古場レポート前編はコチラ

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★ 浦井健治 INTERVIEW ★



――現在の稽古場はどんな雰囲気ですか?

「楽しいですよ! ラフマーンさん(A.R.ラフマーン。インドのモーツァルトと称される)の楽曲がすごいノリノリだというのもあって、稽古場が明るく、笑いが絶えないんですよね。老若男女楽しめる楽曲で、出演者もスタッフもリズムを刻んでしまうようなナンバーが多いので、お客さまにも楽しんでもらえると思います。耳で楽しめる、それがまずありますね。
さらに目で見ても楽しめるようにと、梅棒さんと原田(薫)さんがつけてくれた振付が、これまた面白くて! 各キャラクターの個性を活かしつつ、ふんだんにインド色も取り入れながら、ド派手に振付していただいているので、目でも楽しめるものになっています。
それにこのカンパニーは団結感がとにかく凄いんです。例えば、稽古の動画を梅棒さんが上げてくれて、みんなが復習できるような環境を整えてくれたりするんです。そういう成功させようとする強い気持ちをみんな持っていて、その積み重ねがみんなを仲良くさせているのだと思います。それもまた舞台の上に反映されて、お客さまに楽しさとして伝えられたら素敵ですね」

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日本初演!の開幕が近づいてきましたミュージカル『ボンベイドリームス』
『ムトゥ・踊るマハラジャ』『スラムドッグ$ミリオネア』などの音楽を手掛けた"インドのモーツァルト"、A.R.ラフマーンが作曲を手掛ける、インド風味満載の"マサラミュージカル"です。

物語はボンベイが舞台。
映画スターになることを夢見ているスラム街の青年・アカーシュが、ひょんなことから映画スターへの道を駆け上がっていくものの...というストーリー。
出演には浦井健治すみれ加藤和樹朝海ひかるといった華やかな顔ぶれが揃いました。

1月下旬某日、この注目作の稽古場を取材してきました。
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この日のお稽古はカーテンコールの練習からスタート。
本編をすっとばし、いきなりのカーテンコール取材!(笑)...と思ったのですが、この作品のノリの良さ音楽の中毒性がダイレクトに伝わり、一気にテンションが上がりました!
インドに詳しくない担当ですが、それでも「うん、インドだ、マサラだ!」と思う、インド感満載の音楽!!
すごく耳に残ります。
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ちなみにその中毒性のある楽曲の数々ですが、この作品のために書き下ろされたものに加え、すでにヒットしていたラフマーンさんの楽曲も盛り込まれているとのこと。
ラフマーン・ファンにとっては「あの曲、キター!」となるのでしょうし、
知らない方にとっても、すでに名曲のお墨付きがついている楽曲が次々と登場するのでお楽しみに...ということですね。
この作品のテーマ曲のようになっている(宣伝映像にも使用されていますし、制作発表でも披露されました!)『Shakalaka Baby』も、もとは映画用に作られた音楽です。


浦井さんもカメラ目線でダンス。ありがとうございまーす。
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『Golden Songs』予定楽曲発表!

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梅田芸術劇場10周年を記念するミュージカルコンサート『Golden Songs』が2・3月に開催されます。
梅田芸術劇場で上演された名作の数々が、公演にゆかりのある豪華キャストの歌唱で蘇る...!

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出演者はこちらの方々です。(敬称略)

朝海ひかる(東京公演=2月21日(土)12時30分/17時30分、2月22日(日)14時00分、2月23日(月)14時00分、大阪公演=全日程)
安蘭けい
石井一孝
一路真輝(東京公演=2月18日(水)14時00分、2月19日(木)14時00分/19時00分、2月20日(金)14時00分、大阪公演=全日程)
伊礼彼方
湖月わたる
姿月あさと
樹里咲穂
中川晃教
春野寿美礼
平方元基
マテ・カマラス
山崎育三郎


■日替わり出演者■
霧矢大夢 2月13日(金)17:30公演
田代万里生 2月14日(土)昼12:30公演/17:30公演 
花總まり 2月15日(日)14:00公演、2月16日(月) 14:00公演
城田優 2月19日(木)14:00公演/19:00公演 

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力強くも美しい歌声で『ミス・サイゴン』のクリス役など、数々の当たり役を得てきた歌手で俳優の藤岡正明が、ロンドン発のミュージカル『タイタニック』に出演する。 

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日本では映画版や壮大なセットで話題を集めたブロードウェイ版などで知られるが、本作は英国の気鋭演出家トム・サザーランドによる新演出版。歴史的悲劇に愛や希望を見出したドラマティックな群像劇だ。「台本を読むだけでも様々な人間の考えや思いが交錯していて、どの目線から見ても物語が成立する。最初にひどいと思った人物も、2度目にその人の立場で物語を読み解くと、痛いほど気持ちが分かったり。悪者がいない。地球上に住む60億人すべての人間の共感に値するものが、絶対にあるんじゃないかな」 

【公演レポート】

ミュージカル『モーツァルト!』が東京公演を経て現在、大阪・梅田芸術劇場 メインホールで上演されている。日本でも2002年の初演以来上演を重ねる、ウィーン発の人気ミュージカル。主人公のヴォルフガング・モーツァルトはWキャストで井上芳雄、山崎育三郎が務めているが、今回は山崎ヴォルフガングを観た感想を記す(井上バージョンのレポートはコチラ)。
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山崎ヴォルフガングは、初参加だった前回2010年公演とはまったく違う顔を見せていることにまず驚かされる。懸命さが際立っていた前回に比べ、余裕すら感じられる落ち着きっぷり。そのせいか、俳優・山崎育三郎自身が持つキュートな魅力が隅々までいきわたったヴォルフガングになっていた。それはやんちゃではあるけれど、どこか育ちの良さを感じさせる青年像だ。山口祐一郎扮する大司教コロレドに反発する姿などは、才能ゆえの傲慢さというより、若さゆえの甘えといった印象。今までに見たことのないタイプの新鮮なヴォルフガングだ。
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トニー賞5部門受賞の名作ミュージカルを全く新しい視点から再構築したトム・サザーランドの新演出版ミュージカル『タイタニック』。豪華客船が辿る歴史的な悲劇に人々の愛や希望を見出し、ドラマティックな群像劇に仕立てた。2013年のロンドンで最もチケットが入手困難と称された話題作が2015年3月、早くも日本初上陸を果たす。

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事故の混乱の最中、冷静沈着に乗客を誘導する二等航海士ライトーラー役には注目の若手、小野田龍之介。プロダンサーを母に持ち、子役として数々の舞台経験を積んできた。2011年には「シルヴェスター・リーヴァイ国際ミュージカル歌唱コンクール&コンサート」で特別賞に輝くなど、その実力は折り紙付きだ。

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おなじみのJ-POPに乗せたダンスをストーリー仕立てで展開する、男性のみのダンスエンターテインメント集団、梅棒。一見、大人しく真面目そうなお兄さんたちなのに、舞台では180度変わり、暴走族からオタク、アイドルの女の子までさまざまな人物を演じパワー全開のダンスを見せてくれる。今回、インドの映画界 ボリウッドを舞台に、青年の栄光や挫折を描くミュージカル「ボンベイドリームス」で、梅棒から伊藤今人、梅澤裕介、鶴野輝一、塩野拓矢、櫻井竜彦、楢木和也のメンバーが振付・出演で参加する。彼らに話を聞いた。


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写真左から:楢木和也、櫻井竜彦、梅澤裕介、鶴野輝一、伊藤今人、塩野拓矢 (敬称略)


―まず、出演の経緯をお聞かせ下さい。

楢木和也(以下、楢木) 梅田芸術劇場の担当プロデューサーの方が僕らのことを見て、面白い団体だなと興味を持って下さって。「ボンベイドリームス」を作るにあたって、インドのミュージカルということもあり、僕らのスタイルが「ボンベイドリームス」の世界にあうんじゃないかと声をかけて頂きました。僕らもミュージカルに出るのは初めてなので、ぜひ、やらせてくださいと。梅棒としては出演はともかく、振付として関わることも初めてです。

―インドを舞台にしたミュージカルですが、どう梅棒らしさを出そうと思われていますか?

伊藤今人(以下、伊藤) うーん、いい意味で原作をあまり意識せず、楽曲からもらったイメージに直結したものを作っていけたら。もちろん、作品の内容やインドの背景は意識しますけど、何かに縛られるのではなく、僕ららしさが出ればと思っています。

―ダンサーの原田薫さんも振付・出演されますが、振付はどういう風に?

伊藤分け合うと思います。演出の荻田浩一さんからどの曲を誰が振り付けるとはまだ聞いていないんですけど、同じジャズダンスではありますが、原田さんとは全くスタイルが違うので、当然振付も変わってきますね。一緒に作るのも数曲あるかもしれません。今は、楽曲と譜面をいただいている状態です。原田さんはダンサーの技術も経験もある方ですから、僕らも勉強になりますし、原田さんにも僕らのスタイルの面白いところや新たなダンスの一面を感じてもらえれば。

―楽曲の印象はいかがですか?

塩野拓矢(以下、塩野)思っていた以上にインドでしたね(笑)。でもインドといっても完全な伝統的な音楽ではなく、ポップス寄りなので、それをどう解釈して振り付けるかです。インド舞踊を意識するよりは、ヒップホップやジャズダンスをどう合わせていくかという方向の方が面白いと思います。

―梅棒としては、インドのダンスになじみはありますか?

伊藤:ないです(笑)。基本的に日本にインドのダンスはあまり入ってこないから、なじむ機会もないですけど、原作はインド人しかやっていないダンスを踊っている訳ではない。塩野君が言うように、インドテイストが混ざった楽曲で、ヒップホップだったりという方向性になるので、想像はできますね。

―ミュージカルは初挑戦です。

伊藤:僕らの公演は、一曲一曲のストーリーを考えて、ダンスとして表現していく。例えばイベントに出るときは、一曲だけの物語を考えるのですが、劇場公演をするときは、全体的に一貫した物語を作る。ミュージカルと通ずるところは多いですし、やりやすいのではないかと思います。

―ダンスだけではなく、役者としてもみなさんは活動されているから強みですよね?

伊藤:梅棒の中にはダンスに比重をおいているメンバー、演劇に比重をおいているメンバー、どっちもやっているメンバーもいるので、うまく影響し合い、意見を交換しながら作っています。もう少しそこ踊ったほうがいいとか、もう少し演劇的であるべきだとかいつも僕らはそうやって作品を作っているので。

ー振付の方法は?

梅澤裕介(以下、梅澤) 公演の場合は、こういう事をやりたいという大まかな骨組みを(伊藤)今人が考えてきて、この曲の振りはストリートダンスが得意な塩野が作ろう、この曲の振りはシアターダンスが得意な楢木が作ろう、よく分からないものは梅澤が作ろうとか(笑)、割り振っていきます。それを今人が見て、整理していきます。今回「ボンベイドリームス」では、スラムっぽいところだったら塩野が作って、ショー的なシーンは楢木が作るかもしれません。

―アンサンブルで出演もされます。

伊藤:先日、歌稽古が一日あったんですけど、思ったよりも我々踊って歌うんだなと(一同笑い)。とりあえず、色んな役に変化しながら、色んな場面に出て来る役割なんだということが分かりました(笑)。そして、6人のうち3人はオカマの役だということも分かりました(笑)。ただ、オカマとしてずっと出る訳ではなく、衣装を変えて違う役としても出るみたいです。これは、我々歌うチャンスがありますし、頑張れば演出家の方々が見てくれるチャンスです。どうせならやってやろうと!

―歌はみなさん、自信はあるのですか?

梅澤:ないけどやります(一同笑い)

塩野:人並みには。

伊藤:ミュージカルの歌唱からきた人間がいる訳ではないので。今回、歌の稽古もあるので、そこで鍛えていくことになりますね。

―ストーリーはどこに魅力を感じられますか?

伊藤:純粋な青年がのし上がり、挫折して、大事なものに気づくというストーリーは常に梅棒がやっていることではあるんです。とても勧善懲悪な話で分かりやすい。内容にものすごく親近感がわきますね。インドの階級制度や差別にはなじみがないので、勉強して想像し、表現に盛り込んでいかなくてはいけない。僕らが挑むところです。 

―梅棒が常に分かりやすいものを観客に提示するというスタイルはどこから生まれたのですか?

伊藤:お客さんが理解して喜んでくれるというリアクションが次回作を生むエネルギーなんです。ちょっと難しかったといわれると、僕らもそうかーと思いますし、どうしたらいいかも分かんないから、直感的に100パーセントのリアクションをもらいたい。そこを揺さぶりたいんですよね。そのためには全部伝えることで挑戦してやろうと。ダンスは抽象表現ですし、演劇をやっていると、自分たちがやりたい表現の手法や、ここまで伝わればいい、あとは自分達がやりたいやり方でいい、むしろ伝わらなくてもいい。という方向性で作れてしまうんですけど、そこを妥協しないで、全部伝えることに挑戦しているヤツらはあんまりいないと思う。分かりやすいものにとことんこだわってやろうと。

梅澤:ルーツとしては、梅棒でダンスのコンテストで頑張っているときに、ほかの団体はストリートやジャズダンスの技術で見せていて、僕らは話で勝負をしていたので、そこが中途半端だとお客さんに喜んでもらえない。喜んでもらうことが僕らの武器だったので。ストーリーの作り込みが浅いと拍手の量が少なくて、賞をもらえるところまでいけませんでした。でも、会場を沸かせられた時は賞がもらえました。その過程が、分かりやすく伝えることが強くなったルーツかな。

塩野:ダメな作品もあったしね。

伊藤:審査員にとっては、ゲテモノ、色物という、評価しづらい対象が挑んできているので、審査員の気持ちを変えるにはお客さんを味方につけるしかなかった。

―ミュージカルに出ることで、新しいファンも獲得できそうですね。

楢木:単純に僕らのことを知らなかった人たちが、たくさん見に来てくれると思うので、面白い団体だなと興味を持ってもらえたら嬉しいです。

―ミュージカルのダンス(シアターダンス)についてはどう思いますか?

塩野:良くも悪くもトラディショナルですね。いわゆる、シアターダンスっていつまでたっても変わらない。それはいいことでもあるし、悪いことでもある。梅棒にもシアターダンスが強く根付いていて、そこから派生した踊りといっても間違いではない。男だらけのなかで、やっていくうちに、独自の方向に変わってきたりするんです。今、色んなミュージカルを見ても、有名な作品であればあるほど、良くも悪くも踊りが古かったりする。そこをどうやって僕らが伝統を大切にしながら斬新なものにするかだと思いますね。

伊藤:僕らの強みは、技術を超越したパッションや表現力、キャッチ―な動き、物語とどうリンクして踊るのかというところ。技術の高さだけではなく、こんな踊りがあるんだ!と、新しいダンスやミュージカルの振り付けだと感じてもらえれば。梅棒がミュージカル界に新たな波を立てられればいいですね。

―すみません。さっきから一言も発言されていない、鶴野さん、櫻井さんもコメントを頂けますか(一同爆笑)。

梅澤:ツルちゃん、この間の歌稽古でワーッてなってたよね。

鶴野輝一 僕は初めてのミュージカルなんですけど、純粋に思ったのは歌って楽しいんだなと(一同笑い)。僕はもともと演劇が好きではなくて、ミュージカルも実は偏見があったんです。でも歌ってみると、こんなに楽しいのかと。やっぱり、ダンスは抽象表現だけど、歌は直接的だからすぐに気持ちものせやすい。感動してかなり前のめりになっています(笑)。

櫻井竜彦 僕は新しいことやるときは、とくに何も考えず、全力でやるだけだと思っています。梅棒はいつもセリフもないし、歌もない。動きとダンスだけで見せなくてはいけない。今回はセリフも歌も加わり、あらすじも分かりやすい。僕らの役割としてはダンスをいかにエンターテインメントにするかだと思っています。

―これが波にのったら、今後、ミュージカルの世界でも道が開けるかもしれないですよね。

伊藤:おっしゃいましたね(一同笑い)。僕達はお客さんが喜んでくれるなら、手品でも大道芸でも何でもやろうと思っていますので、梅棒の公演でミュージカルをやる可能性は十分あります。僕らが得た経験を血肉としてやっていけるのであれば、最高です。

楢木:今回の僕らの出番はアンサンブルなのでとても多いんですよ。

塩野:インド映画も人海戦術みたいなところがありますからね。

伊藤:演出の荻田さんから「頼んだよ。」と言われています。僕らで、200人ぐらいいるんだよという錯覚を起こさせないと(笑)。

塩野:一曲の中で衣装をかえることもあるみたいです。

梅澤:この面子だから、よくも悪くも見ていてうるさいと思うんです。こいつらまた出てきた。(一同笑い)あいつらまた来たよと。

―主演の浦井健治さんやすみれさんと顔合わせはされましたか?

伊藤:ちょいちょいプライベートで飲んだりしてるんですけど。(一同笑い)。

―えっ、嘘なんですね(笑)。

塩野:やめようよ(笑)。こっちがびっくりするよ。

伊藤:一度も会ったことないです。僕が一方的にすみれさんが出演しているテレビ番組「新チューボーですよ!」を見ているだけです(笑)。

―お二人の振付もされるんですよね?

伊藤:適度に距離を図りながらスキンシップをとっていこうと(一同爆笑)。絶妙なタイミングで距離感を詰めつつ。

―それ、すみれさんだけにということですか(笑)?

伊藤:すみれさんは難しそうですね(笑)。まず、信用してもらえないと、僕らが言っていることに楽しんでのっかってきてもらえないんで、まずは共演者として、信頼関係を築くところから始めたいと思っています(笑)。その上で、愉快なヤツらなんだと思ってもらえれば。

梅澤:こんな振付!と喜んでもらえたらいいですね。楽しいダンスを。

―また、梅棒さんに振付をという話も来るかもしれないですよね。

一同: いやーまだまだ(笑)。先のことは分かんないです。

伊藤:でも、次の仕事がくるというのが信頼の一つの証拠だと思うので、一つの一つの現場が印象に残ってもらえるようにやりたいですね。

―本日はどうもありがとうございました。

取材・文 米満ゆうこ

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