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■ミュージカル「メリー・ポピンズ」特集(2)■

2018年3月、ついに日本初演を迎えるミュージカル「メリー・ポピンズ」。様々な舞台機構、そして誰もが映画で慣れ親しんだナンバーに期待が膨らみます!

げきぴあキャストインタビュー第二弾は、Wキャストでメリー・ポピンズ役を演じる平原綾香さん!歌手、そして近年はミュージカル女優としても活躍する平原さん。イメージするメリー・ポピンズのお手本は意外な"あの女性"だという、独特の役作り(!?)にも注目です!

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"ミュージカル『メリー・ポピンズ』製作発表 より"

メリー・ポピンズは困った時に助けてくれるヒーロー

――ミュージカルへの出演は3作目になりますが、本作のオーディションを受けようと思ったきっかけは?

「オーディションを受けるのは初めてで、正直お声がけいただけなかったら今回も受けることはなかったと思います。でも(映画版のメリー・ポピンズ役の)ジュリー・アンドリュースさんが大好きだったことと、ちょうど『サウンド・オブ・ミュージック』の日本語吹き替えをやらせていただいたばかりで。これも何かのご縁かなと、思い切って受けてみようと決めたんです」

――『メリー・ポピンズ』という作品の魅力をどんなところに感じていますか?

「メリー・ポピンズは女性ですけど、やっぱりヒーローって感じがするんですよね。彼女が来たらもう安心、みたいな。困った時に助けに来てくれる存在だなって。だからこそ家族の絆が取り戻され、本来の家族の姿に戻った時に、彼女は次の家族のもとへと傘で飛んで行ってしまう。それが寂しくもありますが、観ていてキュンとするところでもあって。そして子供から大人まで世代を問わず楽しめるところが、この作品の一番の魅力かなと思います」

――メリー・ポピンズを演じられる上で大切にしていきたいことは?

「まずは彼女の姿勢かなと思います。常に背筋がピンと伸びていて、それは彼女の心の姿勢でもあると思うんですけど。あと私の中ではやはりジュリー・アンドリュースのイメージが強かったのですが、演出家が求めているのはそれとはまた違う、ちょっと新しいメリー・ポピンズ像のようなんです。人の話を聞いていない感じとか、結構ゴーイングマイウェイなところとか、実は結構笑いのセンスがある。私がイメージしているのが芸人の友近さん(笑)。友近さんが誰かを演じられている時のリアルさ。リアルだからこそ面白い、みたいな。そういう感覚がこのメリー・ポピンズを演じる上でも必要なのかなと思っています」

――名曲ぞろいですが、ご自身が歌うのを楽しみにしているナンバーは?

「やはり『チム・チム・チェリー』は楽しみですね。本当に有名な楽曲ですし、それをカバーではなく、メリー・ポピンズとして歌える機会なんて今後ないと思いますから。あと『何もかもパーフェクト』はこの作品を象徴するナンバーであり、彼女の笑いのセンスが垣間見えるナンバーだと思うんです。そしてこれを歌いこなせれば、ほぼすべてのナンバーは歌えるだろうと言えるくらい、私にとっては難関なナンバーでもあります」

メリーポピンズ 平原新ビジュアル1222.jpg

"ミュージカル『メリー・ポピンズ』"より こちらは平原さんバージョン!

――芝居や歌はもちろん、今回はダンスにも挑戦されます。

「実はすごく楽しみにしているのがダンスなんです。というのも平原綾香っていったらあまり"動かない、笑わない、しゃべらない"みたいなイメージがあると思うんですが(笑)、実はそれに苦しんできたところもあって......。私自身はどちらかというとそのイメージとは正反対で、踊ることも、笑うことも、しゃべることも大好き。だからやっと踊れる!って感じですし、今そういう作品に出会えたことがすごく嬉しいです」

――Wキャストの濱田めぐみさんは、平原さんの初舞台『ラブ・ネバー・ダイ』(14年)でも同じ役を演じられました。

「めぐさんの存在なしにあの舞台は乗り越えられなかったなと思えるくらい、めぐさんには心から感謝しています。人として常に優しく接してくださることが、初舞台の私にとってどれだけ大きな支えになったか! そんなめぐさんが、『今回もまた一緒に頑張ろうね』と言ってくださったことが本当に嬉しくて。またチラシ撮影時に見ためぐさんのメリー・ポピンズ姿が、すっごくかわいらしかったんですよ。私は、友近さん流の"笑い"を武器に頑張っていこうと思います(笑)」

取材・文:野上瑠美子

撮影:イシイノブミ

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ミュージカル「カラフル」稽古場レポート!

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2月10日(土)~12日(月)、博品館劇場にて上演される朗読ミュージカル「カラフル」の稽古場にお邪魔しました。
森絵都さんの原作「カラフル」を朗読ミュージカルという形で上演するこの公演は、2部構成。この日は2部に予定されている出演者7名によるコンサートの稽古でした。

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■歌うのは俳優〇〇じゃない!?■

まずは稽古の休憩時間に演出の板垣恭一さんに伺った、「コンサートの選曲について」ご紹介しましょう。
「ミュージカルコンサートと聞くと、ミュージカルに詳しくない人はなんだか置いてけぼりをくうようなイメージが多少なりともあると感じていた」という板垣さん。それは例えて言うなら、カラオケで誰かが自分の知らない曲を入れてもイマイチ盛り上がれないような感覚だといいます。もちろんプロの歌を聞けば、知らない曲でも心震えることは多くありますが、この「カラフル」という作品では、いわゆるミュージカルコンサートとは違う見せ方、聴かせ方をするというのです。
「選曲は1部からの流れで、家族という設定を生かします。つまり歌うのは、ミュージカル俳優〇〇ではなく、『カラフル』に出てくる小林家の人やその他の登場人物たちということです」そう考えると、愛の歌も友情の歌もすんなり心に響くはず、と板垣さんはたくらみのある表情を向けてくれました。

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リラックス&マイウェイ

 では稽古の様子をのぞいてみましょう。この日は、2部後半の「サウンド・オブ・ミュージックメドレー」からスタート。「サウンド・オブ・ミュージック」といえば1959年にブロードウェイで初上演され、65年にジュリー・アンドリュースが主演した映画が世界的に大ヒットした作品。CMなどで耳なじみのある曲も多いこの作品の中から6曲がメドレーで演奏されます。
 振付を担当する当銀大輔さんによる指示に、ミュージカル百戦錬磨のキャストたちは素早く反応。確認はサクサクと進んでいきます。出番以外のキャストたちは柔軟や発声、曲や振りの確認をしながら思い思いに過ごします。そのリラックスした様子は、すでに生まれているこの稽古場の雰囲気そのもの。
サクサク進んでいた振付チェックのなかで、皆が破顔したのが、小林真を演じる田村良太さんと桑原ひろか演じる増田有華さんによる「♪もうすぐ17歳」でのこと。ルンルンしたステップに照れる二人は、微妙に息が合わず、振りに集中すると歌詞が怪しくなり、歌に集中するとステップが...といった具合。「いや、これ踊りじゃなくて歩いてるだけだから...」という振付の当銀さんのツッコミに笑いが起こります。この後も二人は、合間に振りを確認、本番ではあんなシーンもある!息の合ったキュートな歌を披露してくれることでしょう。

メドレー最後の「♪全ての山に登れ」は、キャスト7人がそろって声を合わせます。個人的にはこの曲に特にシビれます。何かと何かが掛け合わされると倍になりますが、美声と美声、しかも7人のそれが掛け合わされると天文学的パワーになるのです。ここまでリラックスして背もたれに背をつけていた人は、この曲で数ミリ背すじが伸びるはず。お楽しみに。

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体温が上がる七色の歌声

朗読ミュージカル「カラフル」では、ソロ曲が多いため「デュエット曲もやりたいね」というのが2部にコンサートをすることになったきっかけのひとつでもあったそう。その希望を叶えるべくコンサートには、素敵なデュエットナンバーが揃っています。
津田英佑さんと今泉りえさんの「美女と野獣」は慈愛に満ちたハーモニー、増田有華さんと水野貴以さんによるミュージカル「ウィキッド」の名曲「♪あなたを忘れない」は、みずみずしい歌声が魅力です。「エリザベート」から「♪闇が広がる」は、田村良太さんと原田優一さんのコンビで。この二人のデュエットも1部の二人の関係を見聞きした観客にはすんなり、いやむしろ前のめりで聞きたくなる曲です。中井智彦さんと水野貴以さんの「♪All I Ask of You」は、劇団四季「オペラ座の怪人」のラウル役で歌っていた中井さんの安定感抜群の低音と水野さんの透き通る高音に酔いしれます。

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そして、コンサートのラストはオリジナル曲「♪色の溢れる世界で~Song for Diversity~」。演出の板垣さん曰く、「森絵都さんの「カラフル」という物語を受けて、もう一歩、物語の外側まで広がる世界観が詞と曲に込められています」とのこと。たしかに、稽古場で聞いたその曲は、物語に出てくる登場人物の誰かに心を寄せていたとしても、気が付くと自分の昔やこれからに重ねて聞かずにはいられない、胸に響く名曲です。

ココから曲の一部が聞けますよ↓
https://www.youtube.com/watch?v=BnLNMGHk2RI

 稽古場を出ると、外は真冬の気温だというのに、どうやら体温は2度くらいあがっているのではないかしら......という感じ。この分で行くと本番は何度上がっちゃうことでしょう。いや、2度以上あがったら高熱騒ぎですが、心の温度が!ですのでご心配なく。
3日間5公演限りの貴重な朗読ミュージカル「カラフル」は、あなたに贈られる数日早いバレンタインプレゼントになるに違いありません。
(観劇ライター 栗原晶子)

■朗読ミュージカル「カラフル」
【日程・会場】
2/10(土) ~ 2/12(月・祝) 博品館劇場

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(15)■

【東京公演開幕レポート】

1月の大阪公演を経て2月3日、ミュージカル『マタ・ハリ』東京公演が開幕した。『ジキル&ハイド』などを手がけるフランク・ワイルドホーンが音楽を担当し、2015年に韓国で初演されたミュージカル。日本初演となる今回は、主人公のマタ・ハリを柚希礼音、彼女の運命に深く関るふたりの男性、ラドゥーとアルマンの2役を回替わりで加藤和樹が演じる(初日は加藤がアルマンを演じ、Wキャストの佐藤隆紀がラドゥーを演じた)。演出は石丸さち子4IMG_8576.JPG


物語は、1917年のパリが舞台。ヨーロッパ全土を巻き込む第一次世界大戦は3年目に突入し市民は疲弊、上層部にも焦りが見えている。そんな中、オリエンタルで官能的なダンスで人々を虜にしているダンサーがいた。名はマタ・ハリ。フランス諜報局のラドゥー大佐は、ヨーロッパをまたにかけ活躍しているマタに目をつけ、スパイになるよう圧力をかける。同じ頃、マタは戦闘機パイロットの青年アルマンと出会い恋に落ちるのだが、実はそれもラドゥーが仕掛けた罠で......。


オープニングが秀逸だ。舞台には、水墨画にも似た、煙のような雲のような背景。モノトーンのシンプルなセットの中、こちらも黒を基調にしたシックな衣裳に身を包んだキャストが、民衆として、兵士として、戦争に苦しむ市井の人々の嘆きを叫ぶ。それぞれがワンポイントで赤い何かを手にしているのは、彼らが願う生への渇望か、命そのものか。そして「生きろ」と叫ぶ彼らの中に、誰よりも鮮やかな朱色の衣裳で、マタ・ハリが舞い立つ。マタ・ハリの代名詞であるエキゾチックな"寺院の踊り"を踊る柚希は、しなやかかつダイナミックなダンスが美しいだけでなく、女性らしい腰まわり、筋肉、すべてが美しくまさに劇中で「男性だけでなく女性も魅了する」と語られる妖艶さ。何よりも"生"のエネルギーに溢れている。まさに、この閉塞した時代に舞い降りた女神といったインパクトだ。10IMG_8366.JPG1IMG_8479.JPG

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1789_01.jpg ミュージカル「1789」加藤和樹、神田沙也加

小池徹平、加藤和樹らが出演するミュージカル「1789」の製作発表が行われ、メインキャストによって劇中の4曲が披露された。

本作は、「太陽王」「ロックオペラ モーツァルト」などの話題作を生み出してきたプロデューサー ドーヴ・アチアとアルベール・コーエンの手によって2012年に誕生。2016年には帝国劇場での東宝版が小池修一郎の潤色・演出によって初演され、大好評のうちに幕を下ろした。

そして今回、本作が再び帰ってくる。
2016年版に引き続き、主演のロナンは小池徹平と加藤和樹(Wキャスト)、宮廷に仕える侍女のオランプは神田沙也加と夢咲ねね(Wキャスト)が演じる。
また、マリー・アントワネットは2016年版に引き続き凰稀かなめと、新たに龍真咲(Wキャスト)が演じる。

 
本作の製作発表が行われ、200名のオーディエンスの前で劇中曲4曲が披露された。動画はこれをダイジェストにしたもの。【動画3分】

曲順 1) 全てを賭けて, 2) 自由と平等, 3) この愛の先に, 4) サ・イラ・モナムール

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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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broadway_01.jpg ミュージカル「ブロードウェイと銃弾」囲み取材より 左から平野綾、城田優、浦井健治、前田美波里、演出の福田雄一

浦井健治と城田優らが出演するミュージカル「ブロードウェイと銃弾」の囲み取材が行われた。

1994年公開の映画「ブロードウェイと銃弾」は、アカデミー賞助演男優賞、監督賞、脚本賞など7部門でノミネート、助演女優賞を受賞した、ウディ・アレン作品の中でも"傑作"と言われた作品。

これを自らミュージカル化して、2014年にブロードウェイで上演されたのが本作。音楽は20~30年代の禁酒法時代の曲をアレンジした軽快でアップテンポなものが多く、耳なじみが良い楽曲がそろっているのが特徴だ。

 
今回の日本版では、劇作家・デビッドを浦井健治、ギャングのボディーガード・チーチを城田優がW主演で演じる他、平野綾、愛加あゆ、保坂知寿、ブラザートム、鈴木壮麻、前田美波里などが出演する。演出はTVドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズや、ミュージカル「ヤングフランケンシュタイン」などを手掛けた福田雄一が手掛ける。

 
本作の囲み取材が行われ、浦井健治、城田優、平野綾、前田美波里、演出の福田雄一が登壇した。動画はこれをまとめたもの。【動画6分】

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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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■ミュージカル「メリー・ポピンズ」特集(1)■

イギリス・ウエストエンド、ブロードウェイをはじめとした世界中を魅了してきたミュージカルが、ついに日本最高峰のキャスト陣で初演を迎えます!

げきぴあキャストインタビュー第一弾は、Wキャストでメリー・ポピンズ役を演じる濱田めぐみさん!自身4作目となるディズニーミュージカルへ挑む濱田さんに意気込みをお伺いしました。

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"ミュージカル『メリー・ポピンズ』製作発表 より"

メリー・ポピンズが植えた種が何かひとつでも成長してくれたら

――長期間にわたるオーディションで、特に印象に残っていることは?

「オーディションというよりも、まずはメリー・ポピンズの動きのレクチャーを受けたという感覚です。立ち居振る舞いや手の組み方、振り向く時の角度やあごの高さまで、メリー・ポピンズの動きはすべて厳格に決められているので。特に面白いなと思ったのは、『メリー・ポピンズはのけぞらない』と言われたこと。ちょっとでも姿勢がズレると、『はい真っすぐ、のけぞらない!』って。そんなオーディションの日々は今思い出してもヒーッ!て感じですが(笑)、あの段階からすごく熱心に、メリー・ポピンズとしての資質を伸ばそうとしてくださったことは本当にありがたかったなと思います」

――役に対する取り組み方として、普段と変わってくる部分はありそうですか?

「そうですね。まず私が役づくりですることは、役名を取ってしまうことなんです。例えば"花子"という役を演じる時、『私は花子って役なんだ』ではなく、『花子という女性の人生を私が舞台上で生きるんだ』と思うようにしています。そうでないと役名やイメージにとらわれて、それらしく演じようという意識が働いてしまうので。つまり"それらしく"と考えている時点で、すでにそれは花子の意識ではないわけです。でも今回はまず"メリー・ポピンズ"があって、自分がそこに入っていかないといけない。これまでと真逆の役づくりが必要で......」

――その難題をクリアするための手がかりは掴めていますか?

「距離感ではないかと思っています。特にメリー・ポピンズと大人たちとの距離感。彼女はいつ、何をすべきかすべてわかっている、とても人間離れした存在です。そんな彼女が一番寄り添わなきゃいけないと思っているのが、大人なのかなと。子供はピュアな分、ちょっと示唆するだけであとは真っすぐ突き進んでいってくれます。でも大人はねじれてしまっている分、子供たちを導いているところを見せることで、そこから何かを感じてもらわないといけない。その時の距離感を彼女がどう取ろうとしているのか。演出家に導いてもらいつつ、何とか初日までに結果を出せればいいなと思っています」

メリーポピンズ 新ビジュアル1215 h1_濵田.jpg"ミュージカル『メリー・ポピンズ』 より"

――観客にここは注目して欲しいと思うナンバーやシーンは?

「今自分の中ですごく興味があるのは、バンクス家の子供たちと初めて会うシーン。傘を持って降り立つ自分を見て、バンクス家の人たちがどんな反応をするのか、とてもワクワクしています。それから『お砂糖一さじで』がどんな訳詞になるのかも気になりますし、『チム・チム・チェリー』は大好きな楽曲なので早く歌ってみたいなと。ダンスナンバーに関しては大貫(勇輔)くんとカッキー(=柿澤勇人)にどんどん頑張ってもらって(笑)、一気に盛り上がるといいですね。中でも『スパカリ(=スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス)』! みんなでどれだけ七転八倒しながらやることになるのか(笑)、今からすごく楽しみです」

――改めてこの名作を通して、どんなメッセージを伝えられたらと思いますか?

「実はとても深いメッセージが込められた作品だと思うんです。見た目の派手さとか、音楽のよさとか、すべてにおいて完璧な作品ではありますが、それにプラスして今この日本でやるべきものであり、とても心に響く作品だなと思っていて。そして劇場でメリー・ポピンズが植えた種が、ひとつでも心の中で芽を出して、成長していけるような何かを残せたら......。自分の中でもメリー・ポピンズって役がとても大事な役になるだろうと直感していますし、大事に、大事にお稽古をして、皆さまに最高の舞台をお見せ出来ればと思っています」

取材・文:野上瑠美子

撮影:イシイノブミ

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ひぐちアサによる人気高校野球漫画を原作にした舞台「おおきく振りかぶって」が2月2日(金)に開幕、2月12日(月・祝)まで上演中です!

げきぴあ①.jpgそれに先駆け公開ゲネプロと囲み取材が行われ、囲み取材には主人公・三橋 廉役の西銘 駿さん、阿部隆也役の猪野広樹さん、百枝まりあ役の久住小春さん、花井 梓役の白又 敦さん、田島悠一郎役の納谷 健さん、脚本・演出の成井 豊さん(キャラメルボックス)が登壇しました。

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▲ゲネプロ前に行われた囲み取材は和気あいあいとした雰囲気。

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西銘さんは「舞台2作目で初主演ということで、最初は本当に緊張して。千秋楽までちゃんと主演としてやっていけるのかな、という不安はあったんですけど、稽古を経て、今は不安なく千秋楽まで突っ走っていけると思います」と笑顔。続けて作品の見どころを聞かれた西銘さんが言葉に詰まると、猪野さんがすかさず「大丈夫か!」とフォロー。それに安心した表情で「僕が演じる三橋は内気で弱気でっていうタイプなのですが、それをみんながバックアップしてくれて、(猪野演じる)阿部くんのおかげで人間性もどんどん変わって...というところがすごく好きです」と語りました。

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主人公・三橋とバッテリーを組むキャッチャー阿部役の猪野さんは「いろんなスポーツ漫画がある中で『おおきく振りかぶって』は色が確立している作品。今回それをどう出すかが課題でした」と振り返り「そこに出演者22人の個性をプラスして、舞台だからこそできる『おおきく振りかぶって』をみんなでつくりました」。猪野さん個人としても「(成井が代表を務める)キャラメルボックスさんという、ずっと憧れていたところにこうして立たせていただけて......あざっす!」と笑顔を見せると、白又さんからは「軽いな!」とツッコミも(笑)。「好きだからこそ稽古場で戦って、舞台上で戦って、みんなで走り抜こうと思いました」と話しました。

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"モモカン"こと百枝まりあ監督を演じる久住さんは「男勝りな役を今までやったことがなくて、稽古場でも最初は『男に見えない』と言われて悩みましたが、みんなが助けてくれて支えてくれてなんとか初日を迎えられたと思っています」とニッコリ。

e.jpg役作りで頭を丸めた(!)白又さんは、成井さんにとって初となる漫画原作舞台の演出に触れ「2.5次元の作品がたくさんある中で、成井さんが演出をしてつくったらどうなるのかということは観ていただきたいポイントになると思うので。成井さんと僕らとスタッフの皆さんでつくった『おおきく振りかぶって』をぜひ楽しんでいただければ!」と語りました。

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稽古場のムードメーカーだったという納谷さんは「稽古が終わった後に、稽古場で、みんなで野球をするのが楽しくて。そういう、みんなでひとつになっている瞬間がたくさんありました。そうやって絆がどんどん深まって、本番に向けて熱も高まって、いいものがお届けできると思うので、期待してください!」と笑顔。

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成井さんは今作で苦労した点を聞かれると「野球を舞台でやることですね。塁の位置が舞台サイズだとすごく近いので、アウトになるシーンもセーフになっちゃう。それをいかにアウトにするかということを、みんなに相談して。いろんな工夫をしました。僕だけじゃなく役者みんなにアイデアを出してもらって、その結果、ちゃんと野球の試合に見えるようにできたんじゃないかと思います。お芝居絶対の半分近くが野球の試合ですが、その一つひとつが全部見どころだと思います」。

その後行われた公開ゲネプロ。

h.jpg弱気で卑屈な性格の主人公・三橋廉が、野球を通じて仲間と共に成長する姿を描く本作。細かな心理描写は作品の特徴のひとつで、主人公を軸に、日々の積み重ねで信頼関係が構築されていく様子や、周囲の人間の言葉がもたらす影響、それによるチームの変化と、いわゆるスポ根とは違う面から選手たちの変化が描かれます。

i.jpgj.jpgまず気になるのはやっぱり試合の表現。成井さんも話されたように、当然、野球場とは全く違うサイズ感で、確かに走塁の緊張感を出すには距離が足りなそうな印象。でも実際に観てみると、選手それぞれが全力で投げ、捕り、走り、試合をしていることがちゃんと伝わってくるんです! これぞ演出の妙! その熱と臨場感は、思わず「間に合って!」「捕って!」と祈ってしまうほどでした。

k.jpg八百屋舞台になっていて、選手それぞれの状況が一目で見えるのも面白いところ。試合後半の三橋の疲労を受け止め、気合を入れて塁を守る仲間たちの姿が、三橋のすぐ後ろにある...こんなシーンが目の前に広がったらグッときちゃいます!!

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実力や特徴に差のある選手それぞれのフォームも再現。西銘さんは三橋のフォームについて「すごく緩やかな投球フォームなので、僕はアニメで観ているときに『あんな緩やかなフォームですぐ打たれるんじゃないか』という緊張感があったんです。だから舞台上でもそれが逆に緊張感になるように、遅く緩く投げたくて。そこをうまく再現できたらとやってきました」と語っていました。

n.jpgo.jpgp.jpg原作の特徴と成井演出の魅力がガチッと噛み合った、細やかな心理描写も印象的。「おおきく振りかぶって」は、"人が人を思う気持ち"や"小さな積み重ね"が展開を生む作品ですが、その"思う気持ち"や"小さな積み重ね"を、俳優陣が繊細かつわかりやすく体現しています。観ていて感情の流れが捉えやすいので、仲間がゆっくりと温めて引き出した笑顔を心から嬉しく感じたり、ずっと抱えていたであろう痛みがやっと言葉になったことに安堵したり...その感情表現の持つ意味がちゃんと伝わるんです! 野球の試合を観ているとは思えない感情になることが多々ありました。

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今作で描かれるのは、高校入学から夏の大会1回戦までのストーリー。3つの試合、部活、合宿、放課後など実にさまざまな場面が描かれますが、セット転換もなく、映像も使わず、音、照明、芝居であらゆるシーンを表現。さまざまな瞬間に演劇の楽しさを味わわせてくれます。(個人的には三橋家でのピッチング練習シーンの表現...気持ちよかった!)

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ダンスシーンなども華やかで、素敵な舞台になっています。ぜひ劇場で楽しんでください!
公演は2月12日(月・祝)まで東京・サンシャイン劇場にて上演中!

【フォトギャラリー】

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ミュージカル『三銃士』(2011年)の三銃士役(アトス・アラミス・ポルトス)での共演をきっかけに、橋本さとし、石井一孝、岸祐二の3人が結成したユニット"Mon STARS"

2018年2月20日(火)から22日(木)まで、Bunkamura オーチャードホールで開催されるコンサートを控える彼らに、お話を伺いました!

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(写真左から石井一孝さん、橋本さとしさん、岸祐二さん)

 

  

 

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4月にKAAT神奈川芸術劇場 中スタジオで上演されるロックミュージカル 『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』

【脚本・作詞・演出・石丸さち子】×【音楽・和田俊輔】という初タッグで描く、 「ロミオとジュリエット」 を下敷きにしたオリジナルミュージカル作品である本作。血縁、国境、性別、人種、宗教、経済など、見えない"ライン"に隔てられた若者が、その"ライン"をも飛び越え命を燃やした、たった5日間の恋を描きます。

詳しい作品概要・あらすじは コチラ

げきぴあではそのビジュアル撮影に潜入!
東啓介さん・豊原江理佳さん・柳下大さんの撮影レポート 前編 に続き、今回の後編で、中山義紘さん・大山真志さん・マルシアさんのレポートをお届けします!!


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まずはこの方......中山義紘さん!

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△中山さんが演じるのは、主人公ハワルの友人・ナウチ。

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△Tシャツにジャージにスニーカーというラフなコーディネートですが、中山さんの力強い表情と立ち姿が、この作品の空気感を伝えます。

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△顔の位置や体のひねり具合など、カメラマンの指示に一つひとつ的確に応えていく器用さ、そして全力投球で挑む姿が印象的な中山さん。「いい男だねえ!」と言われたときは、思わず笑顔に!

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△躍動感を求められ、芝居をしているかのようにどんどん動いていきます。なめらかに飛んだり跳ねたりする姿は、ちょっと忍者のよう!?

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△中山さんは関西発の俳優集団「劇団Patch」の一員。Patchでの活動は関西が中心ですが、NHK連続テレビ小説 『ごちそうさん』 『あさが来た』 『べっぴんさん』 に出演していたり、関西の朝の番組 『おはよう朝日土曜日です』 でも長く活躍されているので、テレビで観たことがある方も多いのでは? ナウチがどう物語に絡むのかはまだ謎に包まれていますが、中山さんの好演にぜひ注目したいところです!


そしてお次はこの方......大山真志さん!

大山①DSC07706.jpg△大山さんが演じるのは、ヒロイン・リェータ(豊原江理佳)の兄シーラ。ゼムリャという街の血と種を守る民族運動の若きリーダーです。

大山②DSC07687.jpg

△だだもれる大人の男の色気!! 1カット1カットでパキパキとポーズを取っていく大山さんに、カメラマンも「完璧!」と声をかけながらどんどん撮影していきます。

大山③DSC07698.jpg△服装もカジュアルではありますが、東さんたち若手メンバーとはちょっと違う雰囲気。こういったところからもシーラのポジションが見えてきそうです。

大山④DSC07714.jpg△「かっこいい」「素晴らしい」とカメラマンに絶賛され、すぐに撮り終わってしまった大山さん。「最後、素敵な笑顔で!」と言われてニッコリ!

大山⑤DSC07711.jpg

△NHK大河ドラマ『真田丸』 の真田信政役も務めた大山さん。舞台では、 『英雄のうた』 『トワイスアップ』 などの主演作品から、ミュージカル 『グランドホテル』 や 『ALTER BOYZ』 、『CLUB SEVEN 10th stage!』 、 『Club SLAZY』 、舞台 『弱虫ペダル』 などなど...作品名を並べただけでもあらゆるジャンルで活躍されていることがわかりますね! そんな大山さんが妹の恋をどう受け止めるのか、そして歌声も、楽しみです!!

ラストはこの方......マルシアさんです!

マルシア①IMG_7941.jpg△マルシアさんが演じるのは、経済復興特別区【グラント】に引かれた"ライン"上に暮らす女・ドゥーシャ。レースとニットのワンピース&ヒールでドレッシーなコーディネートは、20代キャストと一戦を画します。その姿も、ただ大人の女性というだけではなく、そこに強い意志があることを一目で感じさせてくれるのが、マルシアさんのすごいところ!

マルシア②IMG_7939.jpg

△撮影中に美しいスタイルの秘訣を問われ、「役によって筋肉のつけ方が変わる」と女優魂を感じる答え。写真はキリッとした表情ですが、カメラマンに褒められて「なにおっしゃる!」と思わず笑ってしまっていたフレンドリーさも素敵でした。

デビュー30周年という節目のマルシアさん。ここ最近でも、シアタークリエ10周年記念公演 『TENTH』 、舞台 『ペール・ギュント』 、2月の 「『リトル・マーメイド』イン・コンサート」 と、芝居そして歌で魅了する作品に次々と出演されています。今回も"ライン"上に暮らす女という重要な役どころをどう演じるのか、20代のキャスト達の中でどんな存在感を放つのか、すごく楽しみですよね。

..........というわけで、ビジュアル撮影レポートはここまで。作品の雰囲気、伝わったでしょうか。開幕まであと約2か月、これからどうつくられていくのか楽しみにお待ちください!

公演は 4月3日(火)から23日(月)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ にて。

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ライター:中川實穂
撮影:源賀津己

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uchoten_05.jpg 喜劇「有頂天一座」渡辺えり、キムラ緑子

渡辺えり、キムラ緑子らが出演する喜劇「有頂天一座」が2月1日から新橋演舞場で開幕する。

本作は2015年に上演に東京・京都で上演し、好評を博した喜劇「有頂天旅館」に続く有頂天シリーズの第2弾。女剣劇一座の中で巻き起こる座長の座を巡っての「女いくさ」をコメディータッチに描いた喜劇作品だ。

出演は渡辺えり、キムラ緑子、林翔太(宇宙Six/ジャニーズJr.)、広岡由里子、村田雄浩、段田安則など。

 
本作の囲み取材と公開舞台稽古が行われた。動画はこれをダイジェストにまとめたもの。【動画3分】

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(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ

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