ミュージカル『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』が4月9日、ついに開幕しました!
チャールズ・M・シュルツ原作のコミック『ピーナッツ』の世界観がそのままミュージカルになった本作。
誰もがよく知るキャラクター ―― チャーリー・ブラウン、スヌーピー、ルーシー、サリー、ライナス、シュローダーが、ありふれた日常にある悩みや喜び、笑いを届けてくれて、そして、そばにある幸せに気付かせてくれる......そんなミュージカルです。
4月8日には初日を目前に控えたキャスト6名が、舞台衣裳姿で登場、意気込みを語りました。
チャーリー・ブラウン=村井良大さん
「この衣裳を着ると、すごく若返るなという気持ちがあります(笑)。久しぶりにこんな短パンをはいて舞台をやるということもありますし、すごく元気な色なので、見ているだけで癒されるし、元気をもらえる。素敵な衣裳だなとみんなで話しています。
この『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』というミュージカルは、観るだけで、心が温かくなるような、そして明日への元気をもらえるような、素敵なミュージカルです。シアタークリエにてお待ちしていますので、ぜひご来場ください!」
ルーシー=高垣彩陽さん
「舞台上もポップなセットが出来ています。その中でこの衣裳でルーシーをやらせていただいたら、また元気がプラスされて、新たな気持ちでやれるようです。私に限らずみんな目が覚めるような色なので、ステージ上で待ち時間に、ただ普通にこの衣裳でならんで喋ってるだけで、客席から見ているスタッフさんが「かわいい!」って言ってくださって。ですので、6歳と8歳と犬、みんなそれぞれ、この衣裳で生き生きとステージ上で飛び回りたいです」
サリー=田野優花さん
「自分が出ていないシーンの時に客席から観ていると、皆さんのシルエットが子どもなんです。衣裳もダボっと、ゆったりとしていて、そういうところの工夫にも衣裳さんの愛を感じたりもします。自分的にには(衣裳の)ピンクが本当に恥ずかしくて(笑)。普段、黒とか白とかグレーとか、暗い色しか着なくなってきたから...すごく恥ずかしいんですが。でも6歳の役なので、この衣裳の力もお借りして演じたいです」
ライナス=古田一紀さん
「この衣裳を着て、人前に立って、本当にいよいよ始まるんだなと思って、すごくドキドキしてます。僕、赤が好きなんですよ。ライナスは漫画だと水色の服の時と赤い服の時があるんですが、赤の方をチョイスしていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます(笑)」
シュローダー=東山光明さん
「僕は生まれて初めてこれくらいの明るい髪の色にさせていただきました。そして最後の段階で、今日、足(すね)まで綺麗に...(まわりが笑う)。完全にシュローダー...『ピーナッツ』のキャラクターになっています。気合い入っています!」
スヌーピー=中川晃教さん
「実はチラシの衣裳から、実際に舞台用には色々と変更されています。軽量化されたり、実は(内側が)シースルーになって風通しがよくなっていたり、膝にはニーパットが入っていたり、機能性に優れている衣裳です。ただ...暑い! 汗がすごく出るので、ナイアガラフォールにならないように(笑)、そこが楽しみであり不安でもあります。でもスヌーピー役なので愛くるしく、一生懸命演じるには最高のアイテム、コスチュームをいただけたなと思っています。気合い十分です!」
中川さんは、この間、読売演劇大賞 最優秀男優賞、菊田一夫演劇賞と立て続けに受賞し、その受賞後初の舞台出演についての心境はということも質問にあがりました。
「受賞後初出演が、犬だというのが...こういうことがあるんだなと思ってるんですが(笑)。嬉しいです。最初にこのお話をいただいたときに、「あのスヌーピーをやるの?」って、とにかくイメージがわかなかったんです。ただ誰もが知っているあのスヌーピーを、中川晃教だったらどう表現できるんだろうかと自分なりに妄想を膨らませたときに、やってみたいなと思えたんです。お話をいただけなければ、こんな素晴らしい作品があることも知りませんでした。また逆に、いま稽古を重ね、この『ピーナッツ』の物語の奥深さも実感しています。
自分はデビューして16年目に入りましたが、色々なことを経験させていただいて、色々な人や作品に出会い、それが実を結び、頂いた賞だと思っています。大きい言葉ですが、今まで僕がやってきたことがよかったんだ、頑張ってきてよかったんだと思えた。その実感が、このスヌーピーという役にもいかせるなと思えています。生きるって素敵なことだなと思える素敵な作品だからこそ、キャラクターの愛くるしさも満点に演じながら、一方で深みという部分もしっかりとあわせもったスヌーピーを、いま、立体的にこの舞台でいよいよ皆様にお届けできます。運命を感じているキャラクター。今のタイミングで、出会うべくして出会ってるなと思っています。ワン!」(皆さんから拍手!)
また見どころとしては
「とにかく、"村井良大・チャーリー・ブラウン"が、本当にチャーリー・ブラウンなんですよ。で、チャーリー・ブラウンって、何をやっても、上手くいかない人なんです。でも彼は彼なりのビジョンをもって、クリアしたい課題をもって生きている。でも上手くいかない。それが『RENT』で主演をはり、そして今回この『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』で主役をはり、大役に挑んでいる村井良大が色々な意味でアップアップしている瞬間にすごくリンクするんです。僕はその、チャーリーを愛している犬だから。ちょっとシニカルで皮肉っている瞬間もあるんだけど、でも全面的に愛しているからこそ、彼のすべての瞬間が僕はいま、とにかく大好きです。
素晴らしい音楽、ダンス、何よりもシュルツさんの生き生きとしたキャラクターたちを僕たちがお届けできるように頑張っていきます。6人とミニマムですが、この6人の全開のパワーがステージから客席に溢れでて、それがハピネスという「なんでもない幸せ」として心に迫ったときに「あぁ、なんかいいものを観たな」と思ってもらえるよう、このカンパニーでいけるところまでいこうと思っています。皆さん、クリエに足を運ばなきゃ損だよ!待ってます。ワン」
作品は、『ピーナッツ』のキャラクターの日常をオムニバス的に綴っていきます。
数十秒のシーンから、壮大に歌い上げるナンバーまで。
6人が生き生きと、チャーミングに物語を紡ぎあげ、最後には日常のありふれた幸せ..."ハピネス"がしみじみと心にしみる、素敵なミュージカルです。
とにかく、『ピーナッツ』のキャラクターになりきってる6人が可愛い!
「きみはいい人」と言われているチャーリー・ブラウン=村井良大さん。
本人はピンときていません。
「良くもない、悪くもない、真ん中くらい」...それが自分だと、チャーリー・ブラウン。
戸惑う村井チャーリーの表情、チャーミング。
というか村井チャーリー、チャーミング。
嬉しいことがあれば、満面の笑み!
うかないことがあれば、全力で浮かない顔!
村井さんの顔が、コミックのチャーリー・ブラウンの顔に見えてくる不思議...。
早起きしてぴかぴかのお日様をみて、今日はいい日になりそうだ...と思った直後、遅刻しそうになる、それがチャーリー・ブラウンの人生...!?
チャーリーの仲間たちも、個性的なキャラクターぞろい。
特にチャーリーに厳しく当たるのはルーシー=高垣彩陽さん。
高垣さんのルーシーは表情豊か!
すべての物事に全力で体当たり!なパワフルさ。
チャーリーにもただキツくあたるだけではない、チャーリーのことが気に入ってるからそういう態度をとるんだなーとわかるんです。
大好きなシュローダーにも全力でアピールします。
高垣さん、ほかにもスヌーピーのシーンのバックで歌う美しいソプラノボイスなども、ぜひご注目を。
チャーリー・ブラウンのしっかりものの妹サリーは田野優花さん。
のんびりした兄と違って、きっぱり主張し、ちゃっかりもののサリー。
サリーの独特な理論展開は『わたしの新しい哲学』というナンバーでたっぷりと。
(この曲、とっても可愛いです♪)
"安心毛布""赤ちゃん毛布"を手放せないライナス=古田一紀さん。
ライナスのナンバー『ボクの毛布とボク』は、見ごたえあるダンスナンバーです!
そんな子どもアイテムを手にしながら、ライナスはずばぬけた賢さもあって、様々な知識を披露。
さらに、時には心の奥深くに届く人生の真理も...。
天才音楽少年、シュローダー=東山光明さん。
もの静かな少年ですが、愛するベートーベンについてはヒートアップ!
そしてみんなに愛される天才犬・スヌーピーは中川晃教さん!
中川さん、想像以上に"犬"です。しかし、人間臭い"犬"です。まさにスヌーピー。
フライングエースになって、空想の中でレッドバロンと戦います!
凛々しい。
スヌーピー曰く、「人間と犬が親友になったのは、クッキーが発明された直後」だそうです。視線の先にはチャーリー・ブラウンのクッキー...。
ベースボール・ゲーム、ルーシーの精神分析スタンド...といった、コミックおなじみのシーンも数々登場!
こちらも定番・スヌーピーの夕食のシーン『サパータイム』は作品きってのショー・ナンバーに!
中川スヌーピーのエンタテイナーっぷりが際立ちます。
演出もザッツ・エンタテインメント風に盛り上げます。
毎日、色々あるけれど、ちょっとしたものやことに幸せを見つける、『ピーナッツ』の登場人物たち。
最後には、日々の中にある幸せを抱きしめたくなる気持ちが伝わってきて、なんともいえず温かい気持ちになります。
村井チャーリーの笑顔がまた、イイんです...。。。
個性的なキャラクターたちの愛らしいしぐさや、シュールな反応に笑いがおこり、50年愛され続けている作品らしい素晴らしい音楽が耳に残り、そして最後には温かい気持ちになれるミュージカル。
幸せ空間と化す劇場に、ぜひ足をお運びください!
取材・文:平野祥恵
撮影:福井麻衣子/守屋美来/平野祥恵