ミュージカル『王家の紋章』再演が、昨年の初演を経て、現在好評上演中です。
約半年という異例のスピードでの再演にもかかわらず、大きなところから細部に至るまでブラッシュアップされた、新たな『王家の紋章』になっており、キャスト陣も日々熱演中!
5月7日に千秋楽を迎えた東京公演に続き、5月13日(土)には大阪公演が開幕します。
再演版のみどころやディープな裏話を、ともに「王族(=原作漫画のファン)」でもあるメンフィス役・浦井健治さん、キャロル役・新妻聖子さんに伺いました。
東京公演終盤の某日行われた、公演直後のアツい対談をご堪能ください!
浦井健治 & 新妻聖子
ロングインタビュー
●再演で、どこが変わった?
―― メンフィスとキャロルのおふたりに揃ってご登場頂いて光栄です!
新妻「(浦井さんに)いやー、なんか、久しぶりだねえ!?」
浦井「いやいや、今、一緒に舞台に立ってたでしょ!」
新妻「そうなんだけど!"健ちゃん"と会うのは久しぶりな感じだよ!」
浦井「あぁ、それね。しかも、この間廊下で「メンフィス~!」って言ってたよね」
新妻「そうそう、私、自分の昼公演が終わったあと、しばらく用事があって楽屋にいたんです。それで廊下で夜公演に出ていくメンフィスと素の状態ですれ違ったら「メンフィスだー!!」って思ったんですよね」
―― ご自分がキャロルじゃない状態で。
新妻「自分がキャロルでいる時は平気なのに。「あー!メンフィスだ!」って...」
浦井「言った、言った。あなたキャロルでしょ、何を考えてるの!? って思ったよ」
新妻「もう、「ひゃあ!」ってなっちゃって。マイケル・ジャクソンに会った、みたいな感覚よ。だから冷静に見ると健ちゃん、相当メンフィスですよね」
浦井「わははは(笑)!」
―― さっそく、仲の良さが滲み出ておりますが...。現在『王家の紋章』再演を好評上演中です。昨年8月の初演を経て、半年ちょっとのはやさでの再演となりましたね。
浦井「稽古最初から全ステージングが変わっていくし、間に合わないんじゃないかと思うくらいだったんです。でも聖ちゃんと、稽古場で "メンフィス&キャロルはこうだ"というようなことを、どんどん提示していったの。これがすごく有意義な時間になって、今僕は「この人に一生ついていこう」ってくらいになってます(笑)」
新妻「あっはっは(笑)。ついてこーい!」
浦井「エジプト統一しちゃってください(笑)! ...いやもう、ほんと頼もしかった。でも愛らしいし、最高だよね」
新妻「ありがとうございます。私は今回、"芝居の稽古"の時間があったことがすごく楽しくて。初演はゼロから立ち上げる作業なので、例えるならばみんなが大工さんで、家の枠組みを全員がトンカチを持ってひとつずつ釘を打って作り上げた、って感じなんです。今回はもう、枠組みは作って頂いていたので、家のインテリア選び、内装から始められた」
浦井「そうそう」
新妻「内装というのはつまり、役の中身。心を作る作業に1ヵ月かけられた手応えがあります。それが今回の公演の充実に繋がってるんじゃないかな」
―― とはいえ、初演からこんなに変わると想像してました?
浦井「演出の荻田(浩一)さんはじめ、みんなの中に「変えたい」という思いがあったんだよね」
新妻「でも私は、むしろもっと変わると思ってました」
――本当ですか?
浦井「結構違いますよね? ...そうだよ! 全部違うじゃん!」
―― と、思います。新曲の追加やシーンのカットとかもありますが、やっぱりセットがずいぶん変わったので受ける印象が違いますし、皆さんの動線もずいぶん変わったなと。
新妻「それは荻田さんのメスの入れ方が上手いんですよね。やってる側としては実はそんなに変わった感覚がないんです。お客さまの第一印象は、セットが変わった! というのが多いみたいですね。今日も観に来てくださった方がそれを話していました。中にいると私、本当に気付いていないんですけど(笑)」
浦井「えー!? もう東京公演終わるから、そろそろわかって(笑)」
新妻「(笑)。どこが変わったの?」
―― なんというか、"石"感が出ました。古代エジプトの石の宮殿感が。高低のバリエーションもついて。
浦井「古代感ね!」
新妻「そうなんだ~!いやほんと、気付いてなくて」
浦井「この太陽のように天真爛漫な聖ちゃんが、どーんと居てくれる、それがメンフィスとしてどれだけ心強いか!...って、ことです(笑)!」