●ヒラノの演劇徒然草●
帝国劇場100周年の記念の年のラストを飾る
『ダンス オブ ヴァンパイア』。
ウィーン発の人気ミュージカルで、日本では2006年に初演。
初演時の千秋楽には、当日券を求める観客が1200人以上列を作ったという、人気作です。
物語は、ヴァンパイアの故郷・トランシルヴァニアが舞台。
ヴァンパイアを研究しているアブロンシウス教授と、その助手のアルフレートが大雪に遭難して宿屋へ転がり込んでくる。
宿屋では村人たちが陽気に「ガーリック、ガーリック♪」と歌っているが、なんだか様子がおかしい...?
そんな中、アルフレートは宿屋の娘・サラに一目ぼれ。
しかし、サラに目を付けていたのは彼だけではなく、もうひとりいた。
それこそが、ヴァンパイアのクロロック伯爵で...。
クロロック伯爵とアブロンシウス教授の対決を軸にした作品ですが、登場人物が揃いも揃って、変な人ばかり!
教授はエキセントリックすぎるし、アルフレートは気が弱くてスポンジに翻弄されるし、「ここを出たい」と自由を求めるサラは、その自由が「好きな時にお風呂に入ること」だったりするし。
ほかにも伯爵の手下・クコールさんや、伯爵の息子・ヘルベルトなど、クセのある人たちのオンパレード。
でも共感できる恋愛模様があったり、ちょっと哲学的なことが潜んでいたりと、噛めば噛むほど味の出るミュージカルなんです。