2016年5月アーカイブ
5月19日(木)に開幕したWBB vol.10『懲悪バスターズ』の公開ゲネプロ&囲み取材に行ってきました!
ジャニーズ事務所の佐野瑞樹さんと、
*pnish*の佐野大樹さんの兄弟がプロデュースする公演「WBB」の記念すべき10作目となる本作!
交互に演出を担当していて、今回は弟の大樹さんが作・演出を、お兄さんの大樹さんが主役を演じます。
大樹さんの作品は、マンガのようなポップさが魅力。
今回は落ちこぼれの悪霊と変わり者の人間が織りなす、ダンスあり殺陣ありの「サイエンス×ホラー×アクション活劇」です!
その変わり者の人間を演じるのは大樹さん。そして落ちこぼれの悪霊を演じるのは...
ロンドンブーツ1号2号の田村亮さん(真ん中)です!
落ちこぼれなんだけど、どこか憎めない田村さん。その仲間たちを演じる鈴木勝吾さん、
OH-SEさん(電撃チョモランマ隊)、五十嵐麻朝さんも個性的なキャラクターです。
OH-SEさん(左)は振り付けも担当。ダンスシーンでの無重力?と感じるようなソロはかなりの見どころ。
かっこいいですよ!
落ちこぼれの悪霊たちは人を脅かすことが苦手で、悪霊学校の鬼教官(政岡泰志さん)に怒られてばかり。
実技の練習はプチコントのような雰囲気もあって、笑ってしまいます。
鬼教官(左)、見た目はめちゃくちゃ怖いんですけど、毎回ププッと笑える一言を挟み込んでくる素敵な(?)熱血教官です!
人間側の登場人物は、悪霊退治の薬を発明中の天才科学者・舘合(瑞樹さん)と、
その助手を演じる有澤樟太郎さん、所長を演じる原 金太郎さん。
原さん(左)と有澤さん(右)。有澤さんは何かあるとすぐ「たてあいさ~~~ん!」と連呼します。
この呼び方は稽古場で大流行したそうですよ(笑)。
さらに、悪霊退治兵器・オーメン(大樹さん)を使い、暴利をむさぼる恋塚(土屋佑壱さん)は、見るからに悪そう...。
金の亡者役の土屋さん(左)と、彼に操られるロボット役の大樹さん(右)。
土屋さんは悪霊退治の薬を奪うため、悪だくみが冴えわたります。
土屋さんのへっぽこ悪役ぶりはコミカル!悪いやつなんですけど、どうも嫌いにはなれないんですよね~。
ストーリーはいたってシンプル!
一人ひとりが魅力的なキャラクターたちがワイワイと動き出し、楽しく賑やかに展開していきます。
悪霊と人間の友情は? 悪霊退治の薬の行方は? 悪霊学校を無事卒業できるのか?
そんなエピソードの中に、温かな気持ちや大切なことがそっと潜ませてある舞台です。
WBBでは一番大きな劇場で、素敵なセットに素敵な音楽、素敵な照明と、10作目への気合は随所に感じられます!
休日に、仕事帰りに、家族で、一人で、友達と......観れば明日への活力になるはず!
公開ゲネプロのあとは囲み取材が行われ、
そこでは瑞樹さんのジャニーズ25周年のお話もありました!
「僕 実は事務所に入ってちょうど25周年で。今回こういう規模で主役をやらせていただいて、これだけの多くのみなさんに集まっていただいて、注目していただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。これから初日に向けて、最大限パフォーマンスをしていきたいです」(瑞樹さん)
今回、演出・脚本・出演をする大樹さんは「亮さんをはじめ素敵なゲストに囲まれて、演出をできて本当に嬉しく思ってます。あとは観に来てくださるお客様に本当に楽しい時間を与えたいなと思っております。がんばります」。
田村さんは「やりやすい雰囲気です。(キャストの中で)年齢は上の方なんですけど、先ほどゲネが終わって、
僕にちょこちょこしたミスがあったのを、26歳の鈴木省吾から『うん、ゲネで出してるほうがいいっすよ!』って(笑)」と、仲の良さがうかがえるエピソードを話してくれました。
大樹さんが「(瑞樹さんは)口出しはしないけど、いざとなったらいるからなという感じでいてくれるので、とても頼もしいです」
と話すように、2人で作り上げてきたWBBの10作目。
瑞樹さんも「とにかく今回はすべて出そう、と。踊りもありますし、アクションもありますし、笑いもありますし。今回なんといっても非常にいいセット、いい照明、いい音楽があって、この世界観を盛り上げてくれている。
僕らも劇場に入って実際に場当たりしたときにグッと気持ちが上がって、スタッフさんの気持ちが見えて。大樹が目指していた"テーマパーク"のような、いろんなもので楽しめる作品になっていると思います。役者も全力を出していきますので、楽しんでいただきたいです」
と、作品への想いを語ってくれました。
WBB vol.10『懲悪バスターズ』は5月22日(日)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウス、
5月28日(土)から29日(日)まで兵庫・新神戸オリエンタル劇場にて上演。
そして、
WBB vol.10.5『リバースヒストリカ2016』 も7月に上演決定!
大樹さんがリーダーを務める*pnish*の人気戯曲をWBBで上演します。
出演は小笠原健さん、吉岡佑さん、佐川大樹さんをはじめ、多彩。ぜひチェックしてみてください!
5月19日(木)の開幕を目前にした、
WBB vol.10『懲悪バスターズ』の稽古場に直撃!
佐野瑞樹さん、田村亮さん(ロンドンブーツ1号2号)、五十嵐麻朝さん、有澤樟太郎さんにお話をうかがってきました!
――ご自身の役柄の紹介をお願いします。
瑞樹「人間で天才科学者の館合(たてあい)役です。人と付き合うのは苦手な、ちょっと変わり者です」
田村「悪霊のレイヴン役です。落ちこぼれだけど人がいいプラス思考の悪霊です」
五十嵐「悪霊のススス・ムシュフシュ役です。本人はエリートだと思っているけど落ちこぼれ、という感じの役です。家柄はいいらしいです(笑)」
有澤「人間で研究員の高坂役です。ポジティブで人懐っこいキャラです。館合さんの助手役なんですけど、なんかあったら『たてあいさん、たてあいさーん』って」
田村・五十嵐「クセになる(笑)」
――瑞樹さん以外はWBBは初参加ですが、稽古はいかがですか?
有澤「今まで同年代が多い現場しか経験したことないので、大人な雰囲気というか。稽古場もいい意味で静かで、話す時も意味のある話をしていて。すごいなーって」
田村「今まではもっとキャッキャしてたの?」
有澤「はい、してました(笑)」
瑞樹「でも確かにWBB作品の中では今までで一番平均年齢が高いかもしれないです」
有澤「すごく色々学べるし、たくさん吸収していきたいなと思います。あと、笑いもひとつ上の笑いっていうか」
瑞樹「おお(笑)」
――それは舞台の笑いが?
有澤「雑談です」
田村「え!(笑)」
有澤「プロの田村さんがいらっしゃるので、ひとつ上の笑いが...」
瑞樹「あはははは!」
田村「(笑)そう感じてんのやもんな。嬉しいな」
有澤「(大真面目に)そういう尊敬もありますね」
――五十嵐さんはいかがですか?
五十嵐「ビジュアル撮影の時に大樹さんと瑞樹さんとお会いしたんですけど、朝一だったんでテンションが低くて...」
瑞樹「それ、毎回言われる。しょうがないでしょう!(笑)」
五十嵐「怖いかなと思って稽古場に入ったら、アットホームでみんなやさしくしてくれてよかったです。今回は大樹さんが脚本・演出をやられてるんですけど、瑞樹さんはお兄ちゃんだから口挟むのかなとか思ってたんですけど。そんなことなかった」
瑞樹「あれは歯食いしばって我慢してるの。前回大げんかやらかしちゃってるから(笑)。あれでみんなドン引きしちゃったんで、もう二度とやるまいと決めてね」
五十嵐「そういう関係性も見れて、勉強になります」
田村「僕は客演で出るということ自体が初めてなので、楽しいことだらけです。キャストには原(金太郎)さんもいらっしゃるので、こういう風にアプローチしていくんやとか。土屋(佑壱)さんも、この脚本でこういうところに自分らしさを放り込んでくるんや、みたいな。こういう風にやっていくんだなって、勉強になってます」
――制作発表の時に「遠慮しないでほしい」とおっしゃってましたがどうですか?
田村「それはぶっちゃけ言うと、いかんせん年齢も大樹さんより上だし、ちょっと気遣ってる部分はあるのかな、とは感じてます」
瑞樹「あ、気は遣ってますけど、大樹は言いやすいと思いますよ。聞く姿勢がすごいから、亮さんって。緊張はしてると思うんですよ。大樹からしたら大先輩だし。でも見てるとすごく話しやすそう。亮さんが真面目だし、すごく大樹の気持ちを汲み取ってやってくれるので、やりやすいんじゃないかな。亮さんいい人でよかったねって」
田村「弟にいう感じで(笑)」
――瑞樹さんは、稽古場で今までと違う部分はありますか?
瑞樹「やっぱり規模が大きい。あと、いつもより個性が強い人が集まってる感じがします。すごく確立されてる方というか、単独で生きていける人が集まってる。それが大人な印象になってるのかな。変な話だけど、今までで一番プロの現場っていう印象があります。キャスティングもそうですが、公演の規模とかいろんなものが加味してるのかな」
――今回、今までになくダンスもたくさん取り入れてると聞きましたがいかがですか...って田村さんが首を横に振られてますが(笑)。苦手ですか?
田村「超苦手です。役柄上、麻朝と(鈴木)勝吾は一緒に踊ることが多いのですが、OH-SEさんが教えてくれてて2人が覚えた時の『もういけました!』みたいな感じがちょっと癪に障るんですよ!(笑) OH-SEさんがやってくれてる間はそんな言わんと俺に付き合ってくれたらいいやんって思うんですけど」
全員「(笑)」
――仲よさそうですね。
五十嵐「ふふ、楽しいです」
田村「でも悪霊の最初のダンスはすごいですよね。キャラクターに合った振り付けってあるんだって思いましたもん」
五十嵐「人間の方は難しそうなかっこいいダンスですよ」
――瑞樹さんはジャニーズでダンスもやられてきたから。
瑞樹「楽しいです。不思議な感覚なんですけど、(ジャニーズJr.)当時は本当に嫌だったんですよ。でも久しぶりにやると、踊るって楽しいなあ! 気持ちいいなあ! って。1ヶ月かけて少しずつみんなでやりながら、じゃあここはみんなで揃えようかとかここがポイントだねとか言いながら身体動かして。あの頃とは違う楽しさがあるなと。不思議な感覚にはなりますね」
――大樹さんの演出はいかがですか?
有澤「大樹さんの頭の中の高坂を丁寧に教えてくれます。もちろん僕自身で作り込むところは作っていかないといけないんですけど、そうやって教えてくださるので、ダメかもしれないことでも挑戦してみようという気になります。すごく温かいです」
五十嵐「言われたことを全部やるのは当たり前だけど、僕も僕で『こういうこともできます』っていうものは出したくて。そうやってやりながら一緒に作れてる感はあります。いい意味で頑固だなと思うし、大樹さん。だからそれに負けずに食らいついてやってます、今」
田村「僕は導いていただいてる感じですかね。こういう風にやってくださいっていうより、まずはどうですかって聞いてくれる。すごくやりやすいです」
瑞樹「これだけいろんな個性の人たちを集めて演出できる幸せっていうのは絶対にあると思うんですよ。だからこそ限界点を突破して、本当に苦しい中でやってほしいです。絶対に自分のやりたいことやらなきゃだめだと思う」
――最後に意気込みを。
有澤「10回目という記念公演に呼んでいただいたので、しっかり自分の存在感も出しつつ、チーム感も大切に、お客さんに最高に楽しんで帰っていただきたいなと思っています。先輩方に食らいついて、最高のものにしたいです」
五十嵐「ベテランがたくさんいる現場ですから、その中で空気にならずに爪痕残せるように頑張ります!」
田村「WBBの二人に呼んでよかったって思ってもらえるようなことを残したいなと思います。本番は僕、楽しむ能力が異常に高いので、出演者の楽しんでる感は伝わる自信があります」
瑞樹「観に来てくれた人たちが『来てよかった、観てよかった、楽しかったね』って言って帰ってもらえる作品にしたいですね。お話はすごくわかりやすくて楽しいけど、きっちり作ったプロの芝居をお届けしようと思っています。ぜひ観に来てもらいたいです」
WBB vol.10『懲悪バスターズ』は5月19日(木)から5月22日(日)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて。
その後、兵庫・新神戸オリエンタル劇場にて上演。
<おまけ・・・>
撮影時、カメラマンの指示で田村さんの肩に手を置こうとする有澤さん・・・。
構える田村さん・・・。
肩に手を置かず何故か両手で触る有澤さんに爆笑!
無事に手を置いてばっちり撮影できました!笑
文:中川實穗
撮影:源賀津己
『オペラ座の怪人』のファントム役として世界中のファンに愛されているスウェーデンの国民的ミュージカルスター、ピーター・ジョーバック。彼が考案し、ヨーロッパで大ヒットを記録したミュージカルコンサート『アイ・ラブ・ミュージカルズ』がついに初来日公演を7月7日(木)日本武道館にて実施いたします!
ナンセンスをやろう、と2人がタッグを組んだこの企画に、レギュラーで参加しているのが山西 惇。硬派から軟派の芝居まで多岐に渡る作品に出演、重要な役どころにキャスティングされる個性派俳優だ。この企画でも、古田をはじめ、大倉孝二、入江雅人、八十田勇一、犬山イヌコらクセ者ぞろいの役者陣の中、その存在感はひと際異彩を放っている。4月、「イニシュマン島のビリー」大阪公演に出演した山西を取材、「ものすごく消耗するけど、ほんとに楽しい」と語るお騒がせ企画への想いやこれまでの作品の話を聞いた。
「長い俳優人生で、初めてお尻出しました。後にも先にも、これだけ」というのが、第1弾の『犯さん哉』。前2作とも怒って途中で帰るお客さんがいた。が、大阪のお客さんはそう簡単には帰らない。第2弾の『奥様お尻をどうぞ』は、東京公演では帰る人がいたが、大阪公演は逆に「熱狂的だった」と山西。「総立ちのカーテンコールで、みんな帰らない。すごかったなぁ」。この2作目の公演時期は東日本大震災のすぐあと。どうしようもなくバカバカしいやり取りの中に、世相を反映したネタが盛り込まれた。「こんなしょうもないセリフに、これだけの説得力をもたすのは、あなたにしかできない」と、仲間から賞賛される。「デタラメを突き詰めていくと、笑えるのかどうかわからなくなる、ちょっと怖い領域に入っていく。そのキワキワのとこをやりたいんですよ。なんかすごいな、とも思わせたい」。それには、俳優としてのスキルの高さが求められるのだ。 古田が「3分の1の人が大絶賛してくれれば、観客の半分は怒って帰ってもいい」と豪語する企画。「若い頃からずっと周期的に言ってます(笑)。演劇の持つ凶暴さ、ボクらが若い頃に観た唐(十郎)さんや寺山(修司)さんの芝居のような、ゾワゾワっとした気持ちを与えられる作品を作りたいという気持ちはすごくわかります。でも、ボクはできれば帰ってほしくないです(笑)」。これまで観たことがある人は「相変わらずだな、良かったって思っていただけると思う」。初めて観る人は「世の中にこんな芝居があっていいんだと(笑)。いいんです、こういう芝居もあって、いいんです! 観終って説明のしようがない、『観てみないとわからない』って友達に言ってもらえるような舞台を目指します(笑)」。
公演は、7月24日(日)~8月21日(日)まで東京・下北沢 本多劇場、8月27日(土)・28日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 中劇場、9月1日(木)~4日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、9月10日(土)・11日(日)までりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 劇場で上演。
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ライター:高橋晴代