

徳島県鳴門市の大塚国際美術館内にあるシスティーナ・ホールにて、来年2月、システィーナ歌舞伎が開催されます。
陶製の板に原画を転写し名画を忠実に再現した、世界でも類をみない美術館の中にある同ホールは、ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂が原寸大に立体再現されています。
このホールを使い、日本の伝統文化である歌舞伎を西洋文化の壁画に囲まれた空間の中で「和と洋のコラボレーション」「創作による新作歌舞伎」をコンセプトに"コラボ歌舞伎"として2009年に初演。
その後、ほぼ毎年1回のペースで上演を重ね、来年で5回目を迎えます。
今回の演目は、モーツアルトの名作オペラ「フィガロの結婚」をモチーフにした「満月阿波噺(まんげつあわのよばなし) Le Mariage de Figaro フィガロ」。
11月下旬、出演の片岡愛之助さん、上村吉弥さん、中村壱太郎さんと作・演出の水口市一夫さんが会見を開き、公演への意気込みを語りました。
左から壱太郎、愛之助、吉弥
会見レポート
■水口一夫さん (作・演出)
ミケランジェロの原寸大の「最後の審判」の絵、あるいは天井画(「天地創造」ほか)がまわりを覆い尽くしている空間で歌舞伎をやるというのは本当に難しいです。
今回上演する「フィガロ」は喜劇です。
ご存知のようにモーツアルトの名作でレベルが高い作品です。
和と洋のコラボということで、徳島の弦楽四重奏のみなさんにもご出演いただきまして、クラシックの音も加える予定です。
本来の歌舞伎の音、下座、清元、常磐津、長唄、竹本などを組み合わせて、いかに歌舞伎版の「フィガロ」を創るかが私の大きな課題です。
愛之助さんが「今度は歌いたい」とおっしゃってますので、それならばぜひにと思っております。そうなりますと、吉弥さんと壱太郎さんにも歌っていただくことになりますので、それぞれのアリアを期待していただきたい。
"傾く心"の精神を忘れず、歌舞伎でもこんな面白い舞台が創れるんだ、というものをお見せしたいと思っております。
■片岡愛之助さん (一昨年から参加。今回で3回目の出演)
"コラボ歌舞伎"ということで、水口先生がおっしゃられた通り、"傾く"という新しいことに取り組む気持ちは忘れちゃいけないと思っています。
新作や復活ものの再演というのは少ないんですけれども、このシスティーナ歌舞伎で創られた中から2作も再演されています。
ひとつは、今年2月に大阪・松竹座で勤めさせていただいた『GOEMON(石川五右衛門)』、それから今月、豊岡市の永楽館で『ガラシャ(切支丹寺異聞 伽羅紗)』を。これは第1回に上演された作品です。
ここから生まれたということはすごく嬉しくて、再演のできる作品をどんどん作っていきたいと思っています。
●加藤和樹 ロングインタビュー●
こころ温まる傑作ミュージカル「スクルージ」稽古場潜入レポ
木枯らしの舞う11月末、「スクルージ」の稽古場にお邪魔してきました!
キャストによる暖かな歌声が満ちる稽古場の雰囲気は、クリスマスの訪れを感じさせてくれます。
ミュージカル「スクルージ」の原作は、ディズニー映画でもおなじみの「クリスマス・キャロル」。英国の文豪ディケンズの傑作文学のミュージカル作品です。
有名だけど、意外と知らない「クリスマス・キャロル」のストーリー。
知ってるとちょっとインテリ?簡単にストーリーを紹介致します。
守銭奴のスクルージは、街一番の嫌われ者。クリスマス・イヴの日も周囲に温かい言葉ひとつかける事なく、ただ己の金銭欲を満たすためだけに生きている。
ところがその晩のこと。ひとりぼっちで過ごしていたスクルージの前に、かつてのビジネス・パートナーであるマーレーの亡霊が現れる!亡霊のマーレーは、これから精霊によって自分の過去・現在・未来をめぐる旅へと次々に連れ出されるだろうと予言する。
貧しくて孤独だった過去、冨と引換に人との絆を失った現在、そして想像を絶する未来の自分に愕然とするスクルージは、やがてクリスマスの本当の意味に気づいていく...。
本日の稽古場では、クリスマスのロンドンの街並みと行き交う人々を表現した「♪オープニング」のナンバーと、2幕終盤のナンバー「♪Thank you very much」でした。
夜空の星を指しているのでしょうか?
「スクルージ」は可愛い子役の子どもたちがたくさんいて、男の子は男の子同士、女の子は女の子同士でお喋りしたり、稽古場を元気いっぱいに走ったり、ナンバーやダンスの練習をしていたり...とにかくかわいいんです!
お子さんとぜひご一緒に見に来ていただきたいミュージカルです。
♪オープニングナンバーは、クリスマス・イヴに大勢の買い物客が行き交うロンドンの通りを表しています。
シルクハットがオシャレな田代さん。今回も美声が聞けるでしょうか?
稽古着姿もちょっと新鮮ですね。
「♪Thank
you very much」は、どこかで1回は聞いたことのある名曲!
スクルージが過去の精霊に連れられて、自らの葬儀を見せられるシーン。スクルージは自分の葬儀だとは思っていない様子で、棺桶の上に飛び乗って歌い踊る街のみんなとともに、どこかおどけて踊ります。
市村さんの存在感は流石!柔らかな動きで群集の皆に混じり踊る姿はどこか可愛くもありますね。
いかがでしたでしょうか?
「スクルージ」の魅力は、実力のあるキャスト、魅力的なストーリー、そして何より見終わった後にほっこりと心が温まる感じがしました。
迫る12月にぴったりの舞台だと言えそうです。
みなさまぜひご家族と、大切なご両親と訪れてみてはいかがでしょうか。
また、会場の赤坂ACTシアター周辺には、美味しいお店もいっぱい。公演が終わった後観劇の余韻を楽しみながら食事やお茶だって楽しめます!
KAAT神奈川芸術劇場公演の帰りには、中華街やおしゃれなみなとみらいに寄ってみるのはいかがでしょうか?
そんなあなたに、「Topsケーキ付チケット」や、「お食事付きチケット」も販売中!
素敵なクリスマスを過ごしてくださいね。