【開幕レポート】
日本でも『ART』『大人は、かく戦えり』(ロマン・ポランスキー監督で「おとなのけんか」として映画化)などが上演されているフランスの女性劇作家ヤスミナ・レザの最新作『大人のけんかが終わるまで』が、6月30日・7月1日の東京・THEATRE1010でのプレビュー公演を皮切りにスタートした。キャストは、メインとなる不倫中のカップルに鈴木京香と北村有起哉、彼らが出くわす夫婦に板谷由夏と藤井隆、その姑に麻実れいという"大人の"充実した顔ぶれ。そんな5人の浅いような深いような会話で編み上げたレザ戯曲を、自身のセンスも交えて上演台本にしたのは岩松了。今春に文学座を退座し新たな一歩を踏み出した演出家・上村聡史が、それらを束ねて人間くさくも洒落た悲喜劇に仕上げた。
ローリング・ストーンズ「サティスファクション」が流れる冒頭。シングルマザーのアンドレア(鈴木)と妻子持ちのボリス(北村)は粋なレストランでデート中だが、些細なことから口論が始まる。帰ろうと車を発進させたそのとき、ある奇妙な老女と接触。その女性・イヴォンヌ(麻実)は、ボリスの妻の親友・フランソワーズ(板谷)の夫(厳密には内縁関係)・エリック(藤井)の母であり、彼らもイヴォンヌの誕生日を祝いに、このレストランを訪れていた。「一杯だけでも」とアンドレアたちを誘ったエリックの一言で、2組のカップルと老女が織り成す嵐のような一夜が始まる......。
現代劇に初挑戦する歌舞伎役者・尾上右近さんへの密着企画も進行中の「ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル」について、6月中旬に開かれた記者懇親会の模様をお届けする。
翻訳・演出のG2さんとともに、スーツ姿で現れ、立ち稽古が始まってしばらく経った自身の思いを率直に答えていた右近さん。その言葉の一つひとつに、現代劇に、この作品に、楽しく立ち向かっている様子が伺えた。
■記者懇親会レポート■
まず挨拶に立ったG2さん。「長年舞台の仕事をしていると、"やらねばならない作品"と"やっておかねばならない作品"がある。前者はどんどん目の前に現れてくるんですが、今回は久々に"やっておかねばならない作品"と出会え、ぜひやっておきたいと思い、上演までこぎつけました。作ることで自分自身をカンパニーを変えていくような、アウトプットばかりしているのではなく、インプットにもなり得る作品だと思っています」と作品への思い入れを語った。
また、「斬新な手法ではないけれど、新たな切り口、方法論、新たな感覚で書かれた戯曲で、読んだときに『お前ならどう演出するつもりだ?』とニヤリと笑われた気がしました。ほとんどの登場人物がプエルトリカンで、そこに黒人、白人、日本人もいるという人種のるつぼのような物語で、アメリカの特殊な環境を描いてはいるんですが、とても普遍的な力を持っているとも感じました。今回、日本で上演するにあたっては、日本人の共感に訴える部分をクローズアップしたいと思って、今稽古しているところです」と、作品の魅力をアピールした。
続いて右近さんが「"新人"の右近です(笑)」と挨拶。「何しろ初めてづくしです。初現代劇、初翻訳劇、初主演という形で、社会派の作品に挑むのは、困難を極めることだというのは覚悟のうえです。共演の百戦錬磨の先輩方も、『この台詞はどういうつもりで言ったらいいのか』『どう表現したらいいのか』『難しい戯曲だ』とおしゃっているのを見て、途方に暮れている毎日です(笑)。でも、これがきっと自分の糧になり、そして、自分が"危ないほう""危険な道"に進みやすい性格だと受け入れたうえで、乗り越えなければいけない試練だと思っていますので。乗り越えるというより、壁にぶち当たって打ち砕くつもりで向かっていくということを、今回のテーマにしています」と気合いを見せた。
さらに、初めての現代劇の稽古で、歌舞伎との違いを実感しているとも語る右近さん。「演出家のいない歌舞伎の場合は、腑に落ちる落ちない関係なく、有無を言わさず通し稽古から入るというのが通常のスタイルなので、役作りも自己管理で、自分で考えて進めていかざるを得ません。それと比べると今回の稽古場は、わからないことは『わからない』と言い、自分で抱えずにアウトプットしていくことが大事で、むしろ自分の思いをぶつけていかないと広がりも持てないなんだなということを痛感しています。本読みから戸惑い、立つとなおさらどうしていいかわからないことがたくさんあり、恥ずかしい思いもしているんですが。でも、若いうちにこういう経験させていただけることがありがたく、恥をかくことが好きなので(笑)、たくさん恥をかけることがうれしい。みなさまにはご迷惑をおかけしていると思いますが、1日1日成長していくことを自分に課して、稽古に励みたいと思っています」。
舞台「大人のけんかが終わるまで」鈴木京香、北村有起哉、板谷由夏、麻実れい
鈴木京香・北村有起哉らが出演する舞台「大人のけんかが終わるまで」が開幕した。
本作は「滑稽な悲劇/悲劇的なコメディ」を秀逸に描くことで知られる劇作家・ヤスミナ・レザの新作。破局寸前の不倫カップルと、偶然、一晩いあわせることになった友人夫妻と、その姑という男女5人のコミカルな会話からなる大人のコメディだ。
上演台本は岩松了。演出は「炎 アンサンディ」で文化庁芸術祭賞 大賞などを受賞した上村聡史が手掛ける。
出演は鈴木京香、北村有起哉、板谷由夏、藤井隆、麻実れいの5人。
本作のプレスコールが行われ、一部のシーンが報道向けに公開された。動画はこれをダイジェストにしたもの。【動画1分】
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)

神保町花月 舞台「機械仕掛けのレジスタンス」インタビュー
神保町花月の11周年記念公演「機械仕掛けのレジスタンス」が7月6日(金)から神保町花月で上演される。出演はヒラノショウダイ、レインボー、御茶ノ水男子など。
作・演出は、はらぺこペンギン!の白坂英晃。人類がコンピューターに管理された近未来を舞台にした、SFテイストの作品だ。
よしもと4年目のヒラノショウダイが主演を務めるほか、レインボー、御茶ノ水男子、ボーイフレンド、光永、村潤之介(てのりタイガー)、市川刺身(そいつどいつ) 、ゴールドバーグ、世間知らズ、山田裕磨(いまさらジャンプ)、兵藤天貴(天龍)、まんぷくユナイテッドが出演する。
エントレでは、作・演出を手掛ける白坂英晃、出演者のヒラノショウダイ、レインボー・実方、御茶ノ水男子・しいはしジャスタウェイにインタビュー取材し、本作の魅力について聞いた。【動画3分】
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
現代劇に初挑戦する歌舞伎役者・尾上右近さんへの密着企画の第3回目。いよいよ始まった稽古初日の右近さんの姿をお届けする。
△台本読み合わせの様子
その前に、ストーリーをおさらいしてみよう。第3回目は、右近さん演じるエリオットの実母が管理するサイトに集うウィルスキーを中心に紹介。物語がさらに興味深くなるはずだ。
■STORY■
ウィルスキー(鈴木壮麻)は、アフリカ系米国人でロスアンゼルスに住む国税局の職員。[あみだクジ]というハンドルネームで、ドラッグ依存から抜け出そうとしている人々が集うサイトに入っている。コカイン中毒に陥ってからというもの、息子とは10年会っていない。同じサイトの住人である[オランウータン]ことマデリーン(村川絵梨)との語らいがその孤独を救っている。新参者の[ミネラルウォーター]ことジョン(葛山信吾)にはその恵まれた境遇ゆえに警戒心を持っているが、サイトの管理人である[俳句ママ]ことオデッサ(篠井英介)になだめられたりしている。自身もコカイン中毒の過去を持つオデッサは、そのとき娘を死なせてしまっていた。生き残った息子のエリオット(尾上右近)は伯母に育てられ、イラク戦争で足を負傷して帰還していた。その育ての母が亡くなり、エリオットが従姉のヤズミン(南沢奈央)とともにオデッサを訪ねたことをきっかけに、サイトの住人たちにもリアルな世界での変化が起き、ウィルスキーも思わぬ行動を起こすことになる。
峰倉かずや氏の大人気コミック『最遊記』(一迅社刊行)シリーズが原作のミュージカル『最遊記歌劇伝』待望の最新作『最遊記歌劇伝-異聞-』が2018年9月に上演されます。
初演は2008年の『最遊記歌劇伝-Go to the West-』、2009年には『最遊記歌劇伝-Dead or Alive-』が上演され、2014年に『最遊記歌劇伝-God Child-』、2015年に『最遊記歌劇伝-Burial-』『最遊記歌劇伝-Reload-』と続いてきた舞台の、約3年ぶりの新作。
今回は『最遊記異聞』(一迅社刊行)を原作に、本編から少し遡り、若かりし頃の光明三蔵・峯明の物語を描く。脚本・演出は、『最遊記歌劇伝-God Child-』から手掛ける三浦 香氏。
主人公・峯明を演じ、この作品が舞台初主演となる田村 心さんにお話をうかがいました!
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原作がめちゃくちゃ面白い!
――『最遊記歌劇伝』シリーズ新作に主演が決まっていかがですか?
今回、自分にとって初めての主演ということもあって、決まったときはとても驚きました。歴史ある作品であり、多くのお客さんに愛されている作品なので、プレッシャーみたいなものも感じました。(初演から出演する)唐橋 充さんからもお話を聞いて、『最遊記』シリーズへの熱を受け取ったので、そこはしっかり引き継いでいきたいなと思いました。
――どういう熱でしたか?
「初演のときにこれから何年も続いていく作品だと思った」「だけどどこかでくだけたら続かないと思いながら常にやっていた」とおっしゃっていたので、その想いは僕らも引き継いでいかなきゃなと思いました。気が引き締まる思いですし、それをパワーに変えてやっていきたいです。
――今は原作コミックスを読まれているそうですが、いかがでしたか?
めちゃくちゃ面白いですよ!今まで読んでなかったことを後悔するくらいハマってます。先が気になるのでハイスピードで読み進めています(笑)。

早霧せいな、上白石萌歌、松岡充らが出演する浪漫活劇「るろうに剣心」の製作発表が行われた。
1994年に週刊少年ジャンプで連載開始後、シリーズ累計発行部数6000万部を超える大ヒットとなった人気コミック「るろうに剣心」。1996年にアニメ化、2012年には実写映画化と快進撃を続け、2016年には宝塚歌劇団が初めて舞台化し大成功をおさめた。
今回は、2016年の宝塚版で主人公の緋村剣心役を務めた早霧せいなが、再び剣心役を演じる。脚本・演出は小池修一郎が手掛ける。
本作の製作発表会見が行われた。今回は冒頭の挨拶部分を主に抜粋した。【動画7分】
※製作発表のパフォーマンス動画はこちら
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
ただいま前売券販売中の宮崎吐夢さんの「真夏のダイエット(orリバウンド)歌謡ショー(仮)」ですが、ご本人には内緒のマル秘サプライズゲストが決定したとのこと!
主催者からの発表は以下の通り。
宮崎本人には内緒で、げきぴあをご覧の皆様にだけこっそりお知らせします!! 今回なんと!阿部サダヲが、サプライズゲストとして登場します! ドラマの役作りでダイエットに成功した経験を、同期の吐夢に伝授! あくまでもサプライズとなりますので、こちらのげきぴあをご覧になった皆様だけの秘密にしてください!
これはなんて楽しみなサプライズ!皆さん、秘密にしておいてください!くれぐれもご本人には内緒ですよ。
★セットリストの一部をご紹介!
また、当日のセットリストも一部公開になりました。
今回の歌謡ショーでは、宮崎吐夢のスマッシュヒット「バスト占いのうた」「mini mini chimpo」「I・SHI・DA・I・RA...」のダイエットバージョンを初披露する予定です。
※なお今回は時間の関係で、毎回ご好評いただいている「降霊術」はお休みです。期待高まる公演まであと2か月弱。吐夢のダイエット(orリバウンド)した姿を是非ご覧ください!!
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『吐夢のマル秘ダイエット手帖』発売記念
「真夏のダイエット(orリバウンド)歌謡ショー(仮)」
8月24日(金) 18:00開場 19:00開演
東京キネマ倶楽部
出演:宮崎吐夢
ゲスト:池津祥子、伊勢志摩 根本宗子(月刊「根本宗子」)、吉田能、 金山寿甲(東葛スポーツ)、金子鈴幸(コンプソンズ)ほか
料金:4,300円(整理番号付きスタンディング/ドリンク代別)
※前売券好評発売中!
現代劇に初挑戦することになった尾上右近さんを応援すべく、市川猿之助さんが稽古場に駆けつけてくれました。
スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』の若手公演に、その力を見込んで右近さんを抜擢した猿之助さん。
対談で発せられた猿之助さんの言葉に、右近さんは大いに力づけられたようです。
歌舞伎も現代劇も、大事なのは観る方に喜んでもらうこと
■歌舞伎と現代劇の違い
右近 この『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル』で現代劇に初めて挑戦させていただくことになったのは、猿之助のお兄さんにいち早くご報告しました。もともと、「現代劇もやれたらいいね」っていうことを言ってくださっていたので、「ついにやることになりました」と。
猿之助 やっぱり、歌舞伎以外のお芝居をやることで、いろいろな経験が積めるからね。それが歌舞伎役者にとってプラスになるかどうかはわからないけれど。自分の人生が豊かになるという意味では、非常にいい機会になると思うんですよ。
右近 ご報告したときも、僕という人間自体がどうなるのかを楽しみにしてくださってるんだなということが伝わってきました。とくに、僕がけっこうテンパる性格だというのは重々ご承知なので、それを含めて「どうなるかねぇ」って(笑)。
猿之助 そう。そんなふうには見えないけど、すごく緊張するし、すぐ余裕がなくなっていっぱいいっぱいになっちゃうからね。
右近 そういう姿を、いつもいつも楽しそうに見守ってくださっていて。それが僕としてはうれしいんです。
猿之助 だってやっぱり、余裕でできる範囲のことをやっていたってつまらないでしょ。僕だって、自分の許容量以上のことを与えてもらって成長してこられたんですから。だから、『ワンピース』でも、「麦わらの挑戦」という若手公演の回を設けて、主人公のルフィをはじめ、僕がやっている複数の役をダブルでやってもらったんですよ。
右近 まさかダブルキャストでさせていただけるなんて、思ってもみませんでした。
浪漫活劇「るろうに剣心」製作発表パフォーマンスより
早霧せいなが主演する浪漫活劇「るろうに剣心」の製作発表が行われ、出演者によるパフォーマンスが披露された。
1994年に週刊少年ジャンプで連載開始後、シリーズ累計発行部数6000万部を超える大ヒットとなった人気コミック「るろうに剣心」。1996年にアニメ化、2012年には実写映画化と快進撃を続け、2016年には宝塚歌劇団が初めて舞台化し大成功をおさめた。
今回は、2016年の宝塚版で主人公の緋村剣心役を務めた早霧せいなが、再び剣心役を演じる。脚本・演出は小池修一郎が手掛ける。
本作の製作発表会見が行われ、冒頭で舞台衣裳を着た出演者たちのパフォーマンスが行われた。今回はパフォーマンス部分をノーカットで収録した。【動画4分】
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)