

2008年に発表した短編集「図書館的人生 Vol.2」の中の1篇、『瞬きさせない宇宙の幸福』がひとつの長編になった。それが、今シアタートラムで上演中の『獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)』だ。
物語は2008年のとある日から始まる。アマチュア天文家の二階堂は、小さな隕石を拾う。その隕石は、見る者に恐ろしいほどの幸福感をもたらすのだが、同時に見る者の思考を奪い、自分から目をそらすことができなくなる。誰かが助けてくれなければ、ひとりぼっちで死ぬまで隕石を見続けてしまう。
それから一年。
あらゆる都市に空から巨大な柱が降り注いだ。それは人々にあきれるほどの祝福を与え、静寂のうちに人々を支配した。2096年、柱によって世界は大きく変わった――。
100年近い時を超え、壮大なスケールで人間の行く末を描くSF年代記。
隕石は、柱はなぜ、どんな目的で落ちてきたのか?
次々と空から落ちてくる柱は、人口過密となった都市を襲う。
"幸福"を求める人々。
だがそれにより"死"を迎えてしまうという矛盾。
まるでハリウッドのSF映画のようなスケール感だが、演じている俳優は見ている観客と同じ、平凡に暮らしているわたしたちそのものだ。
作・演出の前川知大が提示する未来から何が見えるのだろうか。
コンパクトな劇空間で無限に広がる世界をぜひ劇場で体感して欲しい。
出演は二階堂に浜田信也、その妹に伊勢佳世、二階堂の高校の先輩に安井順平ら劇団員と、自称ラッパ屋に池田成志が客演で参加。
公演は6月2日(日)まで東京・シアタートラムにて。
その後、福岡、大阪でも公演。チケット発売中。
左から、伊勢佳世、安井順平、浜田信也

【チケットぴあニュース】
朝海ひかる、石井一孝らの出演で6月に上演されるミュージカル『天翔ける風に』の公開稽古が5月24日、都内にて行われた。ドストエフスキーの『罪と罰』をもとに、主人公を女性に、時代を幕末に置き換えた野田秀樹の戯曲『贋作・罪と罰』を、謝珠栄がミュージカル化した『天翔ける風に』。2001年に初演、その後2003年、2009年と再演を重ねている、日本オリジナルミュージカルの中でも高い人気を誇る作品だ。演出・振付を手がける謝は「『罪と罰』といえば重くて難解な作品と思われがちですが、スリリングなサスペンスあり、若者たちのエネルギーが渦巻くダイナミズムあり、ロマンティシズムあり、そして野田秀樹さんとドストエフスキーというふたりの作家の温かい人間味が感じられる作品」と見どころを語る。

5月26日、劇団四季のミュージカル『ライオンキング』東京公演が通算公演5000回を迎え、特別カーテンコールを行った。東京公演は、1998年の日本初演開幕以来、同一劇場で公演を続けるという、日本エンターテインメント界で他に類を見ないロングランを継続している。この日時点での総入場者数約536万人。

井上芳雄、浦井健治らが出演するミュージカル『二都物語』の製作発表が5月15日、都内にて行われました。
作品は、文豪チャールズ・ディケンズの小説を2007年にアメリカでミュージカル化したもの。
翌年にはブロードウェイにも進出した名作の、待望の日本初演です。
脚本・作詞・作曲はジル・サントリエロ。
追加音楽に、日本のミュージカルファンにもおなじみのフランク・ワイルドホーンが名を連ねています。
●STORY●
18世紀後半、イギリスに住むルーシー・マネットは、
17年間バスティーユに投獄されていた父ドクター・マネットが
酒屋の経営者ドファルジュ夫妻に保護されていると知り、パリへ向かう。
父娘でロンドンへの帰途の最中、フランスの亡命貴族チャールズ・ダーニーと出会うが
彼はスパイ容疑で裁判に掛けられてしまう。
そのピンチを救ったのはダーニーと瓜二つの酒浸りの弁護士シドニー・カートン。
3人は親交を深め、ダーニーとルーシーは結婚を誓い合う仲になる。
密かにルーシーを愛していたカートンだが、2人を想い身を引くことに...。
しかしダーニーは昔の使用人の危機を救おうと祖国フランスに戻り、
フランス革命により蜂起した民衆たちに捕えられてしまう。
再び裁判に掛けられたダーニーだったが、そこで驚くべき罪が判明し、下された判決は死刑。
ダーニーとルーシーの幸せを願うカートンはある決心をし、
ダーニーが捕えられている牢獄へと向かうが...。
(公式HPより)
この日の製作発表会見には、2400件の応募の中から当選した200名のオーディエンスも参加。
キャスト陣は衣裳を着けての会見で、華やかなものになりました。
ひと足先に掲出した、ニュースサイトの記事はコチラ。
■劇団四季創立60周年 特別連載■
劇団四季が大切に上演し続けている"昭和の歴史三部作"。
日本人として生まれ、歌う中国人女優として絶大な人気を博した歌姫の半生を描いた『ミュージカル李香蘭』、
戦中、和平工作に身を投じ、戦後11年間シベリアに抑留され帰国直前に命を落とした首相令息の生き様を描く『ミュージカル異国の丘』、
そして京大に学び、理想に燃え南方へ出征、敗戦後BC級戦犯として裁かれた青年の悲劇を描いた『ミュージカル南十字星』。
一貫して戦争の悲劇と向き合い、昭和の歴史の真実を描いているこの三部作が、創立60周年を迎えている今年、続けて登場します。
最初に登場するのは、三部作の完結編として2004年に初演された『ミュージカル南十字星』。
主人公・保科勲を演じる阿久津陽一郎さんにお話を訊いてきました。
★ニュースサイトに掲載したインタビュー記事はこちら