初日の一番太鼓が秋空に響く
一番太鼓とは、江戸時代、芝居の始まるまえに打たれた太鼓のことで、寛永元年(1624)に初世田中傳左衛門が開場を知らせる太鼓を打ったのが始まりです。もともとは十一月に行われた顔見世興行の初日未明に打たれたものですが、のちに興行のある日の夜明け前に打たれるようになりました。
江戸の芝居小屋の雰囲気そのままの平成中村座ならではの儀式として、毎回初日に限って行われています。そして今回、平成中村座のロングラン公演のスタートとなる今月は、まさに十一月。かつての顔見世の季節です。
秋晴れの空に響きわたる一番太鼓が、平成中村座の開幕を厳かにそして威勢よく知らせました。
2011年11月1日(火)・平成中村座正面にて
出席者は中村勘三郎(56才)
田中傳次郎(34才・田中傳左衛門社中...当代は十三世)