『マタ・ハリ』の最近のブログ記事

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(6)■


創作の過程をお伝えしている日本初演のミュージカル『マタ・ハリ』

今回は、ピエール役(Wキャスト)の西川大貴さんのインタビューをお届けします。

西川さんは『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』といった大作ミュージカルでもお馴染みですが、脚本・演出を手がけたり、音楽ユニット「かららん」のフロントマンを務めたりと多才の人。
昨年は水谷豊監督映画『TAP - THE LAST SHOW』にメインキャストとして出演、得意のタップダンスを存分に活かし映画デビューも果たしました!

その西川さんに、現在の稽古場の様子について、そして演じるピエールという役柄について、お話を訊いてきました。



● 西川大貴 INTERVIEW ●

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―― お稽古の真っ最中ですが、このミュージカル『マタ・ハリ』という作品にはどんな印象を抱いていますか。

「まず、音楽ですね。音楽が好きです。僕は以前『GOLD』(2011年)という作品に出させて頂いて、フランク・ワイルドホーン作品は2作目なのですが、パッと聴いた印象だと「いかにもミュージカル!」という感じなんですが、曲の中の感情の動かし方が、ポップス的要素も含んだドラマチックさがあるんです。ワイルドホーンさんて、ポップスも書かれる方なので、この方ならではですよね」


―― おススメのナンバーは?

「いま、一番気に入っているのがM14『さよなら』。マタ・ハリとアルマンが手紙を介して歌う曲です。先ほど言ったようなことが盛り込まれています。僕、出ていないシーンですが(笑)。自分はその次の曲を歌うんですが、思わず聴き入ってしまいます(笑)。切ないし、すごくいい曲なんです」

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(5)■


稽古場レポートを通し、創作の過程をお伝えしている日本初演のミュージカル『マタ・ハリ』 ですが、メインキャストのインタビューもお届けしていきます!

今回は、ヒロインであるマタ・ハリと深く関るふたりの男性、ジョルジュ・ラドゥーアルマン・ジロー2役を回替わりで演じる加藤和樹さんが登場。

マタ・ハリをスパイとして利用しようと彼女を追い込んでいく、フランス諜報部の大佐であるラドゥー。
ラドゥーの部下でありながら、マタ・ハリと愛し合う青年アルマン。

ともにマタ・ハリと深く関りながら、その関り方は正反対という対照的なふたりの男性に、加藤さんが挑みます。

加藤さんに、作品について、役柄について、現在の心境について、伺ってきました。

● 加藤和樹 INTERVIEW ●

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―― 戦時下のシリアスなドラマですし、ただでさえ大変な作品。その中でさらに加藤さんは2役を演じます。......なぜこんな大変なお仕事を受けたんですか?

「(笑)! なぜかと言われると、そうですね...。やっぱりこういうお話を頂いたら、挑戦してみたいと思いますよ。同じ作品の中でふたつの役をやるというのは、なかなか出来ることではない。以前、『ロミオ&ジュリエット』で僕がティボルトをやっていたときに(2013年)、城田(優)がロミオとティボルトの2役をやっていたのを近くで見ていて、大変そうだけど、やれたら面白いだろうなってなって思っていました。今回このお話を頂いて、挑戦してみたい、という気持ちしかなかったですね」


―― 稽古場では、台本を2冊お持ちになっていましたね。

「そうです。ラドゥー用、アルマン用と、台本を分けています。一冊にまとめて(それぞれの役についてのメモなどを書き込んで)も良かったんですが、台本自体を分けた方が、自分の中で住み分けが出来るんじゃないかなって思って。そうしています」

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(4)■


作品の魅力を掘り下げていくミュージカル『マタ・ハリ』連載、本日は日本版『マタ・ハリ』の鍵を握る人物、訳詞・翻訳・演出を手がける石丸さち子さんのインタビューをお届けします。

蜷川幸雄門下で演出助手として経験を積み、2008年に独立後は、ストレートプレイ、ミュージカルを問わず、幅広い作品を手がけている石丸さん。

先日は演出を手がけた『スカーレット・ピンパーネル』(再演)が閉幕したばかり、また来年にはオリジナル作 Rock Musical『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』の上演も発表になった、今もっとも勢いのある演出家のひとり。


そんな石丸さんの稽古場での横顔は、非常にパワフル!
そして、しっかりとした裏付けに基づいた深い台本の読み込みと、たくさんのイマジネーション溢れる言葉を駆使し、キャラクターの感情や情景を的確にキャストに伝えていく姿が印象的な演出家さんです。

 

● 石丸さち子 INTERVIEW ●

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―― まず、韓国版をご覧になった印象をお伺いしたいです。

「韓国のお芝居全体がそうなんですが、人間の感情の揺れをダイナミックに描きますよね。韓国の俳優さんたちは声帯も強いですし、"ミュージカル的な美しさ" といったお約束に囚われない。『マタ・ハリ』も、強い女が、傷ついても、傷ついても立ち上がっていく姿を描いているということが、韓国の俳優さんたちの演技と声が相まって、ものすごく印象的でした。日本で見慣れているミュージカルよりも、エキセントリックで熱く、人間感情が露わ。さらに、音楽がフランク・ワイルドホーンですから、エンタテインメント性があって、思い切りのいいダイナミズムを感じました。お客さんがグッと息をのむところ、思い切り拍手が出来るところが明確で、エンタテインメントとしてものすごく面白いという印象を受けました」

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(3)■


作品の魅力を掘り下げていくミュージカル『マタ・ハリ』 連載、本日は「読み合わせ稽古」の模様をお届けします。

連載1回目でお伝えした「顔合わせ」に先立って行われた「読み合わせ」。

椅子に座リ、動きの付いていない状態ではありますが、台本をアタマから最後まで通して読む稽古です。

演出の石丸さち子さんによると「先日、台詞と歌詞で(歌ナシで)通しましたが、今日はワイルドホーンさんの音楽を入れてやります。全体の大きなうねりを感じて」

芝居を大切に、繊細に作り上げている石丸版『マタ・ハリ』ですが、もちろんフランク・ワイルドホーンのドラマチックな音楽も見どころ(聴きどころ)。
俳優たちが掴んでいくキャラクターの心の揺れが、どう音楽に乗せられていくのか。そのあたりも注目です。mataC_00_4619.JPG


●「登場人物は皆、戦争の犠牲者であり、加害者でもある」


この日の「読み合わせ稽古」という作業の目的についても、石丸さんは次のように説明をしました。

「ドラマを支える様々な役の台詞はいま、仮に割り振っています。今日やってみたいのは、"ここに出てくる人たちはみんな、戦争の犠牲者だ" ということ。でも、マタ・ハリを二重スパイに仕立て上げたという意味では、"加害者" でもあります。登場人物たちは、大きく「第一次世界大戦」という枠組みの中で、同じ時間を生きた同胞。ひとりひとりの存在が、一個の人として見えると同時に、この時代の社会全体に見えてこないか、と考えています。

そのために、自分の役柄以外のキャラクターも演じてもらいます。この時代、誰がそこにいても(どの立場になっても)おかしくない、という作り方をしていきます。ひとりの人間の感情の流れを丁寧に演じることもあれば、10人くらいでパリ市民全体を表現することもあるということです」mataC_2_DSC2153.JPG

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さて、そんな石丸さんの説明から始まった稽古は、キャストの皆さんの熱演で、もうすでに日本版『マタ・ハリ』の世界がしっかり伝わってくるものでした!

音楽も、さすがワイルドホーン!という、多彩かつ大迫力のナンバー揃い
なお、この時の稽古は、ラドゥー=佐藤さん、アルマン=東さん。


マタ・ハリ=柚希礼音さん
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悲しい過去を抱えたマタ・ハリ。
"あの頃には戻らない" という悲壮な決意が溢れ、マタの感情が心にぐさぐさ突き刺さってきます。
物語が進むにつれ、彼女の必死さがどんどん募る。柚希さんのマタ・ハリは"必死に生きる"マタ・ハリだな......と感じました。
ちなみに読み合わせとはいえ、すでに稽古が進んでいる人は席から立ち上がっての熱演です。mataC_04_DSC2106.JPG

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(2)■


柚希礼音加藤和樹のW主演で、新春に日本初演の幕が開くミュージカル『マタ・ハリ』
前回、「顔合わせ」の様子をレポートしましたが、実はげきぴあ、その前段階の稽古場も、取材していました。

本日はそのレポートをお届けします。mata02_01_7808.JPG



●「声色を変えるのではなく、マタ・ハリの日常を作って」


取材したのは12月上旬。

芝居作りにセオリーはないのかもしれませんが、それでもだいたい、こういうスケジュールで作り上げていくことが多い......というパターンのようなものはあります。

ミュージカルの場合、稽古初旬は個別や少人数単位で「歌稽古」をし、全員揃う「顔合わせ」(先日レポートしたものです)以降、「立ち稽古」で動きをつけていく......というものがよくあるスケジューリング。
ミュージカルだと歌=セリフということもあり、個々人がまずナンバーを歌えていないと、動きもつけられない、ということなんだと思います。

ということで、本来だと「歌稽古」を皆さん進めているであろうこの時期の稽古場ですが、柚希礼音さん、佐藤隆紀さん、東啓介さんが集まるこの日の稽古場は「芝居読み(歌いながら)稽古」とスケジュールには記されていました。

そのことからもこの作品、なんだか一般的なミュージカルとは違ったテイストのものが生まれそうな予感がします...!
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演出の石丸さち子さんは「今やっている稽古が、ものすごく大事。丁寧にやらないと見つかるものも見つからない。コードもわからないのに、フリージャズは出来ないのと同じ」と3人に向かって話します。
石丸さんがここで見つけたい、掴みたいもの。
それはおそらく、マタ・ハリの、そしてラドゥーの、アルマンの芯の部分、心......なのでしょう。


まずは冒頭近くのシーン。

ダンサーであるマタ・ハリが、その日の舞台を終え、楽屋に戻ってきたところに、ラドゥー大佐が訪ねてくる......という場面です。
ここで、マタとラドゥーが初めて顔を合わせます。

一度シーンを通したあと、柚希さんに「マタ・ハリの日常を作りたい」と石丸さん。
「マネージャーに対してと、ファンに対しての話し方が変わる、それはいいのだけれど、今のは "柚希礼音の日常"。突然やってきた約束をしていない人と話す時にどんな話し方になるのか、どう口調が変わるのか。声色を変えるのではなく、マタ・ハリの日常を作った上で話してください。でももちろん、それを作り上げるには、普段の自分の日常も使って。だってそういう日常を、ちえさん(柚希さん)は持っているんだから」

"マタ・ハリの日常を作る"。

非常に印象に残った言葉です。
ストレートプレイ出身の演出家である石丸さんらしいですし、これこそが日本版『マタ・ハリ』の肝になるのでは、とも感じました。

真剣に石丸さんの話を聞いている、柚希さん。mata02_04_7714.JPG

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(1)■


ミュージカル『マタ・ハリ』
音楽を日本でもおなじみフランク・ワイルドホーンが手がけ、脚本を『ボニー&クライド』『デスノート』でワイルドホーンとタッグを組んだアイヴァン・メンチェルが担当。
お隣・韓国が2015年に、なんと制作費250億ウォン(約24億9800万円)を投入して作り上げた、韓国ミュージカル界きっての大作ミュージカルが、初の日本版として年明けに上演されます(韓国版はその後2017年に再演)。
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物語は、第一次世界大戦下、フランスとドイツの二重スパイとして疑われ、波乱の人生を送った実在のダンサー、マタ・ハリの愛と葛藤を描くもの。

この大作の日本版は、いま注目の演出家・石丸さち子のもと、柚希礼音加藤和樹佐藤隆紀東啓介栗原英雄和音美桜福井晶一ら華と実力を兼ね備えたキャストが挑みます!mata01_02_DSC2340.JPG

日本初演となるこのミュージカル、げきぴあでは開幕まで連載として追っていくことが決まりました!
この後、この作品の魅力をたっぷりお伝えしていきたいと思います!!

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