● 水夏希&清水順二 INTERVIEW ●
2015年6月アーカイブ
アクションとセリフが一体となる迫力の"アクションプレイ"で魅せ、"笑って、泣けて、考えさせられて、かっこいい"演劇を作り出している30-DELUX。
これまでも他団体とのコラボなど、様々な展開で新たなエンターテインメントの可能性を追求している彼らが、今回まったく新しいアプローチの公演を作り上げます。
名付けて〈30-DELUX Dynamic Arrangement Theater〉。
能や落語、オペラやバレエ作品など、すでに親しまれている作品に30-DELUX独自のアレンジを加え、新たな作品を創出する公演形態とのこと!
そして今回ピックアップするのは、日本が誇る伝統芸能・歌舞伎。
歌舞伎三大名作のひとつである『義経千本桜』を斬新な解釈で再構築、『新版・義経千本桜』として上演します。
その主人公・義経を演じるのは元宝塚雪組トップスター・水夏希。
退団後もカッコイイ女性を数々演じている水さんが、どんな義経像を描き出すのか。
そして、もともとの歌舞伎のストーリーではあまり登場しない義経をメインに据え、どんな物語が生まれるのか。
どんな作品になるのか、楽しみな公演です。
もちろん歌舞伎でおなじみの狐忠信、いがみの権太、渡海屋銀平といったキャラクターも登場するようですよ!
この公演に主演する水夏希さん、そして30-DELUX主宰であり、殺陣指導もしている清水順二さんにお話を伺ってきました。
殺陣をきちんと習っています(水)
――まず清水さん、この企画が生まれたきかっけを教えてください。
清水「30-DELUXは今回の脚本を担当してくれている西森(英行)さんと昔から交流があるのですが、その彼が尾上松緑さんとか歌舞伎俳優の方と一緒に歌舞伎のラジオドラマをやっていらしたりしていて、とても歌舞伎に精通しているんですよ。僕は歌舞伎を題材にした作品を以前からやりたかったので、西森さんに「ウチでやるとしたら何がいいかな」と訊いたら「『義経』じゃないですか!」と言われて。それを聞いた瞬間、うわ、面白そう! と思いました」
水「歌舞伎(を元にした作品)は初めてなんですか?」
清水「初めてですよ! やっぱりそんなに簡単に出来るものでもないので。でも前回大衆演劇の話をやったので(『オレノカタワレ』)、ちょっと近いですね。ただきちっとした歌舞伎をもっと勉強して、大衆演劇との違いも出していかないと。もちろんいつもの30-DELUXのテイストに持っていってアクション・エンターテインメントにするつもりです。だから歌舞伎を知らない人でもすんなり観られるようにしたい。一方で歌舞伎のファンの方にも認めてもらえるものにしたいです。色々な方向にお客さまが動いてくれたらいいなと思ったんです」
――そして主役の義経が水さんです。なぜ水さんにオファーを?
清水「僕、宝塚は好きなのでもちろん水さんの舞台も何度も拝見しています。舞台姿を観ていてなんとなく思ったんです。この人、立ち回りをやったら絶対カッコいいだろうな、時代物も好きそうだなって。ダンスやパフォーマンスに定評のある方じゃないですか。でも立ち回りをやっているところ、あまり観たことがないな、って。とはいえ、今までにも30-DELUXには宝塚出身の方が参加してくれていますが、その中でも群を抜いたキャリアを持っている方なので無理かな、と思ったんですが、ダメもとで企画を出してみたんです」
今週末、いよいよ待望の幕が開く2015年版『エリザベート』。
日本では宝塚歌劇団雪組が1996年に初演。
そして東宝版としても2000年からコンスタントに上演されており、今までの上演回数は1067回を数えるほどの人気ミュージカルです。
その東宝版『エリザベート』ですが2015年版はキャスト一新。
ヒロイン・エリザベートに花總まりと蘭乃はな。
エリザベートを死へと誘うトート役には、井上芳雄と城田優。
エリザベート暗殺犯ルイジ・ルキーニ役は、山崎育三郎と尾上松也。
ほかのキャストもフレッシュな顔ぶれが揃いました。
さらに演出・舞台美術、衣裳も一新され新しい『エリザベート』が誕生します!
6月9日、初日を目前に控えた出演者たちが、帝国劇場にて意気込みを語りました。
タイトルロールであるエリザベートを演じる花總さんは
「いよいよ初日目前ということで、最後はもう自分を信じて頑張るしかないと思っています。頑張ります」と意気込みを。
花總さんは1996年の宝塚雪組公演(つまり日本初演)でも同役を演じていた、いわば日本のオリジナル・キャスト。
東宝版『エリザベート』へは待望の出演です。
久しぶりにエリザベートという役に向き合っていることについて、
「改めてエリザベートという役は本当に難しい役だなと痛感しています。宝塚版と東宝版では思った以上に違いがあります。宝塚版ではカットされている場面が東宝版ではあったり、歌詞が違ったり、キーが違ったりもします。新たにこの作品でエリザベート役に挑戦する、という気持ちでやっております」と話しました。
また、同じくエリザベートを演じる蘭乃さんは、昨年・2014年花組公演『エリザベート』で同役を演じたばかり。
本作が卒業後初のミュージカル出演となります。
「昨年宝塚を卒業してから初めての舞台が、この帝国劇場で、しかもエリザベート役。大きなプレッシャーではありますが、素晴らしい共演者の方々やスタッフの方々、そして観に来てくださるお客さまに感謝の気持ちを忘れずに、エリザベートを演じたいと思います」と話します。
また、初めて男優との共演も体験している蘭乃さん、
「(男性は)身体の大きさや厚みも違いますし、エネルギーがすごい。その中でも立っていられるよう、私もエリザベートのようにトレーニングを頑張っているところです」とのこと。
ちなみに「トレーニング」とは、城田さん主催(?)の<筋肉部>があるとのことで
城田「稽古中、ダンスや歌に活かせるように体幹や腹筋を鍛える筋トレをしていたのですが、おそらく彼女が一番出席日数が多いです。全カンパニーの中で蘭ちゃんが一番頑張ってくれましたね、筋肉部。エースです。...松也は......」
尾上「いつも参加したいんですが、たまたまその時用事が入っていて...」
城田「松也、筋肉部やる?っていうと「あ、ごめんちょっと用事が...」って言うんだけど、「じゃあごはん食べに行こう」と言うと「行く行く」っていうの。どっちだよ!」
尾上「筋肉部になると予定が入っちゃうんで...。気持ちは参加したいんだけど(笑)」
というやりとりも。
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舞台「ア・フュー・グッドメン」の公開稽古が行われ、出演者の淵上泰史・瀬奈じゅん・田口トモロヲらが劇中シーンを披露した。
ア・フュー・グッドメンは、映画「ソーシャルネットワーク」「マネーボール」など数々の話題作を手掛けてきた脚本家、アーロン・ソーキンによる傑作軍事法廷サスペンス。出演は淵上泰史、瀬奈じゅん、田口トモロヲなど、個性的な面々が集結。上演台本・演出は鈴木勝秀が手掛ける。
本作の公開稽古が行われ、劇中シーンが報道関係者に公開、また、出演者と鈴木勝秀による座談会も行われた。
動画はこの様子を抜粋したもの。【動画 5分】
1時間ほどの稽古を撮影していて感じたのは、役者の会話でジワリジワリと事件の真相に迫っていくようなお芝居なのだということ。また、淵上が演じる主人公が成長する過程を描いた話と捉えることもできそうだった。見ごたえのある本格的な会話劇になりそうだ。
本作は6月19日(金)から天王洲 銀河劇場で上演される。
(撮影・編集・文:森脇孝/エントレ)
・軍事法廷サスペンスの傑作 舞台「ア・フュー・グッドメン」が6月に上演/淵上泰史 瀬奈じゅんらが出演
・歌謡ファンク喜劇「いやおうなしに」公開稽古/O.L.H.(面影ラッキーホール)の世界が舞台に
・ミュージカル「シスター・アクト」ファンイベント動画/瀬奈じゅん・森公美子らが劇中歌を披露
・ミュージカル「エニシング・ゴーズ」公開通し稽古動画/瀬奈じゅん・鹿賀丈史・田代万里生らが熱演
宝塚歌劇団星組で6年以上、男役トップスター・柚希礼音に寄り添いトップ娘役を務めた夢咲ねね。100周年の宝塚を牽引した稀にみる大型トップコンビだっただけに、その後の活動に注目が集まっているが、夢咲は退団後一作目にミュージカル『サンセット大通り』の出演を決意した。退団から数日後、髪を切り晴れやかな表情で現れた彼女に、今の心境を聞いた。
「退団は柚希礼音さんと一緒に、というのが私の夢でした。その退団の日が目の前に迫ってきたとき、12年間宝塚一筋できた私は、やめてからどうしたらいいのか分からなくて...。しばらく休養しようかなとか、色々考えていたときにこの舞台のお話を頂きました。まず星組のトップでいらした、とうこさん(安蘭けい)がいらっしゃるということで安心しました」。主役の大女優ノーマを演じる安蘭とは、星組に組替え後すぐ『赤と黒』でみっちり芝居をした間柄。「あのときは心細かった私を、お食事に誘って下さったりとても優しかった。今回も『何でも頼ってきてね』とおっしゃって頂いて、本当に心強いです」。
『サンセット大通り』は1995年トニー賞7部門に輝いた傑作ミュージカル。売れない脚本家ジョーが、一世を風靡した大女優ノーマの豪邸に住み込むようになり、男女の愛、孤独とプライド、さまざまな感情が絡むドラマへと発展する。夢咲は1950年公開の映画も日本初演の舞台も観たという。「アンドリュー・ロイド=ウェバーさんの音楽によって、舞台はよりサスペンス要素が濃厚だなと感じました。私が演じるベティは婚約者がいながら同じ脚本家のジョーに惹かれていく女性。ノーマがミステリアスなら、ベティは明るく前向きな女性だなと思いました。ジョーにとって"北風と太陽"の"太陽"のように演じたいです」。
今回、安蘭けい&平方元基、濱田めぐみ&柿澤勇人という二組のノーマ&ジョーと絡むのも挑戦だ。「平方さんと柿澤さんは、舞台を拝見しても全然違う持ち味の方だなと思いました。おふたりとも違う炎を持ってらっしゃるというか! ジョーとは"ザ・ラブデュエット"という感じの素敵な曲があります。今は転調や拍子の変化にびっくりする楽譜を見ながら、音符と格闘中(笑)。お芝居を大切にされるという、演出の鈴木裕美さんにみっちりお稽古して頂いて、新しいベティが生まれたらいいなと思います」。
スタイル抜群の可憐な容姿とは裏腹に、これまで数々の大作でヒロインを演じ切った"底力"と実力がある。「本来の私は自分の思いを人に伝えるのがちょっと苦手。だからこそ、役を通して感情を伝えるお芝居がとても好きで、それが私の生きる手段なのだと気付きました」。舞台の初日が誕生日という偶然も、新たな一歩を踏み出す後押しになったという。「宝塚では本当に120パーセントの力を出し切ってやってきたので、その経験を生かして頑張れたら」。新たに生まれ変わった夢咲ねねに出会えるはずである。
公演は7月4日(土)から20日(月・祝)まで東京・赤坂ACTシアター、7月25日(土)・26日(日)愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、7月31日(金)から8月2日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて上演。チケットは発売中。
取材・文:小野寺亜紀
撮影:奥村達也
■『RENT』2015年 vol.1■
今年も『RENT』がやってきます!
20世紀末のNY、セクシャルマイノリティー、HIVポジティブ、貧困、麻薬中毒...様々な現代的な悩みを抱えながらも、夢に向かって生きている若者たちの姿を描き、1996年度トニー賞では10部門にノミネート(うち4部門で受賞)という旋風を巻き起こしたロック・ミュージカル。
若者が抱えるセンシティブな感情が、『Seasons of Love』などの珠玉のナンバーで綴られ、世界中で熱狂的なファンを獲得している作品です。
(ちなみに今をときめくイディナ・メンゼルは本作のオリジナルキャストであり、本作は彼女にとってのブロードウェイ・デビュー作でもあります)
日本でもたびたび上演されている作品ですが、2012年にはオリジナル版の演出を手掛けたマイケル・グライフによる新演出版が登場、好評を博しました。
2015年もその新演出版での登場。
新キャストも加わり、どんな『RENT』が誕生するのか楽しみです!
★2012年版の特集はコチラから!
6月8日、本作の製作発表会見が都内ライブハウスにて行われました。
★速報★『RENT』製作発表レポートの続きを読む
淵上泰史さんは本作品が初舞台とのことですが、瀬奈じゅんさんとのかけ合いはとても迫力がありました!
平埜生成さんは本物の海兵隊と言わんばかりの堂々たる演技で、見ているコチラの背筋が思わずピシッとなります。
田口トモロヲさん演じるジェセップ大佐は権力を振りかざし、相手をねじ伏せようとする人物、
小西遼生さん演じるロスは聡明で且つ冷静沈着な人物、どちらも個性的なキャラクターを見事に演じきっていました。
その後は一般のお客様を交えての座談会!
司会進行は阿部丈二さん、素敵な進行でキャストの皆さんも和やかな雰囲気です。
演出の鈴木勝秀さんも含め、笑いありの楽しい座談会となりました!
公演初日は6月19日(金)19:00 天王洲 銀河劇場にて。前売券のほかに様々な企画チケットも絶賛発売中です!
当日の稽古場レポートとチケットに関する情報に関しては下記をクリック!
「スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE」
第5弾キャストが発表になりました!キャストからのコメントをご紹介させていただきます♪
◆西園寺日寄子役 水越朝弓さんコメント◆
皆さま初めまして。西園寺日寄子役を演じさせていただきます水越朝弓です。
ダンガンロンパは、初演の『ダンガンロンパTHE STAGE~希望の学園と絶望の高校生~』を観させて頂いていて、多くの個性的なキャラクターやその世界観がとても印象深く残り、それからアニメも見るようになりました。この作品に携われる事になりとても光栄です。
今回演じさせて頂く西園寺日寄子のような毒舌キャラクターは、初めての役なので今からどうなるのかすごく楽しみです!
皆様の期待に応えられる『スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE~さよなら絶望学園~』を作っていきたいと思います。宜しくお願いします!
◆小泉真昼役 千倉里菜さんコメント◆
皆さん初めまして!小泉真昼役を演じさせて頂くことになりました、千倉里菜です。
『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』はすでにアニメで見ていて、今回『スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE~さよなら絶望学園~』の舞台に出演できることが決まって、すぐゲームを買いに行きました!さっそくハマっています...みんな個性豊かで素敵なキャラクターばかりで。
舞台では小泉真昼ちゃんの素敵なキャラを私なりにもっと引き出せるように一生懸命頑張ります!
◆公演情報◆
「スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE」
日時:2015年12月3日(木)~2015年12月13日(日)
会場:Zeppブルーシアター六本木
■『トロイラスとクレシダ』vol.5■
「現代日本の姿も映す」シェイクスピアの問題劇、今夏上演
シェイクスピア劇の中で、世界的に見ても特に上演機会の少ない異色作『トロイラスとクレシダ』がこの夏上演される。6月2日、都内にてこの作品の制作発表会が開催され、タイトルロールを務める浦井健治とソニンをはじめとする出演者たち、演出の鵜山仁らが登壇した。
紀元前のトロイ戦争を背景に、男女の愛と裏切りと、国同士の戦いという二本の柱を軸に、一癖も二癖もある登場人物たちの姿が描かれていく作品。喜劇、悲劇、歴史劇のすべての要素があり、分類不能であることから"問題劇"と称されることも多い。だが翻訳を務める小田島雄志は「以前、イギリスの知人が『この作品は演出家が一番やりたがる本であり、観客が一番観たくない本である』と言っていた(笑)。ただ最近になって、人間というものははっきり割り切れるものではないという人間観が広まってきてから、この芝居が面白いのではという興味が観客側にも沸いてきたと思う」と、今上演することへの期待を語る。また演出の鵜山は「愛や信義、名誉といったプラスのもの、良きものが壊れていく時にどのくらいのエネルギーを出すか。その崩壊のエネルギーを極大に感じられた時、崩壊した後に生きていくには何が必要になるか、何が支えになるか、そういうことを描いた作品だと思っています」とポイントを話した。
クリエイター陣の意気込みを聞き、出演陣からも作品の上演意義を深く掘り下げたコメントが続く。トロイの王子・トロイラスを演じる浦井は「鵜山さんが仰った『混沌から未来へ』というのがテーマなんだろうな思いながら伺っていました。結論が出ないけれど結局は進んでいかなきゃいけないというのがとても現代的であり、現代日本の姿も表しているのかなと思います」と話し、ヒロイン・クレシダ役のソニンも「喜劇なのか悲劇なのか歴史劇なのか...という話ですが、人生って、時に悲劇だったり、すごく滑稽だったり、美しかったり汚かったり、そういうものが混ざっている、混沌とした世界なんじゃないかなとふと思いました」と語る。ふたりともこの作品の世界が我々の世界と地続きであることを感じているようだった。
この日の登壇者はほかに岡本健一、渡辺徹、今井朋彦、横田栄司、吉田栄作、江守徹。意気込みを熱く雄弁に語る共演者を見て、年長の江守が「みんなよくしゃべるのでひと言だけ...。新人のつもりで頑張ります」と話し、一同が大笑いする場面も。気心の知れた豪華出演陣が、この壮大な戯曲をどう舞台上に描き出すのか、楽しみに待とう。
公演は7月15日(水)から8月2日(日)まで、東京・世田谷パブリックシアターにて。チケットは発売中。ほか石川、兵庫、岐阜、滋賀公演あり。
...ということで、6月2日に『トロイラスとクレシダ』の制作発表会見が行われたのですが、キャストインタビューなどすでにこの作品の魅力を続々とお伝えしていますげきぴあは、もう少し詳しくレポートをお届けします!
『トロイラスとクレシダ』制作発表レポートの続きを読む
舞台やドラマでの活躍が目覚ましい、大阪府出身の俳優、水田航生が、アンドリュー・ロイド=ウェバーが手掛けたミュージカル『サンセット大通り』に出演する。作品に対する思いを聞いた。
ミュージカルの歴史に名を残す、アンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲した『サンセット大通り』は、1993年にロンドンで初演。その後ブロードウェイで開幕し、1995年にはトニー賞7部門を受賞した。日本では鈴木裕美の演出で2012年に上演され大きな話題を呼んだ。今回再演が決定し、「あのロイド=ウェバーさんの作品に初めて出演できるなんて、本当に光栄で嬉しいです。しかも演出は、よく舞台を拝見していて面白い作品を作られるなぁと尊敬していた鈴木裕美さん。早く鈴木さんと作品について語り合いたいです」と、舞台稽古に入るのが待ちきれないようだ。
ビリー・ワイルダー監督の傑作同名映画をベースに、ハリウッドでかつては名を馳せていた大女優ノーマが、過去の栄光を忘れることができず、仕事や男性に執着し、暴走していく姿をサスペンスやホラー仕立てで描く。「日本版の初演の映像を見たら、劇場の温度が5℃下がっていくような怖さでした(笑)。客席にスモークや霧が漏れていくような感覚ですね」。楽曲を聞くだけで、その独特の世界観が今でも甦るという。「一曲の中で調や拍子がドンドンと変化していくのがロイド=ウェバーさんの楽曲の難しさ。リズムを取るのも大変ですし、セリフの掛け合いが多い。曲を聞かせるだけではなく、会話としても成立させなければいけないんです」
ノーマは若い脚本家のジョーと恋に落ちる。水田が演じるのは、ジョーの親友で映画助監督のアーティだ。「アーティは明るくてハッピーな人ですが、彼の婚約者ベティもジョーに恋心を持つんです。アーティが魅力的であればあるほど、観客にアーティを選んだほうがいいのにと思ってもらえる。アーティの魅力との対比で、舞台の重くて妖しい世界がより際立つようにしたいですね」。ジョーはダブルキャストで平方元基と柿澤勇人が務める。「元基くんもカッキ―(柿澤)も気心しれた仲で、会ってもくだらない話しかしない(笑)。でも、ふたりとも今やミュージカル界を引っ張る存在なのですごいです。僕も相手によって芝居を変えるのではなく、そのときのリアルな感情を表現できれば」と意気込む。
小学生から習うダンスも舞台に映える水田。ミュージカル界を担う若手のひとりになるであろう、彼に注目したい。
公演は7月4日(土)から20日(月・祝)まで東京・赤坂ACTシアター、7月25日(土)・26日(日)愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、7月31日(金)から8月2日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて上演。チケットは発売中。
取材・文 米満ゆうこ
撮影:奥村達也
ミュージカルの歴史に名を残す、アンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲した『サンセット大通り』は、1993年にロンドンで初演。その後ブロードウェイで開幕し、1995年にはトニー賞7部門を受賞した。日本では鈴木裕美の演出で2012年に上演され大きな話題を呼んだ。今回再演が決定し、「あのロイド=ウェバーさんの作品に初めて出演できるなんて、本当に光栄で嬉しいです。しかも演出は、よく舞台を拝見していて面白い作品を作られるなぁと尊敬していた鈴木裕美さん。早く鈴木さんと作品について語り合いたいです」と、舞台稽古に入るのが待ちきれないようだ。
ビリー・ワイルダー監督の傑作同名映画をベースに、ハリウッドでかつては名を馳せていた大女優ノーマが、過去の栄光を忘れることができず、仕事や男性に執着し、暴走していく姿をサスペンスやホラー仕立てで描く。「日本版の初演の映像を見たら、劇場の温度が5℃下がっていくような怖さでした(笑)。客席にスモークや霧が漏れていくような感覚ですね」。楽曲を聞くだけで、その独特の世界観が今でも甦るという。「一曲の中で調や拍子がドンドンと変化していくのがロイド=ウェバーさんの楽曲の難しさ。リズムを取るのも大変ですし、セリフの掛け合いが多い。曲を聞かせるだけではなく、会話としても成立させなければいけないんです」
ノーマは若い脚本家のジョーと恋に落ちる。水田が演じるのは、ジョーの親友で映画助監督のアーティだ。「アーティは明るくてハッピーな人ですが、彼の婚約者ベティもジョーに恋心を持つんです。アーティが魅力的であればあるほど、観客にアーティを選んだほうがいいのにと思ってもらえる。アーティの魅力との対比で、舞台の重くて妖しい世界がより際立つようにしたいですね」。ジョーはダブルキャストで平方元基と柿澤勇人が務める。「元基くんもカッキ―(柿澤)も気心しれた仲で、会ってもくだらない話しかしない(笑)。でも、ふたりとも今やミュージカル界を引っ張る存在なのですごいです。僕も相手によって芝居を変えるのではなく、そのときのリアルな感情を表現できれば」と意気込む。
小学生から習うダンスも舞台に映える水田。ミュージカル界を担う若手のひとりになるであろう、彼に注目したい。
公演は7月4日(土)から20日(月・祝)まで東京・赤坂ACTシアター、7月25日(土)・26日(日)愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、7月31日(金)から8月2日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて上演。チケットは発売中。
取材・文 米満ゆうこ
撮影:奥村達也
舞台 「アドルフに告ぐ」が本日より開幕します。
昨日、開幕に先立って行われたゲネプロ公演の様子をお届けします。
ベルリンオリンピック開催の裏で、ある秘密文書が消えた。
アドルフ・ヒットラーの出生の秘密が記されたこの文書に、
ふたりの青年アドルフ・カウフマンとアドルフ・カミル、
そして多くの男女の運命が翻弄されていく物語。
協合通信のドイツ特派記者である峠草平(鶴見辰吾)の回想シーンから物語は始まる。秘密文書について重要な役割を担い、本作の一連の事件は彼の回想で語られている。
幼少期のアドルフ・カウフマン(成河)と、母の由季江・カウフマン(朝海ひかる)。
ドイツ人の父と、日本人の母のハーフであるアドルフ・カウフマンは、父親の強い要望によりナチスの幹部養成所への入学を進められ、抵抗を試みるもドイツ本国へと送られてしまう。
幼少期のアドルフ・カミル(松下洸平)とアドルフ・カウフマン。
2人は親友だったが、カウフマンがドイツへ送られてから、それぞれの過酷な環境が彼ら自身と彼らの関係性を変えていく。
ドイツに送られたカウフマンは、強烈な教育により徐々にナチズムへと染められていく。
舞台 「アドルフに告ぐ」が本日開幕!!の続きを読む