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奥浩哉の大ヒット漫画『GANTZ(ガンツ)』の初の舞台化である舞台「GANTZ:L ACT & ACTION STAGE」が1月26日(金)に開幕する。

平凡な大学生・玄野計(百名ヒロキ)が、偶然再会した同級生・加藤勝(高橋健介)に巻き込まれ地下鉄事故で死亡したはずが、気付けば「GANTZ」と呼ばれる謎の球体に指示され"星人"と戦うミッションに参加することになり――というストーリー。舞台版の演出・脚本は鈴木勝秀が務める。

稽古場にて、主人公の玄野計を演じる百名ヒロキと、玄野に「GANTZ」にまつわるある計画を持ちかける大学生・和泉紫音を演じる久保田悠来に話を聞いた。

舞台版は、芝居でみせる作品

――『GANTZ』という非現実的な世界を描く作品で、同じ実写化でも映画版はCG満載でしたが、舞台は一体どんな表現になるのでしょうか。

久保田 僕が飛び散ります。

百名 そんなシーンありました!?(笑)でも、CGや3Dマッピングは使わず、本当に芝居でみせる作品になります。

――人間の心理面が強く描かれるということでしょうか?

久保田 そうですね。アクションもありますが、一番は人の心理的な面を描いているところが大きいと思います。

百名 ほとんどお芝居中心ですよね。

久保田 特に玄野は紆余曲折がある役柄で。

百名 和泉がめっちゃ翻弄してくるんですよ。

――紆余曲折を体感する百名さんから見ると、この舞台はどんな作品になっていますか?

百名 いろんなメッセージが隠れてると思いました。この世界に無慈悲に巻き込まれていく登場人物の姿に、直接的には言わないですけどメッセージがあって。僕はそれが戦争だったり、テロだったりするのかなって。そういう風に感じています。

――非現実的な世界を通して、現実を描いているというようなイメージですか?

久保田 そうですね。人間の本質が見えてくるっていうところが一番かなと思っています。

――オリジナルの要素もあるんですよね?

百名 そうなんです。オリジナルの登場人物もいて。でも原作は崩してないので。

――どの辺りが違うんですか?

百名 玄野の普通の大学生である感じが強調されているかな。だからこそ殴り合いとか残酷なシーンも際立つんだと思います。

――アクションも激しいのですか?

百名 激しいですね。おおきなねぎ星人(竹之内景樹)とかは特に大変そうで。

――ねぎ星人のシーンは原作でもショッキングですよね。

久保田 そういう人間の部分を描きたい、というのがあると思いますね。

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まずは自由に動いてみる、"スズGANTZ"の世界!?

――ご自身の役はどういう風に感じてますか?

百名 玄野はかわいいです。等身大のすけべ男子(笑)。普通のよくいる大学生です。その玄野が「GANTZ」の世界の中で、惑わされたりしながら、それでも成長していくっていうか。だから一番人間らしい役なんじゃないかなって思ってます。

久保田 和泉はなんでも器用にできる人間なんですけど、それもあって、日常に辟易してるといいますか。刺激のない毎日を送っている。その中で自分の人間らしさをなんとか保っているのですが、本質ではもっと刺激を求めてる人間っていう感じですかね。

――その刺激というのが...

久保田 玄野であり、「GANTZ」という世界への想いかなと思います。

――ふたりの心理戦があるそうですが、そのシーンはもう稽古しましたか?

百名 しました。もう何度も通してるんです。

久保田 いつのまにか常に通す流れになってたよね。気づけば。その流れに気づいたら巻き込まれてた。それも「GANTZ」っぽい。スズカツさん(脚本・演出の鈴木勝秀)の中の"スズGANTZ"が。

百名 (笑)。かなり早い段階から通してましたよね。

久保田 "通し"という言葉こそ使わないけど、いつのまにか通してるっていう世界観です。

百名 "スズGANTZ"の世界観(笑)。

――それは感情を描く芝居だからこそ、ぶつ切りじゃなく通すってことなのでしょうか。

久保田 多分。感情の流れをみんな掴めっていう。あとスズGANTZさんも流れで見てるんじゃないかと思いますけどね。

――どういう演出をつけられましたか?

百名 「自由に動いて」と言われます。毎回自由にやらせてくれるんですよ。

久保田 まずは役者としてやってみなさい、ということで。そこから成長を促してくれるんですよね。ずっとそんな感じだったけど、昨日あたりから演出が具体的につけられるようになってます。

――「自由に動いて」って案外大変じゃないですか?

百名 最初はそこが一番大変でした。自由にやるっていうのが全然わからなかったので。「振り付けにならないで」「俺に位置つけられたらダメだよ」って言われて。でも今はすごく嬉しいです。

久保田 共演者のみんなの在り方にも刺激を受けますしね。

百名 めっちゃ受けますね。全てが新鮮。藤田(玲)さんとかは毎回新しいものを持ってきて、現場を荒らしてくれるっていうか。新しい風を起こしてくれるんですよ。それを見て、みんなも新しいものを持ってくるし。稽古場が動いてる感じがして。ここにいれてよかったなって思います。

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百名ヒロキは自分の芝居で示していく座長

――久保田さんは、約4年半ぶりの舞台ですが、そもそもなぜ4年半ぶりに出ようと思ったんですか?

久保田 初舞台からちょうど10年が経って。久しぶりにやってみたいなと思ったのがきっかけです。

――普段は映像中心ですが、久しぶりの舞台はいかがですか?

久保田 入ってしまえばもう懐かしさというより、毎日どうやっていこうかなってところではあります。ただ、お芝居に毎日触れられるっていう楽しさはありますね。

――逆に百名さんは、今は次々と舞台に出演されていますね。

百名 僕は今出来る事をがんばるしかないと思っているので。ひとつ前に出た作品より成長した姿を見せたいですし、今回も学ぶことがたくさんあって本当にありがたい事だなって思いながらやっています。やっぱ楽しいっていうか。がんばりたい。そっちのほうが大きいですね。

――久保田さんからみた百名さんはどうですか?

久保田 毎日毎日(役柄として)向き合って、徐々に目の色も変わってきてますし。いつもチャレンジもしてますしね。すごく度胸のある役者さんだなと思ってます。

――座長としてはどうですか?

百名 何もしてないですよ!

久保田 自分の芝居で示していけているタイプなので。それだけでいいと思いますよ。

百名 一番安心する言葉です。もう必死にがんばるだけです。

久保田 それでいいと思います。周りの人間も、全力で走ってる人はちゃんとサポートするのでね。

――百名さんから見た久保田さんの印象はどうですか?

百名 かっこいいですよね。

久保田 そうだよね。

百名 (笑)。ほんとにずっとこの感じですから。独特な雰囲気があって。稽古も最初、裸足でやってましたから。

久保 (ひょうひょうと)靴持ってなかったんですよ。

百名 あはは! でも本当に、芝居に深さがあって。玄野は和泉を怖がっているという関係性なんですけど。何を考えてるかわからない怖さが、向かい合って会話をしていると余計に伝わってくる。独特な和泉の雰囲気がすごいです。だけどユーモアも忘れず。かっこいいですよね。

久保田 記事はこの話だけでいいです。

百名 (笑)

――では最後に一言ずつ読者にお願いします。

久保田 『GANTZ』に対するイメージっていろいろあると思うんですけど、"気づけば人間たちが狂気を持っている"というところがあって。舞台でも、最初は笑いがふんだんに散りばめられているのですが、いつの間にかお客さんが笑っていることすら狂気になっているような。そういうものをそのまま世界観として体感していただくべく我々はつくっています。ぜひ劇場で楽しんでいただきたいです。

百名 舞台ならではの良さ、みんなの熱を伝えつつも、根本にある人間の悲しさとか寂しさとか、そういうものを考えさせられる作品になってると思うので。ぜひ劇場におこしください。お待ちしております!

舞台「GANTZ:L ACT & ACTION STAGE」は1月26日(金)から2月4日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。

取材・撮影・文:中川實穗

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(14)■

まもなく開幕する、日本初演のミュージカル『マタ・ハリ』
当連載では様々な角度から本作の魅力を追っていますが、キャストインタビューの最後は、
マタ・ハリ役 柚希礼音さんの登場です!

パリで人気を博したダンサーであったがために、ドイツやフランスのスパイとして利用されようとした悲運のダンサー、マタ・ハリ。
自身も名ダンサーである柚希さんが、この謎めいた女性に、体当たりでぶつかっています。



柚希さんに、マタ・ハリという役にかける思いを伺ってきました。

● 柚希礼音 INTERVIEW ●

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―― お稽古も佳境の中、ありがとうございます。いま作品を作り上げている稽古場は、どんな現場ですか?

「演出の石丸さち子さんが本当に情熱的。私、宝塚を退団してから初めて女性の演出家さんとご一緒するんです。女性目線でマタ・ハリを見ていて、「こうであってほしい」「こんなわけがない」という強い思いを持っていらっしゃるのでとても心強く、日々感動しながらやっています」


―― 石丸さんの演出を見ていると、とても深くて、そこまで見えてるの? と驚くと同時に、言われてみると確かに納得......ということばかりで、私も拝見していて面白いです。

「そうなんです。私だけでなくほかの方へのアドバイスでも、そのひと言で1曲がガラリと変わったりする。大きな表現を足すのではなく、真実のところを突いてくださるので、演じる側も色々なことをしなくてもシンプルに中身が変わっていく。ただ、そこを追求しすぎちゃうと客席の3列目くらいまでしかわからないかも、というよう表現をしてしまう危険もあるので、石丸さんの仰る "真実のところ" をしっかり膨らませて、感情が身体の動きになるように、いま試行錯誤しています」


―― マタ・ハリを演じていて、いかがですか。

「マタ・ハリって、本当に壮絶に生きた人なんです。私はちょっと......石丸さん曰く「親近感のあるスター」なんですって(笑)。「柚希礼音さんは "高みにいて人を寄せ付けないスター" ではない。オープンなところがマタ・ハリっぽくない」と言われて、そこが一番難しいところです。役作りとしては、自分の力で這い上がった "大女優感" みたいなイメージをプラスしてやっていこうと思っています。だからこそ近寄りがたい時もあるでしょうし、自らガードを作ってしまうこともある。そこを根本としつつ、アルマンに出会った時にパカっと本当の心が開いてしまう......。そんなところを、研究しながらやっています」mata14_2_DSC5806.JPG

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(13)■


稽古場レポートやキャストインタビューから作品の魅力に迫るミュージカル『マタ・ハリ』 連載。
開幕が目前に迫ってきましたが、今回は、ラドゥー役 佐藤隆紀さんのインタビューをお届けします。
(ラドゥー役は、加藤和樹さんとのWキャストです)

LE VELVETS(ル ヴェルヴェッツ)のメンバーとして活躍する佐藤さんですが、2014年『タイタニック』からミュージカル界にも進出。その確かな歌唱力と存在感で、重要な役どころに次々とキャスティングされています。

深みのある歌声で、実年齢より上の役柄を任されることも多い佐藤さんですが、今回演じるのはフランス諜報局の大佐ラドゥー。
大戦中という状況下で、責任ある立場である壮年の男性を、どう魅せてくれるのでしょうか。

佐藤さんに、役柄について、作品について、そしてWキャストの加藤和樹さんの存在についてなどを伺ってきました。

● 佐藤隆紀 INTERVIEW ●

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―― もうだいぶお稽古も進んでいますが、現在の心境は。

「模索の日々です。演出の石丸(さち子)さんによく「甘くなりやすい」と言われています。自分はそんなつもりはないのですが、稽古場だとひとつのシーンを切り取ってやることが多いですよね。全体の流れの中でやるとちゃんと感情が動くのですが、部分部分を切り取ると、ちょっと甘くなっちゃうのかな。......素が出ちゃうんでしょうか(笑)。でもそういう時でもしっかりキャラクターを捉えてやらないと、と今はすごく感じています」


―― お稽古場で拝見しましたが、それにしてもさすがの歌唱力でした。あれだけ歌い上げられると、気持ち良いのでは?

「気持ち良いですね~! ただ、気持ち良い分、逆に一辺倒にならないようにしなければ、と最近感じています。フランク・ワイルドホーンさんが作ったこの作品の音楽は、大曲揃い。ですので、観ていてコンサートみたいになってしまう危険性がある。一曲ずつに込められた伝えたい内容を、ちゃんと伝えていかないと、曲に飲まれてしまいます。曲が素晴らしい分、しっかり "芝居歌" にしなきゃいけないなとはすごく感じています」

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(12)■


稽古場レポートやキャストインタビューから作品の魅力に迫るミュージカル『マタ・ハリ』 連載。
今回は、アルマン役 東啓介さんのインタビューをお届けします。
(アルマン役は、加藤和樹さんとのWキャストです)

ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンでデビュー、その後も舞台を中心に着実にキャリアを積んでいる東さん。
昨年は『スカーレット ピンパーネル』でグランド・ミュージカルに初進出。

稽古場で拝見する東さんは、長身を活かした舞台映えしそうな立ち姿に加え、いわゆるミュージカル歌唱も身につけ歌唱力にもどんどん磨きがかかっているようで、この後も大型作品の常連になりそうな予感がします。

『スカーレット ピンパーネル』より歌も大幅に増え、ソロナンバーもたくさんある今回のアルマンという役。
現在の心境や、アルマンという役の魅力について、伺ってきました。

● 東啓介 INTERVIEW ●

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―― 東さんは、グランド・ミュージカルに出るのが夢だったそうですね。

「はい。ですので今、すごく幸せです。しかも、お芝居も好きですので、自分の壁は「お芝居+歌」が分裂せず、ちゃんと繋がって、一本の "線" で出来るように......というところだと、常日頃から考えています。今回はその、グランド・ミュージカルに出られる喜びと、自分の課題であるポイントに挑戦できる喜びがあります。『マタ・ハリ』の楽曲は、歌と感情のすり合わせが難しいなと思うので、常に練習、練習、ですね」


―― お芝居と歌が分裂しないように、というのは、まさに演出の石丸さんが目指しているところだと思うので、東さんにとっては理想的な稽古場なのでは?

「そうですね。迷うことや悩むことは多くありますが、やっぱり悩めることというのは幸せだなと思います。稽古が始まる前、終わって帰った後も(考えることがあり)、すごく充実した日々を過ごさせていただいています」

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『Club SLAZY』シリーズの演出・脚本を務めた三浦 香、脚本の伊勢直弘、振付の當間里美、楽曲制作の Asu(BMI Inc.)が贈る、完全新作オリジナル舞台『Like A(ライカ)』
 舞台は海沿いの静かな街High-Tide(ハイタイド)に建つ、高級ホテル『PERMANENT(ペルマネント)』。描かれるのはそのホテルで働くホテルマンたちの物語──新たに紡がれる世界に挑む、辻 凌志朗岩 義人平牧 仁の三人に話を伺った。

──実はこれが初顔合わせ、とのことなのでまずは自己紹介と呼び名をお願いします。

平牧:じゃあ、まずは僕から。たぶん最年長だと思うんですが、2.26事件の日に生まれました。好きな色は黄色、好きな食べ物は梅干し。

:梅干し!

平牧:そう。だから、人類最後の日には梅干しのおにぎりが食べたい!

:深い......。

平牧:全然、深くないよ(笑)。で「じんじん」って呼んでください。

:じんじんさん......。

平牧:あ、敬語、禁止で。

:ええええ......難しい。

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(11)■


稽古場レポートやキャストインタビューから作品の魅力に迫るミュージカル『マタ・ハリ』連載。
今回は、アンナ役 和音美桜さんのインタビューをお届けします。

宝塚歌劇団で歌姫として傑出した存在だった和音さん。
退団後も、『レ・ミゼラブル』『レディ・ベス』など、数々のミュージカルでその歌声を響かせています。

今回『マタ・ハリ』で和音さんが演じるアンナは、ヒロインであるマタの衣裳係。
「衣裳係」と言っても単なるスタッフではなく、マタが誰よりも信頼し心を寄せる存在です。


和音さんに、役柄について、そして柚希礼音さん扮するマタ・ハリとの関係性についてなどを、伺ってきました。

● 和音美桜 INTERVIEW ●


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―― 個人的な感想なのですが、今回のキャスティングで和音さんが一番の驚きでした。
(韓国版はアンナは"お母さん"的な女優が演じている)

「たしかにそうかもしれませんね(笑)。私は韓国版は実際は拝見していないのですが、全然違うキャラクターの方がやっているということは聞いていました。ただ演出の石丸さち子さんからは、私の持っている個性でやってほしい、韓国版とはまったくの別物と考えてほしいと言われています」


―― アンナはどういう人物ですか?

「柚希さんが演じるマタ・ハリと親友......と言いますか、唯一、心の裏の部分も打ち明けられるような人。マタが自分のオフもさらけ出せる唯一の相手という役割です。母性の強い人なんだと思い、いま役作りを進めています。柚希さんと私だと、年齢的に母親のように接することは出来ませんが、母性はたぶん女性なら誰もが持っているものだと思うので」

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(10)■


稽古場レポートやキャストインタビューから作品の魅力に迫るミュージカル『マタ・ハリ』連載。
今回は、パンルヴェ役 栗原英雄さんのインタビューをお届けします!

劇団四季でミュージカルもストレートプレイもこなす実力派俳優として長きにわたり活躍、退団後も数多くの舞台に出演していますが、テレビドラマ初出演した2016年の大河ドラマ『真田丸』真田信尹で一気にお茶の間までその名を広めた栗原さん。

今年も年始早々に、出演した正月時代劇『風雲児たち~蘭学革命(れぼりゅうし)篇~』が放映されたばかりですが、一方で昨年末から『パジャマゲーム』『メンフィス』そして『マタ・ハリ』と、ミュージカルへの出演も続いています。


栗原さんが今回演じるのは、時のフランス首相、パンルヴェ。
いわば、マタ・ハリをスパイに仕立て上げる親玉?黒幕?...といったところでしょうか。
パンルヴェはナンバーはないということで、その美声が聴けず残念なのですが、ご本人は「残念じゃないんですよ。今回は(芝居で)パンルヴェという役割を果たします」とのこと。


そのパンルヴェという役柄について、ご自身の"役割"について、そして作品の魅力について......色々とお伺いしてきました。

● 栗原英雄 INTERVIEW ●

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―― お稽古も佳境ですが、現在の心境は?

「今まさに "日本初演を作り上げている!" という感じです。石丸さち子さんの演出も情熱的で、熱い(笑)。面白いです」


―― その中で栗原さんが演じるのがパンルヴェ。このパンルヴェという役を現時点でどのように捉えていらっしゃいますか。

「マタ・ハリとアルマン、ラドゥーの恋があったりという物語の中に、歴史上の戦争が絡んできます。登場人物の気持ちが、ある意味普遍的な恋や葛藤というところで揺れ動く中、当時の時代背景に引き戻す役目だと思っています。この時代はこういう状況で、フランスはそこに直面していたんだ......と訴えかける役割ですね、僕は」

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(9)■


稽古場レポートやキャストインタビューから作品の魅力に迫るミュージカル『マタ・ハリ』連載。
今回は、ヴォン・ビッシング役、福井晶一さんのインタビューをお届けします!

劇団四季で正統派二枚目俳優として数々の大作に出演、退団後もミュージカルを中心に活躍を続ける福井さん。
なんといっても『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンとジャベールの2役を演じたことが印象深い俳優さんです。
2018年もすでに本作のほか、ミュージカル『Romale』、『ジャージー・ボーイズ』と注目作への出演が発表になっています。

福井さんが『マタ・ハリ』で演じるのは、ドイツ軍のヴォン・ビッシング大佐。
パリで踊り子として名を馳せたマタ・ハリは、フランス軍からスパイとなることを強いられるのですが、彼女は実はフランス軍のみならずドイツ軍のスパイでもあった(二重スパイ)という疑惑もあります。
その、ドイツ側からマタ・ハリにアプローチをかける人物がビッシング

そして第一次世界大戦という時代のパリが舞台ゆえ、フランス対ドイツの戦争が物語の根底に流れているのですが、なにせメインの場所はパリ。兵士も民衆もフランス側から描かれる場面が多い中、ドイツという国を背負い、緊迫する情勢を描き出さねばならない福井さん、これはかなり大変な役だと思うのですが......。

福井さんに、役柄について、作品について、お話を伺ってきました。


● 福井晶一 INTERVIEW ●

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―― 日本ミュージカル界で欠かせない存在である福井さんですが、意外にもフランク・ワイルドホーン作品は初出演でしょうか。

「はい、今回、初ですね。ワイルドホーン作品は、先日『スカーレット ピンパーネル』を観に行きましたが、情熱的で魅力的な曲がたくさんあり、『マタ・ハリ』もとても楽しみにしていました。僕が歌う曲も、自分が今まで歌ったことがないような曲なんです」


―― 耳馴染みがいいけれど、歌ってみると大変......というようなお話をよく聞きますが。

「うーん、難しいというより......、今回の自分のナンバーは、ストレートに感情をバン!と出すタイプのものではないので、歌声に心情を重ねるのが、ちょっと難しいと言えば難しいかな。いや、でもそこが今は楽しくもあります(笑)」

【マタ・ハリ通信(8)】稽古場レポートその2

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(8)■


日本初演のミュージカル『マタ・ハリ』 が作られていく過程を追っている当連載ですが、本日は冒頭のシーンの稽古の様子をお届けします。

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作品の舞台は1917年、パリ。
第一次世界大戦が終わりが見えないまま3年目に突入し、パリ市民はドイツ軍の襲撃に怯えている...といった時代の物語です。

冒頭は、そんな時代感を観客に伝えるかのように、混乱する市民たちの様子が描き出されます。

演出の石丸さち子さんは、「幕開きのこの曲は、"リアルなこと" と、"リアルじゃないこと" を共存させて表現したい」と話し、
まずは、男性陣と女性陣に分けて動きがつけられていました。

mata07_04_DSC2542.JPG舞台手前にいる男性陣は、まさに前線で戦っている兵士たち。
舞台奥にいる女性陣は、パリの街を逃げ惑う市民たちのようです。

ここに登場する男性陣=兵士たちは10人に満たないメンバーですが、「100人が駆けてきて、塹壕に飛び込む!」「爆風に煽られて!」といった石丸さんの説明と、振付の加賀谷香さんがつける動きが、この世界を創りだしていきます。mata07_05_4734.JPG

石丸さんの目には、リアルな戦場が映っているようで、俳優たちに伝えていく言葉ひとつひとつが、明確。
それは "イメージとしての戦場" "戦争のアイコンとしての銃を持った兵士" ではありません。
「塹壕は(実物としては登場しないが)このくらいの深さで、(その中にいる兵士たちにとっては)地面はこのくらいの高さにあって...」と、そこに登場する兵士たち全員に、この世界の共通認識を伝えていきます。

一方で、その兵士だった彼らが一瞬で街の人々になっていくような "リアルじゃないこと" もあり、そういったところからは、無常感溢れるこの時代の "空気" 全体を作り出しているようでもあります。

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■ミュージカル『マタ・ハリ』特別連載(5)■


稽古場レポートを通し、創作の過程をお伝えしている日本初演のミュージカル『マタ・ハリ』 ですが、メインキャストのインタビューもお届けしていきます!

今回は、ヒロインであるマタ・ハリと深く関るふたりの男性、ジョルジュ・ラドゥーアルマン・ジロー2役を回替わりで演じる加藤和樹さんが登場。

マタ・ハリをスパイとして利用しようと彼女を追い込んでいく、フランス諜報部の大佐であるラドゥー。
ラドゥーの部下でありながら、マタ・ハリと愛し合う青年アルマン。

ともにマタ・ハリと深く関りながら、その関り方は正反対という対照的なふたりの男性に、加藤さんが挑みます。

加藤さんに、作品について、役柄について、現在の心境について、伺ってきました。

● 加藤和樹 INTERVIEW ●

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―― 戦時下のシリアスなドラマですし、ただでさえ大変な作品。その中でさらに加藤さんは2役を演じます。......なぜこんな大変なお仕事を受けたんですか?

「(笑)! なぜかと言われると、そうですね...。やっぱりこういうお話を頂いたら、挑戦してみたいと思いますよ。同じ作品の中でふたつの役をやるというのは、なかなか出来ることではない。以前、『ロミオ&ジュリエット』で僕がティボルトをやっていたときに(2013年)、城田(優)がロミオとティボルトの2役をやっていたのを近くで見ていて、大変そうだけど、やれたら面白いだろうなってなって思っていました。今回このお話を頂いて、挑戦してみたい、という気持ちしかなかったですね」


―― 稽古場では、台本を2冊お持ちになっていましたね。

「そうです。ラドゥー用、アルマン用と、台本を分けています。一冊にまとめて(それぞれの役についてのメモなどを書き込んで)も良かったんですが、台本自体を分けた方が、自分の中で住み分けが出来るんじゃないかなって思って。そうしています」

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