日本の若きミュージカル俳優が快挙!

●ヒラノの演劇徒然草●

日本でも『エリザベート』『モーツァルト!』などの作曲家としておなじみ、シルヴェスター・リーヴァイ氏。
彼の名前を冠した国際歌唱コンクール「第1回 シルヴェスター・リーヴァイ国際ミュージカル歌唱コンクール」が6月29日~7月1日、リーヴァイの生まれ故郷であるセルビアのスボチカ市にて開催されました。

さまざまな国の若い俳優たちに、リーヴァイの曲を歌うことによって彼らの技術を試す機会を与えることを目的としたこのコンクール、参加条件は女性は18歳から26歳、男性は18歳から30歳と、まさに"若き才能"のために開かれた門。
計10ヵ国から300人以上が予選に参加、スボチカで行われた準決勝には8ヵ国44人、そしてそのうち16人が決勝に進みました。
日本では予備審査を経て、今年1月10日に12人が予選に挑み、リーヴァイ本人による審査で平田愛咲、小野田龍之介が日本代表に。

そして、見事、平田愛咲さんがグランプリを、小野田龍之介さんがリーヴァイ特別賞を受賞!

7月13日、ふたりによる記者会見が都内にて行われました。
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平田愛咲さんは先ごろまで上演されていた『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役などが印象的な女優さん。
小野田龍之介さんは『ミュージカル テニスの王子様』や、『ルドルフ・ザ・ラストキス』『モーツァルト!』などに出演されています。

ふたりとも奇しくも同い年。二十歳です。若い!

「まだ20年しか生きていないんですが、20年間の中でとても大きな、わたしの中では一番と言ってもいい、すごい体験をさせていただいた」と平田さん。

小野田さんはこの前日に誕生日と向かえたばかりということで「十代最後に本当に貴重な体験をたくさんさせていただきました。この経験や思い出や感じたことを大切に、これからも頑張っていきたい」とご挨拶。

ふたりは準決勝でソロナンバーを2曲ずつ歌って、決勝ではソロナンバーとデュエットナンバーを1曲ずつ歌ったとのことですが、とにかく大変だったデュエットナンバーの印象が強いようで、その話題になると苦労をしかし楽しげに語っていました。

「準決勝の結果発表されてから、(次の日の)決勝で"これを歌ってください"といわれて。デュエット相手もそのとき決まったんです」と小野田さん。
平田さんは「愛していれば分かりあえる」(『モーツァルト!』より)をハンガリーの俳優さんと、小野田さんは「すべてはあなたに」(『マリー・アントワネット』より)をルーマニアの女優さんと歌ったそうなのですが、

「言葉が全然わからないから、日本でやるように"こうしようね"とか話し合うことができなくて、目で伝えたりとかひたすら笑ったりとか(笑)。でも逆に言葉が通じないからこそ言葉じゃない、信じられないくらいのパワーが出た」と平田さん。
また、「ステージングをつけられたのですが、(男性が)ワンワン!ってやるから、ニャンニャン!ってやって、とか言われて、全然日本語の歌詞とは合わないんですよ!日本語だとちょっとしっとりした歌なのに...」と言う平田さんに
「バカップルみたいになってたよね(笑)」という小野田さん。

musicalcompe03.jpgでも「そういうこともあったので、ファイナルの時は、決勝戦というより共演者とコンサートをやっている気持ちで、思い切り楽しめました」と話していました。
小野田さんも「日本人はふたりしかいないし、ヘンに構えず、自由に、緊張せずにできました」

ちなみに小野田さんとデュエットした相手は「ルーマニア版の『レベッカ』のichをやっている方」だそうで、「そういう主役級の方がうじゃうじゃいて、一ファンみたいになってしまいました。日本だと、平田さんが貴重な同い年ってかんじなんですが、世界には若い人がたくさんいて、すごく刺激的だった」とのこと。


musicalcompe02.jpg名誉ある大賞受賞となった平田さんですが、リーヴァイさんが語ったということによると、セミ・ファイナルで「命をあげよう」(『ミス・サイゴン』より)を歌った時点で、彼女が優勝だと審査員の意見が一致していたそうですが、さらにファイナルのソロ曲「100万のキャンドル」(『マリー・アントワネット』より)が完璧に素晴らしく、審査員全員一致で優勝したそうです。
なお、審査員にはリーヴァイ氏は含まれていない、非常に公平な審査だったそう。

musicalcompe05.jpgそんな平田さんは今後やりたい役を訊かれて「今はデュエットした(『モーツァルト!』の)コンスタンツェに感情移入している。何年かかるかわからないけれど夢がかなえられるように頑張りたい」とコメント。
小野田さんは「一貫した人生を送った(『モーツァルト!』の)ヴォルフガングは、やりたいと思うけれど、(出演し)作品に携わって、この役は尋常じゃない役、壮絶な役なんだと目の当たりにしました...でもやれるとしたらぜひやりたい。それからガラ・コンサートで歌ったルドルフ(『エリザベート』)もやりたい」と話していました。

おふたりの今後の活躍に注目です。

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