【シークレット・ガーデン(1)】珠玉の楽曲を先行披露! 歌唱披露会見レポート

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■『シークレット・ガーデン』特別連載 vol.1■


両親を亡くし、イギリスに住む伯父・アーチボルドに引き取られたインド育ちの少女メアリー。
両親に愛された記憶がなくワガママに育ったメアリーだが、アーチボルドもまた最愛の妻リリーを亡くし、すっかり気難しくなってしまっている。
アーチボルドの息子・コリンも、母を亡くし父からも距離を置かれ、身体も弱く、ひねくれた少年に育っている。

それぞれに最愛の人を亡くし、喪失を抱いている彼らだったが、ある日、リリーが大切にし、その死後アーチボルドが鍵をかけてしまった庭園「秘密の花園」の扉をメアリーが発見したことから、庭の、そして家族の再生が始まっていく......。

バーネットによる名作児童文学『秘密の花園』を1991年にブロードウェイでミュージカル化した『シークレット・ガーデン』
その年のトニー賞3部門を受賞した名作の日本語版が、今年初上演されます。
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開幕も近付く中、5月18日には劇中のミュージカルナンバーを披露する「歌唱披露会見」が開催されました。


会見ではミュージカルナンバーをたっぷり7曲披露!
事前イベントでこの曲数のナンバーが披露されることも珍しい。
しかし、その楽曲の素晴らしさ、キャストの歌唱力の高さを存分に堪能できたイベントでした。


♪A Girl in the Valley(石丸幹二、花總まり)

ワルツの優雅なメロディがゆったりと流れます。
アーチボルドが幸せな過去を回想するナンバー。
アーチボルドとリリーのデュエットですが、幸せだからこそ、すでにもう亡くなっているリリーの存在が切なくも感じます。
石丸さんと花總さんふたりの柔らかい雰囲気が素敵でした!01歌_石丸&花總_5387.JPG01歌_石丸&花總_5377.JPG

♪Wick(松田凌、上垣ひなた)

メアリーとディコンが10年前に閉ざされた庭を再生しようと決意するナンバー。
松田さん扮する少年ディコンは、メイドのマーサ(昆夏美さん)動植物の心がわかる不思議な力を持っています。
枯れているように見えても、内側には「命の芯(Wick)」があるんだよ、すべての命あるものは育つんだ......という、生命力の力強さを信じ歌い上げる曲。
松田さん、メアリー役の上垣さん、ふたりとも笑顔がキュート!
上垣さんは、元ヤングナラ(ライオンキング)です!02歌_松田&上垣_5444.JPG02歌_松田&上垣_5410.JPG02歌_松田&上垣_5406.JPG


♪The Girl I Mean to Be(池田葵)

こちらは2幕冒頭にメアリーが歌うナンバー。
インドでわがままいっぱいに育ったお嬢様のメアリーですが、そんな彼女の本心が歌われます。
池田さんは元アニー!
ほか、『サウンド・オブ・ミュージック』のマルタ役なども演じてきている実力派。03池田_5469.JPG


♪A Bit of Earth(石丸幹二)

誕生日に何が欲しいかとメアリーに尋ねたアーチボルドですが、メアリーは「大地を少し欲しい、種を植えたい」と答えます。
そんな彼女に、リリーと同じように自然を愛する心を感じ、複雑な思いを抱くアーチボルドのナンバー。
アーチボルドは切ない歌が多いですね...。04石丸_5487.JPG


♪Hold On(昆夏美)

屋敷で良かれと思ってやったことで、多くの人を傷つけてしまったメアリー。
自己嫌悪におちいるメアリーを、メイドのマーサが励まします。
嵐が来て、身がすくんで動けないとしても、消え去るべきは嵐の方であなたじゃない...。
優しく力強く温かいナンバーを、昆さんが素敵に歌います。
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♪Round-Shouldered Man(大東リッキー、鈴木葵椎)

母を亡くし父からも距離を置かれ、身体も弱く部屋に閉じこもっているコリン少年。
彼が見る悪夢のような情景を三拍子で紡ぐ、不思議にファンタジックなナンバーです。
この日はコリン役をWキャストで演じる大東さん、鈴木さんのデュエットで。貴重。06大東&鈴木_5528.JPG06大東&鈴木_5519.JPG06大東&鈴木_5520.JPG


♪Lily's Eyes(石丸幹二、石井一孝)

アーチボルドは亡き妻リリーを思い続け、その弟のネヴィルもまた兄の妻であるリリーを密かに思っていました。
リリーの姪であるメアリーが屋敷にやってきたことで、メアリーに彼女の面影を見、ふたりが亡きリリーへ思いを馳せる切ないナンバー。
石丸さん・石井さんのデュエットは大迫力です!07石丸&石井_5571.JPG07石丸&石井_5568.JPG



歌唱披露の後は皆さんからのご挨拶や質疑応答もありました。

演出を手掛けるのは、スタフォード・アリマさん。
2016年にブロードウェイで上演された本作の25周年記念コンサート、4月に開幕したカナダ版の演出も手掛けたという彼ですが、日本で作品を演出するのは初。
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実は「両親はカナダ生まれなんですが、私の祖父母が日本生まれで、ずっと日本が自分を呼んでいるんじゃないかなと感じていました」というバックボーンを持ち、日本での演出は「ずっと日本での演出を夢見ていました。自分の夢がすべた叶ったようなもの。そして本当に素晴らしい才能を持ち合わせているキャストの皆さんとご一緒させていただき、贈り物を受け取ったような気持ちになっています」と話します。

また作品については
「家族、喪失、そして家族の再生を扱った作品だと思っています。私にとっては、「感じ、考えさせてくれる」ミュージカル。感情のレベルで感じさせてくれて、人間性というものに関しても考えさせてくれる作品だと思っています。観にきてくださる方には、素晴らしいストーリー、音楽、美術、素晴らしいパフォーマンスということだけではなく、人間として家族というものや、家族の繋がりという経験を持って帰っていただきたいなと思っています」
と話しました。


アーチボルド役は、石丸幹二さん。
石丸さん曰く、アーチボルドは「二枚目じゃない。変わっている人なんです」とのことですが...。

「子供の頃に『秘密の花園』の本を読んだことはありませんでしたが、1993年、来日公演で初めて観て、あまりの歌の素晴らしさ、そして子役たちのレベルの高さに圧倒されたことが今でも脳裏にやきついています。その当時、わたしはまだ20代でしたから、自分はこの作品で演じる役はないと思っていましたが、約四半世紀がたってやる役にめぐりあえた。今回このチャンスをうまくいかして、あらたなキャラクターを造形していきたい。

台本を読んで真っ先に思ったのは「ビフォー・アフター」。ビフォーは非常にひどい状態です。たいてい、少女少年の物語だと "可哀想な子" が幸せになるものですが、この作品は "ひどい子" たちが登場する(笑)。アーチボルドもひどい。ひどい3人が、秘密の花園の扉が開くことによって自分を取り戻し、自分が成長していく。見始めと見終わりがまったく違う絵になっている。そういう魅力のあるミュージカルだと思います」11石丸_5604.JPG


アーチボルドの亡き妻・リリーを演じるのは花總まりさん。

「私は今回亡くなった妻の役ですが、とっても素敵な作品で、素敵な役なので、心を込めて一生懸命演じたいと思っています」と意気込みを。

作品の見どころとしては
「この作品は、私の演じるリリー含め、もう亡くなっている役どころがいくつかあるのですが、生きてる人たちと亡くなっている人たち、現在と過去がすごく上手く入り交ざり、それがすごくキレイな曲で展開していく。そこがひとつの魅力じゃないかなと思っています」と話しました。12花總_5608.JPG


さてこの作品、とっても重要なのが子役さんたちです。
物語の中心人物、メアリーを演じるのは池田葵さんと上垣ひなたさん(Wキャスト)。IMG_5705.JPG

池田葵さん
「『秘密の花園』は小さい頃から大好きな作品なので頑張りたい。作品の素晴らしいところのひとつは、音楽。温かみのあるストーリーと優しいメロディがマッチングしていて、初めて聴いたときにすごく心に響きました」
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上垣ひなたさん
「メアリーは両親に興味をもたれずにひねくれたまま育ちます。両親が死んだあと、アーチボルドおじ様にひきとられ、それから色々な人に会ったりお庭に出合ったりして、メアリー自身がお庭とともに成長していくところが見どころだと思っています。『シークレット・ガーデン』という素敵な舞台に、素晴らしいキャスト・スタッフの皆さんと一緒に携わることができてとても幸せです。頑張ります」18上垣ひなた_5617.JPG


同じく、アーチボルドの息子コリンは、Wキャストで大東リッキーさん、鈴木葵椎さんが演じます。

大東リッキーさんは作品の魅力を「メアリーというたったひとりの子の存在がきっかけになって、コリンや、石丸さんが仰っていた"ひねくれた人たち"が育っていく、成長していく。その成長に僕はすごく感動しました」と話しました。19大東リッキー_5622.JPG

鈴木葵椎さんも「メアリーというひとりの存在で、コリンだったらどんどん元気になって、石丸さん(の演じるアーチボルド)だったらどんどん自分を取り戻していく。メアリーひとりだけで、すべて変わっていくのが見どころ。コリンの乱暴なところや純粋なところの難しさを考えながら、一生懸命頑張っていきたいです」と意気込みます。20鈴木葵椎_5627.JPG


アーチボルドの弟・ネヴィルを演じるのは石井一孝さん。

まず「石丸幹二さんの弟ということで、顔がどれくらい似ているように見えるか、これが一番大切なポイントだと思っています」と話し、会場の笑いをとる石井さん。

「ネヴィルは葛藤する弟。(兄の妻である)リリーを密かに大胆に愛している役なんですが、いまのところ稽古場で1秒も花總さんと目があうことがありません(笑)。どんな結末になるか僕自身も楽しみですが、兄弟の葛藤と愛と絆を描きたいと思っています。
子どもたちが素晴らしくて、彼らのポジティブな明るいパワーと、石丸さんと僕の役の暗さの対比、でも双方が最終的にどんどん成長していくところが見どころ。
また、この作品の作曲はルーシー・サイモンという方ですが、アメリカにはカーリー・サイモンというめちゃくちゃ有名なシンガーソングライターがいるんです。日本でいったら松任谷由実さんみたいな感じ。ルーシーはその姉。松任谷さんのお姉さんが作曲したミュージカルみたいな感じの作品です(笑)」というプチ情報つきのご挨拶でした。14石井_5634.JPG


メイドのマーサは昆夏美さん。

「メアリー役、コリン役のみんなの純粋なお芝居と歌声、その瞳を見ていると汚い心がすべて洗われていくようです。そんな癒された空間の中でみんなで頑張っています。私は『HOLD ON』という曲を10年くらい前に知って、大好きな曲だったのですが、こうしてマーサとして歌わせていただけることに大変光栄に思っています」とご挨拶。

見どころは「皆さんが仰っていますが、音楽と物語の美しさに尽きると思います。革命とか戦争とか悲劇の別れとか、そういう衝撃的なものはありませんが、だからこそ流れるような、癒されて美しくて、心が洗われるような、ピュアな力に溢れた作品。見終わったあとは必ず心が一枚、皮が剥けたような、温かい気持ちになって帰っていただけると思います」と話しました。
ちょっと訛の強いマーサ、昆さんがどう演じるのか楽しみです!15昆_5645.JPG


そしてマーサの弟ディコンは松田凌さん

植物や動物と会話が出来る少年で、メアリーに大きな影響を与えるキーパーソンです。

「素敵なキャスト、スタッフの皆さまとミュージカルでご一緒できることが光栄に思っています。お姉ちゃん(昆)がいうとおり、日々、稽古の中で汚い心が純粋な心に変わっていって、本番にはしっかりと自分が演じる意味があるディコンを演じたいと思っています。この作品のひとつの力として頑張りたい」と意気込みを。

作品の見どころとしては
「アーチボルドのセリフで、奇跡にまつわる言葉があります。僕は奇跡とは信じたり、待ってるものなんだと解釈していたのですが、この作品を通して、待つものでも信じるものでもなく、自分で引き寄せていくもの、掴んでいくものなんだということを学びました。実生活、自分たちが生きていく中でも近しいものを感じる部分があって、そういった小さなことからでも幸せや奇跡というものを引き寄せていきたい、それを本番でも出していきたいと思っているので、何かしらの奇跡を劇場で起こせたらと思います」と現在の心境を絡めて語りました。
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ちなみに石丸さんと花總さんは、夫婦役は『モンテ・クリスト伯』(2013年)ぶりですが...13石丸&花總_5677.JPG

石丸「『モンテ・クリスト伯』が今から4年くらい前? 今回再会したときに、その時の花ちゃんとなんら変わってなかった! その間に『レディ・ベス』という作品でも共演していますが、そのときは師弟の関係でした。今回その役を飛び越えて、最初に会った『モンテ・クリスト伯』のあの頃の花ちゃんとまた出会えた、そんな気持ちで、おじさん嬉しいなという気持ちです(笑)」

花總「(笑)。ありがとうございます。私の方もお稽古場で石丸さんの声を聴いたときに、ものすごい安心感がありました。やっぱりマルさんの隣は安心する!という、それが久しぶりの第一印象だったんですが、悲しいことに今回はぜんぜん目が...」

石丸「目が合わない。なぜかというと彼女は...」

花總「わたしは亡くなってるので」

石丸「そうなんです。だから目が合いようがない」

花總「私は一方的に見るんですが、全然目が合わず。さっき披露しました歌も実際は...」

石丸「目が合わないんです」

花總「だから貴重な、さっきのは幻の1回だったんです。なのでその感覚を忘れずに歌いたいなと思うんですが、とても今回ご一緒できて嬉しいです」

...というエピソードも。

▽貴重な、目を合わせての歌唱!01歌_石丸&花總_5393.JPG



と、歌に意気込みにたっぷりのイベントでしたが、最後に石丸さんが
「私たちもまだ稽古中で、これからクライマックスがつみあがっていく予定の段階です。おそらく最後までいったらもっと違うものを得て、皆様にお届けし、発信していくことになると思います。初日、そこに向かっていきますので、私たちの成長を見守ってください。そして心をほっとさせる、みんなの心がふわっと明るくなるミュージカルをお届けすることをお約束いたします。また劇場でお会いしましょう」
とご挨拶をして、会見は終了しました!21全景_5745.JPG

キャストの皆さんもニコニコしていて、なんだか穏やかな癒し空間が広がっていた会見。
本番も楽しみです!

▽メアリー&コリンのご挨拶中、固唾をのんで(?)見守るマーサ&ディコン姉弟。IMG_5714.JPG


取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)


 
【公演情報】

・6月11日(月)~7月11日(水) シアタークリエ(東京)
・7月14日(土)~16日(月・祝) 厚木市文化会館 大ホール(神奈川)
・7月20(金)・21日(土) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール(福岡)
・7月24(火)・25日(水) 兵庫県立芸術文化センター阪急 中ホール

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