ミュージカル『王家の紋章』#1 浦井健治ビジュアル撮影レポ&インタビュー

■ミュージカル『王家の紋章』#1■

連載開始から40年を迎える少女漫画の金字塔『王家の紋章』が、初のミュージカル化!
今もっとも勢いのある俳優・浦井健治を主演に、荻田浩一が脚本・演出を、そして『エリザベート』『モーツァルト!』の産みの親シルヴェスター・リーヴァイが音楽を手がける日本発の大型作品が、この夏誕生します。

(余談ですが"金字塔"という言葉、本来は"ピラミッド"を指す言葉ですので、この作品に対してこれほどぴったりな形容もないのでは...)

物語は考古学を研究するアメリカ人少女・キャロルが、仲間たちとあるピラミッドを発掘したことからはじまります。そのピラミッドは古代エジプトの少年王・メンフィスの墓と判明、そしてその墓を暴いたことから、神殿の祭祀でありメンフィスを愛する姉・アイシスの呪術により、キャロルは古代エジプトにタイムスリップしてしまい......。
現代と古代をまたにかけた、壮大な歴史ロマン大作です。

いよいよ作品ビジュアルも解禁となり、期待を募らせている方も多いのではないでしょうか。
げきぴあでは、この作品のビジュアル撮影現場に潜入、同時にキャストの皆さんにお話も伺ってきました!
(例によって全員分ではありませんが、ご了承ください...)
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初回はもちろんこの方、主人公メンフィス役の浦井健治さん
浦井さんはこれが、初・帝国劇場単独主演となります。


◆ ビジュアル撮影レポート ◆


撮影はこんな雰囲気の中で行われています。
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さすが主役!という感じで、浦井メンフィスの撮影時、スタジオ内は関係者がいっぱい!
そんな中で浦井さん、ちょっと怖いくらいの集中力です。

そして全身はこんな感じです。
髪型も衣裳も、そして雰囲気も、原作イメージそのもので、(おそらく原作ファンであろう)女性のスタッフ・関係者たちからは「おぉ~!」の声が。
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"少年王"と呼ばれるメンフィスらしい、若々しさ、青さもあり。
うーん、横顔も素敵です。
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様々な角度・ライティングで撮影が進みます。
カメラマンさんからも「カッコいい!」「雰囲気ある!」。
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シルエットっぽいカットがあったり...。
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後半はカメラマンさんとの"セッション"といった風の撮影に。
「自由に動いてください。ついていきますので」とカメラマンさん。
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黄色のライトが印象的で、時に王が誇る"黄金"のように見えたり、砂漠の夕陽に見えたりしてくるのです。
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そんな浦井さんの撮影中に、山口祐一郎さんご登場。
先輩から後輩へのエールでしょうか?
和やかにお話されていました。
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皆さんで撮影カットを確認中。
そんな中、カメラを見つけてVサインをくれる浦井さんです♪
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さて、浦井さんに、作品について、そして帝国劇場初単独主演への意気込みなどを伺ってきました。


◆ 浦井健治 INTERVIEW ◆

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――『王家の紋章』、女の子は必ず通る道と言っても過言ではない、少女漫画の傑作です。浦井さんはこの作品のことをご存知でしたか?

「はい! 今回僕がメンフィス役だと発表になった時、知人からの「浦井君のメンフィス、見たい!」という反響がすごくて。いかにこの原作を知っている方が多いか、そして少女漫画の金字塔と呼ばれる『王家の紋章』の偉大さにはっとさせられました。それと同時に責任も感じました。親戚からも、連絡が来ましたよ(笑)」


――そして、現在出ている全60巻を改めてお読みになったとか。どんな感想を抱きましたか?

「まず、絵のタッチがとても印象的に思いました。そしてキャラクターそれぞれが鮮明に色付けされていて、とても共感しやすく、物語は本当に"歴史大作"という名にふさわしいですよね。さらにその中に"純愛"が描かれていて、感情移入がしやすい。でもこれをミュージカル化するということは、我々が3次元に具現化しないといけないわけじゃないですか。どんな感じになるかなかなか想像しずらくて、怖いなと思っていたのですが......」


――でも、本日の撮影、よくお似合いでした。シャッターが切られるたびに、スタッフからも感嘆の声が上がっていましたね。

「前田文子さんの衣裳や、メイクの馮 啓孝さんが仕上げてくださったものを、カメラマンさんや照明さんたちが写し取ってくれて。皆さんがメンフィスだと思ってくれていたのなら、嬉しいですね」


――正直なところ、浦井さん、よく着こなすな~、と思ってしまいました。少女漫画といえば非現実の世界、ですから!

「ははは(笑)。でもあれは、僕ひとりの力では、まず着ることもできないんですよ。まさに、王様と同じで。原作ファンの方にも納得していただけるところを目指して、みんなで作っている感覚がありますので、その渦の中にいられることは、自分にとってかけがえのない経験であり、財産になると思っています」


――撮影していて、どんな気持ちでしたか?

「ちょっと口調とか、物腰とか、自分が変わってくるんですよ! 人間て単純...て思いました(笑)。いや、僕が単純なだけかな? だから今日の撮影を経て、本番がより楽しみになりました」
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――漫画原作と言えば、浦井さんは昨年『デスノート』に主演して、あれももう、イメージどおりの夜神月でした! やはりビジュアル面など、漫画原作ならではの難しさなどは感じますか?

「『デスノート』の時は自分も原作のファンだったので、原作のイメージが自分の中で強すぎちゃって、大変でした。でも原作ファンの方から「月が目の前に現れて涙が出た」というような感想をいただくと、ああ、良かったと思いました。やはり原作を知ってる身としては、イメージを壊して欲しくないというファンの方の気持ちもすごくよくわかるんです。だからその思いは絶対に裏切りたくないですよね。今回のメンフィスも、体型維持はもちろん、肌の露出もあると思うので、しっかりケアしていかなきゃと思っています」


――メンフィスという人物については、現時点ではどのように捉えていて、どんな風に見せたいと思っていますか?

「絶対的な権力を持った君主であり、プライドの塊のような若き王。それがひとりの女性と出会って、人間的に成長していく...。その変化していく様を演じていくのが課題だと思っています。あとは歌ですね。帝国劇場のセンターに立たせていただきますし、僕が今まで15年間取り組んできた"芝居歌"...芝居として歌をきかせる、ということをより深化させる、というところに、果敢にチャレンジしていけたらと思っています」


――そうなんです、帝国劇場、初・単独主演です! おめでとうございます。

「ありがとうございます。何て言うんでしょうか...プロデューサーさんをはじめ、関わっている皆さんの優しさと温かさを感じています。そして"浦井に賭けるよ"という心意気をしっかり自分は受け止めて、最終的には"浦井にやらせて良かった"と言ってもらえるよう、そしてぜひ再演に繋がっていけるように、しっかりやっていかなきゃと思っています。この『王家の紋章』が決まってから、改めてボイストレーニングにも力を注いでいます」


――いつも謙虚な浦井さんなんですが、"いずれは帝劇の真ん中に"というようなお気持ちは、ありましたか?

「それはもちろん、機会があれば、とはいつも思っていました。役者であればみんなが抱く気持ちだと思うんですよね。でも、それを実現するのはとても難しいことだと思いますし、やっぱり様々な要素が合致するタイミングや機会も必要なんだろうなと思っています。今回のことは本当に感謝しかないです」


――そして今回、作曲はシルヴェスター・リーヴァイさんという巨匠です。そのあたりも楽しみですね。

「僕、『エリザベート』(2004年~2010年に出演)以来です。『エリザベート』ではルドルフを約6年間やっていました。ルドルフは王子で、今回は王として挑みますので、リーヴァイさんにもきちんと"自分はこれくらい成長しました"というのを示していけるものに作り上げていきたいです」


――何か、リーヴァイさんとお話しましたか?

「クラシックの要素をもう少し強めましょう、というお話がありました。なのでクラシック系のボイストレーニングを続けています。筋肉的な変化とともに、歌い方、歌詞ののせ方、のどの開き方といった部分を変えたり。同時に、先ほど言った"芝居歌"、お芝居に特化した歌い方の両方をやれるようになるのが目標です。今回に限らず、それぞれの役、それぞれの曲に対して様々な歌い方を提示していける役者になっていけたらいいなと思っています」


――そして、キャストも楽しみな方が揃いました!

「皆さんのことを語ると時間が足りなくなっちゃうくらいです! 見習いたいことばかりの山口祐一郎さん、(『デスノート』の)"Wライト"共演が実現する宮野真守さん、そしてメグさん(濱田めぐみ)、久しぶりの共演になる(伊礼)彼方、(平方)元基もそうですね。新妻(聖子)さんと(宮澤)佐江ちゃんのキャロルも楽しみですし。うーん、このメンバーについては語りたいことばかりです。本当に見どころがたくさんあると思いますし、キャロル、イズミルはWキャストですし、ぜひ何度も観に来ていただければ!」


――さらに原作が60巻もありますので、第2弾・第3弾も出来るのではないかと期待しちゃいます。

「そうなれるよう、まずは8月の帝国劇場公演、しっかり頑張りたいです! アメリカやヨーロッパ発の作品が多い中、最近は日本発の大型ミュージカルも増えてきている。その動きは素敵だと思いますし、こういった漫画原作のミュージカルは日本発ならではだと思います。その中でも今回の『王家の紋章』は、なかなかないテイストの作品。それはエジプトの大地のイメージだったり、考古学といったテーマ、それからやはり帝国劇場で上演されるものならではの気高さ、満足感、様々な要因があると思います。そんなミュージカルとして多角的な魅力を秘めたものになると思っていますので、楽しみにしていてください」
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取材・文・撮影:平野祥恵




【公演情報】
・8月5日(金)~27日(土) 帝国劇場(東京)
 ※8/3(水)・4(木)プレビュー公演あり
 一般発売:5/28(土)

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