開幕レポートの最近のブログ記事
■『ビッグ・フィッシュ』vol.8■
【開幕レポート】
ティム・バートン監督の傑作映画をミュージカル化した舞台『ビッグ・フィッシュ』が2月7日、東京・日生劇場で開幕した。2013年にブロードウェイで大ヒットした作品で、日本では今回が初上演。前日の6日には、川平慈英、浦井健治ら出演者が意気込みを語るとともに、最終舞台稽古が報道陣に公開された。
自らの体験談を現実にはありえないほど大げさに盛って語る父親エドワードと、その奇想天外な話を聞いて育った息子ウィル。ウィルは大人になるにつれ父の話が作り話にしか思えなくなり、父子の間には隙間が生まれてしまうのだが......。少しすれ違ってしまっているけれど解りあいたい父と息子のもどかしい現実と、エドワードが語る奇想天外な物語――子どもの頃、魔女に死の様子を予言された話、巨人との友情、サーカスで最愛の女性と出会った話などなど――、イマジネーションの世界とリアルな家族の物語が交互に語られ、めくるめく世界に観客を誘う。その行き来を違和感なく描き出す力があるミュージカルという手法、そして実力派揃いのキャスト陣がしっかりと家族の絆を表現することで、ティム・バートン監督映画に負けない、ファンタジックで心あたたまる素敵な作品が誕生した。
六本木歌舞伎「座頭市」 市川海老蔵と寺島しのぶ
市川海老蔵、寺島しのぶが主演を務める六本木歌舞伎「座頭市」が2月4日からEXシアター六本木で開幕した。
演出は三池崇史、脚本はリリー・フランキーという豪華な布陣で話題を呼んでいる六本木歌舞伎 第2弾「座頭市」。
主演は市川海老蔵と寺島しのぶ。
舞台・映画で数々の名作が生み出されてきた「座頭市」という作品をどのように見せてくれるのかが楽しみだ。
初日前日の2月3日に、本作の公開舞台稽古が行われた。
動画はこれを抜粋したもの。座頭市の代名詞ともいえる仕込み杖での殺陣はやっぱりたまらない。【動画1分】
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
12月11日(日)に開幕する劇団四季の海外新作ミュージカル『ノートルダムの鐘』。初日を目前に控えた8日、公開舞台稽古が開催され、その全貌がひと足早く報道陣に披露された。
『ノートルダムの鐘』は15世紀末のパリを舞台に、ノートルダム大聖堂の鐘楼に住む異形の青年カジモド、彼を世話する大聖堂大助祭フロロー、警備隊長フィーバス、その3人が同時に愛するジプシーの娘エスメラルダを中心に紡がれる物語。2014年にアメリカで開幕したこのミュージカル版は、1996年に公開されたディズニー長編アニメーションに基き、アニメで使用された名曲の数々も多数登場する。アニメ版でも印象的だったナンバー『ノートルダムの鐘』から始まり、哀愁溢れるメロディがグッと物語の中へ観客の心を誘うオープニング。だがアニメでは描かれなかったフロローの暗い過去やカジモドとの関係性、フィーバスの心の傷なども描かれ、よりディープな"大人のための演劇作品"となっている。
宝塚歌劇雪組公演 ミュージカル・ロマン『私立探偵ケイレブ・ハント』/ショーグルーヴ『Greatest HITS!』の東京公演が11月25日、東京宝塚劇場で開幕した。先ごろ退団を発表したトップスター早霧せいな主演作。『ルパン三世』『るろうに剣心』『ローマの休日』などを宝塚版として見事に舞台化してきた早霧率いる雪組にとっては、久しぶりのオリジナル作品2本立てだ。
『私立探偵ケイレブ・ハント』は20世紀半ばのロサンゼルスを舞台に、探偵事務所の所長ケイレブと仲間たちが追うとある事件を、ケイレブとその恋人イヴォンヌの大人の恋愛を絡めながら描く物語。ハードボイルドな作風を得意とする正塚晴彦の作・演出らしい、カッコよく洒脱な空気感を、雪組のメンバーが巧みに醸しだす。中でもやはりケイレブを演じる早霧と、イヴォンヌに扮するトップ娘役・咲妃みゆのカップルがいい。雪組主演コンビに就いてから2年がたつ今でもフレッシュで微笑ましいトップコンビだが、今回はいつになく大人カップルの魅力。正塚作品らしいキザなセリフや掛け合いも、演技巧者のふたりらしくテンポよく魅せた。
続く『Greatest HITS!』は、クラシックからオールディーズまで、誰もが知る名曲で綴るショー。こちらも早霧のパッションや、トップコンビの息の合い具合にスポットが当てられ、そして個性豊かな雪組メンバーひとりひとりの個性が輝くスピーディで楽しい作品だ。どの瞬間も見どころだらけ、今の雪組の魅力が存分に発揮されている。中詰めではクリスマスメドレーもあり、今の季節にもぴったりだ。
おりしも開幕前日の11月24日には、東京では珍しい11月の雪となったが、雪を連れてやってきた雪組が12月末まで、東京の地を華やかに彩ってくれそうだ。
==ミュージカル・ロマン『私立探偵ケイレブ・ハント』==
舞台「スルース」 写真左から西岡德馬、新納慎也
トニー賞受賞の推理劇「スルース~探偵~」が11月25日から新国立劇場で上演される。
本作品はアンソニー・シェーファーによって1970年に書かれたサスペンス。ロンドンとニューヨークでロングランを重ねたのち71年にはトニー賞演劇作品賞やエドガー賞を受賞。日本では1973年に劇団四季によって初演。1972年、2007年に映画化もされている傑作だ。
今回はパルコプロデュースによって、キャスト違いの2バージョンが作られる。 最初に上演されるのが、西岡德馬×新納慎也バージョン。もう一つは、西岡德馬×音尾琢真というバージョンだ。
本日、西岡德馬と新納慎也によるバージョンのゲネプロが報道向けに公開された。動画はそのワンシーンを切り抜いたもの。【動画1分】
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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
【開幕レポート】
ウィーン発のミュージカル『貴婦人の訪問 THE VISIT』が、プレビュー公演を経て11月12日にシアタークリエで開幕した。昨年、山口祐一郎、涼風真世ら、日本ミュージカル界が誇るスターたちの競演で日本初演され好評を得、1年3ヵ月のスピードで再演が決まった人気作だ。
舞台は財政破綻寸前の街・ギュレン市。若かりし日をここで過ごし、今は億万長者となった未亡人クレアが久々に街に帰ってきた。人々はクレアが街に経済援助をしてくれることを期待している。そして彼女を歓迎する晩餐会で、皆の期待どおりクレアは多額の寄付金の援助を申し出た。だがその交換条件として突き付けたのは、かつての恋人アルフレッドの「死」だった......。
2012年、NYマンハッタンのシアタークラブで上演され大ヒット。
翌年には早くもオフブロードウェイに進出した、90分ノンストップ、HOT&SEXYな4人ミュージカル『マーダー・バラッド』が、本日11月11日、東京公演初日を迎えます。
挑むは日本ミュージカル界が誇る歌唱力を持つこちらの皆さん。
中川晃教、平野綾、橋本さとし、濱田めぐみ。
本日、初日を控えたキャストが公開舞台稽古&囲み取材を行いました。
とってもカッコよかったので、速報で舞台写真ギャラリーをお届けします!
「自由に生きる男」トム役:中川晃教
「満たされない妻」サラ役:平野綾
「誠実な夫」マイケル役:橋本さとし
「謎のバーテンダー」ナレーター役:濱田めぐみ
■2016年版『ミス・サイゴン』 vol.8■
10月19日に初日を迎えたミュージカル『ミス・サイゴン』。
ベトナム戦争を背景に、究極の愛の形と戦争のむなしさと平和への祈りを描き出す、世界で愛され続けるミュージカルの金字塔です。
本日は初日・10月19日の特別カーテンコールの模様をレポートいたします。
日本では1992年の初演以降幾度となく上演を重ね、2012年には"新演出版"が登場、好評を博している『ミス・サイゴン』ですが、その日本初演より、エンジニア役を務めているのが市村正親さん。
今期は、その市村エンジニアのファイナル公演と発表されています。
通常のカーテンコールのあと、市村エンジニアの呼び込みで、キャストが再登場。
プリンシパルキャストが、ひと言ずつ初日挨拶をしました。
この日のジジ役は、おなじみ池谷祐子さん。
「この『ミス・サイゴン』という作品、そしてジジという役に向き合えて、稽古を重ね、初日を迎えることが出来て本当に幸せに思います。感謝を申し上げます。でもまだ始まったばかりです。物語を紡ぐ一部として、ジジという役割をきちんと全うしていきたいと思います。応援よろしくお願いいたします」
トゥイとしては初登場、藤岡正明さん。
「2008年、2009年とクリス役をやらせていただきました。きっと今回は(トゥイ役なのでクリスと違い)キムから...誰からも愛されないんだろうなと思っていたのですが、蓋を開けてみまたら、やっぱり愛されませんでした(笑)。寂しいなと思いますが、今はトゥイとして、新しい『ミス・サイゴン』の発見を日々しているところです。最後に皆さまに覚えて帰っていただきたいことがひとつだけあります。僕はプライベートでは怖くないんで(笑)!」
こちらも、エレンとしては初登場の知念里奈さん。
「プレビュー公演からたくさんのお客さまが劇場にいらしていて、この作品が本当に多くの方に愛されているんだなと感激しながら今日、初日をあけました。私個人としては、(キム役から)役替わりをして初めての、エレンとして見る『ミス・サイゴン』の世界。多くの発見と知らなかったことと、学びがたくさんあります。大千秋楽まで役を深めてまいりたいと思います。最後まで応援よろしくお願いいたします」
宝塚歌劇団星組の東京公演『桜華に舞え-SAMURAI The FINAL-』『ロマンス!!(Romance)』が10月21日、東京宝塚劇場で開幕した。
本公演は星組トップスター・北翔海莉、トップ娘役・妃海風の退団公演。『桜華に舞え』は、西郷隆盛の右腕と呼ばれ、明治維新の立役者となりながらも、己の"義"を大切にし"避けられぬ宿命"西南戦争へ身を投じていく桐野利秋(中村半次郎)を主人公に、"最後の侍"の生き様を描く作品。北翔にぴったりな優しさ、温かさと頑なさを持つ桐野の姿、そして次期トップスター紅ゆずる扮する衣波隼太郎に次の時代を託す場面なども盛り込まれ、北翔の退団を意識した作品になっている。とはいえ、観終わったあと、悲しい涙よりも明るい笑顔が胸に残るのもまた、北翔に似合う。
後半のショー『ロマンス!!(Romance)』は演出家・岡田敬二によるロマンチック・レビューシリーズの19作品目。伝統的な宝塚らしさに満ちた、華やかで美しいステージだ。こちらでも、歌もダンスも芝居も何をとっても天下一品、当代きっての芸達者トップスター・北翔の魅力が存分に味わえるとともに、妃海との息の合った歌声やダンス、そして勢いのある星組スターたちの熱いパフォーマンスが息つく暇なく展開され、目が奪われる。
北翔の19年の宝塚生活のピリオドとなる2作品。舞台上には北翔からの愛が、そして北翔への愛が溢れ、幸せ空間となっていた。
==『桜華に舞え-SAMURAI The FINAL-』==
==『ロマンス!!(Romance)』==
初日にさきがけ10月21日には、北翔海莉、妃海風が取材に応じ、現在の心境を語りました。
北翔海莉&妃海風 囲み取材
北翔「星組の北翔海莉でございます。わたくし事ではありますが、今回『桜華に舞え』『ロマンス!!』、卒業公演となりました。宝塚大劇場での公演を無事に終え、残るは東京のみ、ファイナル公演です。待ったなし、ノンストップでまいります。とにかく全員が怪我をせずに揃ってゴールできることを目標に、そして進化し続ける舞台を目指して、頑張りたいと思います」
妃海「星組の妃海風でございます。私もご一緒に退団させていただくことになりました。大劇場公演もとってもとっても、毎日充実していて楽しかったので、東京公演も、瞬間瞬間を大切に過ごしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」
△ 囲み取材で自分の名前を名乗るトップスターさん&トップ娘役さん、珍しいです...!
■2016年版『ミス・サイゴン』 vol.7■
ベトナム戦争を背景に、普遍的でありながらも究極の愛の形と、戦争のむなしさを描き出すミュージカル『ミス・サイゴン』。
ベトナム人少女キム、アメリカ兵クリスの悲恋を中心に、何をしても生き延びてやるという貪欲さで混乱する状況下を泳ぎ渡るエンジニアら、さまざまな人々の思いや思惑が交差しくさまを、『レ・ミゼラブル』を作ったアラン・ブーブリルとクロード=ミッシェル・シェーンベルクの美しい音楽が包み込んでいく、大作ミュージカルの金字塔です。
日本では1992年の初演以降幾度となく上演を重ね、2012年には"新演出版"が登場、好評を博しました。
この作品が2016年もまた、新たなキャストを迎えて上演されます。
多くの俳優によって引き継がれていく『ミス・サイゴン』ですが、今年も多くの新キャストを迎えるほか、日本初演からエンジニアを務めてきた市村正親が、今回をもって作品を卒業するのも話題。
市村さん、日本での上演回数1368回のうち、809回の舞台に、エンジニアとして立っています!
10月15日にはじまったプレビュー公演を経て、いよいよ10月19日に初日を迎えるこの『ミス・サイゴン』。
19日の初日前、市村正親さん、キム役の笹本玲奈さん、クリス役の上野哲也さんによる囲み取材が行われました。
△ 会見は、劇中『アメリカン・ドリーム』のシーンのセット、自由の女神像&キャデラックの前で行われました。
――まずはひと言どうぞ。
市村「ようやっと初日が来ました。頑張ります」
笹本「8月のあたまからお稽古していたので、私もようやく舞台に立てたと、楽しみで仕方ないです」
上野「今回僕は2回目なんですが、演出家(海外から来る演出補)も変わり、自分の中のキャラクターもけっこう変わっているので、前回とは違う緊張感と高揚感があります」
――市村さん、復活ですね。
市村村「こないだ(2014年の前回公演)は胃がんで降板しましたからね。復活と同時にファイナルです。でも次の再演の時、元気だったらやっちゃうかもしれないけど(笑)! 一応ファイナルということで、頑張ろうと思ってます。体調は非常にいいんですよ。万全です! でも人間明日のことはわからない。僕、3年先までスケジュールは決まってるけど、4年後は決まってないんです。体調次第ですね、明日のことはわからないから。次はもし元気だったらリターンするからね!「本当の復活!」とか(笑)」