最近はまっていることと言えば散歩です。
はまっていると言っても日常的に歩き回っているわけではなく、どこかの町を訪ねた時に必ずやる散歩が、ある方法を見つけてからますます好きになったという話です。
それは真夜中の「尾行」で、誰か面白そうな人を見つけては気付かれないよう後をついていく。(女性をストーカーしてるわけじゃありません。)
その町のどこに所属しているか分からないような真夜中の人々、よれよれのスーツを着て繁華街を徘徊している老人だとか、不動産屋の掲示板に目を凝らしているおじさんだとか、土産物屋の前で「ウィンドウショッピング」をするどう見ても普通の関係に見えないカップルだとか、そういう人たちの後を追うと妙にスリリングで、自分一人じゃまず行かないルートを通ったり、その人物の目を通して町を見ているような錯覚を覚えたりします。
すると町が動き出してきて、そのなかで生息している人間の哀しみや可笑しさみたいなものに妙に共感させられるのです。