【マタ・ハリ通信(12)】アルマン役、東啓介インタビュー

チケット情報はこちら


■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(12)■


稽古場レポートやキャストインタビューから作品の魅力に迫るミュージカル『マタ・ハリ』 連載。
今回は、アルマン役 東啓介さんのインタビューをお届けします。
(アルマン役は、加藤和樹さんとのWキャストです)

ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンでデビュー、その後も舞台を中心に着実にキャリアを積んでいる東さん。
昨年は『スカーレット ピンパーネル』でグランド・ミュージカルに初進出。

稽古場で拝見する東さんは、長身を活かした舞台映えしそうな立ち姿に加え、いわゆるミュージカル歌唱も身につけ歌唱力にもどんどん磨きがかかっているようで、この後も大型作品の常連になりそうな予感がします。

『スカーレット ピンパーネル』より歌も大幅に増え、ソロナンバーもたくさんある今回のアルマンという役。
現在の心境や、アルマンという役の魅力について、伺ってきました。

● 東啓介 INTERVIEW ●

mata12__DSC5681.JPG
―― 東さんは、グランド・ミュージカルに出るのが夢だったそうですね。

「はい。ですので今、すごく幸せです。しかも、お芝居も好きですので、自分の壁は「お芝居+歌」が分裂せず、ちゃんと繋がって、一本の "線" で出来るように......というところだと、常日頃から考えています。今回はその、グランド・ミュージカルに出られる喜びと、自分の課題であるポイントに挑戦できる喜びがあります。『マタ・ハリ』の楽曲は、歌と感情のすり合わせが難しいなと思うので、常に練習、練習、ですね」


―― お芝居と歌が分裂しないように、というのは、まさに演出の石丸さんが目指しているところだと思うので、東さんにとっては理想的な稽古場なのでは?

「そうですね。迷うことや悩むことは多くありますが、やっぱり悩めることというのは幸せだなと思います。稽古が始まる前、終わって帰った後も(考えることがあり)、すごく充実した日々を過ごさせていただいています」

―― 『スカーレット ピンパーネル』でも好演されていましたが、今回のアルマンは出番もソロパートも断然増えると思います。かなりの挑戦だと思いますが......。

「22歳で、こんな大きなミュージカルに出られて、こんなにも多くの曲を歌えて......。本当にありがたいです。初日とかは、めちゃくちゃ緊張するんでしょうね(笑)。でも自分のプレッシャー云々より、この『マタ・ハリ』という作品を大成功させたいという気持ちが、自分の中でまず大きくひとつ、あるんです。作品が良いものに出来上がれば、僕はそれだけですごく嬉しい。もちろん僕ひとりではなく、キャスト・スタッフ全員の力で作り上げていく。自信を持って幕を開けられるように......今やっているのは、そのための稽古だと思っています」
mata12__DSC5516.JPG

―― 演じるアルマンはどういう青年ですか?

「歌詞にもありますが、ひどい家に育って、暴力にも慣れっこというくらい、なかなか悲惨で折れ曲がった人生を歩んでいるのですが、「僕はこの戦争の中でも前向きに生きていく」という芯のあるカッコいい男性。彼は物語の前半と後半で大きく気持ちが変わるのですが、死を恐れない気持ちと、一方でマタ・ハリと出会った後の "あの人のために生きたい" という気持ち、両方とも純粋なところが素敵だなと思います」


―― 加藤和樹さんと同じ役を演じ、加藤さんがラドゥーを演じる時は、火花を散らしあう仲にもなります。不思議なダブルキャストですが、いまやっていていかがですか。

「僕、ダブルキャストという立ち位置になるのが初めてで、稽古もどうやってやるのかなと思っていたのですが、やっぱり演じる人間が変わると、同じ役でも違ってきますね。共通認識として「アルマンはこういう人間だよね」というのを根本に持っていて、そこから表現を変えたり、思うことは自由。だから和樹さんのやるアルマンと、僕のアルマンは違いますし、そういう部分で言えば「ああした方がいいのかな」と思うようなことはないのですが、見ていて「そういうやり方もあるんだ」と勉強になるところはたくさんあります。出番も多い中、そういう風に学べる時間もたくさんある。幸せでしかないです」
mata12__DSC5662.JPG

―― アルマンの運命の相手、柚希さんのマタ・ハリについては、いかがですか?

「すごく素敵です。本当に感情のままに動いているんだなというところが。柚希さんご自身も、わからないことはわからないとストレートに言うような方。「ここ、どうする?」とか、気さくに話してくださるので、話し合って決めることが出来る。ご一緒していて楽しいな、と思える先輩です」


―― この作品自体には、やっていてどんな印象を抱いてますか。

「時代背景が第一次世界大戦ということもあるので、ダークで闇が深いのですが、悲惨な世界の中でひとり生きようとしているアルマンがいて、そこで出会ったマタ・ハリも生きようとしている。その中で愛が生まれる。現代とは状況は違いますが、"生きる" ことの前向きさというのは、現代にも繋がるメッセージだと思います。そこを前面に出し、皆さまに感じていただければと思います」


―― 最後に、東さんのアルマンのここを見て欲しいという、おすすめポイントを教えてください。

「僕自身、全部が見どころだなと思っているんですけど(笑)。アルマンに関しては、初めと終わりでこれだけ人が......中身が変わるんだ、という違いをぜひ、見ていただければ嬉しいなと思います。僕も一日一日、毎公演、全力でやります。ぜひ応援とともに、ワクワクした気持ちで劇場に来ていただければ!」
mata12__DSC5561.JPG

 
取材・文:平野祥恵(ぴあ)

撮影:源賀津己

 
【公演情報】

・1月21日(日)~28日(日) 梅田芸術劇場メインホール(大阪)
・2月3日(土)~18日(日) 東京国際フォーラム ホールC

★『マタ・ハリ』大阪・東京両公演 撮影OKカーテンコール実施決定!★

大阪公演、東京公演での下記対象日程にてカーテンコールに限りお客様ご自身で撮影が可能になります!

[大阪]
1月21日(日)15:00
  Wキャスト:加藤和樹(ラドゥー)、東啓介(アルマン)、西川大貴(ピエール)
1月24日(水)13:00
  Wキャスト:加藤和樹(アルマン)、佐藤隆紀(ラドゥー)、西川大貴(ピエール)

[東京]
2月3日(土)12:00
 Wキャスト:加藤和樹(アルマン)、佐藤隆紀(ラドゥー)、西川大貴(ピエール)
2月3日(土)17:00
 Wキャスト:加藤和樹(ラドゥー)、東啓介(アルマン)、西川大貴(ピエール)



チケット情報はこちら

前の記事「ゼロからイチへ──辻 凌志朗×岩 義人×平牧 仁『Like A』を語る」へ

次の記事「【マタ・ハリ通信(13)】ラドゥー役、佐藤隆紀インタビュー」へ

カテゴリー

ジャンル

カレンダー

アーカイブ

劇団別ブログ記事

猫のホテル

文学座

モナカ興業

谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇団青年座

劇団鹿殺し

 はえぎわ

柿喰う客

ONEOR8

M&Oplaysプロデュース

クロムモリブデン

演劇集団 円

劇団チャリT企画

 表現・さわやか

MONO

パラドックス定数

石原正一ショー

モダンスイマーズ

ベッド&メイキングス

ペンギンプルペイルパイルズ

動物電気

藤田記子(カムカムミニキーナ)

FUKAIPRODUCE羽衣

松居大悟

ろりえ

ハイバイ

ブルドッキングヘッドロック

山の手事情社

江本純子

庭劇団ペニノ

劇団四季

演劇チケットぴあ
劇場別スケジュール
ステージぴあ
劇団 石塚朱莉