一般財団法人渡辺音楽文化フォーラムは、ザ・プリンスパークタワー東京 B2Fはなみずきにて『第11回 渡辺晋賞 授賞式』を行いました。
第11回となる今回は、北村明子さんが授賞。北村さんは演劇プロデューサーとして、蜷川幸雄、三谷幸喜、ケラリーノ・サンドロヴィッチなど日本を代表する演出家を次々に起用し、数々の作品を意欲的に制作。北村さんのプロデュース作品は様々な賞を受賞し、常に高い評価を受け続けています。また、舞台制作と両輪をなす演出家、俳優マネージメントでは堤真一、高橋克実、杉本哲太、三谷幸喜、野村万斎、渡辺えり、キムラ緑子ら、たくさんの日本を代表する個性豊かな実力派俳優、演出家をマネージメント。常に所属俳優が輝く方法を模索し、3年先の舞台作品を準備し続けるというパワフルでエネルギッシュな活動は日本のエンターテインメントシーンに良質な作品を提供し続けておられます。この度はこれら数々の業績を称えられての授賞となりました。
授賞式で、第11回 渡辺晋賞 授賞者の北村明子さんはまず「過去10年間の受賞者を振り返るとそうそうたる方々が受賞されています。プロデューサーという、ある意味『裏方』でもある仕事に光を当てる、非常に有意義で重みのある賞を受賞できて光栄です」と挨拶しました。続けて「役者を目指して上京し、演劇の世界には役者ばかりでなく、裏側で活躍する人たちがいることを知り、プロデューサーという仕事に幸運にも巡り合いました。それからは、年間5回、全力で取り組んできたことが評価され、うれしい気持ちでいっぱいです。私に続いて、もっと女性がこのような賞をもらえるような状況を作っていただければありがたいと思います」と授賞の喜びを語りました。
続いて、長きにわたり女優、プロデューサーという役割を超えて北村さんと共に多くの作品を作り上げてきた大竹しのぶさんから花束贈呈と、「北村さんにはどんなピンチの時にも『大丈夫よ』と励まし続けてもらいました。そのパワーで、これからも日本の演劇界を引っ張って行っていただきたい」とお祝いのメッセージが送られました。さらに所属演出家の三谷幸喜さんもお祝いに駆けつけ、「北村さんのイメージは、『大きな声』です。その大きな声で、これからも私をはじめ多くの演劇関係者の迷いを吹っ切り、導いていただきたい」とお祝いのメッセージが送られました。
■『渡辺晋賞』について
『渡辺晋賞』は、平成17年(株)渡辺プロダクション創業50周年にあたり、エンターテインメント業界における新しい感性のプロデューサーを顕彰し、大衆文化のさらなる発展向上を目的とするプロデューサー賞として創設されました。毎年3月2日渡辺晋の誕生日に「渡辺晋賞授賞式」を執り行い、大衆性、将来性を兼ね備えた独創的なソフト(作品、アーチスト)を生み出し、また、才能ある人材を登用、組織し新しいビジネスモデルを構築し、大衆文化の発展に多大の貢献をしたエンターテイメント業界のプロデューサーを選考対象とし、年1回、顕彰させて頂いております。
(歴代の受賞者・敬称略)
第一回 :亀山千広
第二回 :鈴木敏夫
第三回 :本多一夫
第四回 :松浦勝人
第五回 :秋元康
第六回 :三枝成彰
第七回 :大里洋吉
第八回 :三谷幸喜
第九回 :松任谷正隆
第十回 :小山薫堂
■授賞者・北村明子さん 略歴
1947年京都府生まれ。85年に「劇団 夢の遊眠社」内に俳優マネージメント部門を設立。
89年「シス・カンパニー」として法人独立。
92年の劇団解散後、マネージメント業務 を拡張すると共に、舞台制作にも進出。
2008年1月まで、野田秀樹の舞台を手掛ける 「NODA・MAP」プロデューサーとして全作品を制作。
2002年からは、「シス・カンパニー 」独自の舞台制作も本格的に開始し、現在は年間4~5本の舞台作品をプロデュース。
アーティスト・マネージメントと企画製作を軸に、総合的なエンタテインメント活動 を展開中。
2006年 第41回紀伊国屋演劇賞団体賞受賞
2006年 第14回読売演劇大賞最優秀作品賞受賞:受賞作品「ヴァージニアウルフなんかこわくない?」
2006年 第14回読売演劇大賞優秀作品賞受賞:受賞作品「屋上の狂人」
2016年1月 紀伊国屋演劇賞第五十回記念特別賞制作者賞受賞