2015年版『レ・ミゼラブル』制作発表レポート

チケット情報はこちら

日本演劇界に燦然と輝くミュージカルの金字塔、『レ・ミゼラブル』
ヴィクトル・ユゴーの同名小説を原作とし、19世紀初頭のフランスの動乱期を舞台に「無知と貧困」「愛と信念」「革命と正義」「誇りと尊厳」といったテーマを描く壮大な作品です。
日本では1987年に初演。
その後も上演を繰り返し、2013年には、ロンドン初演から25年を記念し舞台装置からキャラクター造形までを一新した"新演出版"を日本でも上演。
映画版のヒットもあいまって、大反響となり、その凱旋公演千秋楽に早くも2015年の再演が発表になりました。

(2013年の記事より)

そんなファン待望の『レ・ミゼラブル』、いよいよチケットが発売開始になります!

★座席選択プリセール(WEB先着先行)受付決定!★
受付:1/31(土)10:00~2/5(木)18:00 ※4月公演分


そんな中ですが、本日は、昨年11月17日にキャスト総勢73名が集結して行われた制作発表記者会見の模様をお届けします。

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この日は報道陣のほか、事前募集の抽選で当選したオーディエンス300名も会場に。
このオーディエンスの応募は5000通あったそうで、ファンの期待の高さが伺えます。

会見の最初と最後には歌唱披露も。
最初に登場したのは、新ジャン・バルジャン、ヤン・ジュンモさん。
♪『独白』
迫力の歌声です!
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そしてアンサンブルの皆さんによる
♪『一日の終わりに』
みなさんが"ぐっ"っと役に入った音が聞こえるような、緊張感のある、聴き応え充分な歌唱披露でした!
写真中央は、工場長役の石飛幸治さんと田村雄一さん。
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『ミス・サイゴン』ではジジを演じた池谷祐子さん、エレンを演じた三森千愛さんが同じ役(ファクトリー・ガール)というのも興味深いですね。
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『レミゼ』はアンサンブルの皆さんもWキャストですので、一堂に会したこの制作発表の迫力は、単純に考えても本番舞台の2倍!
そしておそらく単純な倍数ではない皆さまの熱気、それはもう素晴らしいものでした。



プリンシパルの皆さんからはひと言ずつご挨拶も。
会見で実際にご挨拶された順でご紹介いたします。

●アンジョルラス役はトリプルキャスト。
上原理生
「また『レ・ミゼラブル』とアンジョルラス役に帰ってくることができてすごく嬉しいです。私ごとですが、先日28歳になりました。28歳といえばチェ・ゲバラが革命に参加し始めた歳。そのような歳にアンジョルラスという革命家の役ができるのはすごく嬉しい。真摯に誠実にまたこの役に向き合っていきたいと思います」lesmis2015kaiken_11_8631.JPG

野島直人
「また再びこの役に挑めることをとても嬉しく思っています。そして僕の韓国のお兄さん的存在のヤン・ジュンモさんと一緒にできることを本当に嬉しく思っています。一生懸命頑張ります。よろしくお願いします」lesmis2015kaiken_12_8632.JPG

上山竜治
「はじめまして、上山竜治と申します。ミュージカルの経験は乏しいのですが、こういった歴史のある偉大な舞台で、自分の憧れの役であるアンジョルラス役に抜擢していただいたことを深く感謝しております。精一杯頑張りますのでよろしくお願いいたします」
上山さんはこの日、この場で参加が発表になりました!
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●コゼット役は若井さん、磯貝さんが前回に引き続きの登場、清水さんが初登板です。
若井久美子
「2013年に引き続き2015年も出演させていただけること、心から嬉しく思っております。前回よりもっともっとパワーアップした『レ・ミゼラブル』を皆様に観ていただけるよう、コゼットとして生きていきたいと思います」
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磯貝レイナ
「またこの『レ・ミゼラブル』カンパニーの一員としてこの場に立てていることをとても嬉しく幸せに思い、再びコゼット役を演じる機会をいただけたことを心から感謝しております。前回は初めての大きな役で、毎回緊張の連続で、お客様のほうもドキドキしていたのではないかというくらいでしたが、今回は少しは安心して観ていただけるように頑張りたいと思います。素敵なカンパニーの皆さまと愛される『レ・ミゼラブル』を作っていきたいと思います」
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清水彩花
「私は2013年の時はアンサンブルとして参加させていただいたのですが、今回はコゼット役という大役をいただき、嬉しい気持ちと同時に身が引き締まる思いです。とても素晴らしいカンパニーの皆様のお力をお借りして、一生懸命コゼットとして頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」
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●マリウスは、おなじみの原田さん、前回に引き続きの田村さんに加え、海宝さんが新顔です!
原田優一
「駒田さん、(僕の方を)見すぎです...(笑)。(マリウス役を)狙ってるのはわかるんですけれど。...2013年の『レ・ミゼラブル』、本当に沢山の方に愛していただきまして、新演出の産声を上げて大きく大きく成長しました。その作品にまた今回出会えたこと、すごく嬉しく思っております。今日久しぶりに『レ・ミゼラブル』カンパニーの皆さんと家族のようにお会いしてホッとするのと同時に、また新しく参加された皆さんとご挨拶させていただきまして、いい雰囲気が裏で流れているなと思い、稽古が楽しみになりました。精進して素敵な『レ・ミゼラブル』になるように頑張りたいと思います」
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田村良太
「2013年の『レ・ミゼラブル』は自分が初舞台だったこともあり、緊張して舞台に立つことだけでいっぱいいっぱいでした。2年間の経験を経て、表現できることも増えたと思いますので、その全てをマリウスにぶつけたいと思います」
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海宝直人
「今回初めて『レ・ミゼラブル』に参加させていただきます。子役のときからとても大好きで憧れの作品でした。本当に参加させていただくことを光栄に思います。今まで培ってきたことを全てここにぶつけて頑張ります」
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●エポニーヌは前回に引き続きこちらの4名。
笹本玲奈
「2013年に『レ・ミゼラブル』が新しく生まれ変わって、私の中でもエポニーヌ像が大きく変わりました。またたくさんのの発見があるといいなと思います。初心を忘れずに頑張りたいと思います」
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昆夏美
「前回の2013年が初参加だったのですが、大好きな大好きなエポニーヌ役を演じる日々が本当に幸せでした。また楽しく幸せな日々が送れると思うと今からとっても楽しみです。精一杯頑張ってまいりますのでよろしくお願いいたします」
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平野綾
「私も2013年が初参加だったのですが、前回はミュージカルの経験が浅かったので、皆さんについていくだけでした。今回はエポニーヌの後に出会った役で得たことを全部注ぎこみたいと思います」
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綿引さやか
「エポニーヌ役とアンサンブルの出演をさせていただきます。昨年は初めて『レ・ミゼラブル』に出演させていただきました。長年追い続け憧れ続け愛し続けたこの作品に今年もまた参加させていただけることを本当に嬉しく思っております。エポニーヌ、アンサンブルのどちらのシーンからもこの作品を更にまた見つめられるように頑張っていきたいと思います。パワーアップした革命が起こせるよう素晴らしいキャストのみなさんと力をあわせていきたいです」
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●テナルディエ役も前回同様、こちらの3名。
駒田一
「あとこの作品を何年やれるだろうか、何回この役をやれるだろうかと感じながら、また2015年もやれることを幸せに思います。一回一回の連続に精進しながら頑張っていくとともに、裏側ではこそっとマリウスの勉強もしたいと思っております(笑)」
(常々、マリウス役を狙っていると話している駒田さんです・笑)
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KENTARO
「またこのカンパニーに参加できることを本当に嬉しく思っております。またテナルディエという男と向き合って、一緒に歩んで、新しい役作りに励んでいきたいと思います」
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萬谷法英
「テナルディエ役とクラクスー役のふた役をやらせていただきます。またふた役やれること、そしてここに立っていること、それがとても幸せです。前回は皆さんに支えられて何とか演じることができましたが、今回は少しでも皆さんを引っ張れるように...今回も助けられながら(笑)頑張っていきたいと思います」
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●マダム・テナルディエもおなじみこの3名。
森公美子
「私は『レ・ミゼラブル』に関わらせていただいてなんと18年です。上原理生くんが10歳の時からやってるんだなと思うと、ちょっと年齢を感じてしまいました(笑)。ですがますますパワーアップしたマダム・テナルディエを、来年も皆さんにお届けすることをお約束いたします。これから採寸があるのですが、少々太りました(笑)。これ以上(生地を)足せないと言われたので、それが一番の心配ごとです。ちなみに...ファンテーヌ役を狙っております! いつでも(ファンテーヌの歌は)歌えます」
森さんお約束のファンテーヌへのアピールです(笑)
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浦嶋りんこ
「来年もマダム・テナルディエとして騙して裏切って、とても悪い女の人として生きてまいります。いい人キャンペーンをしなくていい期間なので嬉しいです!」
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谷口ゆうな
「この会見の場に立って、すごく緊張して手汗がすごくて...というのは、前回の会見のときにも思ったなというのを思い出しています。この制作発表の緊張感は、またマダム・テナルディエをやらせていただけるんだということをすごく実感させてくれます。一生懸命頑張りますので、是非是非応援してください」
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●ファンテーヌも、前回に引き続きこちらの3名。
知念里奈
「ずっとずっと続いていくといいなと思う、本当に素晴らしいメッセージのつまったこの作品を、また来年も半年ファンテーヌとしてやらせていただけるんだなと思い、すごく嬉しく思っております。公美さんに役を取られちゃわないように(笑)、頑張りたいと思います」
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和音美桜
「私にとっては3度目となる『レ・ミゼラブル』ですが、いつも新鮮です。また新たに課題を見つけながら、みんなでいろんな試練を乗り越えて、ひとつの大きな作品にできたらいいなと思います」
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里アンナ
「前回初めての舞台ですごく緊張と不安でいっぱいだったんですけれど、本当に1年間あっという間に過ぎてしまいました。また演じさせていただく機会があったら絶対もっと深めてやりたいなと思っていたので、また来年ファンテーヌとして生きていけることをとても嬉しく思っております。より深くファンテーヌとして生きていければと思いますので、是非皆さんよろしくお願いいたします」
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●ジャベール役は、元アンジョルラスの岸さんが初参加!
川口竜也
「またここに戻ってくることができたことを幸せに思っております。今回もその場その瞬間にジャベールとしてそこに生きていくこと、呼吸をしていくこと、それだけを大切にして精進してまいりたいと思います」
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岸祐二
「ひと言で言えないくらい、ここに来るまでの思いがあります。ここにこうしていることに感謝して、ここに来るまでに支えてくださった皆さんに感謝して、謙虚にそして大胆にチャレンジさせていただきたいと思います。個人的にはせっかく新演出で初めてやらせていただくので、日本のレミゼもなかなかすごいぞというところを、日本の皆さんはもちろんですが外国から来る観光客の皆さまにも観に来てもらえるようないいものにできたらと思います」
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鎌田誠樹
「ジャベール役とクールフェラック役をやらせていただきます。2013年にアンサンブルで選んでいただき、その後ジャベールという大役をいただき、経験したことのない世界を感じることができて、幸せに思っております。そしてまた念願叶って皆様の前でお話ができていること、もうなんと表現したいいかわからないくらい凄くすごく感謝しております。最高のジャベール、最高のクールフェラックを演じられますよう素敵な先輩方にご指導いただきやっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします」
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●ジャン・バルジャンは前回に続いて福井さん、吉原さん、そして新たにヤン・ジュンモさんが参加。吉原さんはジャベールとの2役です。
福井晶一
「まずはこの場に立てたことを嬉しく思います。2013年はバルジャンとジャベールのふた役をやらせていただいたのですが、今回はバルジャンひと役。よりバルジャンとしての生き方を掘り下げて、さらにいいものを作っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします」
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吉原光夫
「袖でヤン・ジュンモさんの『独白』を聴いて、また苦しい日々がやって来るんだなと(笑)...という実感が正直なところです。この作品は本当にに出られるのは嬉しいのですが、それとともに体力的なものも精神的なものも苦しみ、また噂によるとジャベールもやるらしいので(笑)、このふた役をやるために日々精進して作品に対して誠実にそして役に対して愚直に向き合って厳しい1年を送ろうと思います」
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ヤン・ジュンモ
「(日本語で)はじめまして、韓国からきた日本では新人俳優のヤン・ジュンモです。(ここから韓国語で)2006年に『冬のソナタ』という作品で日本に滞在したことがあります。そして『レ・ミゼラブル』は日本は世界で3番目にオープンしたということで、そんな歴史ある作品に出られることに光栄に思っております。そんな過去に値するような演技、そして歌をお見せしたいと思います。日本語はまだまだ足りない部分があると思います。隣にいるジャン・バルジャンの先輩方に沢山学びまして、一生懸命頑張って生きたいと思います」
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その後行われた質疑応答は、ひとつ目は初参加の方に、ふたつ目は作品に長く関わっている方に、とバランスのいいものでした。
ひとつめは
新キャストの方に。オーディションで役が決まった瞬間の気持ちと、今現在でその役をどう演じていきたいか...という質問です。

バルジャン役に初挑戦するヤン・ジュンモさんは
「日本語で歌を歌う、歌詞を伝えるというトレーニングをまだしたことがありませんでしたので、とてもオーディションでは苦労しました。なのでオーディションに合格したと聞いたときは、自分に出来るだろうか?と本当に不安に思いました。ですが、勇気を出してやろうと自分に言い聞かせてオーディションの合格通知を受け取りました。キャラクターについてですが、ジャン・バルジャンというのは絶対的な存在に会う前と会った後では明確な違いがあると思います。その違いを皆さんに感じていただけるよう、バルジャンの役作りをしていきたいと思います」と意気込みを交えつつ。

ジャベールに新たにキャスティングされたさんは
「オーディションは2011年、2013年と受け、やっと今回ジャベールで決めていただいたので、難関を突破できたという気持ちで嬉しかったですし、同時にホッとしました」と裏話を披露しつつ、
「2003年からアンサンブル、アンジョルラスをやらせていただいて2007年に卒業して、そこから7年間経っています。『レ・ミゼラブル』の役はもちろん、それ以外でもたくさんの役に関わらせていただいた経験も含めて、やっとジャベールにたどり着いたんだな、という思いがありますので、それを大事にしたいです。そしてアンサンブルで初めて『レ・ミゼラブル』の舞台に立ったときの気持ちを忘れないようにしたい。村井國夫さんが事務所にきまして、僕は後輩なのですが、真っ先にお祝いの言葉をくれました。とにかく謙虚にやれ!と言っていただきました。真摯に取り組み、また新しい演出は初めてですので、皆さんにいろいろ教えていただきながら一生懸命取り組みたいです」と話しました。

子役時代からミュージカル界で活躍している海宝さんは
「何度もチャレンジして出たかった作品、やりたかった役なので、(決まったという知らせを受けた時は)嬉しすぎて四ツ谷のホームを行ったり来たりしてました。嬉しすぎて本当にどうしようと思って、本当は行かなくちゃいけない方向じゃない電車に乗っちゃったりとかして(笑)舞い上がっていました。役作りに関しては、これまで僕も何度も見ていますし、役に対する思いもあるのですが、そういう先入観を一切ぬいて、まっさらな気持ちで一からキャラクターを作り上げていきたいなと思います」と心境を話します。

アンサンブルからコゼット役への階段を上った清水さんは、
「私は18歳のときに初めてレミゼカンパニーに参加させていただきまして、それ以来この舞台でソロで歌うというのはずっとずっと夢でした。合格の報せを聞いたときは本当に信じられなくて、マネージャーさんに何回も本当ですか?と確認してしまったくらい。涙も出ましたし、それと同時に不安もすごくありました。でも私は2013年にこのカンパニーに参加させていただいていたので、皆様のお力を借りれば大丈夫かなと思い、コゼットという役に真摯に向き合って、頑張っていこうという気持ちでいっぱいです」とのこと。

そしてこの会見の場で参加が発表となった上山さんは
「8年くらい前にロンドンで『レ・ミゼラブル』を観ています。ロンドンでは一番前の席が安いんですよね。それで一番前で観て、すっごいなあ!と感動したんです。でもミュージカルの世界は難しいし、敷居が高いんだろうなとずっと思っていたので、今回本当に夢のように思っております。母が『レ・ミゼラブル』が大好きで、電話して母に合格したよ!と報告できたのもとても嬉しい気持ちです。アンジョルラスの役は長く愛されていますし、彼が亡くなってしまってからそのショックが原動力となる、そういったカリスマ性のある役だと思っていますので、その竜巻のような原動力が生み出されるような役にしたいと思っております」と話していました。



そしてふたつ目の質問は、過去に何役か演じている方に、別の役を演じたことによって『レ・ミゼラブル』に対する解釈・見方が変わったという点があるか、そして現在の役に対する愛情を...という問いです。 

子役時代にガブローシュを演じていて、その後アンジョルラス、マリウスと演じている原田さんは
「ガブローシュ役を最初にやらせて頂いたのは、1994年、今から20年前。そのときはミュージカルというものをあまり知らなかったのですが、『レ・ミゼラブル』に会い、全編が歌で作られた、こんなに迫力のあるものが人間は創れるんだなということを感じて、将来ミュージカルをやりたいという思いが生まれました。それからアンジョルラス役で『レ・ミゼラブル』にもう1回挑戦させて頂いて、マリウス役に変わって...。この作品はその年代年代で共感するところがいっぱいあると思うんです。アンジョルラスを演じてる最中も、1年、2年あいてやらせて頂くという時に、その1年で経験したことというのがすごく役に対して活かせると思ったし、噛めば噛むほど味が出る『レ・ミゼラブル』において、人生経験で見方が変わるなということを感じています。マリウスに対しての愛情は...。自分と似ているなと思うところは突っ走ってしまうところでしょうか(笑)。そこがすごく共感できるので、「頑張れ若者」と思います(笑)」と、さすがに経験者ならではのお話。

野島さんは原田さんと入れ替わるように、マリウス→アンジョルラスと演じています。
「僕は2007年にプルベール役として、隊列の一番後ろで旗を振ってたんですけど、次はマリウス役になり、大きく景色が変わりました。隊列の一番後ろからみんなを見てたところから、列に加わった。そしてアンジョルラスになって、マリウスから見たアンジョルラスのイメージもあり、最初はそれを参考にしながら役を作っていたのですが、帝劇公演を終えて地方公演に行く前あたりにもう1回考え直した時に、アンジョルラスから見たマリウスや、役を通しての見方で自分の持ってたイメージを足しながら役作りに生かしています」と話しました。

知念さんは女性のメインの役・3役を制覇しています。
「乙女の頃にコゼット役を(笑)、そしてちょっと傷ついてエポニーヌをやらせていただき、今、母親になってファンテーヌ役をさせて頂いていますが、この作品が長く愛される理由は、きっとお客様も乙女だったり傷ついたり母親になられたり色々なことを経験しながら、色んな立場で作品をとらえることができるのが理由なのだなと思っています。今は、私はファンテーヌが一番好きです。愚かな自分と重ね合わせたりもしながら、子を持つというのはすごく大きいことなので、それを原動力にして愛を貫いて生きていくという姿は尊敬していますし。演じることで自分自身の人生にもたくさんのヒントを頂いているなと思います」

KENTAROさんはアンサンブルからジャベール、そして現在はテナルディエ役。
「僕が一番最初に参加をしたのは2003年、強盗団の一味のモンパルナスという役で、(駒田)一さんの手下として高いところに昇ったりと一生懸命働いておりました。8年経って2011年・2003年に、初めて『レ・ミゼラブル』を経験した時に真っ先に惚れ込んでしまったジャベール役を射止めることができ、本当に夢のような期間を過ごさせて頂きました。そして、実は2013年、僕はジャベールとしてオーディションを受けました。そしてテナルディエ役という、僕自身が見えていなかったものを引き出して頂いたのが海外のクリエイティブチームの方々による推薦でした。僕もまったくのノーマークだったのですが、「君のテナルディエがぜひ聞いてみたい」ということでオーディションを受けて。でも僕にとってのテナルディエは駒田一さんだったんです。だから稽古をしても一さんになってしまうんですよ、大好きだったんで(笑)。どうしようと思って...。でも月日を経て稽古を重ねていくうちに、最初はテナルディエ3人全体に対してのダメ出しから、個別のダメ出しになっていき、やっと一さんとは違うものが自分の中で出せるようになったのかなと思って、そこから自分にしかないテナルディエを作っていきました。また今回も参加出来たのでまた新たに役を作っていって挑みたいと思います。吉原光夫が「KENTAROさんジャベールやらないんですか?何でやらないんスか?」ってよく言うんですけど(笑)、それもいつかやる日が来るだろうと思いますので、今はテナルディエとして精一杯生きていきたいと思います」と、ジャベール、テナルディエ、そして駒田さんへの愛情いっぱいに(笑)コメント。

福井さんは前回、バルジャンとジャベールの2役を同時期に務めました。
「前回初めて『レ・ミゼラブル』の世界に触れて、2役やらせて頂いたんですけど、本当に切り替えをするのが大変で、やっているときはひとつの役をやったらもうひとつの役に反映できるかというとそこまでいけてなかったと思うんです。もしその成果が出るとしたら次回の『レ・ミゼラブル』で何かしらの答えがでると思います。ただ、ジャン・バルジャンとジャベールというのは同じ闇をもった人間で全く異質の人間ではないと思います。何か引っかかるところがあるのでお互い意識しあって運命のように出会っていくんじゃないかなと感じています。そんなところを意識しながら演じられればと思っています。バルジャンへの愛情ですか...。僕自身は普通の人間なんですけど、司教に出会ってからのバルジャンというのは僕の憧れでもあり、温かい愛でコゼットを守り抜く、そんな大きな愛にあふれた人物だと思います。そんなバルジャンをもう一度演じられることを本当に幸せに思っております」と話します。

そして吉原さんはオリジナル演出でバルジャン、そして新演出の前回バルジャンとジャベールの2役を演じました。今回も同2役にキャスティング。
「ジャン・バルジャンとジャベール、2役を演じさせて頂いて、福井さんも仰ったんですけど、演じ分けているつもりは実はあまりないんです。同じ人間で、転機を転機と捉えられなかったり、出会いを自分の陽のパワーの方に持っていけず陰に下がってしまったか...だけの差なのかなと思います。だから(2役を演じることは)良い影響を及ぼしていると僕の中ではいつも思っています。ジャベール役でバルジャンを見ていると自分を見つめているような気がして、バルジャン役でジャベールを見てもまた自分を見つめてるような気がして、すごく不思議な気持ちになります。(役に対する)愛は...あります(笑)。自分を見ているような気がするんです。業の強いジャベールのような自分もいますし、(バルジャンのように)無償の愛を持っている自分もいますし...と自分で言うの恥ずかしいんですけど(笑)。ふたつの自分がいるので、ふたつがあるということはバランスを取ってもらっているような感じ。2役を演じるのはキツいんですけど、でも僕にとっては愛情をいただいていますし、ふたつの役に誠実に演じるということが愛を返すことになると思いますので、なので...愛はあります!」となかなかに深いお話しでした!


最後にさらに2曲、楽曲披露。
♪『プリュメ街』~『心は愛に溢れて』
清水彩花さん、海宝直人さん、昆夏美さんで。
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♪『ABCカフェ』『民衆の歌』
新アンジョルラス、上山さんの凛々しさに期待が高まりました!
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2015年版『レ・ミゼラブル』も大いに期待しましょう。


【公演情報】
・4/17(金)~6/1(月) 帝国劇場(東京)
※4/13(月)~16(木)プレビュー公演有り。
・6/10(水)~30(火) 中日劇場(愛知)
・7/8(水)~8/1(土) 博多座(福岡)
・8/8(土)~29(土) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)
・9/5(土)~7(月) オーバードホール(富山)
・9/17(木)~24(木) 静岡市清水文化会館マリナート(静岡)


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