四季をめぐる四組のカップルを描く音楽朗読劇『庭の見える部屋と 四つの物語』今月末上演 メインキャスト 4 名のインタビューが到着した。

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9 月 29 日(日)に東京・東京文化会館 小ホールで上演される音楽朗読劇『庭の 見える部屋と四つの物語』。 本公演は、バリエ et グレディが作劇を手がけた、フランス・パリうまれの大 人のためのほろ苦いラブコメディ。庭が見える一つの部屋で、四組のカップル が春夏秋冬それぞれの季節に登場する。今回メインキャストを務める聖児セミョーノフ、秋吉久美子、篠井英介、鈴木 壮麻の4名から公演についてインタビューが届いた。

―今回の公演の経緯を教えてください 

聖児セミョーノフ(以下、聖児)「秋吉久美子さん、篠井英介さん、鈴木壮麻さんのお三方は、今年の 3 月に開催されたイベントでご一緒だったんです。銀座にある日本最古のライブハウスであるシャンソニエ『蛙たち』の創業 60 周年記念日ライブイベントに僕が出演したのですがその時にゲストにお呼びした皆さんなんですよね」 

鈴木壮麻(以下、鈴木)「そうでしたね!」 

篠井英介(以下、篠井)「そうでした!」 

秋吉久美子(以下、秋吉)「多様な分野から集まったのよね」 

聖児「そうなんです。秋吉さんは映画界、篠井さんはドラマや舞台、鈴木さんはミュージカルを中心にされている。いろんな分野でご活躍されている皆さんが集まったライブがとても楽しくて、ぜひこのメンバーでなにかできないかと考え始めました。何年か前に今回上演する戯曲の『春』だけを上演した公演に出演したことがあって、いつか春夏秋冬の四つの物語すべての公演をしてみたいなと思っていたら、秋吉さんがもうすでに同じ戯曲を舞台で四つとも演じていたんですよね」 

秋吉「そうそう!」 

聖児「秋吉さんが過去にご出演された時は今回の岩切正一郎先生と内藤真奈先生の翻訳とは別の違う翻訳版だったけど、すべて演じられたというお話を聞いて、そしてこの 4 名が集まれるなら、それなら四つの物語の公演ができると思って、改めて皆さんにお話をしていました」 

鈴木「3 月のライブに出演していなかったら、ここにはたどり着いてないってことなんですね!」 

聖児「本当にそうですね!」 

―本作の見どころを教えてください 

篠井「稽古も佳境を迎えていますが、改めて大人のメンバーで取り組むこの作品がいいなと思います。歳をとった我々ですが、酸いも甘いも知った年代が作り上げるからこそカッコいいなと思うシーンも多く、そんな大人の世界観をぜひお楽しみください」 

鈴木「朗読劇ということで、動きを封印して言葉だけで紡いでいくんですけど、そのやりとりがすごくテニスのラリーを見ている感じで、息つく暇もなく台本に入り込んでいくような感じで。こうした臨場感を、お客様にもぜひ感じとっていただけたらなと思います」 

秋吉「歳をとるということは肉体的には厳しいことでありますが、役を通して自分の今まで経験した喜怒哀楽を表現できるのはすばらしいことだと思います。今回私が演じる役に関しても、いままで以上にさらに演じる幅が広がることが私自身とても楽しみです。フランスの人のエスプリや文化、そういったところと合わせ大大人の世界観をお楽しみください」

聖児「僕はもともとシャンソン歌手ということもあり、今回の演目もフランスの作品を選んでいますが、四季を通して、いろんな色の登場人物が現れ、物語が交差する本作。今回、作品に携わっている皆さんも映画や舞台、ミュージカルなどジャンルの違うところで活躍されている方々で、皆さんの個性の色が違うからこそ表現される本作の魅力をぜひ感じていただきたいです」 

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<公演情報> 音楽朗読劇『庭の見える部屋と四つの物語』 
出演:聖児セミョーノフ/秋吉久美子/篠井英介/鈴木壮麻/夢咲ねね/伊東 健人/富沢
亜古(文学座)/菊地まさはる/REO 
演奏:閑喜弦介(ギター) /滝野郁瑛(ピアノ) 作:バリエ et グレディ 
翻訳:岩切正一郎/内藤真奈 
演出:水野玲子(文学座/犬猫会) 
音楽監督:閑喜弦介 
詳細はこちら:https://t-onkyo.co.jp/ticket/4tsunomonogatari

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2024年7月18日(木)~28日(日)東京芸術劇場シアターイーストで上演される 『ラフヘスト〜残されたもの』。

脚本・作詞のキム・ハンソル、日本版演出の稲葉賀恵、主演のキム・ヒャンアンを演じるソニンのインタビューが到着した。

――キムさんが今作を執筆しようと思われたきっかけを教えてください。

 

キム:偶然、韓国の二人の天才芸術家であるイ・サンとキム・ファンギの妻が同一人物だと知って、二人の天才の心を掴んだ女性とはいったいどんな人だろうと気になってキム・ヒャンアンについて勉強し始めました。しかし勉強すればするほどキム・ヒャンアンという人物にのめり込み、ヒャンアン先生の人生そのものが一つの芸術であるという考えが浮かんでミュージカルとして書くことになったのです。

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――稲葉さんは、ミュージカルの演出は今作が初となります。この作品に最初に出会ったときの印象はいかがでしたか?

 

稲葉:この作品は、日常の些細な機微を大事にしていると感じたので、グランドミュージカルというよりも、自分がこれまで触れてきたような、会話や関係性の繊細さを大事にした戯曲だと感じました。なので、もちろん歌はありますが、あまり「ミュージカルだ」と思わずに演出をお引き受けすることができるなとまず感じました。

 

――ソニンさんも今作は、初韓国ミュージカル、初の訳詞と"初尽くし"。最初にお話を聞いたときの心境は?

 

ソニン:韓国ミュージカルはずっとやりたかったんですよ。ご縁がなかったのか、なかなかお話がいただけなかったので、待ち構えていました(笑)。韓国ミュージカルにもさまざまなジャンルがあると思いますが、この作品は小劇場などがぴったりくる繊細な表現が生きる作品だと感じました。韓国ミュージカルにはいわゆるグランドミュージカルというような壮大な世界観の作品もありますが、最近私は、どちらかというと少人数で作る繊細な作品に触れたかったので、そのタイミングで興味を示していた方向性とカチンとハマったような感覚がありました。もちろん、演出を稲葉さんが担当されるというのも、この作品に出演したいと思った大きな理由の一つです。ずっとミュージカルの演出をされてきた、ミュージカルに慣れた方ではなく、ストレートプレイを作り上げてきた方とご一緒できるというのはとても貴重な機会。私たち、実は(2015年に上演した)「トロイラスとクレシダ」という作品でご一緒したことがあるんですよ。そのときは、稲葉さんは演出助手をされていて。そういう意味でも、今回、稲葉さんとご一緒できるのはすごく嬉しかったです。

訳詞については、これまでも日本初演の作品では、クレジットはされていなくても関わることが多かったんですよ。ただ、韓国語を日本語に訳すというのは初めてだったので、これまでとは違うだろうなと思っていたんですが、実際にやってみたらとても性に合ってて。韓国語は、日本語と言葉の順番も一緒だし、私の、語学と文化の理解度で言っても英語よりある。韓国語歌詞のニュアンスを汲み取って日本語歌詞に変換させることが、すごく楽しくできました。

 

――演出面ではどのようなことを考えていますか?

 

稲葉:この芝居を面白いと思った理由の一つが、時間の操作にあります。特徴的ですよね。誰が操作しているのか、なぜこういう仕組みになっているのか。それから、芸術家の方たちが残そうとしているものをどう舞台の上に表出させるのか。そうしたことから私が最初に考えた演出プランは、宇宙のような空間でやりたいということでした。例えば、イスがあってテーブルがあって家の壁があるということではない。暗闇の中、混じり合うのかどうか分からないくらい遠いところから近づいてきて、重なって、また離れる。「あなたを見つける奇跡」ということをこの作品の歌詞の中でずっと伝えているので、それを表現するための空間をどう作ろうかと考えています。

 

ソニン:役者としてもとても興味深いです。ミュージカルはある意味では、分かりやすい表現をすることも多いじゃないですか。それを違う角度から切り取って演出するのは、容易じゃないと思うんです。その世界で芝居する役者もまた新しい切り口を、学ぶ事になる。私がこれまで経験してきたミュージカルとはまた違う経験ができるだろう思っています。これまで何度も訳詞などの会議で稲葉さんとお話をさせていただいていますが、私は稲葉さんの芸術のセンスに同調しています。そういう意味でも、同じ方向性で進めていけるのではないかと思っているので、これからの稽古が楽しみです。

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――キムさんからも日本での上演に向けての期待や楽しみを教えてください。

 

キム:「ファンギ先生が勉強をした、イ・サン詩人が暮らしていた東京で『ラフヘスト』が上演される!」これだけでも十分に感動的で涙が込み上げそうです。自分の感嘆詞を信じて前に一歩進むことができる小さな勇気が伝わればいいなと思います。

 

 

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▼衣装(ソニン)

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Bellis

・アプロ

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6月 25日(火)に草月ホールで幕を開ける
リーディングドラマ 「西の魔女が死んだ」の稽古場レポートが到着した。
西の魔女に前田美波里、孫のまいに生駒里奈、髙木凜々子のヴァイオリンの音色に
のせて、稽古は進む。 演出の笹部博司自らのレポート。

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梨木香歩原作の『西の魔女が死んだ』はたくさんの人を励し、慰め、勇気づけた名作だ。
稽古場で前田美波里さんを見ていると、まさにそのおばあさんがいると感じる。

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「美波里さん自身でいい、美波里さんが今、思っていることとして、おばさんの言葉をしゃべっ
てください」
そう言うと、美波里さんから即座に返事があった。「そのつもりよ」
美波里さんと西の魔女は似ている。彼女はエンターテイメントという分野でたくさんの人を喜ば
せ、楽しませてきた。その結果彼女は若く、美しく、元気で輝いている。
彼女の人生の体験を通して語られる西の魔女の言葉は、強い力を発することだろう。

生駒里奈さんを見ていて、この人の強さは何だろうと思う。
随分いろんな女優さんを見てきたけれど、生駒さんに似た人は思い浮かばない。

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劇中でまいが学校でみんなにのけ者にされた話をする。
彼女はあれは自分が体験したことだからという。
彼女がまいの出来事をしゃべると、さっぱりとしていてカッコいい。
そして生駒さんはまいの悲しさ、くやしさ、辛さといった、ありとあらゆる負の感情を見事に自
分の体で吸い取っていく。
彼女にとって少女まいは、自分の現実なのだ。
今稽古場でこの名作を二人の素晴らしい女優で上演できる幸せを噛みしめている

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文 笹部博司/撮影 中山静子

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リーディングドラマ 西の魔女が死んだ
<東京公演>草月ホール
2024 年 6 月 25 日(火)14:00 26 日(水) 18:00 27 日(木) 14:00
<秋田公演>由利本荘市文化交流館カダーレ
2024 年 6 月 29 日(土)14:00
原作:梨木香歩『西の魔女が死んだ』(新潮文庫刊)
出演:前田美波里 生駒里奈
ヴァイオリン演奏:髙木凜々子
台本・演出:笹部博司
※6 月 25 日・26 日は録音、27 日は髙木凜々子の生演奏でお届けします
料金:6,800 円(全席指定/税込)
公式サイト https://ml-geki.com/nishinomajo2024/
 X https://twitter.com/hiroshi_sasabe
インスタグラム https:/www.instagram.com/ml_geki/
企画・製作 メジャーリーグ https://ml-geki.com/

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大ヒット配信RPGゲーム原作とした舞台『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS幻影戦争 THE STAGE』(FFBE幻影戦争)が20242月に幕を開ける。列強に囲まれたリオニスという小国を舞台に、リオニスの王子・モントと双子のシュテルの対立と、親子・仲間との絆を描く本作。モントを演じる吉田仁人(M!LK)とシュテル役の武藤潤(原因は自分にある。)に公演への意気込みや役作りについてなどを聞いた。

 

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――『ファイナルファンタジー』というゲームはご存じでしたか?

 

吉田 有名な作品なのでタイトルはもちろん知っていましたが、あまりゲームをする習慣がなかったので、今回、お話をいただいてすぐにプレイさせていただきました。それが初プレイでした。

 

――初プレイはいかがでしたか?

 

吉田 台本をいただいた後にプレイしたので、また普通のプレイとは違うと思いますが...とにかくモントを自分の分身のように強化しまくって、攻撃力を最大にして、パーティーのリーダーにして遊んでます。

 

武藤 僕もシュテルをめちゃくちゃ強くしてます(笑)。

 

吉田 そうなるよね(笑)。

 

――武藤さんは、ゲームをプレイしたことはありましたか?

 

武藤 僕も普段はあまりゲーム自体しないのですが、『ファイナルファンタジー』に登場するキャラクターのようなビジュアルに憧れていて。髪が白くて長髪で、センター分けにしているセフィロスみたいになりたいと思っていました(笑)。なので、まさか本当に『ファイナルファンタジー』が舞台化されて、その作品に僕が出演できるなんて驚きでした。

 

吉田 本当に驚いたし、嬉しかったよね。

 

――では、台本を読んだ率直な感想を教えてください。

 

吉田 ファンタジーな要素がたくさんある物語ですが、ゲーム自体は戦国時代をモチーフにしているそうです。それを聞いて、なるほどな、やっぱりそうかと。国盗りの話やそれぞれの思惑が交錯する様子が歴史物の雰囲気を感じていたので、すごく合点がいきました。僕は歴史物が大好きなので、演じるのが改めて楽しみになりました。

 

武藤 ファンタジーの世界を描いていますが、人間ドラマでもあると思います。一人ひとりに戦う理由がきちんとあるんですよ。先の展開が読めないということもあり、読み始めたら止まらなかったです。

 

――吉田さんは双子の兄で王子のモント、武藤さんは弟のシュテルを演じます。それぞれの役柄について、今現在はどのように感じていますか?

 

吉田 モントはまっすぐな人間です。ただ、物語の最初と最後では全然雰囲気が違うんですよ。最初はどこにでもいるような普通の兄ですが、様々な出来事を経験し、国を守る王子になっていく。この作品は、そうした成長の物語でもあると思うので、モントに感情移入しながら(台本を)読みました。

 

武藤 シュテルはモントと対立する、いわゆる悪役です。ですが、彼には彼なりの正義があり、過酷な運命に立ち向かっていきます。難しい選択を迫られ、どうにもならない運命を背負って前に進んでいく姿は、この作品の見どころの一つだと思うので、悪役ではありますが、彼の想いが観てくださる方に伝わったらいいなと思います。

 

――ご自身と似ていると思うところはありますか?

 

吉田 僕は、争いごとが好きじゃないので、そこは似ているところだと思います。あとは、周りのサポートなしでは生きていけないところ。モントは周りの人たちの支えがあるから自分がそこにいられることを分かっているし、周りを頼りながらも守っていこうと思っています。そうした気持ちはすごく共感できます。僕もM!LKというグループのリーダーをしているので、似たような境遇にあるのかなと思いました。そういう意味では、モントは演じやすいキャラクターだと思いますが、今回はきっとアクションが過酷だと思うので、そう簡単にはいかないだろうなと。皆さんのお力を借りながら、役を作っていけたらと思います。

 

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武藤 僕が似ていると思うのは、赤色が似合うところかな。

 

吉田 意外なところからきたね(笑)。

 

武藤 それくらいしかない気がします(笑)。あとは...シュテルは剣術に長けているのですが、僕も幼稚園の頃は、木の棒を振り回して遊んでいたので、そんなところは似ているのかもしれません(笑)。

 

――演じる上では、原作のゲームを意識して役を作っていく予定ですか?

 

吉田 もちろんビジュアルの面ではそうしたいと思いますが、内面的なものは僕たちが生で演じることで伝わるものもあるのではないかと考えています。台本をただなぞるだけではなく、それぞれの場面でモントがどんな心の動きをしているのかを考えながら演じたいと思っています。

 

武藤 僕は、この作品に出演できると決まって、まずゲームをプレイしたんですよ。なので、プレイをして感じたことやその時の心の動きを忘れずに演じたいと思っています。お客さまが僕と同じ心の動きができるように、稽古を通して役を作り上げていけたらと思います。

 

――ビジュアル撮影で実際の衣裳を着用したことも役作りの手助けになるのではないかと思いますが、衣裳を着用した感想を教えてください。

 

吉田 モニターで見た自分は僕ではありませんでした(笑)。メイクも服も鎧もまさに原作通りのクオリティーで驚きましたし、モントをしっかり演じ、この作品の世界観を表現しなければと改めて思いました。

 

武藤 (シュテルの衣裳を着用したら)とにかく強そうに見えました。僕はこれまで殺陣をやったことがないので、強そうに見えるように稽古しなくてはと引き締まる思いでした。でも、すごく素敵な衣裳だったので、この公演が終わったらもらえないか相談しようかなと(笑)。

 

吉田 再演したいから、あげないよ(笑)。でも、もし、もらったら着るの?

 

武藤 いや、飾っておきたいです(笑)。

 

――再演のために衣裳は取っておきましょう(笑)。そして、今、お言葉にもあった通り、本作はやはりアクションシーンも見どころの一つだと思います。お二人とも殺陣は初めての挑戦と聞いていますが、今、準備していることはありますか?

 

吉田 殺陣は初めてですが、合気道を習っていた時に、剣術も合わせて習っていたので、その動きや型を思い出してできたらと思っています。合気道の基礎を応用したのが剣術なんですよ。なので、きっと役に立つのではないかなと。それから、ダンスがアクションに生きたらいいなとは思っています。でも、本当に日頃からの体力づくりが大切ですよね。魅せられるカッコいい型で、かつそこにエネルギーを感じられるように、毎公演、フルパワーでいけたらいいなと思います。

 

武藤 僕は空手を10年くらい習っていました。空手の型が生きるのかは分かりませんが、殺陣も空手も相手とのコミュニケーションだというのは共通するところだと思うので、しっかり相手と息を合わせることを心がけて臨めたらと思っています。

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――今作はゲームが原作ということもあり、映像を駆使したアクションになるのではないかと期待してますが。

 

吉田 そうなんですよ。僕たちもまだどうなるのか分かりませんが、セットはもちろん、映像にもこだわった作品になると聞いているので、すごく楽しみです。その分、芝居の難易度は高そうですが(苦笑)。

 

武藤 大きな羽が生えているキャラクターもいるので、それをどう再現するのかも個人的にはすごく気になります。

 

――ところで、お二人は事務所の先輩・後輩という間柄で、昔からのお知り合いですよね。初めて会ったのはいつ頃なんですか?

 

吉田 かなり前ですね。5年前くらいかな?

 

武藤 だと思います。

 

吉田 お互いに学生服を着てました。

 

武藤 懐かしい!

 

――お互いの印象は?

 

吉田 とにかく明るくて、にこやかで、ずっと変わらない、大好きな後輩です。ずっとこの感じなので、楽しい稽古場になりそうだなと思っています。

 

武藤  "兄貴"です。グループの中でもリーダー的な立ち位置をされているので、今回も引っ張っていってくれるのではないかなと思います。あと、声がカッコいい。先輩でいてくれて、嬉しいです。

 

――今回、吉田さんは主演という立場になりますが、座長としてこの座組みをどのように引っ張っていきたいと考えていますか?

 

吉田 初めて主演をさせていただくので、本当にどうしたらいいか分からないんですよ。主演の方は、カッコよくて、背中で見せるタイプの方が多いように思うので、そうなれるよう頑張りながらも、誰よりもひたむきに、誰よりも一生懸命に、皆さんから応援してもらいたくなるような主演でいられたらといいなと。とにかく一生懸命やるしかないですね。

 

――グループのリーダーとはまた違いますか?

 

吉田 違います。グループは(自分以外のメンバーは)4人だけですし、みんながそれぞれ役割を担っていますから。リーダーといえど、みんなが同じ土俵に立って頑張っている。ですが、舞台の座長はキャリアが長い方も多いですし、自分にはまとめるというのは無理だと思います。なので、愛される座長でありたいです。

 

――武藤さんから見た、吉田さんの座長っぷりはいかがですか?

 

武藤 仁人さんの好きなようにやってくれれば、僕は嬉しいです。それでいいです(笑)。

 

吉田 でも、無理をしたってボロが出るだけだと思うので、分からないときは分からないと素直に質問していこうと思います。

 

――ところで、今作は兄弟の愛や確執を描いていますが、お二人はご兄弟はいらっしゃいますか?

 

武藤 僕は一人っ子です。なので、ずっとお兄ちゃんやお姉ちゃんが欲しかったです。話す相手がいたら楽しいだろうなと思いましたし、服やオモチャをお下がりでもらうことに憧れてました。

 

吉田 僕は6歳下に弟がいますが、年が離れているので、甥っ子のような感覚です(笑)。きっと弟も僕のことをお兄ちゃんではなく、身近な大人だと思っていると思います。なので、全然兄弟感がないと思います。欲しいものがある時だけ、弟感を出してくる(笑)。僕自身もあまり兄っぽいことはしていないように思います。仕事ばっかりしてきたので。最近になってようやく弟はライブにも来るようになりましたが。

 

――でも、弟さんから見たら、実は憧れのお兄ちゃんなのでは?

 

吉田 だといいんですが。悩み相談もたまにされますが、甥っ子と叔父さんという感じが自分ではあります(笑)。

 

武藤 いいですね。そういう話を聞くとうらやましい。

 

――一人っ子とはいえ、武藤さんは末っ子感がありますよね。

 

吉田 うん、あるある。

 

武藤 ありがとうございます(笑)。

 

吉田 人から愛されるキャラですよね。だから、この業界にお兄ちゃんをいっぱい作ればいいんだよ。兄貴肌の人も多いんだから。

 

武藤 そうですね。お兄ちゃん、作ります!

 

――ありがとうございました! 最後に公演への意気込みをお願いします。

 

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吉田 素晴らしいスタッフの方々、キャストの方々が集まっている作品です。初主演を言い訳にせず、しっかりと役と向き合いながら、演じたいと思います。何度も観たいと言っていただけるような、皆さんの記憶に残る良い作品にするために、これから稽古も頑張っていきますので、ぜひ劇場に足をお運びください。お待ちしております!

 

武藤 『FFBE幻影戦争』の世界観を表現した舞台ですが、ゲームをプレイしたことがある方もない方も楽しめる物語になっています。ファンタジーの世界が舞台上に広がります。観たことを後悔しない作品にしたいと思っているので、頑張ります。

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韓国で完売が続く、人間の業を描いた衝撃作『狂炎ソナタ』の日本初演となる公演が22日(金)に開幕する。ジョン・ミナとダミロが脚本・歌詞、ダミロが音楽を手掛けた"スリラーミュージカル"の本作は、2017年に韓国で初演されて以来、上演が重ねられてきた人気作だ。物語は、事故を起こしたことで音楽的インスピレーションを得た天才作曲家が、更なるインスピレーションを得るため、殺人を重ねる姿を描く同名小説がモチーフとなっている。死に触れるたびに素晴らしい楽曲を作るJ役の猪野広樹と、Jを見守る友人・S役の杉江大志に公演への意気込みやそれぞれの役への想いなどを聞いた。

 

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――最初に本作へのオファーを受けた時の心境を教えてください。

 

猪野:僕は2ヶ月くらい悩みました。もちろんやってみたいとは思いましたが、ミュージカルの経験が浅いので、3人だけのミュージカルはいきなりハードルが高いなと思って。

――それでもやろうと思った決め手は何だったんですか?

 

猪野:挑戦したいと思っているのにやらないのは負けだなと。人生1回きりなので、やらないで終わるよりは、やって終わったほうがいいなと思いました。


――なるほど。杉江さんはいかがでしたか?

 

杉江:プロットを読んですぐに面白そうと思ったんですが、やっぱり本格ミュージカルというのを聞いて、一度、寝かせようと(笑)。ちょうど仕事が忙しい時にお話をいただいたので、そんな中で決めてしまったら心が折れそうだなと思い、一度、時間をおいて冷静に考える時間を作ろうと思いました。でも、お話をいただいて面白そうだと思った時点で、やりたいという気持ちは決まっていたんだと思います。僕も悩みましたが、きっと最初から心の奥ではやると決めていたので、あとは「やります」というまでに覚悟を決めるという感じでした。

 

――そうすると、今作はお二人にとって大きな挑戦でもある作品なのですね。今、お稽古をしていて、一番、苦労しているのはどんなところですか?

猪野:歌で時間が進んでいくという作品なので、その時間の進め方ですね。歌う前と歌った後で何が変わっていて、どう音楽の中で進めればいいのか。まだ僕には、それが分かる曲もあれば、分からない曲もある。その整合性がとれた時に成立するのかなと。"ミュージカル脳"とでもいうような部分があって、自分の脳をそっちに切り替えられれば、もっとスムーズに表現できるようになるのかなと思います。

 

杉江:曲が多くて、音楽と共に進んでいく作品なんですよ。僕は、これまでお芝居をやってきて、試行錯誤しながら色々な表現方法で、何がどう刺さるのかを模索してきたのですが、その方法がうまく音楽と当てはまるところもあれば、別の技術が必要なところもたくさんある。そうしたところをどう捕まえていくのかという作業が、面白くもあり、難しく、楽しみながら苦しんでおります。

――物語の冒頭からラストまで常に重たい空気が漂っている作品なので、それを表現するのも大変だろうなと感じましたが、お二人は、最初に脚本を読んだ時にどんな感想を持ちましたか?

杉江:僕はめちゃくちゃ面白かったです。サスペンスやミステリーがあまり好きではないんですが、重たい空気の中にも疾走感があるじゃないですか。観た人によってそれぞれ違う救いもあって、すごく秀逸な本だなと僕は思いました。

 

猪野:かわいそうだなとは思った。

 

杉江:それは僕も思った。

 

――それはJを?

 

猪野:そう、Jです。ここまで追い詰められてしまうのは、側から見ているとすごくかわいそう。好きだったものを楽しめなくなっていって、何かにケツを叩かれて、自分の首を絞めて、苦しんで...という過程がかわいそうだなと思いました。

 

――では、それぞれの役柄については、今はどんなところをポイントにして演じようと考えていますか?

猪野:Jが曲作りに苦悩しているところから物語はスタートするので、その時のJがどう変わっていくのか。"落ちる"と言ってしまっていいのか分からないですが、落ちていく過程をどう見せていくのか。そして、ラストでの姿。そういう流れはなんとなくプランニングできているので、それを表現していきたいですね。

 

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杉江:Sのことは脚本ではあまり細かい描写がないので、つかみどころがない天才なのかなと思っていたのですが、稽古の中でJとしっかりと対峙することでだんだんとSの人間像が見えてきたように思います。Jに"与える"立場のSですが、ストーリーテラーでもあるので、そのバランスも難しいですね。最初に脚本を読んだ時は、Jを演じるのは難しいだろうなと思っていましたが、今は、実はSを演じる方が難しいのかもしれないと感じています。「Jに何を与えながら、Jに何を思うのか」ということを考えながら、Jを中心に全てを突き詰めていったら、自然とSが形作られていくのかなと思います。

 

――今回は、K役の畠中洋さんを含めた3人芝居です。畠中さんが演じるKについては、どう感じていますか?

 

猪野:迫力がありますよ。絶唱しています。立ち稽古になってからよりパワフルになられて、歌でもお芝居でもガッと届けてくれる感覚がありますね。

 

杉江:すごいよね、歌もお芝居も。

猪野:思いがすごく伝わってくるので、Jとしてはより追い詰められて...すごく演じやすいです。気性が荒いKをまっすぐ表現されているので、僕、あるシーンで最初はびっくりしました(笑)。

 

杉江:かっこよかったですよね。

 

猪野:かっこよかった。ぜひ観ていただければ。

 

――杉江さんから見た畠中さんのKは?

 

杉江:稽古初日から完成されていると感じました。もはやKにしか見えないです。それから、歌の中の表現は見習いたい部分や盗みたい部分がたくさんあるのですが、何をどうやって盗んだらいいのかも分からず(苦笑)。とにかく、近くで見て少しでも盗めるように頑張りたいです。畠中さんのKは、僕が脚本を読んでイメージしていたKのままだなと思っています。

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――イメージしていたKとはどんな人物なんですか?

 

杉江:したたかでありながら挑発的でもあって、余裕そうに見せて余裕がない。そんなイメージです。

 

――猪野さんからは、Kはどんな人物に見えていますか?

 

猪野:Kのセリフにもありますが、「名声は対価はなくしては得られない。そのための犠牲ならなんだって厭わない。何を犠牲にしても名声を手に入れる」という野心を持っているのだと思います。けれども、没落しかけている。没落しそうな崖っぷちに立っていて、焦りがあるのかなと。その焦りが狂気に変わっていって、使えるものは使おうとしている。そうまでしても名声が欲しい人だと思います。ただ、僕が演じるJから見れば、偉大な先生なんだと思います。JはKの裏の顔を知らずに、純粋にすごい先生だと思って尊敬している。ただ、どこかにヴァイオレンスさも感じていて、その恐怖を感じているのだろうなと思います。

 

――ところで、これまでも共演経験の多いお二人ですが、今回じっくりとお互いに向き合ってお芝居をしていく中でお互いの印象が変わったということはありましたか?

杉江:印象は特に変わってないかな。でも、顔を突き合わせてお芝居したいなと思っていたので、それが叶って嬉しいです。

――杉江さんから見た俳優・猪野広樹の魅力は?

 

猪野:それ、俺がいないところでやって欲しい(笑)

 

杉江:あはは。俳優としての魅力か。芝居が好きなところかな。あとはお芝居に真摯なところ。猪野ちゃんという人自体は、なんでもサラッとこなしてしまいそうな器用さや強さを感じさせますが、芝居は繊細で、芝居だけはサラッとやらない印象があります。特に今回は、じっくり向き合っているなというのを感じますし、そこが役者としての一番の魅力なんじゃないかなと思います。

 

――猪野さんから見た杉江さんは?

 

猪野:大志は頭がいい。考えるタイプなんで、どうやったらいいんだろう、なんでだろうときちんと考えて、自分の答えを持ってきてくれる役者さん。あとは、目が魅力的。目で伝えようとしてくれるので、それは一緒に芝居をする時にもありがたいですし、伝わりやすいんだと思います。

――今回の共演で知った杉江さんの新たな一面はありましたか?

 

猪野:そんなにも真摯なの? と思いました(笑)。大志が僕のことをサラッとやると思ったと言ってましたが、僕も同じような印象を持っていたんですよ(笑)。サラッと芝居をするタイプかなと。でも、実際にこうしてやってみたら、ガチガチに向き合ってる。だから、すごく楽しいです。一緒にやっていて。

 

杉江:意外と同じ印象だよね、同い年だし。

――稽古場の雰囲気はいかがですか?

 

猪野:僕は好きです。(演出の渡邉)さつきさん、畠中さんを含めて、少人数で作り上げる芝居なので、3時間、4時間稽古をすると全員がぐったりしちゃう(笑)。そのほかにももちろん、歌稽古をしたり、ピアノの練習をしたりもあるんですが、すごく集中してやれるし、お互いにディスカッションをする時間も設けられているので、その時間が僕はすごく楽しいです。やっぱり人数が少ないので、共通認識を取りやすいんです。

 

杉江:確かにね。3人しかいないから、知らないところで話が進んでいるということもないですし、3人芝居は楽しいですね。

 

――最後に、改めて本作の見どころと公演への意気込みをお願いいたします。

 

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杉江:タイトルや作品の雰囲気から、骨太そうだなとか、重いお話なんじゃないかと感じているお客さまも多いかなと思います。もちろん骨太な作品ですし、"死"が付きまとっている話ではありますが、それよりは3人がそれぞれに見ている光や3人が合わさった時に見える光の美しさ、儚さがこの作品の魅力だと感じています。畠中さんの歌を聞きに来るだけでも十分価値がある公演だと思いますし、猪野ちゃんの歌、僕たちが畠中さんとどう絡むのかも見どころです。何度も観ていただけるような作品にできるよう頑張ります。

猪野:全体を通してバイオレンスさの漂う作品ですが、メロディーによって美しく見えることを目指したいと思います。個人的には音楽家という役も正気でいられなくなる役も殺人鬼も初めてです。僕はまだ「こうしたい、ああしたい、でもどうすればいいんだろう」と稽古の中で試行錯誤している段階にいますが、稽古を通してより深めていきたいです。きっと満足度の高い作品になると思います。

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「音楽劇『不思議な国のエロス』 ~アリストパネス『女の平和』より~」が2月16日から25日まで東京・新国立劇場 小劇場で上演される。

本作は古代ギリシャの劇作家アリストパネスの「女の平和」をベースに1965年に寺山修司が執筆した戯曲で、寺山ならではのユニークな視点を加え描いた音楽劇となっている。今回の上演では、文学座の稲葉賀恵が演出を手がける。

舞台はアテナイの都。戦争を終わらせる能力がない男たちに愛想を尽かし、戦争をやめさせるためのセックスストライキを始める女たちを中心に、反戦と平和への願い、ジェンダーの概念を覆す挑戦的な視点で描かれた本作において、戦争を止めるために集結したアテネの女たちのリーダー・ヘレネーを演じるのは文学座の松岡依都美、物語の案内人・ナルシスは朝海ひかるが務める。

 

本作へ挑む思いを、出演者の松岡と朝海に聞いた。

 

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今まで抱いていた寺山の印象と違う作品

 

──松岡さんも朝海さんも寺山作品は初挑戦だそうですが、戯曲を読んだ感想はいかがでしたか。

 

松岡 詩的な言葉が散りばめられている作品なのですが、その中にもどこか皮肉っぽいというか、世間に対して「これでいいのか」と問いを突き付けるような言葉がいっぱいあって、それはすごく寺山さんらしいところなのかな、と思いました。今は寺山さんのことを勉強しながら戯曲と向き合っているところで、寺山さんのことをより知ってから改めて戯曲と向き合ってみると、初めに読んだ印象ともまたちょっと変わってくる部分もあって、それがとても不思議だし面白いなと感じています。

 

朝海 寺山作品に対しては、ゴタゴタした人間関係が美しい日本語で書かれている、という印象があったのですが、本作を読んでみたら「あれ、寺山さんってこういう色だったっけ?」と思うようなポップさがあって歯切れがいいなと感じて、今まで抱いていた寺山さんの印象と違うな、と思いました。寺山さんに「何か難しそう」という印象を抱いていた人にも入りやすい作品なんじゃないかなと思います。

 

──松岡さんが演じるヘレネーはどのような役なのでしょうか。

 

松岡 戦争を止めるためにセックスストライキを掲げて徒党を組んだ女たちのリーダーで、平和をとことん求めていくという役どころです。ギリシャ神話に描かれているヘレネーは、女性の象徴であったり、トロイア戦争を起こした元凶の悪女みたいなイメージが強いと思うのですが、本作ではそういったイメージとはまたちょっと違った角度からのヘレネー像が描かれてるような気がしています。彼女が持っている強さと、その裏で実は抱えている孤独も見えるんじゃないかなと思っていて、そのあたりを稽古の中でどういうふうに構築していけるのか、楽しみにしている部分でもあります。

 

──朝海さん演じるナルシスは「せむし男」だと聞いて驚きました。

 

朝海 ナルシスは本作の案内役を担っているので、稲葉さんは「ドローンのような存在で」とおっしゃっていました。お客様に「これは自分たちの物語でもあるんだな」と思っていただけるように、うまく橋渡しをする存在になれればいいのかなと思います。なぜ寺山さんはナルシスをせむし男にしたのか、というところからまずは考えていって、私が演じることによってどんなプラスアルファがあるだろうか、というところを模索していきたいです。

 

音楽の持つ力で大きな波を起こせる

 

──演出の稲葉さんに抱いている印象を教えてください。

 

松岡 私は稲葉と同じ劇団ですが、演出を受けるのは今回が初めてなんです。稲葉の作品を見ていると、内容をストレートに表現するというよりも、いろんなうねりを効かせているような印象があります。それによって生じる"歪み"の中にものすごい鋭さがあったりするところが私はとても好きです。今作を稲葉が演出するということで、もちろん寺山さんの書かれたベースを大切にしながら、それを彼女らしい色に変えていってくれると思うので、そこにすごく期待しています。

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朝海 稲葉さんとは『サロメ奇譚』という作品で一度ご一緒しているのですが、本当に一つひとつのことを役者が納得いくまで付き合ってくださって、導くというよりもお互い膝突き合わせて考えて、役者がちゃんと腑に落ちるところを一緒に探してくださるし、それが見つかるまで絶対にあきらめないでいてくれるところが、とても信頼できる演出家さんだな、と思いました。だから、今回またお声をかけてくださってありがたかったですし、今回も稲葉さんについて行こう、ついて行けば大丈夫! と思っています。

 

──今回は音楽劇ということで、お2人のどんな歌が聞けるのか楽しみです。

 

松岡 私は音楽劇への出演が初めてなので、大丈夫かな、という不安も正直あります(笑)。でも、音楽の持つ力というのはすごく大きいですよね。お芝居にプラスして歌が入ってくると、すごく大きな波を起こせるようなイメージがあります。

 

朝海 言葉とは違う音楽の力というものはありますよね。旋律で感情を揺さぶられちゃうこともいっぱいありますし、ストレートプレイとはまた違う魅力だなと思います。ミュージカルの場合は日本語を歌にのせることがなかなか難しいところがありますが、今回は寺山さんが書いた日本語の音楽劇だということはすごく重要なことだと思います。海外物のミュージカルとはまた全然違う印象を受けるんじゃないでしょうか。

 

──松岡さんは文学座所属、朝海さんは宝塚出身、そして他の出演者も様々なフィールドで活躍されている方々が集まっていて、バラエティ豊かなメンバーが顔をそろえました。

 

朝海 本当に、素晴らしいメンバーを揃えていただいて感謝ですね。

 

松岡 私は初めましての方が多いんですが、花瀬琴音ちゃんは彼女が主演した『遠いところ』という映画で、まりゑちゃんは映画『万引き家族』で共演しました。

 

朝海 私は、占部房子さんとは『M.バタフライ』で、伊藤壮太郎くんは『サロメ奇譚』で、内海啓貴くんは『アナスタシア』で共演しています。個人的には、ミュージカル界の大先輩といいますか、宝塚在団中から舞台で拝見していた北村岳子さんとご一緒できることがとても感慨深いといいますか、とにかく嬉しいですね。

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──この作品を楽しみにしているお客様へのメッセージをお願いいたします。

 

松岡 こんなに豪華なメンバーが集まった音楽劇なので、どんな化学反応が起こるのかを楽しみにして欲しいですし、2024年の2月という今のこの時代にやる意味は絶対ある作品だと思います。とはいえ、肩肘張らずに劇場に足を運んでもらえたらと思います。

 

朝海 このお話は紀元前のお話しなので、その頃の人たちは何を考えていたのかな? とのぞきに来るだけでも、とても有意義な時間になると思いますし、有意義な時間にしていただけるように私たちも精一杯頑張りますので、ぜひ見に来ていただければ嬉しいです。

 

取材・文:久田絢子

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20239月にニューヨークで、日本を代表する若手の和楽器奏者陣と現地オーケストラとのコラボによる「オーケストラ響(ひびき)」公演を成功させた川井郁子。

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自身が奏でる"情熱のヴァイオリン"と日本人の根底に流れる邦楽器の音色(篠笛・尺八・箏・琵琶・笙・篳篥)を融合した、国境やジャンルの垣根を越えた音楽性はデビュー当時からの彼女のテーマであり、同公演はその集大成であった。

現在、大阪を皮切りにレギュラーである和楽器奏者チームと管弦楽団を共演させた「NY公演凱旋記念コンサート」ツアーが進行中だが、最新の映像技術を駆使して葛飾北斎の浮世絵や桜、能、ダンサーなどのダイナミックな立体映像が、音楽と一体になって壮大なロマンを描き出すステージは各地で大きな話題を呼んでいる。

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2016年の日本初演から"劇場で楽しむクリスマス"として、渋谷の冬の風物詩となっている

『ブロードウェイ クリスマス・ワンダーランド』
2023年12月16日(土)から、東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11階)で開幕する。

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なお、2016年の日本初演から続く演出での上演は今年が最後となる。

初日を前にした15日(金)、ゲネプロ(総通し舞台稽古)が行われた。

その様子を写真とともにお伝えしよう。

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フランス各地でロングランを続ける「Fallait pas le dire」。この度、六本木トリコロールシアターにて『Fallait pas le dire~『それを言っちゃお終い』ストレートプレーとして、12月7日(木)~12月17日(日)まで上演される。
出演には元宝塚歌劇団の綾 凰華、テレビ・映画・舞台と幅広く活躍する天宮 良、そして「RENT」『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』と大型作品への出演も続く百名ヒロキと実力派キャストが揃った。
まもなく初日を迎える本作の稽古場より、各キャストからコメントが到着した。

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綾 凰華

(1)自身が演じる登場人物の印象、演じていて楽しいこと、難しい部分などがあれば教えてください。
同一の人物をキャスト3名で演じ分けて行くのですが、各場面が進むにつれてその人物像がより鮮やかに描かれていきます。
ちょっとした話し方や受け答えの仕方で、この男女の性格が見えて行くのも面白いですし、なんでこの2人が一緒にいるんだろう?と思わなくもないけど、でも大切な存在として繋がっている。
正反対にも見える2人の男女が寄り添って生きている姿を描ければと思います。

(2)フランス現代劇として本国ではロングラン上演もされている本作ですが、出演者の皆様が感じる戯曲の面白さや、見どころを教えてください。
フランスジョークと言いますか、ちょっとした含みのある皮肉の言い合いとか、とにかく言葉の巧みさが面白いです。
テンポや、感情の起伏の塩梅もとても絶妙で、スタート地点の気持ちの沸点が違えば同じ芝居でも毎回違う感情が湧き起こったり、まさに二度の同じ芝居はできない感覚です!

(3)来場されるお客様へのメッセージをお願いいたします。
12月となり、今年も残り僅か。冬の匂いの中でほっこりして頂けるようなそんな時間をご一緒できればと思います。
ぜひ劇場でお待ち致しております。

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天宮 良
(1)自身が演じる登場人物の印象、演じていて楽しいこと、難しい部分などがあれば教えてください。
彼と彼女の両方を演じるので、そこは凄く楽しいですね。
前の景では男で攻めていたと思ったら、次の景では女になって逆に攻めていたり。色々シュチュエーションが変わるので、役者として演じていてとても楽しいです。
そして女性をやる時は、どこか綾さんに寄せてやっているので、ただ女性をやれば良いということではないと思っているので、そこはなかなか難しいです......。

(2)フランス現代劇として本国ではロングラン上演もされている本作ですが、出演者の皆様が感じる戯曲の面白さや、見どころを教えてください。
コメディーといっても色々ありますが、やはりフランスコメディーという点。日本のコメディーとは違った粋なやり取りや、ストレートな表現等、大人なコメディーという感が強いので、とても新鮮です。
なかなかセクシーなネタもありますが、やはりそこは非常にセンスが良くいやらしくなく書かれているのが、フランスだなぁ~とも感じています。

(3)来場されるお客様へのメッセージをお願いいたします。
師走の慌しい時期ですが、劇場でちょっと小粋なコメディーで心温まっていただけたらと思います。
是非劇場でお待ちしています。

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百名ヒロキ
(1)自身が演じる登場人物の印象、演じていて楽しいこと、難しい部分などがあれば教えてください。
彼も彼女もどちらも行ったり来たりしながら演じたりでノンストップのほぼ二人芝居の連続がスリリングで楽しいです。
難しいのはフランスの題材なのでフランス人の価値観、感覚から来る台詞の読み解きやお客さんにちゃんと意味が伝わるかどうかが難しい所です。

(2)フランス現代劇として本国ではロングラン上演もされている本作ですが、出演者の皆様が感じる戯曲の面白さや、見どころを教えてください。
フランスのお国柄が思う存分に現れていてるこの作品を日本語に訳した事自体が挑戦だと思います。
それを日本で上演しようと思うのはもっと挑戦だと思いました。これからも色んなキャストさんで紡がれていく作品だと思います。
今回だけの色をお楽しみくださいませ。

(3)来場されるお客様へのメッセージをお願いいたします。
六本木のど真ん中で行われるこの作品。限られた時間の中、良い演劇を作ろうと出演者そして演出家と四人で藻搔いています、怒涛の4、5分の短編の連続をお楽しみに!


公演は12月7日(木)~12月17日(日)まで六本木トリコロールシアターにて。チケットは発売中。

IMG_4193.JPGのサムネイル画像

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2023年12月7日より有楽町よみうりホールにて上演される
オリジナル・ミュージカル「The Agent」

"アツい"稽古場の様子とTETSUHARUさん、屋良朝幸さんから見どころを含めたメッセージが届きました!

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企画・演出・上演台本]TETSUHARU コメント

屋良君と一緒にやるのは4年ぶりになります。『THE CIRCUS!』シリーズと謳っていますが、新作ということで気合いを入れ、前回を踏襲しつつ、パワーアップしたものをお届けできたらなと思います。稽古は佳境ですが、熱の入った稽古をしています。

レンとザックのナンバーは、今回の見どころの1つでして、個人的にも創作していてテンションの上がった大好きな楽曲です。

まだまだ発展途上の中でのお披露目となりますが、現時点での最高のパフォーマンスをお見せできたらと思います。

[主演]屋良朝幸 コメント

すでに汗だくで(リハーサルを終えて)、それぐらい激しいアクション・ダンスの作品です。

踊り闘うのがTETSUHARUワールドの魅力なので、『THE CIRCUS!』シリーズを観た事がない人も最高のエンターテインメントを楽しみにしていただけたらと思います。よろしくお願いいたします!

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_OK_0105.jpg_OKX_0385_.jpg(撮影:岡千里)

~公演情報~

12月7日(木)~12月24日(日) 有楽町よみうりホール(東京都)

˗ˋ チケットのご購入はこちらから ˊ˗

公式サイト

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