2016年10月アーカイブ
RooTS シリーズ第四弾!竹内銃一郎の傑作『あの大鴉、さえも』が、フィジカルシアターの旗手小野寺修二によって新演出で蘇る!
9月30日(金)に東京芸術劇場 シアターイーストにて幕をあけた、小野寺修二演出、『あの大鴉、さえも』。
1980 年に竹内銃一郎によって、もともと男優三人芝居として書かれた作品を、なんと今回は小林聡美、片桐はいり、藤田桃子の女優三人で上演します。
小野寺と三人の傑出したパフォーマーによっていったいどんなナンセンス・コメディが生まれるのか?どうぞご期待ください。
公演初日を前に、小野寺修二さん、小林聡美さん、片桐はいりさん、藤田桃子さん よりコメントをいただきました!
◆小野寺修二さん【演出】
今回、無対象(=実在のものを使わないこと)演技のパントマイムを20年間続けてきた自分にいただいた題材は、「見えないガラスを運ぶ」という端(はな)から無対象をベースとした戯曲でした。原作者の竹内銃一郎さんから「好きにしていいよ」と声を掛けていただいたことから、そのあまりの自由度にいつにない興奮と不安の中で試行錯誤し続ける日々となりました。最終的には、"人間力"で勝負ができる素晴らしい役者の皆さんとともに、お客様の想像力に挑戦できる作品になったのではないかと思っています。
◆小林聡美さん【出演】
6年ぶりの舞台ということで冷静に考えるとそうとうなプレッシャーなわけですが、稽古が始まった頃は、もうそれすらもよくわからない状態でした(笑)。けれど、小野寺さんの手法はストレートプレイとはまた違って、まったく新しいことをやっているという新鮮な感覚でした。すべてのパーツを一度分解して、台詞の意味、間(ま)、立ち方や空間を再構築していくという作業を、共演者の皆さんとともに興味深く進めてまいりました。お客様には、舞台上の動きや言葉 からイメージを自由に膨らませていただき「なんだか心地よい」という空間と時間のなかで、存分に楽しんでいただければと願っています。
◆片桐はいりさん【出演】
すべてにオチがつくことがつまらないと思える今日この頃、たとえば、美術館でインスタレーションや不思議な絵画を見た時、すべてを理解できなくても「よくわからないけど、おもしろい」「こういうの、私は好きだな」という感覚になりますよね。演劇にも、そういう楽しさがあっていいと思うんです。この舞台で、私たちは"人間インスタレーション"とでも呼びましょうか(笑)、宙ぶらりんの楽しさを懸命にお見せしますので、お客様には自由に笑って、なにかを感じて、ステキな"ハテナ"を抱えたままお帰りいただけるとうれしいです。
◆藤田桃子さん【出演】
今回、小林聡美さん、片桐はいりさんという素晴らしい役者さんとご一緒させていただく機会を得て、夢のように感じています。これまで一つのこと(パントマイム)を続けてきたことでいただいたお話と考え、まったく違うことに挑戦するというよりは、自分がやってきたことを戯曲の世界といかにすりあわせられるか道を探ってきました。「本当は何を持たされているのか」、「その人たちがそれをどう思っているのか」、「なぜ気付いていないのか」など、ガラスの向こうに透けて見えてくる"ハテナ"が、とにかく面白い作品です。お客様を上手に驚かせることができたらと思っています。
撮影:引地信彦
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東京芸術劇場
RooTS Vol.04『あの大鴉、さえも』
日程:2016年9月30日(金)~10月20日(木)
会場:東京芸術劇場 シアターイースト
作:竹内銃一郎
上演台本:ノゾエ征爾
演出:小野寺修二
出演:小林聡美、片桐はいり、藤田桃子