2019年に愛媛の内子座にて上演された「あんまと泥棒」が本多劇場に場所を移しての再演となった本作、観劇レポートをお届けします。
まずは舞台中央でのオープニングトークから始まります。さすがの2人のやり取りに客席が笑いに包まれる中でそれぞれが役衣装に着替え、いつの間にか「あんまと泥棒」の芝居が始まります。
江戸の市井での出来事を演じつつ、「今」ならではのアドリブやコントを交えながら軽妙な2人芝居が繰り広げられます。
撮影:宮川舞子
近藤さん演じる泥棒・権太郎が、南原さん演じる目の見えない秀の市の家へ押し入り、お互いが身の上話をしていく中で権太郎の心に変化が生じ、ついには盗みを諦めますが、最後には・・?
温かな笑いが溢れるあっという間の80分間。
このようなご時世だからこそ観て良かった、と元気をもらえる作品です。
【あらすじ】
夜更け、泥棒・権太郎(近藤)は、あんま・秀の市(南原)の家へ泥棒に押し入る。権太郎は、秀の市が高利貸しの烏金を貯めていると噂を聞きつけ、秀の市に金を出すように迫る。
しかし、秀の市はしらばくれて、利息はもらっているもののほとんど貸し倒ればかりだと言い逃れる。権太郎は金のありかを白状させようとするが、秀の市はとぼけるばかり。
やがて、二人は台所にある焼酎を飲み始め、お互いの身の上話を始める。そのうち、日が昇り始めるので、権太郎が家の中を物色し始めると、位牌が出てくる。すると、秀の市は死んだ女房に仏壇を買ってやりたいが、金が貯まらないと言って涙を流す。これを気の毒に思った権太郎は、盗みを諦め、秀の市に金まで与え出ていく。これに感謝する秀の市だが...。
【公演情報】
2020/11/27(金)~11/29(日) 本多劇場 (東京都)