■ミュージカル「メリー・ポピンズ」特集(1)■
イギリス・ウエストエンド、ブロードウェイをはじめとした世界中を魅了してきたミュージカルが、ついに日本最高峰のキャスト陣で初演を迎えます!
げきぴあキャストインタビュー第一弾は、Wキャストでメリー・ポピンズ役を演じる濱田めぐみさん!自身4作目となるディズニーミュージカルへ挑む濱田さんに意気込みをお伺いしました。

"ミュージカル『メリー・ポピンズ』製作発表 より"
メリー・ポピンズが植えた種が何かひとつでも成長してくれたら
――長期間にわたるオーディションで、特に印象に残っていることは?
「オーディションというよりも、まずはメリー・ポピンズの動きのレクチャーを受けたという感覚です。立ち居振る舞いや手の組み方、振り向く時の角度やあごの高さまで、メリー・ポピンズの動きはすべて厳格に決められているので。特に面白いなと思ったのは、『メリー・ポピンズはのけぞらない』と言われたこと。ちょっとでも姿勢がズレると、『はい真っすぐ、のけぞらない!』って。そんなオーディションの日々は今思い出してもヒーッ!て感じですが(笑)、あの段階からすごく熱心に、メリー・ポピンズとしての資質を伸ばそうとしてくださったことは本当にありがたかったなと思います」
――役に対する取り組み方として、普段と変わってくる部分はありそうですか?
「そうですね。まず私が役づくりですることは、役名を取ってしまうことなんです。例えば"花子"という役を演じる時、『私は花子って役なんだ』ではなく、『花子という女性の人生を私が舞台上で生きるんだ』と思うようにしています。そうでないと役名やイメージにとらわれて、それらしく演じようという意識が働いてしまうので。つまり"それらしく"と考えている時点で、すでにそれは花子の意識ではないわけです。でも今回はまず"メリー・ポピンズ"があって、自分がそこに入っていかないといけない。これまでと真逆の役づくりが必要で......」
――その難題をクリアするための手がかりは掴めていますか?
「距離感ではないかと思っています。特にメリー・ポピンズと大人たちとの距離感。彼女はいつ、何をすべきかすべてわかっている、とても人間離れした存在です。そんな彼女が一番寄り添わなきゃいけないと思っているのが、大人なのかなと。子供はピュアな分、ちょっと示唆するだけであとは真っすぐ突き進んでいってくれます。でも大人はねじれてしまっている分、子供たちを導いているところを見せることで、そこから何かを感じてもらわないといけない。その時の距離感を彼女がどう取ろうとしているのか。演出家に導いてもらいつつ、何とか初日までに結果を出せればいいなと思っています」
"ミュージカル『メリー・ポピンズ』 より"
――観客にここは注目して欲しいと思うナンバーやシーンは?
「今自分の中ですごく興味があるのは、バンクス家の子供たちと初めて会うシーン。傘を持って降り立つ自分を見て、バンクス家の人たちがどんな反応をするのか、とてもワクワクしています。それから『お砂糖一さじで』がどんな訳詞になるのかも気になりますし、『チム・チム・チェリー』は大好きな楽曲なので早く歌ってみたいなと。ダンスナンバーに関しては大貫(勇輔)くんとカッキー(=柿澤勇人)にどんどん頑張ってもらって(笑)、一気に盛り上がるといいですね。中でも『スパカリ(=スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス)』! みんなでどれだけ七転八倒しながらやることになるのか(笑)、今からすごく楽しみです」
――改めてこの名作を通して、どんなメッセージを伝えられたらと思いますか?
「実はとても深いメッセージが込められた作品だと思うんです。見た目の派手さとか、音楽のよさとか、すべてにおいて完璧な作品ではありますが、それにプラスして今この日本でやるべきものであり、とても心に響く作品だなと思っていて。そして劇場でメリー・ポピンズが植えた種が、ひとつでも心の中で芽を出して、成長していけるような何かを残せたら......。自分の中でもメリー・ポピンズって役がとても大事な役になるだろうと直感していますし、大事に、大事にお稽古をして、皆さまに最高の舞台をお見せ出来ればと思っています」
取材・文:野上瑠美子
撮影:イシイノブミ





それに先駆け公開ゲネプロと囲み取材が行われ、囲み取材には主人公・三橋 廉役の西銘 駿さん、阿部隆也役の猪野広樹さん、百枝まりあ役の久住小春さん、花井 梓役の白又 敦さん、田島悠一郎役の納谷 健さん、脚本・演出の成井 豊さん(キャラメルボックス)が登壇しました。




役作りで頭を丸めた(!)白又さんは、成井さんにとって初となる漫画原作舞台の演出に触れ「2.5次元の作品がたくさんある中で、成井さんが演出をしてつくったらどうなるのかということは観ていただきたいポイントになると思うので。成井さんと僕らとスタッフの皆さんでつくった『おおきく振りかぶって』をぜひ楽しんでいただければ!」と語りました。

弱気で卑屈な性格の主人公・三橋廉が、野球を通じて仲間と共に成長する姿を描く本作。細かな心理描写は作品の特徴のひとつで、主人公を軸に、日々の積み重ねで信頼関係が構築されていく様子や、周囲の人間の言葉がもたらす影響、それによるチームの変化と、いわゆるスポ根とは違う面から選手たちの変化が描かれます。
まず気になるのはやっぱり試合の表現。成井さんも話されたように、当然、野球場とは全く違うサイズ感で、確かに走塁の緊張感を出すには距離が足りなそうな印象。でも実際に観てみると、選手それぞれが全力で投げ、捕り、走り、試合をしていることがちゃんと伝わってくるんです! これぞ演出の妙! その熱と臨場感は、思わず「間に合って!」「捕って!」と祈ってしまうほどでした。
八百屋舞台になっていて、選手それぞれの状況が一目で見えるのも面白いところ。試合後半の三橋の疲労を受け止め、気合を入れて塁を守る仲間たちの姿が、三橋のすぐ後ろにある...こんなシーンが目の前に広がったらグッときちゃいます!!



原作の特徴と成井演出の魅力がガチッと噛み合った、細やかな心理描写も印象的。「おおきく振りかぶって」は、"人が人を思う気持ち"や"小さな積み重ね"が展開を生む作品ですが、その"思う気持ち"や"小さな積み重ね"を、俳優陣が繊細かつわかりやすく体現しています。観ていて感情の流れが捉えやすいので、仲間がゆっくりと温めて引き出した笑顔を心から嬉しく感じたり、ずっと抱えていたであろう痛みがやっと言葉になったことに安堵したり...その感情表現の持つ意味がちゃんと伝わるんです! 野球の試合を観ているとは思えない感情になることが多々ありました。
















△大山さんが演じるのは、ヒロイン・リェータ(豊原江理佳)の兄シーラ。ゼムリャという街の血と種を守る民族運動の若きリーダーです。
△服装もカジュアルではありますが、東さんたち若手メンバーとはちょっと違う雰囲気。こういったところからもシーラのポジションが見えてきそうです。
△「かっこいい」「素晴らしい」とカメラマンに絶賛され、すぐに撮り終わってしまった大山さん。「最後、素敵な笑顔で!」と言われてニッコリ!




△シンプルなファッションがこんなにもサマになってしまう、187cmの身長とこのルックス! 躍動感を出すためにジャンプするも、身長がありすぎてフレームからはみ出してしまうというまさかの展開も!(笑)
△若者たちの世の中に対する怒り、今を自由に生きたいという心の叫びをイメージし「険しい表情を意識しました」と東さん。常に子犬的癒しオーラを放っている方ですが、撮影中は微塵も感じさせません!
△豊原さんの役は、ヒロインのリェータ。「ロミオとジュリエット」 のジュリエットをイメージした役です。民族運動の若きリーダーである兄を持ち、対立する街で暮らすハワルとは引き裂かれてしまう役柄です。
△タンクトップにデニム、スニーカーというカジュアルなコーディネート。健康的なセクシーさが際立って、「そりゃハワルも一目で恋に落ちますよ!」と納得!
△「乙女チックに」という要望にこのポーズ! カメラをジッと見つめる姿に可憐さが漂います。
△ダンスをするようにポーズを取っていた豊原さん。カメラマンからも「キレキレでいいね!」と声がかかっていました。現代版のジュリエット...果たしてどんなヒロインを演じるのか、期待が高まります。
△豊原さんは、2008年のミュージカル「アニー」 アニー役、2016年の城田優さん演出のミュージカル 「アップル・ツリー」、昨年は音楽劇 『マリウス』 など、ミュージカルを中心に活躍する方。2015年にはニューヨークに留学して歌や演技の勉強もされていて、今回どんな姿&歌声を披露してくれるのか楽しみですね!
△柳下さんが演じるのは、ハワルの友人・ポドフ。リェータの兄・シーラ(大山真志)と衝突する、血気盛んな役どころです。
△直前まで東さんと仲良く会話していた柳下さんですが、撮影が始まると、スッと役に入り、強い目線でこぶしを握ると、グワッと何かが滲み出てきました。カメラマンから「キレイ!」という声がかかります。
△「若い躍動感」というリクエストを受け、ポケットに手を入れたまま走る感じをつくる柳下さん。その発想力!さすが!
△次々とポーズをきめていき、あっという間に撮影完了。余談ですが、柳下さんはこの作品の前も「ロミオとジュリエット」をベースにした作品(舞台 『Shakespeare's R&J シェイクスピアのロミオとジュリエット』 )に出演して、"ジュリエットを演じる学生"を演じるんですよ~。









































