まるでほんばんまえのような稽古場です!
<公演情報>
ゴジゲン「ごきげんさマイポレンド」
2014年11月13日(木)~23日(日) 下北沢 駅前劇場
●帝劇開幕初日囲み取材レポート●
歌舞伎俳優の中村勘九郎さん、七之助さん兄弟が初めて新派に出演する、新橋演舞場「十一月新派特別公演」を観てきました。
この公演はふたりの祖父、そして父である十七世中村勘三郎の二十七回忌と十八世中村勘三郎の三回忌追善興行です。
ところで、"新派"を観たことがない方にとっては、どんなお芝居なのかも分かりませんよね。
"新派"とは演劇の中のひとつのジャンルだと思ってください。
明治中期に入ると、それまで芝居の主流だった歌舞伎(旧派)に対し、当時の庶民にまつわる人情噺や花柳界を描いたものを新派(=新派劇)と言います。
明治、大正、昭和初期の時代を舞台に、日本人の情緒や生活、価値観などをリアルに描いたものです。
さて、ではなぜ"新派"で歌舞伎俳優の追善興行が行われるのか?も気になりますよね。
実はこれにも納得の理由があります。
十七世は昭和36年に新派に初出演して以来、幾度となく新派公演に出ています。娘の波乃久里子さんも新派女優ですしね。
十八世は若干19歳の若さで新派初出演を果たし、その後もたびたび新派公演に出演されていました。
なかでも、今月上演している『鶴八鶴次郎』の鶴次郎役は、十七世、十八世が何度も演じてきた、いわば中村屋にとっては縁の演目なのです。
その鶴次郎役を勘九郎さんが演じ、相手役の鶴八ことお豊役を七之助さんが勤めます。
物語の舞台は大正時代の東京。
"鶴八鶴次郎"とは、新内(新内節の略で浄瑠璃の一派)のコンビ名のことです。
鶴八は初代の母の後を継いだ二代目で、女ながらに三味線の名手。
鶴次郎の素晴らしいノドと合わさると観客からは絶賛され、名コンビと言われています。
ところがこのふたり、心の中ではお互いのことが気になっているくせに、こと芸の話となると激しく意見がぶつかりあい、しょっちゅう喧嘩をする始末。幕開きから勘九郎・鶴次郎と七之助・お豊の激しい応酬がはじまります。
『鶴八鶴次郎』左より鶴賀鶴次郎:中村勘九郎、鶴賀鶴八:中村七之助
それにしても勘九郎さん、わっ!と思わず息をのむほどお父様に口調がソックリでした。
現在、10年ぶりの全国公演を開催中で、京都劇場では12月5日(金)から幕を開ける。そして、ツアー千秋楽でもあり、キャストたちも自然と力が入る。京都開幕を前に、ジーザス役の神永東吾とユダ役の芝 清道が、本作への意気込みを語った。