■ミュージカル『王家の紋章』#14■
世界初ミュージカル化の開幕が近づいてきている『王家の紋章』。
連載開始から40年を迎える少女漫画の金字塔です。
その、気になる稽古場を取材したレポート、Part2です!
Part1はコチラ→★
ふたたび古代エジプトへ戻ってきたキャロル。
最初は異分子だったキャロルは、珍しい金の髪と現代の英知と持つことから"ナイルの女神の娘"と讃えられ慕われていきます。
そのキャロルが、エジプトの若き王・メンフィスのものになることは、エジプトの人々の願いでもあるのですが...。
キャロル=宮澤佐江さん
キャロル=新妻聖子さん
敵味方入り乱れる古代エジプトの世界ですが、こちらはキャロルを見守っている人たち。
女官長ナフテラ=出雲綾さん
キャロルの警護役・ウナス=木暮真一郎さん
木暮さんはこの舞台がデビューのフレッシュな新人さんです!
実はこのエジプト王家、一枚岩ではなく、内部に不穏分子を抱えています。
その要因がこちら。
お待たせしました、アイシス女王(古代エジプト王国の第一王女で下エジプトの女王)、濱田めぐみさん!
弟であるメンフィスを愛し、キャロルを排除しようとしています。
作曲者であるシルヴェスター・リーヴァイさん自らが、インタビューの場で「僕の作品に濱田さんに出て欲しいとお願いをした」と熱烈なラブコールを贈ったことを明らかにしていた、日本ミュージカル界が誇る歌姫、濱田さん。
濱田さんにとてもよく似合う、情感豊かなナンバーを歌っていらっしゃいました!
愛する弟に思いをぶつけ、拒否されてしまうアイシス。
濱田さんのこの表情!稽古場なのに、すでに切なくなってしまいます。
そしてこの方も忘れてはなりません。
若き王を支える宰相、イムホテップ=山口祐一郎さん。
山口さんが登場するだけで、その場に重厚感が増します。
「威嚇で愛を取り戻してはならない」とアイシスを戒めますが、頑ななアイシスはその言葉を受け入れません。
しかし山口さん&濱田さんのシーンは、さすがの風格です。
荻田浩一さん、演出をつけています。
荻田さんはフットワークが軽く動き回ってます。ほぼ、座りません。
場面は変わって。
キャロルが町へ出たいと言ってきかない、と、お付きの皆さんが困っているシーン。
キャロル「ピラミッドを見てみたいわ!」
イムホテップ「ピラミッド...?」
キャロル「スフィンクスがそばに...ええと、古代ではスフィンクスをシェセプ・アンクと言った...」
キャロルの聡明さが伝わってくる場面です。
宮澤キャロルは、まさにキャロル!といった、元気で好奇心いっぱいでキラキラした女の子。
新妻キャロルは知的探究心があり、そして目の中に少女漫画の星があるよう!
もともと『王家の紋章』ファンだという新妻さん、ちょっとしたしぐさにも「あっ、漫画で見たことある」と思わせられます。
キャロルの知識に皆が驚嘆しているところへ、メンフィス=浦井健治さん登場。
キャロルを見つめる目が、優しくなっています。
このナフテラ&ウナスのお辞儀の仕方も古代エジプトの壁画っぽいですね!
メンフィスが伴ってきたミヌーエ将軍は、川口竜也さん。
ミヌーエ将軍も、なかなかの重要人物ですよ。
そしてナフテラの息子だったんですね...今回原作を読み直して、気付いた担当です(すみません)。
メンフィスとキャロル、だんだん距離を縮めていく...というより、近づいたと思ったら遠ざかり、登場のたびにふたりの距離感が変わっていて、ハラハラします。
異世界(異時代)に生き、異なる価値観をもっていたふたりが心を通わせるのは、難しい。
だからこそ目が離せない、のかもしれません。
さて、おまけショットのコーナー。
今年すでに6本目!の舞台出演、大忙しの伊礼彼方さん@ライアン兄さん。
台本を持ってポーズとってくださいました。
最後にWキャロルのキュートな2ショットをどうぞ!
おふたり、似てるって言われません?と聞いたところ「よく言われるんですよ~!」と新妻さん。
稽古場レポートPart3では、お待ちかねのヒッタイトのあの方が登場予定です!
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)
【公演情報】
・8月5日(金)~27日(土) 帝国劇場(東京)
※8/3(水)・4(木)プレビュー公演あり
【『王家の紋章』バックナンバー】