2019年に愛媛の内子座にて上演された「あんまと泥棒」が本多劇場に場所を移しての再演となった本作、観劇レポートをお届けします。

 

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まずは舞台中央でのオープニングトークから始まります。さすがの2人のやり取りに客席が笑いに包まれる中でそれぞれが役衣装に着替え、いつの間にか「あんまと泥棒」の芝居が始まります。
江戸の市井での出来事を演じつつ、「今」ならではのアドリブやコントを交えながら軽妙な2人芝居が繰り広げられます。

  
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           撮影:宮川舞子

 

近藤さん演じる泥棒・権太郎が、南原さん演じる目の見えない秀の市の家へ押し入り、お互いが身の上話をしていく中で権太郎の心に変化が生じ、ついには盗みを諦めますが、最後には・・?
温かな笑いが溢れるあっという間の80分間。
このようなご時世だからこそ観て良かった、と元気をもらえる作品です。

 

【あらすじ】
夜更け、泥棒・権太郎(近藤)は、あんま・秀の市(南原)の家へ泥棒に押し入る。権太郎は、秀の市が高利貸しの烏金を貯めていると噂を聞きつけ、秀の市に金を出すように迫る。
しかし、秀の市はしらばくれて、利息はもらっているもののほとんど貸し倒ればかりだと言い逃れる。権太郎は金のありかを白状させようとするが、秀の市はとぼけるばかり。
やがて、二人は台所にある焼酎を飲み始め、お互いの身の上話を始める。そのうち、日が昇り始めるので、権太郎が家の中を物色し始めると、位牌が出てくる。すると、秀の市は死んだ女房に仏壇を買ってやりたいが、金が貯まらないと言って涙を流す。これを気の毒に思った権太郎は、盗みを諦め、秀の市に金まで与え出ていく。これに感謝する秀の市だが...。

 

【公演情報】
2020/11/27(金)~11/29(日) 本多劇場 (東京都)

豪華俳優陣を迎え《これまでになかった究極の舞台》と好評を博している、岩井秀人プロデュース「いきなり本読み!」が 2020 年 12 月 25 日(金)東京国際フォーラム・ホール C にて上演決定。今回は松たか子、神木隆之介、後藤剛範、大倉孝二と錚々たるメンバーが集結します。

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出来上がった作品を観ることがテレビドラマ、映画、演劇などの世界では当たり前。しかし「稽古場のほうが絶対におもしろい!」と、俳優・作家・演出家の岩井秀人(第 30 回向田邦子賞/第 57 回岸田國士戯曲賞受賞)が企画。一夜限りのキャスティングで稽古初日の様子を、お客様の目の前でお届けします。

 
「いきなり本読み!」というタイトルの通り、集まった俳優たちが、それまで読んだこともない台本の読み合わせを客前でする本公演。 俳優にはお題となる演目を事前に知らせず、当日ステージ上で台本を渡し、その場で配役をします。約束された役作りも演出も、照明も音響もなく、まさに裸一貫で台本に挑む俳優の姿を垣間見ることができます。

 
貴重な本読み姿が観られるステージが話題を呼び、今年 2 月に始まった企画ながらも、8 月には下北沢・本多劇場にて 2Days 開催、9 月には豊岡演劇祭 2020 にて初の地方開催も実現しました。今回決定した 12 月 25 日(金)公演には、超実力派俳優が勢揃い。本日11月6日(日)12時よりチケットぴあ有料会員向けのいち早プレリザーブ、明日 11 月 7 日(土)11 時より、プレリザーブがチケットぴあにて開始となります。  

 

 

<岩井秀人よりメッセージ>
みなさま!ご覧の通り、すでに事件です!
今年の2月に「演劇人に怒られそう」と思いながら始めたこの「いきなり本読み!」が、
12月25日に、東京国際フォーラムで開催されます!
1,500人キャパだって!びびるわ!
「いつかはドームで」と冗談で言ってましたが、そろそろ見えてきましたね。見えてきません!
今回はキャパもあれなのと、いつかやってみたいと思っていた、「俳優の表情映し出しビジョン」も導入しつつ、

いつも通り、「これから何やるかわからない俳優さん」が舞台上に登場し、七転八倒の末、どこかしらにた
どり着く予定です!

 
松たか子さん、よく出演OKしてくれました。
日本のお宝である松さんには、ちょっと前に舞台に出てもらいました。
シンプルに「俳優力」が異次元なのはみなさまご存知の通りですが、さらには松さんの「日常の状態から台本に入っていく」姿を、是非是非、皆さんにみてもらいたいと思っております。

 
神木隆之介さん、2度目の登場であり、この企画の僕ともう一人のプロデューサーでもあります。
演じたそばから、それを言語化できるのも、この企画にめちゃんこ向いてるおじいさん子供だと思います。「俳優」という仕事をこよなく愛する神ボーイ神木の、「俳優ってこんな楽しいんですよ!」という熱い思いをまた、一緒にお客さんにお伝えしたい次第です。

 

後藤剛範さんも2度目の出場となりますが、彼は今年度の「ベスト・本読みスト」と言ってもいいかも知れません。初見(一発目の本読み)の不思議すぎるアプローチから、2時間ほどかけて、なんとか台本の端っこを後藤カラーに染める姿を、是非その肉体と共にお楽しみください。座りっぱなしだけど。

 
大倉孝二さん、ようやくご登場といった感じですね?みなさま。
「どんな人を呼びたいですか?」というtwitterアンケートでも多くの票を集めましたが、何より、僕が演劇を始めた頃からのアイドル的存在で、小、中、大劇場で、この人ほど「威力」のある俳優さんはいないと思っております。

 
我ながら今回も素晴らしいキャストが揃いました。それも年の瀬、12月25日、みなさまへのクリスマスプレ
ゼントでございます。
こんな類稀なる才能を持った俳優さんたちと一緒に、いつも通り「全く何やるかわからん」ところから、遠くへ遠くへ、一緒に遠くへ向かいたいと思います。
ご来場、心よりお待ちしております!!


岩井

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苦渋の「無観客」を経て、12月、いよいよ待望の「有観客」開催決定!

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今夏開催した無観客配信ライブにおいて、古舘伊知郎は「主人であるお客様の表情を見ながら、息づかいを感じながら喋るのが、お客様にかしずいて喋る人間の役目なんだ」と語り、次回は必ず有観客で開催することを約束しました。

 
その後もコロナ禍の収束が見えない中、難しい判断とはなりましたが、「この一年に対する思いを、お客様の目を見て語りたい」という本人の強い意志のもと万全の感染防止対策を講じた上での、「有観客」開催を行うことに致しました。

 
古舘伊知郎「覚悟」のトークライブ、あの夏の約束を果たすステージを、ぜひ会場で体感してください。

■タイトル:古舘伊知郎トーキングブルース -やっかいな生き物-
■公演日時:令和2年12月4日(金)18時開場/ 19時開演
12月5日(土)16時開場/ 17時開演
■発 売 日:10月28日(水)よりオフィシャル先行受付開始
■U R L:https://w.pia.jp/t/furutachi/
■料 金:7,000円(税込)
■会 場:恵比寿ザ・ガーデンホール
■主 催:古舘プロジェクト/ ディスクガレージ
■協 力:恵比寿ガーデンプレイス/恵比寿ザ・ガーデンホール

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フリムンシスターズ_キャストビジュアル.jpg10月24日(土)にBunkamuraシアターコクーンにてCOCOON PRODUCTION 2020『フリムンシスターズ』が初日を迎えた。松尾スズキのシアターコクーン芸術監督就任後初の書下ろしとなる20年ぶりの"新作ミュージカル"であり、長澤まさみ、秋山菜津子、阿部サダヲらの豪華キャストの集結でも上演前より話題を集めていた本作の初日公演レポートが到着した。

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取材・文:田中里津子 / 撮影:細野晋司

 この難しいご時世のもろもろを乗り越え、松尾スズキの書き下ろし新作ミュージカル『フリムンシスターズ』が待望の幕開けを果たした。10月24日、その記念すべき初日の舞台はまず暗転と共に銅鑼の音が響くと妖しげな色の照明が光り、それに勝るほど派手に着飾ったドラァグクイーン姿の皆川猿時が登場。そこは彼女が建てたテアトル・ド・モモという、新宿2丁目の上空に浮かぶ劇場なのだ。「劇場が好きよ」。この一言が、多くの人が待ち構えていた初日独特の空気と相俟って、これはきっと客席だけでなく舞台裏も含め、心がひとつとなって物語世界へ一気に没入していく感覚があった。その皆川演じる<信長>がストーリーテラー的な立場となり、物語はスタートする。

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2020年9月1日、吉田都が新国立劇場の舞踊芸術監督に就任した。任期最初のシーズンの開幕は、古典バレエの傑作『ドン・キホーテ』。大原永子前芸術監督在任中の5月に上演を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でキャンセルとなった演目だ。吉田新芸術監督に、作品の魅力と今後の抱負を聞いた。

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「任期は4年間。やるべきことをどんどんやっていかなければいけないけれど、とても楽しみ。ワクワクしています! こういう時だからこそ、劇場をサポートしよう、応援しようという空気が強く感じられて、ありがたいです」と吉田は就任直後の思いを明かす。
最初の公演『ドン・キホーテ』は、セルバンテスの同名小説を題材とした、マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー振付による古典バレエの傑作。スペインを舞台に繰り広げられる若い男女の恋物語は、民族舞踊を取り入れたダイナミックな踊り、闘牛士やジプシーたちの活躍、森の妖精たちの美しい群舞にえ、コメディの要素たっぷりと、堅苦しさとは無縁の楽しいバレエだ。6組の主役キャストが日替わりで登場、日本のバレエ公演としてはめったにない豪華さも話題に。「大原永子先生が強い思い入れをもって組まれたキャストです」と、吉田は前任者の気持ちをしっかりと受け継ぐ。

「開幕にふさわしい舞台です。クラシックの要素も、コミカルな演技も楽しんでいただける『ドン・キホーテ』には、バレエの醍醐味が詰まっている。様々な演出が上演されていますが、新国立劇場のアレクセイ・ファジェーチェフ版は、その中でも最もオーソドックス。ここを押さえておけば!という作品です」

出演するダンサーたちについても、「先日、一人ひとりと面談をしたのですが、皆、個性あふれるダンサーたちです。でも意外と、ステージに上がるとそれをひゅっと引っ込めてしまう(笑)。舞台でももっとそのキャラクターを出してほしいので、『ドン・キホーテ』はぴったりだと思うのです!」と笑顔で語った。

英国ロイヤル・バレエ団初の日本人プリンシパルとして活躍した吉田。演劇の国で長くキャリアを積んだ彼女の指導力が、今後、どう活かされていくかも興味深い。自身の経験から、一人ひとり、いまいちど基礎に立ち返ってもらいたいとも強調。

「技術的なことはバレエスタッフが細かく見てくれるので、私はもっと演じること、見せることに意識を向けています。理想はすごくクリアにある。皆にはもっと自由に表現してほしい」

1月の〈ニューイヤ・バレエ〉、2月の〈吉田都セレクション〉ほか、趣向を凝らしたラインナップにも期待が寄せられるが、実は、「この劇場のオリジナル作品が意外と少ないということにも気づきました」と新たな課題にも触れた。当初、シーズン開幕に予定されていた『白鳥の湖』は、海外からの指導者、スタッフの招聘が叶わず延期せざるを得なくなった。そんな中で、「バレエ団のカラーをもっと出し、自分たちで育てていける作品が必要ということも感じたのです」と意欲を示す。
バレエの楽しさを、もっと多くの人に知ってもらいたいという思いも強い。
「今回の舞台は、有料動画配信という新たな試みに取り組みます。リハーサル風景の生配信の予定も。そうすれば日本全国の方にもバレエを楽しんでいただけますね。海外からのお申し込みもいただいています。劇場の中でも、もっとバレエを知ってもらうためのエデュケーショナルな企画にも取り組んでいきたい」

すでに様々なアクションを起こしている新芸術監督。『ドン・キホーテ』は、まさにそのスタートとなる晴れやかな舞台となる。公演は10月23日(金)から11月1日(日)、東京・新国立劇場オペラパレスにて。

加藤智子

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ナイロン100℃は、2020年冬に公演予定であった、第47回本公演の中止を発表した。

 

2020年年初にケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)は、「2020年は4本の演出作品を上演する」とし、春は『桜の園』、夏はKERA×古田企画、秋は新ユニット結成企画、冬はKERAの主宰劇団であるナイロン100℃の第47回本公演を行う、と4企画をの上演を予告していた。
 
しかし新型コロナウイルスの影響から、春の『桜の園』、夏の『欲望のみ』が中止となり、現在、新ユニット・ケムリ研究室 no.1『ベイジルタウンの女神』は各地公演を巡演中である。
 
KERAにとっては、ようやく今年初の公演が上演実現した最中ではあるが、冬の劇団約2年半ぶりの新作公演の中止、という苦渋の決断をすることになった。
 
主たる理由としては、「ソーシャルディスタンスの確保の困難さ」である。
 
KERAは「松永玲子・村岡希美の二人を中心に据え、意外な劇場で行う」という構想を語っていたが、公演のキャスト&スタッフ数や公演内容を踏まえ、予定劇場施設の客席、楽屋、作業動線等を検証した結果、今回の上演企画の場合、現状の形では、ソーシャルディスタンスの保持が困難である、と判断した。
 
ナイロン100℃ファンには残念な知らせとなったが、公演が、改めて上演される機会を待ちたい。
 
ーー
 
劇団主宰のケラリーノ・サンドロヴィッチより、メッセージが届いた。
「またもや中止。今年3公演めの中止が決まってしまった。楽しみにしてくださっていた方々にはまったく申し訳ない。めっきり本数減ってしまったけれど、劇団での公演は自分にとって様々な意味で特別な公演である。もしも今後限られた公演形態しか残せないとしたら、迷わず劇団公演を選ぶ。劇団で芝居を始め、劇団員と共に演劇の何もかもを学んだ私だ。劇団の活動が全ての礎なのである。

 規模としては今年中止になった3つの中で最も小さな公演だったが、その「規模の小ささ」が仇(あだ)になってしまったようだ。狭い楽屋での長期公演。ならば楽屋が密にならぬようにと、公演日数を大幅に短縮した出演者4人のみによる代替公演案(別役実氏の追悼公演としての新作書き下ろし)も提出させてもらったが、こちらも「客席を削減することにより、入場料を跳ね上げないと黒字どころかトントンも見込めず積極的にはなれない」とのことで、制作サイドによる完全中止のジャッジに従う形となった。これはもう、興行である以上致し方ないのだ。

 松永玲子と村岡希美の2人を中心に据え、意外な4名の客演をお迎えした、フェリーニの『8 1/2』のような、イメージの連鎖で紡いでゆく実験作にしたいと考えていた。劇団公演としては1997年夏以来のザ・スズナリ。小空間ならではの微細な表現に満ちた作品になったに違いない。いつかきっと、スズナリで思いを果たしたい。代替案で出した公演も形にしたい。どちらも、かなり具体的に構想が固まっていただけに、残念でならない。出演を予定していた劇団員及び客演の皆さん、スタッフの皆さん、ザ・スズナリの方々、そしてお客さん。どうか待っていてください。」

主宰
ケラリーノ ・サンドロヴィッチ

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今年、11月に東京・新橋演舞場で上演される舞台「女の一生」の制作発表会見が9月30日に行われた。
「女の一生」は終戦直前の1945年4月に森本薫が文学座に書下ろした、明治・大正・昭和を生き抜いた女性の一代記であり、日本演劇界を代表する不朽の名作。会見には大竹しのぶ、段田安則、高橋克実、風間杜夫が登壇した。

【集合写真】
▼左から風間杜夫、高橋克実、大竹しのぶ、段田安則

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大竹は劇場に行くことが当たり前ではない初演時の戦時下と今が重なると述べ、「不自由な時代に突入したが、やっぱり芝居をやりたいと思いました」と語った。
本作の主人公である布引けいは杉村春子が900回以上にわたり演じ続けた当たり役としても有名だが、「私なりのけいを演じなくてはいけないなと思っています。多少のプレッシャーはあるけど大丈夫。頑張ります」と意気込んだ。

出演とともに演出も務める段田は「この状況で舞台にたてるのは当たり前のことではない、今回は命がけで挑みたい」と力を込めた。

高橋は「19歳から59歳までを演じる中で良いかつらをかぶらせていただいている。終わった後に買い取るかどうか検討中」と笑いを誘った。

まずは本の素晴らしさに感銘を受けたという風間は、「南座は中止になってしまったが演舞場はやります、と力強い言葉をうけ、役者を続けていて良かったと思った」と感慨深く語った。

公演は11月2日(月)~11月26日(木)に東京・新橋演舞場にて上演。チケットは10月4日(日)10:00より一般発売開始。

<あらすじ>
明治38年(1905年)日露戦争の後、日本がようやく近代的な資本主義国の姿を整え、同時にその動向が世界の国々と断ちがたく結び合い、影響し始めた時代。戦災孤児の境涯にあった布引けいが、不思議な縁から拾われて堤家の人となったのは、そんな頃である。

清国との貿易で一家を成した堤家は、その当主はすでに亡く、後を継ぐべき息子たちはまだ若く、妻のしずが義弟・章介に助けられながら、困難な時代の一日一日を処していた。甲斐甲斐しい働きぶりを見せるけいは、しずに大変重宝がられた。同時にけいと同様に闊達な気性の次男・栄二とも気性が合い、お互いにほのかな恋心を抱くようになった。
そのけいの思慕とは裏腹に、しずは跡取りであるべき長男・伸太郎の気弱な性格を気がかりに思い、気丈なけいを嫁に迎えて、堤家を支えてもらうことを望んだ。しずの恩義に抗しきれなかったけいは、伸太郎の妻となった。
けいは正真正銘堤家の人となり、しずに代わって家の柱となっていく。担い切れぬほどの重みに耐えながら、けいはその「女の一生」を生きるのである。

時は流れて昭和20年・・・。二つの大戦を経る激動の時代を生きて、今、焼け跡の廃墟に佇むけいの前に、栄二が再び戻ってきた。
過ぎ去った月日の、激しさと華やかさを秘めて、二人はしみじみと語り合うのであった・・・。


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朴璐美オフィシャルファンクラブ×げきぴあ連動企画!!!

TRUMPシリーズ」最新作・音楽朗読劇『黑世界 ~リリーの永遠記憶探訪記、或いは、終わりなき繭期にまつわる寥々たる考察について~』が920日(日)に開幕しました。げきぴあでは、21日に初日を迎えた【日和の章】に出演する朴璐美さんにフィーチャーしたレポートをお届けします。

HP▶▶https://trump2020.westage.jp/

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本作は、劇作家・末満健一さんがライフワークに掲げ、2009年から展開する人気演劇公演「TRUMPシリーズ」の新しい試みとなる<shared TRUMPシリーズ>の第一弾。

ひとつの世界観を複数の作家が共有して創作する"シェアードワールド"の手法を用いた短編アンソロジー形式での公演となり、今作は【雨下の章】と【日和の章】の二作同時上演となります。演出はすべて末満さん、音楽はTRUMPシリーズではおなじみの和田俊輔さんが手掛けます。

鞘師さんと末満さんの対談はこちら▶▶http://community.pia.jp/stage_pia/2020/08/post-808.html

※※以下、ネタバレがありますのでご注意ください※※

全編通して描かれるのは、'14年に上演された『LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-』の主人公・リリーの物語。繭期(人間で言う思春期)のまま不老不死となったリリーの、永遠に続く旅の中で生まれた出会いと別れのお話です。

それぞれのタイトルと作家は以下。

【雨下の章】

  • 「イデアの闖入者」[作・末満健一]
  • 「ついでいくもの、こえていくこと」[作・宮沢龍生]
  • 「求めろ捧げろ待っていろ」[作・中屋敷法仁]
  • 「少女を映す鏡」[作・末満健一]
  • 「馬車の日」[作・降田天]
  • 「枯れゆくウル」[作・末満健一]

出演:鞘師里保、樹里咲穂、池岡亮介、大久保祥太郎、新良エツ子、宮川浩、中尾ミエ、松岡充

【日和の章】

  • 「家族ごっこ」[作・末満健一]
  • 「青い薔薇の教会」[作・葛木英]
  • 「静かな村の賑やかなふたり」[作・岩井勇気]
  • 「血と記憶」[作・末満健一]
  • 「二本の鎖」[作・来楽零]
  • 「百年の孤独」[作・末満健一]

出演:鞘師里保、上原理生、MIOYAE、三好大貴、中山義紘、新良エツ子、朴璐美

まず驚いたのはその芝居のスタイルでした。「音楽朗読劇」と銘打ってはありますが、その言葉からイメージするような、じっとした状態で台本を読むというスタイルの演劇とはかけ離れています。手に台本を持ち、ソーシャルディスタンスを保ちながら、役者たちは全身で物語を表現。TRUMPシリーズならではの細部までこだわった舞台美術、照明、衣裳も美しく、もはやこれは......というものでした。

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すべての物語に登場するのは、リリー(鞘師)と、自らをチェリーと呼ぶ幻覚(新良)。それ以外の登場人物は物語によってさまざまで、つまり役者たちは複数の役を演じます。

【日和の章】に出演する朴さんは、①「家族ごっこ」[作・末満健一]、②「青い薔薇の教会」[作・葛木英]、④「血と記憶」[作・末満健一]、⑥「百年の孤独」[作・末満健一]に出演。その中で、ふたつの役を演じました。ただ、ふたつの役といっても......です!

①④⑥はつづきものとなっており、リリーとある家族の間に流れる100年以上の時間を描きます。その中で朴さんはラッカという人物を演じ、子供時代、成人時代、老女になってからの姿を演じます。その年齢を重ねていく表現は、圧巻の一言。同じ人物がこれほどまでに幅広い年齢を演じられるのか、という驚きに加え、特に老女になってからのお芝居には、ラッカが語る言葉一つひとつに彼女が重ねてきた時間や思いが重なり、舞台上では描かれていない100年の時間が見えてくるのです。それゆえに、リリーの不老不死であることの苦しみも自然と浮かび上がり、客席には涙を流すお客様も多くいらっしゃいました。

そして②は、罪を背負った青年ヴァンプ(吸血種)の役。前述の①④⑥とは、作者も内容も全然違うお話です。罪悪や赦しをテーマに描かれており、朴さん演じるヴァンプは、自分が犯してしまった罪を悔いているのにある理由から償いきれないジレンマを抱える難しい役どころです。青年の中でぱんぱんに膨らんだ罪悪感を、朴さんは時に繊細に、時に衝動的に演じていて、観ていて苦しくもなりますが、さまざまなことを考え、気づかされるお芝居でした。

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そして、本作は"音楽"朗読劇です。つまり、それぞれの役として歌唱します。え!歌声まで演じ分け!?という驚きをぜひ劇場や配信で感じてください。

オムニバス形式だからこそ一度に観ることができ、だからこそその演じ分けにより驚かされるお芝居の数々。朴さん以外のキャストも複数役を演じています。ひとりの人間がいくつもの役を演じることの面白さや、作家によって作風が変わる脚本、シーンによって全く違う表情を見せる舞台美術、作りこまれた衣裳、照明の美しさ、生演奏、生歌唱......そんな演劇の楽しさが詰まった本作を、ぜひご覧ください!

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朴さんにとっては初参加となる「TRUMPシリーズ」。『LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-』で予習しておくとさらに堪能できますが、シリーズの詳しい設定はhttps://trump2020.westage.jp/にも記載があるので、チェックしてみてくださいね。

音楽朗読劇『黑世界 ~リリーの永遠記憶探訪記、或いは、終わりなき繭期にまつわる寥々たる考察について~』は104日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて、1014日(水)から20日(火)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて上演中。

ライブ配信は922日(火・祝)、26日(土)、27日(日)、103日(土)、4日(日)。

取材・中川實穗

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昨年、まさかの舞台化で話題を呼び、連日満員御礼となったLIVE ミュージカル演劇『チャージマン研!』の第二弾LIVEミュージカル演劇「チャージマン研  R-2」10月10日(土)から東京・新宿FACEにて上演されます。

本作は、昭和40年代に制作放送され、平成になってそのチープでクオリティの低い内容がネットやテレビで爆発的に人気になり、新たなファンを獲得したアニメ「チャージマン研!」を原作にした舞台。しかし、主人公・研が4人(クアトロキャストではないです)いることをはじめ、かなり型破りな作品です。初演では、公演中に舞台では前代未聞の"毎公演無料配信""本番中も携帯での写真撮影 OK"にしたことで、連日 SNS でも話題を集め、当日券の列が日に日に長くなり、入り切れなくなるほどでした。

キャストは初演から引き続き、古谷大和、安達勇人、星元裕月、篠原麟太郎、浜ロン、村上幸平が出演。演出はキムラ真(ナイスコンプレックス)、脚本は伊勢直弘、音楽は手島いさむが手掛けます。(公式HPはこちら https://www.lol-w/cha-ken_r2/

果たしてどんな舞台になるのか......!
というわけで、新キャストの藤原祐規さん東拓海さん、アムロレイ芸人として有名な若井おさむさん、そして吉井プロデューサー(以下、吉井P)にお話をうかがいました。

*****

――LIVE ミュージカル演劇『チャージマン研!』第二弾はどのような舞台をイメージされていますか?
吉井P 基本的には初演と同じスタイルです。前回の爆発力がすごかったですからね。普通だったら「じゃあまた違うことをやろうよ!」となるところですが、この作品はスタッフもキャストも「同じことをやろうよ」という声があがっていて。

――初演はお客様からどんな反応がありましたか?
吉井P 「とんでもないことをやったね」「クレイジー」という(笑)。

――(笑)。わたしも拝見しましたが、確かにクレイジーでした。割とお客さん同士もお喋りをしながら観ていたりして、応援上映的な空気もありましたよね。
藤原 え、本番中にお喋りってことですか?

――はい。
藤原 すげえ!(笑)
吉井P 前回はお喋りを止めなかったですね。今回はコロナ対策で席も離れるし、マスクもしてるので、お喋りはできないと思いますけど。

――コロナ対策で変わらざるを得ないところもありますか。
藤原 あ、でもこれ、コロナ対策かわらないですけど、構成案に「口パク」っていう単語が何度も出てきてて......飛沫予防にはなりますよね。
一同 (爆笑)
吉井P これも感染対策です! 言葉を発しない!
 舞台で口パクって、やる側も想像できない......。
一同 (笑)

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――東さんは今回初めて研を演じますが、初演を劇場でご覧になったそうですね。
 はい。もう衝撃がすごくて......。アニメを見ずに行ってしまったので、本当にわけがわからなかったです(笑)。でも原作をご存知のお客様がすごく盛り上がっているのを見て、すごくいいなと感じて。だから今回やれるのはとても楽しみです。

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――何を求められる舞台だと思われていますか?
 僕は再現性だと思っています。原作の細かなニュアンスとか、そういうところがお客様の面白いと感じられた部分だと思ってので、そこは大事にしつつ。でも研が4人いますからね。そこはそれぞれの個性も必要だと思います。

――藤原さんは今回は星君役ですが、初演では声の友情出演ということで参加されていましたよね。
藤原 はい。なので初演は衣裳を着た通し稽古を見学しました。これがどうお客様に受け入れられていくんだろうってことが気になって。そしたらネットニュースとかでもバンバン出てくるし、今回も出演する古谷大和からは「ふっきーさん、次は絶対出たほうがいい」って言われるし。
一同 (笑)

――古谷さんはなんでそうおっしゃったんですかね?
藤原 わからない(笑)。本当にわからないことがとても多い舞台です。

――若井さんも研役ですが、そもそもこの作品はどのくらい把握されていますか?
若井 オファーをいただいたとき、アニメは知っていたけど、舞台化されていたことは知らなかったんですよ。それで「研が4人いるうちの1人だ」って聞いて、「どういうことや」と思って。

――(笑)。そうですよね。
若井 一応、インターネットで調べて、そしたら少しだけ初演の動画があったので見てみたら、なんかすごくみんなでワイワイやってて楽しそうだなって。普段、僕は大人数でワイワイやるのは苦手なんですけど。
一同 あはは!
若井 でもそこはせっかくなので、演技としてワイワイ......
一同 (爆笑)
若井 いや、本当は普段のときも中に入りたいんですよ。でもやり方がわからない! みんなでワイワイやるやり方が。だから、演技の中でワイワイして、そのままのノリを皆さんとできたらなと思っています(笑)。あと、音楽が手島いさむさんというのが楽しみです。僕は30年以上前から、手島さんが所属するバンドの大ファンなので。

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――手島さんはどんなふう音楽をつくられるのですか?
吉井P 手島さんは僕らの話を聞いて、意見もちゃんと言ってくださるので、そこが面白いです。あと、初演でも某作品をパロッたシーンがありましたが、今回も似たようなシーンがありまして。先日の打ち合わせでは、「そこもちゃんと作るから」と言ってくださってましたね。本気でパロッた音楽を作ってくれるんですよ(笑)。

――すごい! それは楽しみです。ちなみに今作の内容も気になるのですが、藤原さんが星君という第4話に出てくるイケメンの役なので、第4話をやるということですか?
藤原 それが......。
吉井P (笑)
藤原 どうやら4話はやらないんですよ。

――え......?
藤原 今、頭を抱えましたね? 僕、まさにそういう状態です。僕は何をしにいくんだろうってところが不安です。
一同 (笑)

――お客さんは第4話を観た前提で台本を書くということなんですか?
藤原 これはまだ僕の想像ですが、アニメの星君は第4話に出てくるんですけど、その前だって一応その世界にはいるわけじゃないですか。だからそういう感じで出てくる。普通に星君として違う話に。研の同級生とかとして出てくるっぽいです。多分。

――それは不安ですね。
藤原 (即答で)不安ですよ。
一同 あははは!

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――ちなみに藤原さんはこの中では一番舞台の経験が豊富ですが、この作品は難しく感じるものですか?
藤原 とても。

――(笑)。
藤原 予想ができない、準備ができないので。
吉井P ははは!

――求められるのってなんですかね?
藤原 引き出しだったり、ひらめきだったり、アイデアですかね。でも、演出のキムラ(真)とは何本も一緒に作品をつくっているので、キムラと相談しながら、みんなと相談しながら、やっていきたいと思います。

――若井さんも不安なこと、ありますか?
若井 4人の研の中で、僕、ダントツで年いってるんですよ。今47歳で、50前なんですけど。歌って踊るらしいので、踊りなんてできるのか......体力は持つのか......。そこはかなり心配ですね。僕、そもそもミスキャストだと思ってるんですけど。
一同 (笑)
若井 この中で、一体どういうカタチで僕は演出されるのかなっていうのが、楽しみでもあり、不安でもありますね。

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――そもそもなぜこの作品のオファーを受けたのですか?
若井 それは逆に僕が聞きたいところです! なぜ、僕にオファーがきたのか。男前の方ばかり出られてますし。20人くらいに断られて最後に残ったのが僕やったんやな、と思って。ただ来たものを断るというのは僕の中ではないですから。せっかくお声がけいただいたので、ぜひやらせていただきますということで引き受けさせていただきました。
藤原 でも僕、若井さんは「なるほど」と思いましたよ。絶対おもしろい。
吉井P 僕もそう思ってるんだよね。絶対おもしろい。
藤原 ちなみに、アニメの研役の声優さんはアムロの声優さんとは違う方じゃないですか。若井さんはどういくんですか? アムロでいくんですか?
若井 いやいや、アムロでいこうというのはないです。でも声を張ると、アムロになってしまう。
一同 (笑)
藤原 そこがもう面白いですよね。まず絶対かぶらないから、他の3人と。
若井 でもそれ、逆に邪魔しません? 邪魔をしない感じでできたらなと思ってますよ。研の声もしっかり研究して。
吉井P いやいや、研の声を真似る必要はないですからね。
藤原 他のキャストも研を真似するわけじゃないですから。
吉井P 安達勇人なんて茨木弁ですし。
若井 え、そうなんですか......探り探りやっていきます(笑)。

――東さんも研役として、今までとちょっと違う芝居になりそうですよね。
 そうですね。でも一回やってみたいなと思っているのが、"真面目にやること"です。
藤原 ああ、それはアリだと思う!
 アニメは正味5分位の中であの展開なので突拍子もないですが、今回、その絵と絵の間の出来事を本気で考えてみたらどうなるんだろうと思っていて。それを一回やったうえで、演じてみたい。......ダメだったら投げます(笑)。
一同 ははは!

――初演はどんな感じでつくっていかれたのですか?
吉井P セリフを4回繰り返すというアイデアは、キムラさんが稽古初日に持ってきたんですよ。前の晩まで「まだわかりません。どうしましょう」ってLINEが来てたんです。でも、初日に4回繰り返しますって言った瞬間から、見えてきた感じはありますね。今「真面目にやる」って話をしてたけど、最初の読み合わせはみんな大真面目に繰り返して読んでいて、大爆笑だったんですよ。
一同 へえ~。
吉井P でも稽古を重ねていくと、その面白さが普通になっていって、足りないんじゃないかって気持ちになるじゃないですか。

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――コメディあるあるですね。
吉井P で、どんどんエスカレートしていって、本番一週間前くらいに「ちょっといきすぎてるよ」って僕が止めたんですよ(笑)。それで少し戻して、本番を迎えました。
藤原 なるほど。足し算したくなる。
吉井P なるよね。キャストからアイデアも出てくるし。どんどん発展していくし。

――前回はニコ生での配信も面白かったですね。
吉井P 今回もやります。あのニコ生でのお客様の盛り上がり方......弾幕の使い方だったりとか、あの遊び方はこの作品にすごく合ってるなと思っていて。実はこの遊び方が、若井さんのオファーにも繋がっているんですけど。若井さんが研として登場したときに、どんな弾幕が流れるか。僕らがどうつくろうと、若井さんがどんな芝居をしようと、そこに必ず登場する言葉があると思うんですよね。
藤原 ありますね!
吉井P そうやって、お客さん同士でも楽しんでくれたらいいなと思っています。

――配信は今の時代にとても合いますね。
吉井P だから劇場に来れない方も存分に楽しんでいただけると思います。

――キャストの皆さんはこの作品だからこそできることもあると思うのですが、何か企んでいることはありますか?
東 前回観たときに「僕はふざけ過ぎないようにしよう」と思ったんですよ。
吉井P (爆笑)
藤原 一番の若手が!
 違うんですよ! 引かれちゃうなと思ったので、塩梅を大切にしたいなって。

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――でも、ということは、引かれるくらいのことを一度考えてみたってことですよね。
 はい。最初はいろいろ考えました(笑)。内容は言えないですけど。シミュレーションした結果、スベッてるから......。
一同 (笑)
 だから一旦落ち着いてやってみたいです。でもどこかで成仏させてあげないといけないから、中盤くらいで出していきたいです。

――(笑)。成仏させる気はあるんですね。藤原さんはどうですか?
藤原 星君ってジュラル星人なので。

――いきなりネタバレを。
藤原 この舞台でジュラル星人ってアンサンブルでしょう? だから僕もアンサンブルに入るのかなと思っていて。アンサンブルは久しぶりですから。

――初心に戻る舞台に......。
藤原 なる、かもしれない。そこをがんばりたいです(笑)。いや、でも原作を観て観に来てくださる方って、観たいシーンがあると思うので。僕の場合、第4話がないからわかんないんですけど。
一同 (笑)
藤原 でもどこかで「星君っぽいな」と思わせたい、というのはあるので。喋り方だったり、立ち方だったり、基本は押さえていきたいなと思います!

――若井さんはチャレンジばかりだとは思いますが。
若井 僕、バラエティ番組とかお笑いの舞台とかで他の人と絡むときに、前日から「よし、これ絶対ウケるわ」と考えて持っていったものって大概スベるんです。
一同 (笑)
若井 なので、共演者の方々と息を合わせてやっていきたいです。とにかく皆さんに迷惑をかけないようにしたいんですけど、でも、あほなことに真剣に取り組むって、やる側も楽しいですけど、観ていただくとめちゃくちゃ楽しいと思うので。楽しんでいただけるようにがんばりたいです!

取材・文 中川實穂
撮影 川野結李歌

LIVE ミュージカル演劇『チャージマン研!』R-2 は、10月10日(土)から18日(日)まで東京・新宿 FACEにて上演予定。

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現在も新国立劇場 小劇場にてピーター・シェーファー2作連続公演『わたしの耳』『あなたの目』を上演中であり、これまでも数々の傑作公演をプロデュースしてきたシス・カンパニーが、10月9日~11日の3日間だけという初の短期公演『たむらさん』を上演する。

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新型コロナウイルスによる影響によって、予定していた9月公演が当初の計画よりも公演期間を短縮せざるをえなくなったことを発端に、こんな状況なのだから、"何か面白いことをやってみよう"と企画されたのが本作。この機会にシス・カンパニーが声をかけたのが、新進脚本家として注目を集め、主宰する<劇団た組。>で純度の高い劇世界を生み出してきた加藤拓也であり、『たむらさん』は加藤による書き下ろし作品だ。

突発的にも感じられるシス・カンパニーと加藤拓也の組み合わせではあるものの、実は2021年以降で数本の大きなプロジェクトが進行中であり、その密なコミュニケーションの積み重ねが、今回のとてつもないスピード感で成立した緊急企画の原動力であったとのこと。そして、そのスピードに飛び乗ったのが、作者の世界観をよく知る、橋本淳と豊田エリーの2人だ。シス・カンパニー×加藤拓也×橋本淳×豊田エリー。この組み合わせによって、どのような作品が生まれるのか興味は尽きない。

【演出家+キャスト コメント】

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作・演出:加藤拓也(かとう・たくや)
加藤です。劇を書いている時は複雑な事は複雑なまま理解できる大人になりたいと思ってたのですが、なんといざそんな世界になると難しくて嫌になってしまいました。簡単な世界の方には簡単には戻らないのでしょうけれども楽がしたいのでどこかでずるできないか考えてしまいます。今回の劇では複雑な事をそのまま持ってる人と簡単にしてしまった人が出てきますが、何度か一緒してる橋本さんと豊田さんは、ややひねくれつつ、やや真っ直ぐなので、そういうものがうまく舞台の上にやや乗せできると思っています。

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出演:橋本 淳(はしもと・あつし)
「たむらさん」のお話を頂いたとき、すぐに飛びつき、面白いと心から思える企画に心躍りました。しかし、その数秒後には、恐ろしいほどの恐怖感が襲ってきました。今現在もずっと襲われています。わたくし、襲われ続けています。しかし、恐怖心が大きいほどに、それは返ってくるものも大きいということ。どうせなら思い切り楽しもうと思ってなんだか開き直ってもいるという不思議な現状。皆様への情報開示もそこまでしていないので、どんな内容かは分厚いベールに包まれていますが、期待大の"挑戦作"です。憧れであったシス・カンパニーさん、そしてとても信頼している作演の加藤拓也氏と共演の豊田エリーさん、この上ないほどの贅沢な場で、思い切り羽を広げさせてもらいます。コロナ禍でなかなか劇場に足を運びづらい時節ですが、皆さまに届く歪な作品をお届け出来る様に、最後まで闘います。お楽しみにしていてください。

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出演:豊田エリー(とよた・エリー)
加藤さんの描く人間は、確かに生きていると信じてしまう実在感に溢れていて、橋本さんもまた人の弱さや歪みも含んだリアルな様を表現するのが素晴らしいので、これからはじまる稽古が楽しみで仕方ありません。今回の作品について、まだお伝えできることは少ないのですが、脚本を読んだ時に味わった、足元がぐらつくような感覚をみなさまにもお届けしたく思っています。憧れのシス・カンパニー公演。これまでに幾度となく足を運んだ新国立劇場 小劇場。どひゃー、ドキドキです。

<公演概要>
公演期間:
10月9日(金)19:00
10月10日(土)15:00
10月11日(日)15:00
公演会場:新国立劇場小劇場(東京・初台)
作・演出:加藤拓也
出演:橋本淳、豊田エリー
チケット料金:S席¥5,500、A席¥3,500
一般前売開始日:2020年9月26日(土)


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