『エリザベート』初日前会見レポート

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今週末、いよいよ待望の幕が開く2015年版『エリザベート』
日本では宝塚歌劇団雪組が1996年に初演。
そして東宝版としても2000年からコンスタントに上演されており、今までの上演回数は1067回を数えるほどの人気ミュージカルです。

その東宝版『エリザベート』ですが2015年版はキャスト一新
ヒロイン・エリザベート花總まり蘭乃はな
エリザベートを死へと誘うトート役には、井上芳雄城田優
エリザベート暗殺犯ルイジ・ルキーニ役は、山崎育三郎尾上松也
ほかのキャストもフレッシュな顔ぶれが揃いました。
さらに演出・舞台美術、衣裳も一新され新しい『エリザベート』が誕生します!

6月9日、初日を目前に控えた出演者たちが、帝国劇場にて意気込みを語りました。
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タイトルロールであるエリザベートを演じる花總さん
「いよいよ初日目前ということで、最後はもう自分を信じて頑張るしかないと思っています。頑張ります」と意気込みを。
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花總さんは1996年の宝塚雪組公演(つまり日本初演)でも同役を演じていた、いわば日本のオリジナル・キャスト。
東宝版『エリザベート』へは待望の出演です。
久しぶりにエリザベートという役に向き合っていることについて、
「改めてエリザベートという役は本当に難しい役だなと痛感しています。宝塚版と東宝版では思った以上に違いがあります。宝塚版ではカットされている場面が東宝版ではあったり、歌詞が違ったり、キーが違ったりもします。新たにこの作品でエリザベート役に挑戦する、という気持ちでやっております」と話しました。


また、同じくエリザベートを演じる蘭乃さんは、昨年・2014年花組公演『エリザベート』で同役を演じたばかり。
本作が卒業後初のミュージカル出演となります。
「昨年宝塚を卒業してから初めての舞台が、この帝国劇場で、しかもエリザベート役。大きなプレッシャーではありますが、素晴らしい共演者の方々やスタッフの方々、そして観に来てくださるお客さまに感謝の気持ちを忘れずに、エリザベートを演じたいと思います」と話します。
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また、初めて男優との共演も体験している蘭乃さん、
「(男性は)身体の大きさや厚みも違いますし、エネルギーがすごい。その中でも立っていられるよう、私もエリザベートのようにトレーニングを頑張っているところです」とのこと。

ちなみに「トレーニング」とは、城田さん主催(?)の<筋肉部>があるとのことで
城田「稽古中、ダンスや歌に活かせるように体幹や腹筋を鍛える筋トレをしていたのですが、おそらく彼女が一番出席日数が多いです。全カンパニーの中で蘭ちゃんが一番頑張ってくれましたね、筋肉部。エースです。...松也は......」
尾上「いつも参加したいんですが、たまたまその時用事が入っていて...」
城田「松也、筋肉部やる?っていうと「あ、ごめんちょっと用事が...」って言うんだけど、「じゃあごはん食べに行こう」と言うと「行く行く」っていうの。どっちだよ!」
尾上「筋肉部になると予定が入っちゃうんで...。気持ちは参加したいんだけど(笑)」

というやりとりも。

そんな城田さんは、2010年以来、久しぶりのトート役です。
「とにかく緊張しているので上手い言葉も見つかりませんが、花總さんが仰っていたとおり自分を信じて、先輩についていって頑張りたいと思います」と意気込みを。
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同じくトート役、井上さん
「15年前にルドルフ役でデビューさせてもらったこの『エリザベート』に、トート役で帰って来ることができてとても嬉しく思っています。スタッフ、キャスト一新して新しい僕たちの『エリザベート』を作ろうと意気込んで稽古してきましたので、それを皆さんに観てもらえるのを楽しみにしています。渡辺謙さんがブロードウェイで『KING and I(王様と私)』でトニー賞にノミネーションされていらっしゃいましたが、僕も黄泉の帝王なので別のKINGとして頑張れるよう、舞台を務めたいと思います」と話します。
昨日授賞式があったトニー賞のスペシャルサポーターも務めていた井上さんらしいコメントでした。
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さてルキーニ役はこちらのふたり。
尾上さん「この『エリザベート』に出演するのは夢でした。ルキーニ役で出させていただくことが、本当に光栄だと思っています。芳雄さんが仰ったように新たな『エリザベート』の第一歩。自分たちも自信をもって、キャスト・スタッフ一同、初日までにもっと仕上げていきたいと思います」
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山崎さん「キャストを一新して僕らの世代の新しい『エリザベート』が完成しました。この帝国劇場の代表作『エリザベート』ですが、僕らの世代で新たな伝説を作りたいと思っています。2015年もっともチケットがとれない作品『エリザベート』。お楽しみに!」と、それぞれアピール。
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<新世代><同世代>での新しい『エリザベート』だということが皆さんの意気込みからも伝わってきましたが、会見ではそんな<同世代>らしい息の合ったやりとりも垣間見れました。


――城田さんと尾上さんは高校時代から親友だそうですね
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城田「そもそも(尾上さんは)高校の先輩なので。(同級生かと思っていた、という共演者の皆さんの声に...)僕の一個先輩なの、同級生じゃないの。でも特殊な学校だったんで同じクラスでずっと過ごしていて、家にも遊びにいったこともあるし、みんなでよくカラオケに行ったりしていました。でもまさかミュージカルで共演するとは思っていなかった。彼が『エリザベート』という作品やルキーニが好きというのは知っていたのですが。僕自身5年ぶりにトートをやる中で、育三郎や松也がいてくれることは非常に心強いです。そしてなかなか共演できなかったミュージカル界のプリンス・井上芳雄君とトートで一緒に切磋琢磨しあえることも非常に嬉しく思っています」

井上「同じ舞台の上に立てないのが、残念です」

城田「そうですね。でも同じ役としてお互いにひっぱっていきたいと思っています」

尾上「今言っていたように、高校でも僕は先輩ですし、俳優としても先輩ですが...仲良く"させていただいてます"(笑)。まさかこういう形で共演するとは思っていませんでしたが、僕はミュージカルに出演する時は、かならず優に一回連絡して、こういう話があるんだけどどう思う?って相談しているんです。『ロミオ&ジュリエット』の時もそうでしたし、今回も一緒にやりたいという話を事前にして、優がやるならという気持ちでやらせてもらっています。今回は優が言うように育三郎君もそうですし、芳雄君もそうですし、蘭ちゃんも、...花總さんはちょっと僕より世代上ですが」

花總「え?私は入れてくれないの?(笑)」

城田「同世代ですよ! (尾上に)今タメ口でしょ?」

花總「そうじゃないの、ねぇ?」

尾上「そうですごめんなさい...(笑)」
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尾上「...本当にこの世代でやれることが嬉しいので、稽古場も本当に楽しくて」

城田「稽古場は...僕のせいでだいぶ"わちゃわちゃ"してました。多分僕が一番怒られた回数が多いと思います。うるさいって(笑)」

尾上「芳雄さんがきちっとしめてくれるのでありがたいです」

井上「そうですね、一応同世代なんですけど、僕と花總さんが同世代の中のちょっと上のほうなんで。やっぱ若いっていいなって」

花總「そういう話、しましたね~」

井上「エネルギーがあるなと。...あと久しぶりに稽古場で「うるさい!」と怒られている大人をみました(笑)。でもエネルギーがすごくあって、新しい『エリザベート』になるんだなって気が稽古場からしていました」
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――井上さんと山崎さんは『モーツァルト!』で同じ役をやっていましたし、StarSも一緒にやっていますが、今回は同じ舞台に立ちますね

井上「嬉しいよね、なんか」

山崎「StarSというユニットを一緒にやっていますが、コンサートでしか舞台上に一緒に並んだことがないので、お芝居で並ぶのは今回初めてです」
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井上「でもトートって、あまり(他の役と)絡まないんですよね。基本的にエリザベートのことしか考えていないので。エリザベートかルドルフか...たまにルキーニとすれ違って、ニヤっとするくらい。でもそれがすごく嬉しくて、少しでもルキーニとの絡みを増やしたいと思って、台本にはないルキーニとのキスシーンを稽古で入れてみたのですが、演出家に「そんなものはいらない」と言われて却下されました(苦笑)」

尾上「ちなみにキスされたの僕ですけど...。育三郎じゃなくて」

山崎「唖然としました(笑)」

尾上「びっくりしました、打ち合わせではなかったので!」

井上「キスしそうになって離れる、というのをやろうと言ってたんですが、気持ちが盛り上がって、キスしちゃって。キスしたら死んじゃうからって演出家に言われて却下されました。でも少しでも(ルキーニと)絡みたいなって!」

山崎「でも今までになかった、ルキーニとトートのフェイク合戦みたいな演出がつきましたので、そういうところは熱くなりますね!」

井上「しかもオープニングですぐに出てくるので、そんなところでもまた新しい『エリザベート』を感じてもらえると思います」
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...といような感じで、まさにこの世代の、新しい『エリザベート』が誕生しそうで本当に楽しみですね!

最後に花總さんが「新演出で、新キャストということで、おそらく今までにご覧になっている方にも、違う印象をお与えすることが出来るんじゃないかなと思っています。キャスト一同、一回一回を大切に頑張りたいと思っておりますのでぜひ皆さま、劇場に足をお運びください。お待ちしています」と締めて、会見は終了しました。
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あさって6月11日(木)にプレビュー公演開幕。
初日は6月13日(土)です。
お楽しみに!

取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)


【バックナンバー】

【公演情報】
6月13日(土)~8月26日(水) 帝国劇場(東京)
※6/11(水)・12(木)プレビュー公演有り。

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