2.5次元舞台からシェイクスピアまで幅広く活躍中の 平野 良×元宝塚の帆風成海×人気お笑いコンビ・エレキコミックの今立 進、
演出は劇団「□字ック」の山田佳奈、という前代未聞な組み合わせの3人芝居がこの5月に上演されます。
座組だけでも一体どんな舞台になるのか楽しみな作品ですが、それに加え本作は「もっと気軽に文学と演劇に触れられるものを!」 と始まった新企画'文劇喫茶'シリーズの記念すべき第一弾。
文学作品と演劇の組み合わせはこれまでもさまざまに上演されてきましたが、大掛かりな装置や映像は使用せずに役者・脚本・演出で魅せることにこだわるシリーズです。
その一作目を飾るのは、夏目漱石の 『それから』 。
1909年に新聞で連載され、翌年1月に刊行された名作小説で、定職に就かず、毎月1回、本家にもらいに行く金で裕福な生活を送る長井代助が、友人・平岡常次郎の妻である三千代とともに生きる決意をするまでを描いた作品です。舞台では、主人公・長井代助を平野さん、ヒロイン・平岡三千代を帆風さん、友人・平岡常次郎を今立さんが演じます。
今回、友人同士の役となる平野さんと今立さん にお話をうかがいました。作品の話から居酒屋トークまで(!)濃厚な対談を前/後編にわけてお届けします!

――おふたりは今回初共演ですが、既に仲はあたたまっているという噂を聞きました。
平野:そうですね、大人なので。
今立:やめろ!
平野:(笑)。
――お互いの印象を教えてください。
平野:印象はすこぶるいいですね......(黙る)。
今立:二の句!
平野:(嬉しそうに)あはは! いや、役者さんってボケが圧倒的に多いので、普段僕は突っ込む役なんですよ。だから今、楽しいです。俺がしょうもないことポロッと言うだけで、ビシッときてくれるのがすごい楽しい。
今立:僕は安心しきってます、良くんにまかせればいいって。本当に話しやすいし。
――この作品に出演することになっての感想を教えてください。
平野:ヤッター!って。
2人:アッハッハッハ!!
今立:(取材が)ラストだからって雑になってないか!
平野:(笑)。
今立:最初の頃を思い出せ!ほんとに思ってたのか!
平野:いやーほんとに...ヤッターって(笑)。
今立:よし。テクニックとしてそれでいい!
平野:(笑)。でも3人芝居ってあんまやる機会ないのでね、すごくい楽しみです。こういう、文学を少人数でやるような作品自体、今あまりないし。あと第一弾なので、第二弾もできるように。それは観てくださったお客様の声次第だと思いますが、その責任をしっかり背負ってやらなきゃなっていうのが正直な感想です。それをまあ、一言で言うと「ヤッター!」だったんですけど。
――なるほど(笑)。今立さんはどうですか?
今立:僕は普段はお笑いをやっているのですが、この作品は笑いのテイストが入り辛いというか、もともとないものだと思うので。
その中で僕を呼んでいただいたのがありがたいです。第一弾ということで歴史に残るものにしたいなという意気込みも強いですし、チャレンジになると思います。あとは40代の今立が30代の良くんの同級生に見えるか否かっていう部分もがんばっていきます!
――ご自身の役の印象は? 平野さんが演じる代助は、裕福な家の次男で、大学を卒業して無職のまま実家に頼り、読書や演奏会に行くなど気ままな生活を送っている人です。「高等遊民」と称される有閑知識人で、数え年で30歳という設定です。
平野:読む前のイメージは、すごく堕落したニートでやる気ない人だと思ってたんですよ。でも今はそういうことにとどまらない人物のような気がしていて。簡単な人間じゃないと思います。結果的に他人には堕落して見えてたとしても、演じるうえでは人としての筋を一本ちゃんと通したい。代助の気持ちを最優先して作っていくつもりです。
――そこが演じて面白そうな部分でしょうか?
平野:そうですね。これから台本も読み込んで、理解して、共感できるくらいまで自分を持っていって、呼吸するように生きる...。
この工程はどの作品でもそうなんですけど、時代が違う分、考え方も今とは違うので。工程が現代劇より多いと思うんですよ。そこが多ければ多いほど、終わったときに愛着もひとしおなので。それは楽しみな部分ですね。
――今立さんはどうですか? 平岡常次郎は、代助とは違い銀行に就職しますが、辞めて戻ってきたときにはまず代助を頼ります。なのにその代助が妻である三千代を愛してしまいます。
今立:友達に奥さんを奪われるって、友達も失うし嫁も失うってことじゃないですか。そこら辺の喪失感と、でも男としては認めたくないというような、いろいろな葛藤があると思うので。僕そんな器用なタイプではないから、今立が常次郎になるというよりは、常次郎さんが今立になるというような。そっちの方向でアプローチしていきたいなと思っています。


――コントと舞台、演じるという意味で通じるものもありますか?
今立:大枠でいえばそんなに違いはないかもしれないです。だから、どういつも通りの状態にできるのかなとも思っていて。お笑いの舞台のようにできるんだったら、それはそれで新たなやり口になるだろうし。
――今作では笑いの要素はないんでしょうか?
平野:まだわからないですけど、いけるのに「文学なのでやめましょう」っていうのはしないと思うんです。
この3人でやるっていうのは、そういうことだと思いますし。この3人の空気感でおもしろいことができたら、その方が作品としても観やすいだろうし。
――それぞれ別ジャンルから集まってきてる感じがありますよね。
平野:各界のエリートが。
今立:エリ...ちょっと自分で呑み込めないとこありますけど(笑)。
平野:やっぱジャンルが違う人が集まると、新たな爆発力がある。歩み寄るのか、そのまま混ぜるのか、いろんなやり方があると思うんですけど。僕は空気感的にきっと3人合うと思っていて。
今立:うん。確かに楽しそう。
平野:これがきっかけで、
今立:キャンプとか行くような。
平野:「『それから』だったね、そういや」みたいなことを30年後に話したりしたいです。
――平野さんはいろんな作品でいろんな方とお芝居されてると思うんですけど、この3人ならではの楽しみってどういう部分でしょうか。
平野:まだわからないですけど、本当に"ひとつの世界"を創れるんじゃないかなと思っています。それってどういうことかって言うと、お芝居って表現派・存在派っていう二派があると思うんですけど、この3人ならその場に"存在した"お芝居ができる気がしていて。
もちろん帆風さんは(宝塚歌劇団という)表現派のトップでやられていた方ですけど、本当に"生きた人物が3人そこにいる"空気感をつくるのって、技術ではなく関係性だったりすると思うので。
さっき「空気感的に3人合う」っていうのはそういうことです。3人だから作りやすいっていうのもありますが、それを差し引いてもこのメンバーだったら世界観をちゃんと確立できる気がしますね。
(※後編はなぜか居酒屋トークに...!)

文劇喫茶シリーズ 第一弾 舞台『それから』 は5月 3日(水・祝)から14 日(日)まで、東京・俳優座劇場で上演。
文:中川實穗
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◆ 加藤和樹 ロングインタビュー ◆
2003年に始まった人気シリーズ『CLUB SEVEN』。その11作目となる最新作『CLUB SEVEN-ZERO-』は、脚本・構成・演出・振付・出演の玉野和紀さんが「『CLUB SEVEN』の原型を創り上げた」と話す、吉野圭吾さん、東山義久さん、西村直人さんという"レジェンドメンバー"が6年ぶりに集結! さらに香寿たつきさん、原田優一さん、蘭乃はなさんが出演します。

そこで、レジェンドメンバーに直撃!
今作について盛り上がった【その1】に続いて、『CLUB SEVEN』の思い出や、お互いの印象を語っていただきました!
――皆さんが『CLUB SEVEN』に出演してきて「こんな自分がいたんだ」と知った部分を教えてください。
西村:僕が長年やらせてもらっている"にゃんこ先生"なんですけど、こんなに続くと思っていなかったので(笑)。今はあれをやると、もう一人の自分が出てくる気がするんですよ。
――どういうことですか?
西村:いい例がピコ太郎さんなんですけど。ピコ太郎さんとそうじゃないときって全然別キャラじゃないですか、あの人。ピコ太郎さんのときはなんか可愛らしかったりとかするところを見てて「あれ、にゃんこ先生になってるときの自分と似てる...」って(笑)。いや、僕の方が先ですけどね!僕が先ですけど!!
吉野:(笑)。並んでできそうですよね、ピコ太郎と。
西村:コラボできる。
吉野:すごく合うと思う(笑)。
――吉野さんはどうですか?
吉野:僕、モノマネとか恥ずかしくてやってなかったんですよ、30代の頃。で、『CLUB SEVEN』で金八先生のモノマネをしたときに、何か自分が壊れた...。
全員:(大爆笑)
吉野:あそこから何でもできるようになった。自分がやっと打ち破られたというか。
玉野:いつやったんだっけ?
吉野:1stかな? ありがたいですね。
――他の作品にも影響したりしましたか?
吉野:はい。それがなければ今の自分がない...金八先生に出会わなければ!
全員:(笑)

――東山さんはどうですか?
東山:僕、2ndから参加させていただいたんですけど、そのときに玉野さんが「本当にこのメンバーでやりたかった、参加してくれてありがとう」って言ってくれて。じゃあさっそく振り付けいこうかってときにまず「蚊」だったんですよ(笑)。1stは公演が重なってて僕、観てなかったから何をするかわかってない。で、まず「蚊」をやる。蚊が不倫をするんですよ。
玉野:(笑)。
東山:もう初日からパニックですよ。かっこいいショーじゃなかったっけ?みたいな。蚊が不倫をする...でも不思議と「するかな!」って思って(笑)。
全員:(笑)
東山:それに僕、シアタークリエに初めて立ったのが『宝塚BOYS』(2010年)っていう作品で、自分にとってすごく神聖な場所だったんですよ。
吉野:(笑)けがれた?
東山:そこでまさか全身金の総タイツでソロダンスすると思わないじゃないですか。
玉野:嬉しそうにやってたよ?
東山:「俺、ふり幅でかいわ」って。ほんとありがとうございます!
玉野:(笑)。
東山:もうちょっとギアあげて、今回も新しい自分を出していきたいと思います!
ソング&ダンス、芝居、タップ、ミュージカル、スケッチ(=コント)など、さまざまな要素が詰まったエンタテインメントショーとして、2003年に始まった人気シリーズ『CLUB SEVEN』。
その11作目となる最新作『CLUB SEVEN-ZERO-』が6月に上演されます。

今作は、脚本・構成・演出・振付・出演の玉野和紀さんが「『CLUB SEVEN』の原型を創り上げた」と話す、吉野圭吾さん、東山義久さん、西村直人さんという"レジェンドメンバー"が6年ぶりに集結! さらに3rdに出演した香寿たつきさん、6thに出演した原田優一さん、初出演となる蘭乃はなさんも加わり、1stと同じ<男5人・女2人>の構成で上演されます。
そこで今回、レジェンドメンバーに集まっていただき、久しぶりに集まっての感想や『CLUB SEVEN』の魅力、A・Bの2パターンある理由、今作はどうして『ZERO』と名付けられたのかなどを直撃! 仲の良さが滲み出る座談会をお楽しみください!!

4月 26 日(木)に開幕する、A.B.C-Z塚田僚一さん主演の舞台『サクラパパオー』。
夜の競馬場で起きる小さな奇跡を描いたワンナイト・コメディで、脚本の鈴木聡さんが主宰する劇団「ラッパ屋」が1993年に初演、95年に再演、2001年にはパルコ・プロデュースとして上演してきた人気作です(すべて作・演出は鈴木聡さん)。
16年ぶりの上演となる今回は、主演・塚田僚一さん×演出・中屋敷法仁さん×脚本・鈴木聡さんという、これまでにない組み合わせが実現。個性豊かなキャストも揃い、果たしてどのような舞台になるのか...期待が高まります!
稽古後に、塚田僚一さん、中島亜梨沙さん、黒川智花さん、片桐仁さんの4人に稽古の様子を語っていただきました。
――稽古が始まって8日目ですが。
片桐 8日目で台本置いて通し稽古って...ねえ?
全員 あははは!
片桐 狂気の沙汰ですよ。今、カーテンコールまでやりましたからね! (演出の中屋敷さんは)なんか狙ってるんじゃないかと思うんですよ、僕は。普通ではやらせません、みたいな。
中島 怖いですね(笑)。
塚田 開幕の頃には違うものになってるかも...。
――稽古場で実際に演じ始めていかがですか?
黒川 すごくスピードが早いんですけど、ついていけるように、そして自身も進化できるようにと思ってやっていますね。
片桐 僕もまだ本が入りきれてなくて、やっと今日(芝居中に)人の話を聞けたくらいで。頭の中で段取りを踏まえて台詞を言っているような段階ですけど、先輩たち(伊藤正之さん、広岡由里子さん、木村靖司さん、市川しんぺーさんのベテラン勢)はどんどん先行っちゃうから!
塚田 (しみじみと)そうそうそう...。
黒川 もう細かいこともやってらっしゃいますよね...。
片桐 自由自在なんですよ。
中島 "飲みニケーション"があったなって(笑)。
片桐 あ! この前、来れなかったから。
中島 その雰囲気は感じましたね!
黒川 行きましょう!
塚田 行きましょう!!
中島 ふふ。その雰囲気にも乗っかって、試行錯誤しながら最後までやっていきたいです。
――塚田さんはどうですか?
塚田 今は細かく...。
――細かくというのは?
塚田 (自身が演じる)タバラって、「大丈夫」って言ってるんだけど大丈夫じゃないような、言ってることと思ってることが違う人間なので。その細かい認識を中屋敷さんに言っていただいたり、自分でもまだまだ考えている段階ですね。
◆ 水夏希 ロングインタビュー ◆
来年で結成25周年を迎える動物電気の、2年ぶり新作公演『タイム!魔法の言葉』が決定しました。
東京・下北沢駅前劇場で6月3日(土)から11日(日)まで上演されます。
そんな新作公演について、動物電気の中心メンバー小林健一さんと森戸宏明さんがぴあ社を訪れ、概要をご紹介くださいました。

さっそく本作について尋ねると、「今はSNSで繋がっているだけの人間関係が多いと思うんです。だけど、それだけじゃない、人間同士が一緒にいることで生まれる笑いや楽しさを舞台で表現できたら」というおふたり。
何だか真面目な話の展開に...!?
と思いきや、主宰の政岡泰志さんに話が及ぶと、
「座長はアナログな人なんです。携帯は未だにガラケーだし、写真は撮れない。もちろん写メも送れません。台本は手書きですよ」と暴露。
さらに、スマホやタブレットでは当たり前の操作である「スワイプが出来ない」とか、「LINEは恐ろしいものだと思っていた」という話まで飛び出しました。
ここまでくると、政岡さんのアナログっぷりは筋金入りですね。
そんな超がつくほどアナログな政岡さんが描く次回作は、昭和を彷彿とさせる物語になる模様。
劇団公式サイトで以下のように紹介されているので引用します。
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懐かしい下宿物へのオマージュを込めて送る、動物電気の昭和まんが劇場です。
下宿物、「おじゃまんが山田君」「めぞん一刻」「まんが道」などです。名作揃いで畏れ多いですが、我々なりの面白共同生活のドラマを追求します。
今回も「笑い」にこだわり、お客さまに声を出して笑っていただけることにこだわっていきたい。
「笑わせて」いるのでなく「笑われて」いるのでもなく、お客さまと一緒に「笑っている」。そういうのを目指します。
今回も全力で頭をひねって体を張って頑張ります。どうかみなさんよろしくお願いします。
政岡泰志
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そして、今回満を持して動物電気に参加する宮下今日子さんをはじめ、帯金ゆかりさん、坂本けこ美さん、尾崎桃子さん、松本D輔さんがゲスト出演します。
チラシの宣伝ビジュアルも、よーく見るとよく知っているキャラクターにソックリな人たちが!?
公演が待ち遠しいですね〜♪

動物電気2017初夏公演『タイム!魔法の言葉』は、6月3日(土)より上演。
チケットは4月23日(日)よりチケットぴあにて発売します。
















































