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昨年の世界初演は大好評、チケットは全公演即日完売したミュージカル『王家の紋章』が、今年ふたたび上演されます!

累計発行部数4千万部を誇り、40年間連載が続いている少女漫画界屈指の大ヒット作を原作に、『エリザベート』『モーツァルト!』の音楽を手がけたシルヴェスター・リーヴァイを作曲に迎えて制作された超大作ミュージカル。

原作の魅力を最大限に生かしながらも、深い人間ドラマが描かれたグランドミュージカルとして、原作ファン、ミュージカルファン入り乱れ、大熱狂を巻き起こしました。

物語は、古代エジプトと現代アメリカを行き来し、壮大なロマンが描き出されていきますが、その中で現代パートを一手に担っていたのが、ライアン役の伊礼彼方さん。

現代から古代エジプトへとタイムスリップするヒロイン・キャロルの行方を探し続ける兄・ライアンの孤独や、演じる上での難しさ、こだわり、やりがいなどを、伊礼さんに伺いました。


●物語●

アメリカ人少女・キャロルは、エジプトで友人や恋人共に考古学を研究していた。ある日、ピラミッドの発掘が行われることになるが、それは古代エジプトの王・メンフィスの墓だった。その直後、キャロルのもとに現れた謎の美女・アイシス。弟メンフィスを愛するアイシスの呪術によって、キャロルは古代エジプトへとタイムスリップしてしまう。
彼女を待ち受けるメンフィスとの出逢いや様々な試練、そしてエジプトを狙うヒッタイト王国の王子・イズミル――。数奇な運命が、キャロルを歴史の渦へと巻き込んでいく――。
(公式サイトより)



◆ 伊礼彼方 ロングインタビュー ◆

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●ライアンは孤独です

―― 『王家の紋章』、もうすぐ再演の幕が開きます。初演は大好評でしたが、昨年の8月、あの1ヵ月を思い出すと、どうでしょう?

「楽しかったです。同世代の役者がいっぱい集まって、若い世代で帝劇を埋めているという意味でも、とてもやりがいのあったお仕事でした。そして今回の再演。再演まで、あっという間だったねぇ。早かった!」


―― ダブルキャストの役柄もある中で、伊礼さんが演じるライアンはシングルキャストでした。大変でしたね。

「そうそう、疲れました。俺、ずっと楽屋で『健治へ』ってCDを制作してましたので、大変でした(笑)! どうする、意外とすぐ売り切れたな、どうしよう、ってどんどん作っていったら、ちょっと残ったので、今年も劇場で販売しようかなと思っています(笑)」

★伊礼さんのCD『健治へ』については、昨年の「浦井健治&伊礼彼方ロングインタビュー」に詳しく載っていますコチラ


―― そっちの大変ですか(笑)。で、ライアン兄さんですが、ヒロイン・キャロルの兄です。演じていていかがでしたか?

「孤独でしたよ~! しかも舞台上、ほとんどエジプトの色で出来上がっちゃっていて、居場所がない(笑)。作品としては、それでいいんでしょうけどね」


―― ひとりで現代サイドを担っていらっしゃった。

「そのやりがいはありました。自分ひとりで(空気を)作るしかないという。再演では、シーンの再構築があったり新曲が加わったりというようなことがあると聞いていますので、現代側と古代エジプト側の関係をもう少し掘り下げていって、お互い効果的になればいいなと思いますね


―― 「お互い効果的になれば」とは?

「ライアンのセリフって「キャロル」ばかりなんですよ(笑)。ずーっとキャロルを探してるから! それに、現代サイドのシーンでほとんど誰とも絡まないでしょ。けっこう、ひとりでやるのに限界があるんです。感情って、第三者が共感してくれたりすることで、浮き彫りになったりするでしょ。実生活でもそうだけど、芝居は特に、それを使った方が伝わりやすい。でもそれが(現代パートの構成上)限られてしまっています。だから例えばエジプトでのメンフィス・キャロル・イズミルの関係性がよりくっきりして、そちら側の感情が濃くなれば、そことのギャップを利用して、ライアンの孤独や切なさも強く浮き出てくると思うんです。古代エジプトでの愛憎が深まれば深まるほど、キャロルが現代に帰った時の喜び、そしてまたすぐいなくなったときの苦悩、切なさ、孤独、絶望に変換できるので。逆もまたしかりで、こちらの孤独が深まれば、古代での愛がさらに強く見えると思いますね」
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映画版『ミス・サイゴン』こと、『ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン』の公開が、来週に迫ってきました!

1989年の9月20日、ロンドン・ウエストエンドで幕を開け、世界中で愛され続ける、ミュージカル史に残る名作『ミス・サイゴン』。
ベトナム戦争末期のサイゴンを舞台に、ナイトクラブで働く少女・キムとアメリカ兵クリスの悲恋を中心に、戦争下で生きる人々の葛藤や苦しみ、愛が描かれる壮大なドラマですが、この映画はロンドン版25周年にあたる2014年9月、ロンドンのプリンス・エドワード・シアターで上演された25周年記念公演を、最新の映像技術で撮影、映画化したものです。

日本では1992年に初演。
日本版25周年の記念の年にこの映画版は公開されることとなります。


『ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン』は3月10日(金)より、
TOHOシネマズ 日劇にてロードーショー(全国順次公開)。
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世界中のサイゴンファン垂涎のスペシャルな記念公演の映像を映画館の大スクリーンで観られる日が待ち遠しいところですが、そんな中、なんとエンジニア役を演じたジョン・ジョン・ブリオネスさんと、<25周年記念スペシャル・フィナーレ>に出演したオリジナル・キャストのレア・サロンガさんの独占インタビューが到着しました!

今回はレア・サロンガのインタビューをお届けします。
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レア・サロンガ(Lea Salonga)
フィリピン出身。1971生まれ。
『ミス・サイゴン』キム役オリジナルキャスト(当映画・記念公演のスペシャル・フィナーレにも登場)。キム役はロンドンに続きブロードウェイ版でも演じ、トニー賞を受賞。『レ・ミゼラブル』ではアジア人初のエポニーヌ役を演じた。『レ・ミゼラブル』25周年コンサートでもファンテーヌ役を務めている。映画『アラジン』『ムーラン』のヒロインの声も担当、ディズニーランドよりディズニー・レジェンドの称号を授与された。


レアさん、過去に来日経験あり。
出演したコンサート「4Stars」(2013年)の記事はコチラ→


◆ レア・サロンガ インタビュー ◆


●『ミス・サイゴン』以前は...

――子どもの頃『王様と私』に出演されてたレアさんですが、子どもの頃からミュージカル女優になるのが夢だったのでしょうか?

「子どもの頃は歌うのも楽しかったけれど、本当は医者にもなりたいと思っていて、大学では生物学を専攻していたのよ。だから、ミュージカル俳優、またはフルタイムの歌手になることをずっと夢見ていたとは言えないけれど、今はこうやって俳優と歌手をやっている。全てうまくいったわ」


――『ミス・サイゴン』キム役のオーディションを受けたきっかけは何ですか? またオーディションでのエピソードをお聞かせください。

「私が所属していた歌手の組合の組合長からオーディションのことを聞いたの。彼女は、私にトライするべきだと言って、電話で長々と私の母を説得してくれたの。もし役をもらえなかったとしても、人生は変わらず進むんだからと、私たちはトライすることに決めた。もし役をもらえたら、そのときにどうするか考えようって。あの決断は絶対に後悔しないわ。私たちに、演技する機会以上のものを与えてくれたんだもの」


●『ミス・サイゴン』について

――1989年初演の初日、その前の、稽古場でのエピソードをお聞かせください。

「この作品が初演を迎える頃、私はとても若かった。かなり保守的で温室育ちだった私には、ショックを受けることがたくさんあったわ。露出度の高い衣裳や、クリスとのロマンティックで情熱的なシーンに慣れるのは大変だった。その過程では、大きな信頼と、全ては最終的にはうまくいくという確信が必要だった。衣裳のスケッチを見て恐れおののき、衣裳あわせでは更に恐ろしくなり、舞台上で男性とキスをすると知ってとてもストレスを感じたわ。おかげさまで、最終的には全て乗り切ったわ」

映画版『ミス・サイゴン』こと、『ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン』の公開が、来週に迫ってきました!

1989年の9月20日、ロンドン・ウエストエンドで幕を開け、世界中で愛され続ける、ミュージカル史に残る名作『ミス・サイゴン』。
ベトナム戦争末期のサイゴンを舞台に、ナイトクラブで働く少女・キムとアメリカ兵クリスの悲恋を中心に、戦争下で生きる人々の葛藤や苦しみ、愛が描かれる壮大なドラマですが、この映画はロンドン版25周年にあたる2014年9月、ロンドンのプリンス・エドワード・シアターで上演された25周年記念公演を、最新の映像技術で撮影、映画化したものです。

日本では1992年に初演。
日本版25周年の記念の年にこの映画版は公開されることとなります。


『ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン』は3月10日(金)より、
TOHOシネマズ 日劇にてロードーショー(全国順次公開)。
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世界中のサイゴンファン垂涎のスペシャルな記念公演の映像を映画館の大スクリーンで観られる日が待ち遠しいところですが、そんな中、なんとエンジニア役を演じたジョン・ジョン・ブリオネスさんと、<25周年記念スペシャル・フィナーレ>に出演したオリジナル・キャストのレア・サロンガさんの独占インタビューが到着しました!

今回はジョン・ジョン・ブリオネスのインタビューをお届けします。

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ジョン・ジョン・ブリオネス(Jon Jon Briones)
フィリピン出身・1965年生まれ。1989年ロンドンのオリジナル版『ミス・サイゴン』で舞台デビュー(公称。詳細は下記インタビューに...)。ドイツ、アメリカ、アジア、そして故郷のフィリピンをツアーし、最後の年はウエストエンドでエンジニア役を演じた。エンジニア役以外ではブロードウェイミュージカル『Allegiance』(2015年11月~2016年2月)の開発にレア・サロンガ、ジョージ・タケイらとともに携わった。映画にも多数出演。


ちなみに日本版エンジニアのダイアモンド☆ユカイさんはジョン・ジョンさんを「リスペクトしてる」そうで、
「ジョン・ジョンを見たときに、これは新しい、何か今までのイメージを塗り替えるパワーと実力があり、"こんなこともやっちゃうの?"ということをやっていて、魅力がある。そこに勇気付けられました」
話していました。→


◆ ジョン・ジョン・ブリオネス インタビュー ◆


●『ミス・サイゴン』について、初演のエピソードなど

――1989年の初演版に出演、ロンドン・オリジナル・キャスト(アンサンブル)でしたが、初演の初日を迎える前、稽古場でのエピソードをお聞かせください。

「『ミス・サイゴン』のオリジナルの舞台が、僕の舞台デビューではなかったんだ。フィリピンで長い間舞台活動をしていたからね。26年前のことを思い出すのは難しいけれど、いつも覚えているのは、いろいろな街だけでなく、いろいろな国々の出身の役者たちで構成される舞台としては、あれが最初でないとしても、最初の舞台のひとつだったということだよ。僕ら役者たちそれぞれがユニークで異なるものをストーリーにもたらし、僕らはひとつの大きなファミリーになったんだ! でも、国籍が異なることで、時々、誤解を生むこともあり、特に僕はそうだったね。だって英語を勉強し始めたばかりだったから。例えば、ショーの後にパブでみんなで会話していて、僕の周りのキャストたちが早口で話していて笑い始めたら、僕も笑い始めるんだよ!彼らが何を話しているのかは全然わからないんだけどね。それで、彼らが、僕に「どう思う?」と聞いてきても、僕は何て言っていいかわからなくて、肩をすくめて、まるで考えているような表情をつくるんだ。(本当はわかっていないということが)ばれないように願いながらね。実際に彼らがどう思っていたかはわからないけれど」


――初日はどのような状況でしたか?

「オープニングナイトは魔法のようだったよ。劇場に着くまで、こんな大きな舞台だとは知らなかったんだ。劇場の前にはレッドカーペットを敷かれていて、外にはTVの取材陣がいて、衣裳台にはたくさんのプレゼントがおいてあって、クリスマスみたいだった。観客の中にはセレブもいたしね。そこで気付いたんだよ、僕は白人で満席になった劇場で演じるのは初めてだったって」


――その頃から、エンジニア役を演じてみたいと思っていましたか?

「考えたこともなければ夢にすら思ったこともないよ。23歳で初めて海外に出て、何百人といるフィリピン人の中から選ばれただけでうれしかった。与えられた役を演じることに精一杯でクビにならないことだけを考えていたよ」

2月27日、「第24回読売演劇大賞」贈賞式が執り行われました。
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読売演劇大賞は、1994年に読売新聞120周年を記念し、演劇界の活性化を願って創設された賞。
今回は2016年1月から12月までに国内で上演された、すべての演劇作品を対象に、最もすぐれた作品・人に贈賞されます。
 
部門賞は
(1)作品賞 (2)男優賞 (3)女優賞 (4)演出家賞 (5)スタッフ賞
があり、さらに俳優・スタッフを問わず、新人を対象にした
・杉村春子賞
があり、以上5部門の最優秀賞+杉村春子賞の中から「大賞」を選出します。
 
 
今回は大賞に、最優秀スタッフ賞の堀尾幸男さんが、
そして最優秀作品賞に『ジャージー・ボーイズ』が選出。
 
大賞をスタッフが受賞すること、またミュージカル作品が最優秀作品賞を受賞すること、ともに読売演劇賞史上初という結果になりました。
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贈賞式には受賞者はもとより作品関係者らも数多く出席し、さらには高円宮妃久子殿下もご臨席する、華やかなものとなりました。
 
受賞者のスピーチをお伝えします。
 

 
★杉村春子賞(年間に活躍した新人を対象にした賞)
 
三浦春馬さん(『キンキーブーツ』のローラ役の演技で)
 
<12センチのハイヒールにド派手な髪型、タイトなミニスカートで歌い踊るドラァグ・クイーンを演じるために、普段の生活からトレーニングを重ね筋肉質の肉体を作り上げ、舞台上で強烈な輝きを放った>(選評より)
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「このたびは栄誉ある杉村春子賞に選出してくださいまして本当にありがとうございました。こうしてこの賞を手にしていると思うと、約3年前、ブロードウェイで『キンキーブーツ』を観て、この役に挑戦したいと心から願ったあの自分が本当に懐かしい。その思いが舞台で現実となり、その舞台が形となってこの賞に繋がったんだなと思うと、それまでを支えてくださった『キンキーブーツ』の制作委員会の皆さまに、そして『キンキーブーツ』を観にきてくださった皆さまにも本当に感謝しています。一番は僕を支えて続けてくれたアミューズのスタッフと、家族です。心から、言葉にならない感情がわきあがってくるのを感じています。これからもこの賞をいただいたことによって、微力ですがもっともっと、自分がこのミュージカル、そして演劇を、日本の皆さまに身近に感じてもらえるような、そんな働き、努力をしていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました」
 

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3月26日 (日) ~4月6日 (日) 新国立劇場 中劇場にて開幕する演出・美術・主演 美輪明宏による舞台近代能楽集より『葵上・卒塔婆小町』

近代能楽集?!葵上?!卒塔婆小町?!
「ちょっと難しいのでは...」と思っていたあなたも作品を楽しめること間違いなし!

マンガ家・春原弥生さんが、「葵上」「卒塔婆小町」のそれぞれのストーリーや見どころをマンガで紹介してくれています!!

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美輪明宏がこの二作品を取り上げる理由は、これらはこの宇宙の<正負の法則><美と醜><若と老>に則った<恋と愛についての物語>であるからです。

恋と美は、死よりも残酷なものである美しいものを羨んではならない。なぜならば、その人々は美しくうまれついたが故の過酷極まる懲罰が課せられる恐ろしい運命にあるのだから。それがこの世の「正負の法則」なのである。この二本の作品は、その劫罰の物語なのである。


公演情報
3月26日(日) ~ 4月16日(日)新国立劇場 中劇場 (東京都)
4月23日(日)イズミティ21 大ホール (宮城県)
4月26日(水)アクトシティ浜松 大ホール (静岡県)
4月28日(金)愛知県芸術劇場 大ホール (愛知県)
5月11日(木)福岡市民会館 大ホール (福岡県)
5月18日(木) ~ 5月21日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ (大阪府)
5月4日(木・祝)まつもと市民芸術館 主ホール (長野県)
5月29日(月) ~ 5月30日(火)神奈川県民ホール 大ホール (神奈川県)


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pajama-game_00.jpg ミュージカル・コメディ「パジャマゲーム」制作発表 北翔海莉

ミュージカル・コメディ「パジャマゲーム」の制作発表が行われ、宝塚退団後 初の舞台出演となる北翔海莉らが 劇中曲を披露した。

ミュージカル・コメディ「パジャマゲーム」は、リチャード・ビッセルのベストセラー小説「7セント半」を元に、7セント半の賃上げを望むパジャマ工場の労働者と雇用者の闘いと、若木工場長と組合員の恋をロマンチックに描いた作品。

1954年に初演。トニー賞最優秀作品賞などを受賞した名作であり、ボブ・フォッシーが初めて振付を手掛けた作品としても有名。
そして今作の演出を手掛けるのはトム・サザーランド。
日本では「タイタニック」や「グランドホテル」を手掛けて高い評価を得た彼の手腕に期待が高まるところだ。

出演は北翔海莉、新納慎也、大塚千弘、上口耕平、広瀬友祐、阿知波悟美、佐山陽規、栗原英雄など。

本作の制作発表が行われ、劇中曲 3曲が披露された。【動画3分】
1曲目 I'm not at all in love
2曲目 Hey There
3曲目 Once a year day

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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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2月18日(土)に開幕した、

『熱海殺人事件  NEW GENERATION』

つかこうへいさんの代表作 『熱海殺人事件』 に、20代のキャスト4人(味方良介、文音、多和田秀弥、黒羽麻璃央)が挑み、文字通り"NEW GENERATION"な舞台をつくりあげています。

そんな本作の公開ゲネプロ直後、熱気も冷めやらぬ紀伊國屋ホールのロビーで、刑事・熊田留吉役の多和田さん犯人・大山金太郎の黒羽さん にお話をうかがいました!


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――ゲネプロおつかれさまでした。すごくおもしろかったですし、今まで見たことのないおふたりが見られました。

多和田そう言ってもらえて嬉しいね。

黒羽そう言っていただければもう...。死にそうになってやってよかった(笑)。


――まずはゲネプロを終えたばかりの今の気持ちを聞かせてください

多和田始まるまでは、ほかの舞台ではあまり感じたことのない緊張があったんですけど、いざ幕が開くといつも通りにできました。お客さんが入ってどういう空気感になるのかがすごく楽しみになりましたね。

黒羽:僕は前半は出ないので、3人が最初からガーッて上げているのを見て、そこに入っていくのは怖かったです。ゲネプロでこんなに緊張したのは本当に久々で。


――おふたりとも緊張されたんですね。何の緊張でしょうか?

多和田:重みかなと思います、作品の。

黒羽:4人っていうのもあるよね。始まっちゃったら逃げ場がないので、何かあってもその場でなんとかしなきゃいけないと思うと怖かったです。でも始まったらその流れにどんどんハマっていくのがめちゃくちゃ楽しくて。お客さんが入ったらもっと上がっていくと思うし。

多和田:『○○○○(黒羽さん演じる大山金太郎が歌う某曲)』は盛り上がるでしょ。僕、楽しみにしてる、お客さんの反応。

まりちゃんの本領発揮ですよ!

黒羽:いや~、わりかし(舞台作品の中で)歌うことはやってきた人間なんですけど、なんか俺ちょっとこれに関しては...こわい! 

こればっかりは(客席の反応が)読めない!

多和田:「麻璃央くんの『○○○〇』!」ってなるよ。

黒羽:(不安そうに)まあね...。でも本当に楽しみです、明日の本番が。


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――ご自身の役柄の演じるうえでの面白さはどんな部分ですか?多和田さんが演じるのは富山から東京に異動して来た刑事・熊田留吉です。

黒羽:秀弥は多分この現場で一番楽しく芝居してる人ですよ。

多和田:本気で楽しんでます。はじめ、熊田は常識人で部長にぶつかって成長していくんだなってイメージしかなかったんですけど、いざ稽古が始まってみると、熊田のことを日に日に好きになっていきました。
天真爛漫でかわいらしいけど実は熱いし、小さいときに親に捨てられて惨めな思いをしたからこそ、常識人になりたい、のし上がりたいっていう想いもあって。
大山金太郎とも似た境遇を持っていたりするから、事件を通して金太郎に寄ったり、ぶつかったりすることができる。みんな成長していくんですけど、熊田が作品の中で天真爛漫から大人な刑事になっていく、その像が好きですね。
文音ちゃんとかに「熊田ってこんなに印象に残る役だったっけ?」って言われたんですけど、ボリュームも増えてるんですよ。演出の岡村(俊一)さんが僕のよさを引き出すために一緒に考えてくれて。


――黒羽さんはどうですか? 殺人の犯人・大山金太郎を演じますが。

黒羽:「一歩踏み込む(=劇中の台詞)」とこんなにもしんどい世界が待ってんだなっていうのが...。普通に生きてたら体験しない感覚なんですよ。人を殺したことないし、熊田もそうですけど貧乏ということにコンプレックスがあって。

人間だれしもコンプレックスはあるんですけど、それが大山くんは深いところにありまして。(大山の)田舎ではそれが当たり前なんだけど、東京に出て来てその差にやられちゃう、みたいな。惨めな思いをして。お芝居するのは楽しいんですけど、人間の本当の底のところをえぐられてる気がします。普段、触らない部分をどんどんどんどん開けてって開けてって。

多和田:ガシガシ触られてるよね。

黒羽:うん、ガシガシ触られてる。そこにまた「一歩踏み込んで」くるのが刑事さんたちだったりするんですけど。運動量とかは『熱海殺人事件』ってそんなにないとんですよ。でも負荷が...。

多和田:内から出てくるもの。

黒羽:うん。それがやっぱり今までやってきたどの舞台よりも重いので。なんか...お芝居してるって感じだよね。

多和田:すごいわかる!

黒羽:大山金太郎として生きてる。秀弥は熊田として生きてる。

多和田:板の上に立ってるときの感覚がすごく濃いんですよね。1対1のシーンはエネルギーとエネルギーがぶつかってる感覚がすごくある。



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――つかこうへいさんの戯曲をやってみてどうですか?

黒羽:僕は『熱海殺人事件』しかやったことないですけど、続いていく理由がわかります。役者っていろんなことを経験しなきゃいけないと思うんですけど、この作品を通して本当にいろんなことを経験できています。かっこよくみせるとかじゃなくて、ドロドロなところを見せていかなきゃいけないし。つかさんの戯曲って内から出てくるものを全部さらけ出さないとできない作品なんでしょうね。

――それを経験できたことはよかったですか。

黒羽:うん。なんか何でもできそうな気がするもん。

多和田:それいいね。


――多和田さんはどうでしたか?

多和田:僕は 『新・幕末純情伝』(2015年)が初めてのつか作品です。ミュージカル『テニスの王子様』 を卒業して最初に出た舞台で、いっぱいいっぱいになってかなり悔しい想いをしたんですよ。

それは別の方の演出だったんですけど、岡村さんが観に来てくださって「いつかやれたらいいね」って話をしてくれて。絶対いつかリベンジしたいと思っていたら、今回『熱海殺人事件』が決まって、しかも岡村さん演出で。

今、自分ができることを全部出したいと思って稽古に臨みました。そしたら苦しいだけじゃなくて、「一番楽しんでるんじゃないか」って言われるくらい楽しめて。岡村さんも稽古場でよく「この作品は楽しんだもん勝ちだ」「大変だけどそれを越えたら楽しくなるから」って言っていたのですが、それを少しでも体感できてるのはすごく嬉しいです。


――いろんな経験をした今だから楽しめるんでしょうね。

多和田:そうですね。それに『熱海殺人事件』という作品をできて本当に光栄だなって思います。本当にやりたいって人、多いですよ。出るって言ったら「いいなあ」って。


――私もみなさんを見て「いいなあ」って思いましたよ。絶対楽しいだろうなって。

黒羽:(笑)。楽しいです。
多和田:苦しいけど楽しいってこういうことだろうなって思いましたもん。

――殺人事件を解明しようとしていくストーリーですが、その奥にいろんなものが描かれていると感じています。

多和田:誰かの「愛」を中心に観るとまた景色が変わってくると思います。
「今回の事件のテーマのひとつは愛です」っていう台詞もありますけど、「愛」というものを一個キーワードとして観てもらえると、深く入っていけるんじゃないかなと思いますね。

黒羽:それプラス差別もあります。(劇中に出てくる)「工員」「女工」だとかって、今はあまりピンとこないと思うんですけど、舞台では「女工は海を見てはいけない」とも言われていて。そのくらいの差別社会があった、ということをひとつ頭に入れていてほしい。こういう日本があったていう。


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――おふたりは久しぶりの共演ですね。

黒羽:(2014年にミュージカル『テニスの王子様』が)終わって初めてです。年取ったよね?

多和田:(笑)これ、すごい言うんですよ。「俺、老けたよね?老けたよね?」って。で、「お前は老けてない」って。

黒羽:秀弥は意外と変わってないんですよ。当時よりはしっかりしてるんですけど、変わってほしくなかった部分は変わってなかった。


――どういう部分ですか?

黒羽:やっぱ(と、多和田さんを見ると変顔をしている)こういうね(笑)、こういう風に人との距離感がすごい近い人で。同い年っていうのもあるけど、なんかホッとする、秀弥がいることで。

多和田:それは僕も一緒です。落ち着くんですよね。2年半一緒にいたから、いくら間があいたって変わらないんだなって実感しました。

黒羽:イエーイ!

多和田:でもその中で、麻璃央のお芝居に対しての熱がすごく深くなってるのを僕は感じた。

黒羽:うん、当時は仕事に対して今ほど深く考えてなかったというか...。

多和田:ちゃんとやってはいたけどね。でもだからすごく嬉しかった。苦しい想いも楽しい想いも一緒にしてきた仲間として嬉しくなっちゃって。麻璃央が独白しているシーンを見て、"多和田"として感動したりもしました。

今こうやって『熱海殺人事件』っていうディープな作品の逃げられない空間の中でぶつかり合えるのは、すごく幸せなことだと思います。稽古場から楽しかったです。

黒羽:(ぼそっと)もうちょっとやりたいよね。

多和田:ふふっ。


――そうやって再会してこんな熱い芝居をできるのはすごく素敵ですね。

多和田:もしかしたらお互いのファンの方も、

黒羽:懐かしく思ってくれるかもね。

多和田:「麻璃央くんのファンと一緒に観に行きます」ってメッセージをもらったりしました。嬉しいなって思います。全然見たことない姿を見せられると思いますし。

黒羽:当時を知ってるファンの方には「お!」と、

多和田:違う意味で刺さるかもしれないよね。そこもがんばりつつ、僕らを知らないお客さんにもちゃんとこの作品のよさを届けられるように...がんばりたいね?

黒羽:うぃっす!


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「熱海殺人事件  NEW GENERATION」は3月6日(月)まで東京・新宿 紀伊國屋ホールにて上演中!


ライター:中川實穗

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【公演情報】

熱海殺人事件 NEW GENERATION

作:つかこうへい

演出:岡村俊一

会場:東京・新宿 紀伊國屋ホール

期間:2017年2月18日(土)~3月6日(月)


出演:味方良介 / 文音 / 多和田秀弥 / 黒羽麻璃央



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obake_ringo_01.jpg モラトリアムパンツ「おばけリンゴ」公開舞台稽古より

演劇プロデュースユニット「モラトリアムパンツ」の舞台「おばけリンゴ」が2月23日(木)から開幕した。

Moratorium Pants(モラトリアムパンツ)は2011年に旗揚げした俳優・橋本昭博主宰の演劇プロデュースユニット。

今回上演される『おばけリンゴ』は、俳優の故・岸田今日子から「こどもも楽しめる舞台をつくりたい」と頼まれた谷川俊太郎が、ポーランドの作家ヤーノシュ作の絵本を元に執筆したもの。

モラトリアムパンツでは2015年10月に上演。谷川俊太郎に「若さ溢れる新しい『おばけリンゴ』」と高く評価された。

初日当日の2月23日に、本作の公開舞台稽古が行われた。動画は印象深いメインテーマを切り取ったもの。【動画1分】

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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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OSK日本歌劇団『真・桃太郎伝説 鬼ノ城 ~蒼煉の乱~』東京公演が2月23日に博品館劇場で開幕した。桃太郎のモチーフと言われる彦五十狭芹彦命=イサセリ皇子を主人公に、古代日本の政治情勢から「桃太郎伝説」を照射、歴史ロマン溢れる新たな「桃太郎」の物語を作り出した意欲作。2月22日には報道向けに最終舞台稽古が公開されるとともに、トップスター高世麻央が囲み取材に応じた。
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舞台は古代日本、大和朝廷が誕生したばかりの頃。天皇の腹違いの兄・イサセリ皇子は将軍の任をとかれ、失意のなか山中で修行にあけくれている。いつしかタケル(犬飼健)、ユン(猿沢唯)、マオリ(鳥羽真織)という仲間も出来、平穏な日々を過ごすイサセリ。だがあるとき、吉備の国で温羅(ウラ)という男が莫大なタタラ(鉄)の剣を用意し、朝廷に謀反を起こす準備をしているという情報が入り......。子どもの頃に触れたような心躍る伝奇的なドラマと、権謀術数が渦巻く政治劇が上手く絡まる作劇が見事で、まずはその物語にぐいぐいと心が引き込まれる。またイサセリに扮する高世が気高く凛々しく、ウラ役の桐生麻耶が温かくおおらかな役作り。対決するふたりの個性がしっかりと際立ち、見ごたえ十分。ほか、どの俳優も芸達者で見せる部分ではしっかりと骨太な芝居をし、時にはユーモラスな顔も見せ、緩急のある芝居でその物語をしっかりと伝えている。作・演出・振付は、OSK出身のはやみ甲。出身者ならではの、俳優たちの個性や特性を見事に浮き立たせた丁寧な作りが光った。
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宝塚歌劇月組『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲』東京公演が2月21日に東京宝塚劇場で開幕した。本作は月組新トップ・珠城りょうのお披露目公演
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『グランドホテル』は1928年のベルリンにある超一流ホテルを舞台に、そこに行き交う人々のドラマを描く群像劇で、トニー賞5部門を受賞したブロードウェイ・ミュージカル。宝塚では1993年に涼風真世主演で上演。ブロードウェイ版同様、トミー・チューンを演出・振付に招聘して上演され、その質の高さ、作品の奥深さが話題となり、伝説となった。今回、その作品を24年ぶりに宝塚で上演するということで注目を集めている。珠城はホテルの客のひとり、フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵役。身分が高く、若く、ハンサムで、一見優雅に見えるが実は借金まみれというひと癖ある男を、ダンディに演じている。相手役である愛希れいかはかつては世界的人気を誇り、今は盛りが過ぎたバレリーナ、エリザヴェッタ・グルーシンスカヤ。トップ娘役としてまもなく5年目にさしかかる彼女が、成熟した魅力で実年齢よりかなり年上の役に挑んで好演している。珠城と愛希のトップコンビはこれが大劇場お披露目になるが、知的さも感じる落ち着きのある演技で、大人のふたりの繊細な恋を美しく魅せた。舞台狭しと大勢のキャストがフォーメーションを変えていく独特の演出も印象的で、見ごたえのある、質の高い演劇作品になっている。

また後半のレビュー『カルーセル輪舞曲(ロンド)』は、日本初のレビュー『モン・パリ』誕生90周年を記念した作品。世界各国をめぐるバラエティに富んだシーンは、月組の様々な魅力を味わえる。宝塚らしい美しい色彩や、宝塚ファンにはおなじみの『モン・パリ』のメロディを織り込んだテーマ曲も耳に残る。
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初日前に行われた通し舞台稽古後には珠城、愛希が取材に応じた。珠城は名作『グランドホテル』の男爵を演じることについては「衣裳ひとつとってもオーソドックス。役柄としてはひと癖あり、王道とは言えないかもしれませんが、こういうスタイルの役を演じられるということは男役冥利に尽きます」と語り、また自身が目指すトップ像を「今まで背中を見てきたトップさんたちは、みなさん組の中で太陽のような存在だった。私もそういう、組の皆を照らすような大きい明るい存在でいたい」と話していた。

公演は3月26日(日)まで同劇場にて。

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