初日の一番太鼓が秋空に響く
一番太鼓とは、江戸時代、芝居の始まるまえに打たれた太鼓のことで、寛永元年(1624)に初世田中傳左衛門が開場を知らせる太鼓を打ったのが始まりです。もともとは十一月に行われた顔見世興行の初日未明に打たれたものですが、のちに興行のある日の夜明け前に打たれるようになりました。
江戸の芝居小屋の雰囲気そのままの平成中村座ならではの儀式として、毎回初日に限って行われています。そして今回、平成中村座のロングラン公演のスタートとなる今月は、まさに十一月。かつての顔見世の季節です。
秋晴れの空に響きわたる一番太鼓が、平成中村座の開幕を厳かにそして威勢よく知らせました。
2011年11月1日(火)・平成中村座正面にて
出席者は中村勘三郎(56才)
田中傳次郎(34才・田中傳左衛門社中...当代は十三世)
中村勘三郎コメント
皆様こんにちは、ありがとうございます。
この隅田公園にまた中村座が帰って来させていただくことが出来ました。しかも今度は、七ヶ月もこの地で中村座を建てさせていただいて、地元のみなさんたちに大変ご迷惑をかけておりますぶん、良い芝居をお見せしなければと思っております。
また、今日は秋晴れでとても清々しい陽気なんでございますけれど、雨が降っても大丈夫なように、こんなふうに(注:今回、劇場正面に雨よけの屋根がつきました)少しずつ、少しずつ改良もしておりますし、また後ろをあける芝居の演出もございますけれど、開けますと、なんとど真ん中にスカイツリーが見えます。これは中村座のほうが先にここにあったものですから、スカイツリーのほうが後から建って(笑)。
私も信心させていただいている、聖天様の真下で、歌舞伎のよく隅田川ものなぞを見ますと、こんもりした丘がございますけど、あれが待乳山聖天様でございます。私は毎日お参りに行かせていただいております。
とにかく皆様方に1人でも多く見ていただくことが嬉しゅうございますので、隅田川沿いにスカイツリーを見ながら、足を運んでいただきたいと思います。本日からどうぞ宜しくお願い致します。
挨拶する中村勘三郎
「平成中村座」から見えるスカイツリー
「平成中村座」初日の場内
★初日の様子は@ぴあニュースでご紹介しています!
勘三郎に「待ってました!」の声 『平成中村座』が浅草で開幕!
11月興行は11月26日(土)まで上演中。
チケットは12月興行まで発売中!!