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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(2)■


柚希礼音加藤和樹のW主演で、新春に日本初演の幕が開くミュージカル『マタ・ハリ』
前回、「顔合わせ」の様子をレポートしましたが、実はげきぴあ、その前段階の稽古場も、取材していました。

本日はそのレポートをお届けします。mata02_01_7808.JPG



●「声色を変えるのではなく、マタ・ハリの日常を作って」


取材したのは12月上旬。

芝居作りにセオリーはないのかもしれませんが、それでもだいたい、こういうスケジュールで作り上げていくことが多い......というパターンのようなものはあります。

ミュージカルの場合、稽古初旬は個別や少人数単位で「歌稽古」をし、全員揃う「顔合わせ」(先日レポートしたものです)以降、「立ち稽古」で動きをつけていく......というものがよくあるスケジューリング。
ミュージカルだと歌=セリフということもあり、個々人がまずナンバーを歌えていないと、動きもつけられない、ということなんだと思います。

ということで、本来だと「歌稽古」を皆さん進めているであろうこの時期の稽古場ですが、柚希礼音さん、佐藤隆紀さん、東啓介さんが集まるこの日の稽古場は「芝居読み(歌いながら)稽古」とスケジュールには記されていました。

そのことからもこの作品、なんだか一般的なミュージカルとは違ったテイストのものが生まれそうな予感がします...!
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演出の石丸さち子さんは「今やっている稽古が、ものすごく大事。丁寧にやらないと見つかるものも見つからない。コードもわからないのに、フリージャズは出来ないのと同じ」と3人に向かって話します。
石丸さんがここで見つけたい、掴みたいもの。
それはおそらく、マタ・ハリの、そしてラドゥーの、アルマンの芯の部分、心......なのでしょう。


まずは冒頭近くのシーン。

ダンサーであるマタ・ハリが、その日の舞台を終え、楽屋に戻ってきたところに、ラドゥー大佐が訪ねてくる......という場面です。
ここで、マタとラドゥーが初めて顔を合わせます。

一度シーンを通したあと、柚希さんに「マタ・ハリの日常を作りたい」と石丸さん。
「マネージャーに対してと、ファンに対しての話し方が変わる、それはいいのだけれど、今のは "柚希礼音の日常"。突然やってきた約束をしていない人と話す時にどんな話し方になるのか、どう口調が変わるのか。声色を変えるのではなく、マタ・ハリの日常を作った上で話してください。でももちろん、それを作り上げるには、普段の自分の日常も使って。だってそういう日常を、ちえさん(柚希さん)は持っているんだから」

"マタ・ハリの日常を作る"。

非常に印象に残った言葉です。
ストレートプレイ出身の演出家である石丸さんらしいですし、これこそが日本版『マタ・ハリ』の肝になるのでは、とも感じました。

真剣に石丸さんの話を聞いている、柚希さん。mata02_04_7714.JPG

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(1)■


ミュージカル『マタ・ハリ』
音楽を日本でもおなじみフランク・ワイルドホーンが手がけ、脚本を『ボニー&クライド』『デスノート』でワイルドホーンとタッグを組んだアイヴァン・メンチェルが担当。
お隣・韓国が2015年に、なんと制作費250億ウォン(約24億9800万円)を投入して作り上げた、韓国ミュージカル界きっての大作ミュージカルが、初の日本版として年明けに上演されます(韓国版はその後2017年に再演)。
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物語は、第一次世界大戦下、フランスとドイツの二重スパイとして疑われ、波乱の人生を送った実在のダンサー、マタ・ハリの愛と葛藤を描くもの。

この大作の日本版は、いま注目の演出家・石丸さち子のもと、柚希礼音加藤和樹佐藤隆紀東啓介栗原英雄和音美桜福井晶一ら華と実力を兼ね備えたキャストが挑みます!mata01_02_DSC2340.JPG

日本初演となるこのミュージカル、げきぴあでは開幕まで連載として追っていくことが決まりました!
この後、この作品の魅力をたっぷりお伝えしていきたいと思います!!

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演劇集団キャラメルボックス2017ウィンターツアー『ティアーズライン』の開幕は12月15日!  

成井豊さんが手がける劇団公演新作は1年半ぶりということで、そういった点でも期待している方も多いのではないでしょうか? 

間もなく初日を迎えるわけですが、今回は先日行われた"通し稽古"の様子を演劇ライターの川口がお届けします。

  

この『ティアーズライン』、実は現状ほとんど具体的な内容が明かされてません。はっきりしているのは、成井さんが映画『恋人はゴースト』にインスパイアされた物語、だということ。 

これはいち早く、その片鱗をみなさまにお伝えして期待度を上げねば! と意気込んで稽古場に到着。あえて事前に情報を入れず、まっさらな状態で通し稽古を観始めたのですが......。

 

終わったあとに、まず思ったこと。それは、、、

 

「面白い! 面白いけど......すいません、書けないことが多すぎます!(泣き笑い)」

 

どこまでネタバレしてよいものか、しかし作品の面白さは伝えたい、というジレンマ! とはいえここで終わってはライター失格なので、ネタバレにならない程度に頑張ってお伝えすることにします。

 

 

その1:謎、めちゃくちゃ多いです

 

物語のスタートは、とある部屋。畑中智行さん演じる主人公・横手道郎が、阿部丈二さん演じる謎の男・十文字に遭遇、襲われたあげく監禁されてしまいます。道郎の仕事は調査会社の調査員、十文字の仕事は「殺人代理業」、要は殺し屋ですね。

 

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2010年トニー賞では、作品賞を含む4部門を受賞。
2015年の日本初演も連日スタンディングオベーションとなった熱狂のミュージカル『メンフィス』がふたたびやってきます!
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物語は、1950年代のアメリカ・メンフィスで、当時タブーとされていた黒人音楽であるブルースを、ラジオやTV番組で紹介した実在の白人ラジオDJデューイ・フィリップス(このミュージカルではヒューイ・カルフーン)の半生をモデルに描いたもの。

人種の壁、人種差別といった当時のアメリカ社会をとりまく問題とともに、その壁を乗り越え愛し合う男女の姿が描かれる作品です。

ボン・ジョヴィのデヴィッド・ブライアンが手がけたソウルフルな音楽も、人気の要因のひとつ。

2015年の日本初演版は主人公のヒューイを山本耕史、ヒューイが恋する黒人シンガー・フェリシアを濱田めぐみが演じ、大好評を得ましたが、今年の再演も、その鉄壁のオリジナルキャストが続投!

ただし、"新演出"となり、ガラリと変わるとのことで......。
一体、どうなるのでしょうか!?

今週末には初日の幕をあけるこの作品の稽古場を取材してきました!



稽古場に伺ったのは、11月中旬の某日。
この日は、数シーンの振り返り稽古ののち、「通し稽古」をするという日。
本番までまだ2週間以上ある日程でしたが、2017年メンフィスカンパニー、この時点ですでに何度か「通し稽古」をやっているそうです。

今回は、主演のほかに演出も務める山本さんから
「新しいことに気付いたら、それに反応してください。自由に。(自分の動きを)決めてしまわないで。ただし、「こういうことをやってやろう」ではなく、自然に反応して」
と、通し稽古に挑むにあたっての心構えが語られます。

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不倫関係の家長クライヴ(髙嶋政宏さん)とソンダース夫人(伊勢志摩さん)

イギリス植民地時代のアフリカに移住したある家族を中心に、不倫や同性愛、少年愛となんでもござれな世界を描いた舞台『クラウドナイン』が12月1日(金)に開幕します。

本作は、フェミニズム演劇の旗手として知られる英劇作家キャリル・チャーチルによる衝撃作と言われる作品で、ストーリーもさることながら、一幕と二幕で一人の登場人物を違う役者が演じる(例:妻役のベティを一幕では三浦貴大、二幕では伊勢志摩が演じる)、役者の性別も変わる一幕と二幕で100年の時間が経っているにもかかわらず登場人物は25歳しか年を取っていない、などなど、舞台のセオリーに反する破天荒さを持ち、オフブロードウェイでもロングラン公演されるヒット作です。
その演出を手掛けるのは木野花さん。木野さんが本作の演出をするのは今回で3度目、29年ぶりでもあります。

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家長クライヴの妻・ベティ(三浦貴大さん)は、探検家ハリー(入江雅人さん)となにやら怪しい雰囲気

一体どんな舞台になっているのか......というわけで、一幕の一部の公開稽古と、髙嶋政宏さん、伊勢志摩さん、三浦貴大さん、正名僕蔵さん、平岩紙さん、宍戸美和公さん、石橋けいさん、入江雅人さん、演出を手掛ける木野花さんの囲み取材の様子をお届けします!

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皆さん仲良く乾杯されていますが、、、

この日は、本番まであと9日というタイミング。囲み取材で伊勢さんが「稽古初日の頃は、トンネルの向こうに木野さんがいて、『あそこに辿り着かなきゃ』と思っていたのですが、今は木野さんの姿も見える。あとは最後のダッシュって感じです」、石橋さんも「初めて本読みしたときとは全然別の芝居になってきていて。木野さんの演出で、日々面白く変わっています。ラストスパートを頑張りたいです」とコメントしたように、大詰めの段階です。

稽古が始まってまず驚いたのは、その世界観。冒頭で"不倫や同性愛、少年愛となんでもござれな世界"と書きましたが、それを俳優の皆さんがしっかり体現していて......つまり衝撃的な光景が広がっているんです!

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ベティ(三浦さん)と家庭教師エレン(石橋けいさん)は女同士ではありますが、、、

その中でも、好きなシーンを聞かれてにこやかに「僕はやっぱり伊勢さんの股間に入るシーンが一番好きです。それと、平岩さんの『ねえ、あれ大きくなったよね!』っていう。あれは好きですね(笑)」と挙げた髙嶋さんの振り切れっぷりは印象的。
木野さんが髙嶋さんの印象を「案外、放し飼いはやばい(笑)。本当に脇道にどんどんどんどん行っちゃうので」と語るように、インパクトのある姿の連続でした。その一方「二幕はセクシャルな悩みを抱えながらやっている役で。根はすごくやさしいいい人なんだなって。髙嶋さんの新しい面が見えて面白いです」(木野)と全く違う姿を見せてくれるそう。

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髙嶋さんがコメントされていた伊勢さんの股間に入るシーン

そう、この作品の面白さのひとつが、俳優が一幕・二幕で全く違う役を演じるということ。この日の稽古では一幕のみの公開だったのでその変貌ぶりはみられませんでしたが、囲み取材ではその苦労が語られました。
正名さんは「私は一幕では白人の軍人の家族に雇われているアフリカの現地住民の召使という非常に抑圧された役ですが、二幕では一転して5歳の白人の女の子。しかも場所が公園ですので、ひたすら駆けずり回り、はしゃぎまわり、怒られまくるっていう役で。単純に運動量の差がものすごい(笑)。それにまだ自分が馴染めていない状況ではございます」、石橋さんも「一幕では家庭教師で同性愛者の女性の役なんですけど、二幕は夫婦仲がこじれて大変な状況の中で子供を育ててるお母さんの役で。女性としての背景が全然違うので、15分休憩の間にどれくらい気持ちを切り替えられるかなというところ。がんばりたいと思います」とコメントを聞いているだけで大変さが伝わります!

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正名さんは一幕では寡黙な召使の役ですが、、、

俳優と役柄の性別が一致しないのもこの作品の面白さ。その中でも三浦さんの女性っぷりは取材でも話題になりました。木野さんが「三浦くんは一幕で女性の役なんですけど、上品さが身に付いているので、けっこう早い時期にその気になれてて。逆に二幕での労働者階級のゲイの男役で手こずってる部分があります。荒っぽいというか、世の中に"怒りをこめてふり返れ"的なものが三浦くんから見えてきたら、役の幅が広がって面白いんじゃないかと思っています」とお話しされたように、とにかく女性役が板についているんです! その女性らしさと三浦さんのがっしりした体格が味わい深い空気を醸し出していて、三浦さんを抱きしめるシーンのある入江さんは「三浦くんの身体に手が回らないんだよ、でかくて。それが衣装を着るとより際立ってるので、そこが好きです」。

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ベティ(三浦さん)と祖母モード(宍戸美和公さん)。
三浦さんは登場の瞬間から女性にみえます!

性別が違うといえば平岩さんが一幕で演じる少年・エドワードも魅力的。木野さんも「めちゃくちゃかわいい。紙ちゃんかエドワードかっていうくらいにスムーズに役作りに入っていけた」とコメントされていましたが、そのかわいさを持ちながら、入江さん演じる探検家ハリーと関係を持っているというなかなかな秘密も...。その秘密が垣間見えるシーンではドキッとしました。そんな役について平岩さん自身は「まだまだ穴を掘っていきたい。自分の見るべき景色は先だなと思っています」とストイック。本番でどんな姿が見られるか期待大です!

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少年・エドワード(平岩さん)と冒険家ハリー(入江さん)。エドワードにドキっとさせられます。そういえばハリーは、エドワードの母であるベティとも何やらありましたね。

囲み取材では、そもそもなぜ木野さんは29年ぶりに『クラウドナイン』の演出をしようと思ったという話題も。「当時はセクシャリティに関して日本は遅れていましたが、ようやく今だったらお客さんにまた違う世界が見せられるかな、受け取ってもらえるかなっていう感じがありました。3回目ですけれども初演のような気分で取り組んでいます。新鮮です」と、色々な意味で今だからこその本作が見られそう。

「全体として、今回は本当に笑える芝居でもあるんです。そこはこのメンバーでいけると思っていて。案の定、一人ひとり面白いキャラクターを持ってるので。本番になって、お客さんが入ったときにどんなふうになるか楽しみです」(木野)という舞台『クラウドナイン』は間もなく開幕!

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公演は、12月1日(金)から17日(日)まで東京・東京芸術劇場 シアターイーストにて。

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ペンギンプルペイルパイルズの主宰にして、劇団外でも数々の舞台にひっぱりだこの作・演出家、倉持裕
(近年だけでも『鎌塚氏』シリーズ、シアターコクーン『上を下へのジレッタ』、世田谷パブリックシアター『お勢登場』、ミュージカル『HEADS UP!』等々、手がけた舞台作品は本当にたくさん!)

『誰か席に着いて』 は、その倉持裕による新作オリジナルコメディ。

芸術家支援財団の、来年の助成対象者の選定に集まったふた組の夫婦。芸術の発展という崇高な目的のために集まっているはずが、実はそれぞれ自分勝手な、個人的な問題でそれどころじゃなくて......。

......つまり、「どの芸術団体にカネを出すか」を話し合うために集まった、インテリぶりたいけれど実は芸術のことをよくわかっていない人たちがああでもないこうでもないと話し合いながら、なんだか人間のどうしようもなさを露呈しつつ、ひるがえって人間の愛おしさを描き出す物語です。


キャストも、田辺誠一、木村佳乃、片桐仁、倉科カナといった豪華メンバーが揃いました!
10月末の某日、その稽古場を取材しました。dareka02_0016.JPG


稽古場にはすでに、ちゃんとしたセットが建てこまれています。
まさかの日本家屋。しかも庭。
(いえ、勝手に、会議室的なものを想像していたので...)
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ふた組の夫婦が中心の物語ですが、木村佳乃さんと倉科カナさん演じる妻ふたりが姉妹です。
そして、この姉妹の父が資産家で、もともと芸術支援団体を立ち上げた人。
父の死後も、血を引く彼女らが、どの団体に助成金を出すかという選定に関っているのです。dareka11_0104.JPG

姉夫妻の夫が、田辺誠一さん扮する哲朗。映画プロデューサー。
少し、うだつの上がらない感じでしょうか?
自分(つまり身内の作品)も助成金の応募をして良いかどうか、という話題でプチ議論に。
ほかにも「自分たちの仕事は、"ああそうですか"とうなずくだけ(=承認するだけ)」という、それを言っちゃあ...な発言をしてしまったり、ちょっとこの仕事を舐めてる?的なところも。
あと、どうやら潔癖症な模様...!?

田辺さんの、どこか掴めない独特のたたずまいが、あいまいな空気を醸しだす哲朗に似合っています。

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その妻・木村佳乃さん演じる織江は、スランプ中の売れっ子脚本家とのことですが、取材に伺ったシーンあたりではその脚本家の顔はまだ出てきておらず、"しっかり者の長女" という感じ。dareka12_0199.JPGあまり本腰を入れていなさそうな、言ってしまえば"しかたなくこの場に参加しています" 風な男性陣の尻を叩き、チャキチャキと会議の舵を取っている...風。



一方で、妹夫婦はこちらのおふたりが演じます。
片桐仁さんは夫・泰平役。
「いやぁ、難しいなあ」「大変だなぁ」と他人事めいた発言が多く、ちょっと"お客さん" 感があります。
実際、妹夫婦は、この選定に加わるのは初の様子。dareka42_0028.JPG



倉科カナ
さん扮する妻の珠子は、いかにも何かワケあり風。

しかもちょっと、空気がトゲっとしています
姉妹も仲が良いのか、悪いのか。
姉の発言の言葉尻を捉えて突っ掛かったと思ったら、次の瞬間には姉妹がタッグを組んで別の人を攻撃してたり。
一筋縄ではいかない感じが、面白い!dareka13_0026.JPG

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■『アダムス・ファミリー』特別連載(4)■


10月28日(土)にKAAT 神奈川芸術劇場 ホールで開幕するブロードウェイ・ミュージカル『アダムス・ファミリー』10月中旬の某日、その稽古場を取材した。

※稽古場写真は、取材日とは別日のものです
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本番までまだ1週間以上ある中だったが、カンパニーの姿はすでに、実際に作品を上演するKAATのステージの上。この日は「衣裳付き・オケ付き通し稽古」だ。舞台化粧をしている・していない、は人によってまちまち、照明は素明かりではあったが、本番同様の動線、オーケストラもついた本番同様の迫力の歌唱で進められる。開幕を告げる「本ベル」の音も、本番と同じものに違いない。このベル、いかにもゴシック・ホラー的な、いわくありげな鐘の音。憎い演出に、いやがうえにも期待が高まる。

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物語は、NYセントラルパーク内の屋敷に住むお化け一家「アダムス・ファミリー」の面々が主人公。縦縞のスーツをピシっと着こなした一家の主・ゴメス(橋本さとし、その妻モーティシア真琴つばさ壮一帆のWキャスト ※取材日の通し稽古は真琴つばさ)、長女のウェンズデー(昆夏美長男パグズリー(庄司ゆらの、ゴメスの兄フェスターおじさん(今井清隆グランマ(梅沢昌代、そして執事ラーチ(澤魁士。あの(!!)、おなじみのBGMととともに登場する彼ら、インパクト大、怪しさ200パーセント、そして映画やアニメのイメージそのままのキャラクター造形! オープニングから、一気にテンションMAXである。

ゴメス役の橋本さとしは粋で派手、でもちょっと胡散臭いイタリアンマフィアのような風貌。しかし妻と娘の間に挟まれオロオロする姿がキュートな、愛すべきパパ。合いの手のように時折入る笑い声もアメリカンテイストで、すっかりキャラクターになりきっている。普段の橋本の明るく楽しいキャラクターともあいまってとても魅力的、まさに当たり役であろう。その妻・モーティシアを演じる真琴つばさは、初演時に「完璧」との呼び声も高かったが、そのスタイルの良さは、映画版というよりはアニメ版に近いほど、人間離れした美しさ。低めの声で夫に詰め寄る姿も迫力いっぱいで、観ていて楽しい。
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さわやかな秋晴れの某日、第55回本公演「カジノ・シティをぶっとばせ!!」稽古真っ最中の劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)の稽古場にお邪魔した。

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上は60代後半から下は21歳までという幅広い年齢層の団員が所属する劇団SET。総勢40人以上の劇団員が揃い踏みして行われる稽古は壮観。稽古するエリア以外は、劇団員とスタッフでひしめき合い、身動きが取れない程の人口密度。

まずは劇団の中堅どころ3人の場面から稽古が始まった。舞台上への出のタイミング、小道具を持つ角度や扱い、その時の役の心境等いついて座長の三宅裕司の細かなダメ出しが役者に飛ぶ。座長からのダメ出しとなると緊張感が漂うのが芝居の稽古だが、三宅座長はダメ出しをしつつも絶妙なタイミングでジョークを言い、場を和ませていた。

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コメディを作りあげる上で役者を緊張させない配慮、その気遣いが演出のはしばしに垣間見える。何回も同じ場面を繰り返し少しずつ場面の精度をあげていく、そしてそれを見守る他の出演者。少しニュアンスや、細かな演出を加えていくことで場面がどんどん面白みと深みを増してゆく、そんな稽古が他のシーンでも繰り返されていた。

稽古の休憩中、出演者は、リラックスしながらも「自分の役は、どこまでカジノ法案のことを理解しているんだろうか」という事や、「この役はここでこう思うから、このセリフが出てくるんだよね」といった心情の確認、それをどう演技に反映させていくかというような打ち合わせに余念がない。舞台への飽くなき情熱、が劇団SETの稽古場を包んでいた。

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芝居の稽古がひと段落し、ダンスや歌稽古が始まった。SETは、ミュージカル・アクション・コメディーを旗印にしている劇団、そのため必ず劇中に歌とダンスとアクションが入り、様々なエンターテイメント要素が盛り込まれている。
今回のダンスや歌には京都を舞台にしているという事から、その地や、文化にゆかりのある日舞や華道などの特色を取り入れたものとなっているそうで、それがどんな形で舞台上に現れるのか楽しみだ。

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今回のストーリーはカジノ法案が可決され、カジノ誘致巡る町同士の誘致合戦が主軸となる。
様々なライバルを押しのけ、過疎化に悩む田舎町がまさかの大逆転でその勝利を勝ち取る。しかし、実はそこには大いなる陰謀が仕組まれており・・・?!と物語のほうも目が離せなさそうな展開。舞台にかける劇団員達の熱意を早く生で感じてみたい!

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撮影:引地信彦

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■『アダムス・ファミリー』特別連載(1)■


印象的なBGMと妖しい出で立ち、ちょっと不気味でユニークな一家 "アダムス・ファミリー" 。
映画でもよく知られている彼らがブロードウェイでミュージカル化されたのは、2010年のこと。

日本では2014年に白井晃の演出で初演、ブラックな笑いとゴシックなテイストで描かれた "お化け一家の家族愛ミュージカル" は、大好評を博しました。

それもそのはず、脚本は『ジャージー・ボーイズ』などのマーシャル・ブリックマン&リック・エリス、作詞・作曲を手がけたのは『ビッグ・フィッシュ』などのアンドリュー・リッパという人気クリエイター。
さらに主人公であるゴメス(アダムス家のパパ)役の橋本さとしは、本作品で読売演劇大賞優秀男優賞を受賞。
作品が元々持つミュージカルとしての良さに俳優のキャラクターがピタリと合った、最高のエンタテインメント作品になりました。

そのブロードウェイ・ミュージカル『アダムス・ファミリー』 が2017年、ふたたびやって来ます!addams2017_01_01_7178.JPG

新キャストも迎え、2017年版はどんなステージになるのでしょうか...?

本番に向けいよいよ始動したその稽古場、"顔合わせ"と読み合わせ稽古を取材してきました。
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"顔合わせ"は、稽古初盤に、キャスト、スタッフ一同が顔を揃える場です。 ここでは、関係者全員のご紹介とともに、演出の白井晃さんが意気込みを語りました。

「3年半ぶりの再演です。この作品を再演できるということが本当に嬉しく、皆さんのお顔を見ているとニヤニヤしてきますし、この作品ともう一度立ち向かえるんだと思うとニコニコしてきちゃう。それくらい、自分も楽しかった思い出です。懐かしい面々もいらっしゃいますし、新しいメンバーの皆さんも、新しい祖先の皆さん(作中、いわゆるアンサンブルの皆さんは、"アダムス家の祖先" という役どころで登場する)もいらっしゃいます。また新しい『アダムス・ファミリー』を、お客さんに提供できればと思っています。
この作品、舞台上で出演者は大変なんです。踊ったり、歌ったり、ものを動かしたり。でもそれを楽しんでやって頂きたい。こちらが苦しんで楽しんでこそ、お客さんに楽しんで頂けるものになると思っています。ラクしたら楽しんでもらえません。演じる側が苦しみながら楽しんで頂けるような作品に出来たらと思います」
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白井さんは本作を上演するKAAT 神奈川芸術劇場の芸術監督ですが(2016年4月から。2014年4月からは芸術参与を務めていた)「実は3年前にここに来て、一番最初に上演した自分の演出作品が、『アダムス・ファミリー』なんです。そういう意味でも思い入れがある作品で、この劇場で上演してもらえることを楽しみにしています」といったお話も。



さて、顔合わせの日は、まだ歌稽古だったようですが、後日、読み合わせ稽古も取材してきました!
これは、台本をアタマから最後まで読み合わせていく作業です。
キャストの皆さん、まだ椅子に座った状態ですが、セリフだけでなく歌も入り、作品が本格的に動き出した感!


アダムス家のパパ・ゴメスは、橋本さとしさん。
初演でも、胡散臭い存在感の中にも、妻と娘に弱い愛すべきパパっぷりが絶賛されていました。
この日も、妻と娘に挟まれてオロオロする姿、可愛らしかったです!addams2017_01_12_7223.JPG

モーティシア(ママ)は映画でもその真っ白な顔色と無表情、そして抜群のプロポーションでインパクト大のキャラクターですが、今回はダブルキャスト!
まずは、初演時に、完璧なモーティシアを演じ新境地を拓いた真琴つばささん。
無表情なようで感情豊かなモーティシアを、茶目っ気たっぷりに真琴さんが演じています。OK03真琴つばさ_7264.JPG
橋本ゴメスとの掛け合い? ...駆け引き? も、楽しい!
おふたり自身も、楽しそうによく笑っていらっしゃいます。OK★addams2017_01_38_7253.JPG


そして今回初参加、もうひとりのモーティシアが壮一帆さん。
端正な魅力の壮さんが、個性の塊のようなモーティシアをどう作り上げるのかも楽しみにしたいですね。addams2017_01_15_7176.JPG

ゴメスとモーティシアとしては初顔合わせながら、共演の続く橋本さん&壮さん。
こちらも息の合った夫婦になりそうな...。addams2017_01_16_7165.JPG

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scapin_02.jpg ミュージカル「スカーレット・ピンパーネル」左から石井一孝・石丸幹二・安蘭けい

石丸幹二、安蘭けい、石井一孝らが出演するミュージカル「スカーレット・ピンパーネル」の公開稽古が行われ、劇中歌が披露された。

原作はイギリスのバロネス・オルツィの小説「The Scarlet Pimpernel」(「紅はこべ」)。1997年、フランク・ワイルドホーンの作曲でNYブロードウェイでミュージカル化され初演。

日本では宝塚歌劇団星組が2008年に安蘭けいの主演で初演。2010年には月組で再演、2017年には星組が上演するなど人気の高い演目の一つ。

2016年には、石丸幹二、安蘭けい、石井一孝らの出演で上演され好評を博したが、早くも今年の冬に再演される。

今回も、主演・パーシー役を務めるのは石丸幹二。ヒロイン、マルグリット役には安蘭けい。敵役のショーヴラン役は、石井一孝が演じる。

本作の公開稽古が行われ、一幕終盤の楽曲「謎~疑いのダンス」が披露された。動画はこれを収録したもの。【動画4分】
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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