ミュージカル「モーツァルト!」初日前記者会見 木下晴香、平野綾、山崎育三郎、古川雄大、生田絵梨花
5月26日から東京・帝国劇場で開幕するミュージカル『モーツァルト!』の初日前記者会見が行われ、タイトルロールのヴォルフガング役をを務める山崎育三郎、古川雄大、ヴォルフガングの妻・コンスタンツェ役を演じる平野綾、生田絵梨花、木下晴香が出席した。
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
■『シークレット・ガーデン』特別連載 vol.1■
両親を亡くし、イギリスに住む伯父・アーチボルドに引き取られたインド育ちの少女メアリー。
両親に愛された記憶がなくワガママに育ったメアリーだが、アーチボルドもまた最愛の妻リリーを亡くし、すっかり気難しくなってしまっている。
アーチボルドの息子・コリンも、母を亡くし父からも距離を置かれ、身体も弱く、ひねくれた少年に育っている。
それぞれに最愛の人を亡くし、喪失を抱いている彼らだったが、ある日、リリーが大切にし、その死後アーチボルドが鍵をかけてしまった庭園「秘密の花園」の扉をメアリーが発見したことから、庭の、そして家族の再生が始まっていく......。
バーネットによる名作児童文学『秘密の花園』を1991年にブロードウェイでミュージカル化した『シークレット・ガーデン』 。
その年のトニー賞3部門を受賞した名作の日本語版が、今年初上演されます。
開幕も近付く中、5月18日には劇中のミュージカルナンバーを披露する「歌唱披露会見」が開催されました。
会見ではミュージカルナンバーをたっぷり7曲披露!
事前イベントでこの曲数のナンバーが披露されることも珍しい。
しかし、その楽曲の素晴らしさ、キャストの歌唱力の高さを存分に堪能できたイベントでした。
♪A Girl in the Valley(石丸幹二、花總まり)
ワルツの優雅なメロディがゆったりと流れます。
アーチボルドが幸せな過去を回想するナンバー。
アーチボルドとリリーのデュエットですが、幸せだからこそ、すでにもう亡くなっているリリーの存在が切なくも感じます。
石丸さんと花總さんふたりの柔らかい雰囲気が素敵でした!
2004年女優の深井順子により設立した「FUKAIPRODUCE羽衣」。5月24日に初日を迎えた今作の稽古場日誌もついに最終回。
作家部の平井寛人さんが、小屋入り日の様子を綴った稽古場日誌。金子愛帆さん撮影の、舞台写真も届きました。「FUKAIPRODUCE羽衣」の世界を、ぜひご覧ください。
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こんにちはこんばんは。平井寛人です。作家部という部署にて、FUKAIPRODUCE羽衣にいます。主に脚本を書いたり演出をしたりをしています。のどかな気持ちにふと陥ることもありますが、特に誰にもバレません。こっそりのんびりとした時間を集団行動の裏腹で過ごしていたりします。だいたい何とかなる上に、何でも受け入れてしまった方が良く、むしろ不干渉であることや、不干渉にされる前提で過ごして、あとで修正する方が、色々楽なことにも21歳にして気づきました。そうした、ひっそりとした思惑の中で、こっそりした視点から『春母夏母秋母冬母』の稽古場を見ていきたく思います。羽衣を覗き見するような視点での、稽古場日誌です。
舞台写真:金子愛帆
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冬忘れて、なおも凍えて。普通に寝て食べてが出来ているだけでも幸せであると謳って、どんなに辛いときでも、友達といる時くらい、あるいは尊敬できる人に面と向かっている時くらいには心に温もりが通っているふりでもしましょうが、一人になってそんな事が嘘だったのだと分かってしまうと、現実はただただあんまりにも寒々しいものであったりもします。糸井さんの作品には温もりがあるといいます。その効能はつまりこうです。『春母夏母秋母冬母』の通しを観ました。2日続けて観ました。寒い体を包み込んで温めてくれる布団のような世界であったり、湯治に近いものを感じて、頭に残り続けるメロディ・フレーズは万年継続ホッカイロのように体を温めてくれます。現代演劇に貴重な、生活を食い破る体験型です。とてもとても厳しく冷たくなった気持ちの時の方が、力のままに優しさを本当は発揮できるとも僕は思います。続けることは何事も大変なもので、生き続ける事とて。続ける為には、何事にも理由を持つ為の工夫が必要です。
6月2日に初日を迎える、今年創始130年を迎えた劇団新派の花形新派公演「黒蜥蜴 全美版」。好評を得た昨年6月の初演をさらにパワーアップさせた再演となります。
前編に続き、『黒蜥蜴ー全美版ー』について、喜多村さんと河合さんにお話を聞きました。
――初演の『黒蜥蜴』は、いろいろ「新派っぽくない」というような劇評もあったと想像しますが、そのあたりはいかがですか?
緑郎:ありましたね。
雪之丞:まず、劇団新派として、新しい形というものを提示していくことの意味合いがありますよね。「新派っぽくない」というのは、多分古典らしくないということでしょう。新派とはなんぞやという定義が必要ですが、新しい感覚を発信していくというのは大事なことかなぁと思っています。
緑郎:どのお芝居でも、俳優のいいところを全て出して、やれることを全てやるというのが齋藤さんのコンセプトなんです。前回の『黒蜥蜴』もそういう意味で、全てお客さんにさらけ出しました。だから我々は新派をやっているというような気分でもなかったです。
6月23日(土)から東京・北九州・大阪で上演される舞台『銀河鉄道999』~GALAXY OPERA~。
クイーン・エメラルダスを演じる凰稀かなめさんに意気込みを語っていただきました!
――宇宙をさまよう女海賊クイーン・エメラルダスとはどんな人物ですか。
鉄郎が成長する過程で出会う者たちの一人で一匹狼。「私の船を撃ったのは誰?」と名台詞を言えるのが嬉しいですね。メーテルが機械人間で一見優しそうだけど謎に包まれているのに対し、エメラルダスは見た目が怖く、みんなから恐れられています。でも、いざメーテルが危険に陥った時は一番に助けに行く、その正義感の強さは生身の人間だからこそ。漫画原作の作品は難しくて、原作ファンの方々にはすでに表情や動き、喋り方などのイメージがあるでしょう。髪が綺麗になびくか、マントが美しく翻るか、素早い立ち回りができるか。そこを大切にしつつ、中身の人間が演じる新しさを加え、作っていきたいです。
――顔に傷のある役は初めて?
はい。エメラルダスの顔の傷は、背負うものがあるから。ビジュアル撮影時に顔に傷をつけたら、彼女の想いが伝わってきました。私も一匹狼で(笑)、人にベタベタしない。彼女と同様に、目的を成し遂げるためにとことん集中するタイプです。
――ビジュアル撮影の時、松本零士先生にサーベル銃の抜き方を直伝されたとか。
エメラルダスは二刀流で、サーベル銃と銃を身につけていますが、銃の向きが逆なんですね。なぜかというと、体の前で手をクロスして同時に抜くからだと、動きを教えていただきました。パッとやってみたら......難しかったです。
――サーベル銃の長さを自らご提案なさったと聞きました。
最初サーベル銃が短かったんです。確かに取り出しやすく、戦闘シーンもやりやすいけど、クオリティの高い作品を作るのなら原作通りに長さを出したら? と申し上げて。その結果、10センチくらい長くなりました。鉄郎にサーベル銃を向けるシーンが、原作のイメージ通りになると嬉しいです。
――宇宙にロマンを感じますか。
空を見るといいよと言われたことがあって。宝塚在団中はその意味がわからなかったのですが、退団後に肩の荷が降りて、時間などに余裕が出たら空を見上げられるようになりました。何千年先か、もしかしたら近い将来、この物語のように宇宙を旅する、また宇宙で普通に喋る、地球以外の星に住む時代が来るでしょう。でも戦争は終わらないし、歴史は繰り返されてゆく。人工知能の発達にしろ、機械伯爵を予感させますし。ある意味、この話をリアルに感じられる時代が今だと感じます。
――最後にメッセージを。
様々なジャンルのプロフェッショナルが揃うこの舞台、何といっても松本先生が総監修。まずお稽古場でぶつかり合って、いい作品を目指します。開幕をお楽しみに!
壮大な名作アニメが立体的に蘇る。公演は6月23日(土)から30日(土)まで東京・明治座にて。その後、北九州、大阪を巡演予定です。
写真:川野結李歌
朝夏まなと、神田沙也加らが出演するミュージカル「マイ・フェア・レディ」の製作発表が行われ、劇中の2曲が歌唱披露された。
本作は、ジョージ・バーナード・ショウの劇曲「ピグマリオン」を原作とし、イライザとヒギンズ教授のロマンスを加えて書き直し、ミュージカル化したもの。1956年3月、ニューヨークのマーク・へリンジャ―劇場で初演。さらに1964年にはオードリー・ヘップバーン主演で映画化されて大ヒットしたのは周知のとおりだ。
日本では映画が公開される1年前の1963年にミュージカル版が東京宝塚劇場で初演。当時のイライザ役は江利チエミ、ヒギンズ教授は高島忠夫が演じていた。
2016年当時の稽古場を動画で取材した記事はこちら。
そして、日本初演から55年経った2018年、新たなキャストを迎えて再び本作が上演される。
主演のイライザ役は朝夏まなと、神田沙也加のWキャスト。ヒギンズ教授役は寺脇康文、別所哲也がWキャストで演じる他、相島一之、今井清隆、平方元基、春風ひとみ、伊東弘美、前田美波里らが出演する。
演出は前回に引き続きG2が手掛ける。
本作の製作発表が行われ、劇中に登場する2曲が歌唱披露された。動画はこれを収録したもの。【動画3分】
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
2004年女優の深井順子により設立した「FUKAIPRODUCE羽衣」。5月24日に初日を迎える、FUKAIPRODUCE羽衣の最新公演、深井順子40歳記念 第23回公演「春母夏母秋母冬母」。
作家部・平井寛人さんの柔らかな筆致で綴られてきたこの連載も3回目です。更新されていく稽古場の様子に、いったいどんなパフォーマンスが見られるのか、期待が膨らみます!どうぞご覧ください。
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こんにちはこんばんは。平井寛人です。FUKAIPRODUCE羽衣 作家部にいます。舞台作家として今は東京を拠点に活動しています。羽衣に入って1年9カ月経ちました。早いか遅いか、濃いか薄いかで言ったら、私的な体感ですが、濃くて長い21カ月を過ごしています。よく目を少し逸らしたり眠っていたりする隙に物を盗まれますが、そもそも危険に曝される、外に持っていく時点で、失くしても仕様がないものしかないのだと決めました。いつ事故に遭うかも分かりませんが、そうなってしまっても仕方ないような。今なら刺されても仕方ないか、そう思える時でないと髪を切られるのも怖いです。そうした、ひっそりとした見解の中で、こっそりした視点から『春母夏母秋母冬母』の稽古場を見ていきたく思います。羽衣をチラ見するような視点での、稽古場日誌です。
稽古場写真:金子愛帆
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実り熟して、秋思い出し。色んなものをなくし、それでも前に前にと進んできている素朴な生活のさなか、産声間近と、『春母夏母秋母冬母』が役者方を産婆に頭をもたげ始めている。神聖な程入込まれた光景に、視界を奪取されもした。顔つきがどこか違う。例えば舞台美術においても今回は目を見張る鮮やかさであるが、そうした色味細やかな流動にまで美的に一致し、役者方は稽古を重ねて練度を高めている。創作の場が美しい。羽衣の稽古場は多大にチームプレーだ。全員総出で、このこと――舞台が立ち上げられようとしている。誰もが作品そのものを推理するように、ことを明らかにしようとしている。保証され、オリジナルさがある。まず仕事として成立つだろう舞台と感じた。
2004年女優の深井順子により設立した「FUKAIPRODUCE羽衣」。妖艶かつ混沌とした詩的作品世界、韻を踏んだ歌詩と耳に残るメロディで高い評価を得るオリジナル楽曲、圧倒的熱量を持って放射される演者のパフォーマンスが特徴の、FUKAIPRODUCE羽衣の最新公演、深井順子40歳記念 第23回公演「春母夏母秋母冬母」。
作家部・平井寛人さんから届いた、本公演の稽古場レポート第2弾をお送りします。
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こんにちはこんばんは。FUKAIPRODUCE羽衣 作家部の平井寛人です。普段は舞台作家として私的に活動しています。羽衣では糸井さんの楽曲のPVを作ったりしました。また今回の公演の宣伝用にと、目下新しいPVも制作中です。幼稚園に通っている頃、学友と先生と一緒に隠れんぼをしていたのになかなか見つけにこなくて、僕から探す羽目になって見つけた時には皆んな縄跳び遊びをやっていました。それを見てなんだか体が軽くなった覚えがあります。そうした、ひっそりとした働きの中で、こっそりとした視点で今作の稽古場を見ていきたく思います。羽衣をチラ見するような視点での、稽古場日誌です。
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肌も汗ばみつつ、夏目前にて。太陽が辺りのくすんだ景色を、ときには眩くイタズラに鮮やかに粟立たせる中で、一際強く日常の風景から切り出されようと『春母夏母秋母冬母』の舞台があらゆる面から築き上げられていっている。一週間ぶりに観た稽古場は、糸井さん不在の役者御両人による自主練の場だった。緊張感に歯止めを感じられない程、スリルを影にしていた。何を落として何が遅れてきても、意に介さず進み作るしかないのだという逞しさがあった。影を落として、進めてwildな作品になってきていた。それらは比喩や何でもなく、まま命を賭代にするような。観ていて実に爽快だった。季節が舞台でころころと変わった。
■Coloring Musical『Indigo Tomato』特別特集 vol.4■
小林香が手掛けるオリジナルミュージカル『Indigo Tomato』。
映像記憶能力や芸術的な能力が非常に優れている「サヴァン症候群」の青年とその家族が織りなす物語を、たった5人のキャストで描き出す新作ミュージカルです。
5月某日、その稽古場を取材してきました。
そのレポートの、後編です!
★前編は→コチラ
物語は、サヴァン症候群の青年を主人公にしたもの。
とても軽い気持ちでは向き合えない物語かもしれませんが、全編を通しての印象は重くはなく、とても軽やかな気持ちにすらなる、素敵なミュージカルです。
どこかキラキラしたポップな音楽であることに加え、登場人物たちのポジティブで優しい気持ちが描かれているからでしょう。
平間壮一さん演じるタカシの目に映る世界もきっと、キラキラしているのだと思います。
今年創始130年を迎えた劇団新派が、江戸川乱歩原作の怪奇ロマン小説「黒蜥蜴」を再演します。
昨年6月の初演では、乱歩の妖艶な世界を見事に描き出し、喜多村緑郎さんと河合雪之丞さんのコンビによる、奇想天外で華麗なトリックの連続で大きな衝撃を与えました。昨年に引き続き、劇団新派の春本由香さん、伊藤みどりさん、劇団EXILE 秋山真太郎さんが出演し、今回は新たに、ミュージカル界で活躍する今井清隆さんも出演が決まっています。
再演の『黒蜥蜴ー全美版ー』はどのような舞台になるのか、喜多村さんと河合さんにお話を聞きました。
――昨年の初演からちょうど1年での再演です。好評だったからこその再演だと思いますが、改めて再演への思いを教えてください。
河合雪之丞(以下、雪之丞):そうですね。再演のお声がけを頂けるのは本当にありがたいことです。初演の時に力を込めて作った作品だったので、評価していただけたのかなぁと思います。ただ、再演の難しさでもあるのですが、「もう見たからいいや」と思われてしまうと一番困るので、そうならないように、よりパワーアップしたものをお客様にお見せできればと思っています。
喜多村緑郎(以下、緑郎):稽古中は修正ができるんですけど、本番をやっていても「ここ直したいなぁ」、「こういう風になったらいいのになぁ」という部分が出てくるんですね。本番をやりながらだとあまり大きな修正はできないのですが、今回は再演ということで、ズバッと修正できるなぁと思っております(笑)
雪之丞:そうそう。だから初演をやりながらも「次回やる時は...!」という構想が出てきたんです(笑)