2016年4月アーカイブ
◆ ビジュアル撮影レポート ◆
『ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」"頂の景色"』 の東京公演が、4月25日にAiiA 2.5 Theater Tokyoで開幕しました。
原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の同名バレーボールマンガ。
2015年秋の初演が大好評を博し、今回は"速攻"再演です!
主人公は身長162.8cmの日向翔陽(須賀健太)。
「小さな巨人」と呼ばれる選手に憧れ、バレーを始めます。部員が集まらずほぼ一人で練習をしていた中学を卒業し、
遂に「小さな巨人」の出身校・烏野高校に進学。そこで、中学時代にコテンパンにされた影山飛雄(木村達成)と再会します。
この出会いが互いを成長させ、烏野高校バレー部も新たな一歩を踏み出す、というストーリーです。
日向と影山は寄ると触ると喧嘩。しかし、入部テストで影山が「お前の能力、俺がぜんぶ使ってみせる!」と日向の手元にトスを上げるという攻撃方法を見つけ、2人はコンビに。
そして、本作の大きな特徴は、漫画×演劇×映像のハイブリッドパフォーマンスである"ハイパープロジェクション演劇"。
今回の再演では、生カメラなど演出ギミックもパワーアップしています。
マンガの1コマのような演出。日向と月島 蛍(小坂涼太郎)のジャンプは人力で表現されています。
試合のほとんどは、音楽に合わせた振り付けで表現。
この振り付けがすごいんです!
音楽業界で活躍中の左 HIDALIさんが担当しているということで、舞台ではなかなか見ないような動きが満載。
乱れのなさにも感動します!
バレーボールの動作が取り入れられ、かっこいいのに試合の流れもしっかりわかる魅力的な振り付け。
「八百屋舞台」も本作ならでは。前方に向かって傾斜がついた形状で、どの席でも斜め上から舞台を観ているような状態になるのです。
つまり、奥の人がなにをしているかも一目でわかり、バレーの臨場感がより高まる!
そしてそんな舞台の真ん中にはさらなる仕掛けが。中央の円形部分が......動きます!
烏野高校バレー部のたまり場・坂ノ下商店の1コマ。
円形部分が斜めにせり上がっています。実は結構な傾斜なのですが、キャストのみなさんは平地にいるかのように立って歩いてはしゃいで転がっていました。
影山も、中学時代に「自己中トス」「コート上の王様」と呼ばれ、試合中に上げたトスの先に誰もいなかったトラウマがあります。
ですが、影山に全幅の信頼を置いて試合に臨む日向が彼を少しずつ変えていきます。
それと同じように「俺が居ればお前は最強だ!」という影山の言葉も日向に自信をつけます。
そんな影山の元チームメイトが多く在籍するのが、今作で対戦した青葉城西高校バレー部。
県内屈指の強豪校です。中でも先輩の及川 徹(遊馬晃祐・左から4番目)はサーブだけで次々と点を入れる実力者で、試合ではその差を見せつけます。
彼らとの練習試合以外にも、入部テストや部内の紅白戦など、本作ではさまざまな試合が描かれ、そのなかで彼らも成長していきます。
ゲネプロ後の囲み取材で、主演の須賀さんが本作の見どころについて「演劇への挑戦。原作の持つ力はもちろんですが、三次元の僕たちが生でやるということが一番の魅力。スタッフさんもそれに合わせてプロジェクションなどをつけてくださっていますが、そこに負けない熱量やお芝居を観てほしいなと思います」と話したほか、
各キャストのみなさんも、再演ということで役同士の関係性や個人のドラマ性をより深めていることを語ってくれました。
また、演出のウォーリー木下さんは、「演劇は総合芸術。スタッフ・音・光・映像そして役者、全部がひとつになって新しいものが作れたんじゃないかなと思います。それを皆がライブでやっているので、お客様もあまり構えず、音楽のライブに行くような感じでぜひ観に来ていただけたらなと思います」と話しました。
部員が全員揃い、監督も決まった烏野高校バレー部。これからどんなストーリーを展開していくのでしょうか!?
続編に期待が高まります!
©古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
<あらすじ>
物語は一人の老人"ムラカミ"の回想から始まる。
曖昧な記憶を辿るように、かつてここにあった幻の国マランシュが蘇る。
ムラカミはかつて、ヤンパオ帝国の特務機関としてマランシュに駐留していた。風吹く荒野に忽然と姿を現したこの国に、理想を求め、多くの人や民族が集まってきた。皇帝を中心としたマランシュ族、陸軍の騎兵隊を務めるメンガイ族、踊り子のカリオン族、地方の軍閥である馬賊、そしてヤンパオからの居留民たち。それら五つの民族の人々が、偽りの協和のもと、マランシュに共存していた。
メンガイ族の騎兵隊長バートルは、カリオン族の踊り子ミランと秘かに愛し合っている。しかしマランシュの皇帝プージェは、五族協和の象徴として愛娘フイシェンとバートルを結婚させようとする。バートルはミランへの愛と民族への想いの間で苦悶する。そしてメンガイ族の独立を信じ、フイシェンとの婚約を承諾してしまう。
一方、隣国オロルから亡命してきた大僧正ガルシンも、踊り子ミランに想いを寄せている。しかしその想いはミランによって拒まれ、その背後にバートルとの逢瀬があることを知る。ガルシンが皇帝プージェにその事実を密告すると、それを知ったムラカミが特務機関として暗躍していく。
政治、宗教、民族の対立...あらゆる人々の思惑が憎しみとなって渦巻くなか、バートルとフイシェンの婚約式が始まろうとしていた──
東京ゲゲゲイをご存知? MIKEYこと牧宗孝が率いる異能のダンスチームで、ハイセンスかつ奇天烈なパフォーマンスは、一度見たらもうトリコ。
そんな彼らが出演するエンタテインメント、*ASTERISKの公演が今年もやってきます! 2015年5月に開催された『女神の光』は加藤ミリヤのテーマソング、総合演出・構成・振付・脚本を牧宗孝が手がけ、全公演ソールドアウト。
そして今年はグリム童話『白雪姫』をベースに、人気作家・中村うさぎが原作書き下ろし。牧の演出・振付のもと、日本のトップダンサーが集結します。
今回は稽古開始を前に、東京ゲゲゲイのメンバー(MIKEYさん、BOWさん、MARIEさん、MIKUさん、YUYUさん)が集まる座談会にお邪魔しました。
・・・そもそも『白雪姫』というアイデアはどこから?
MIKEY 誰もが知る物語で、魔女=悪役という定説をくつがえすお話を作りたかったんです。そんなとき、うさぎさんがメルマガで、「白雪姫は寝てるだけ。一番人間的な感情を持ってるのは魔女だ」と書かれていて、これだ! と。
MIKEY
・・・今回は個性派俳優、加藤諒さんも出演。加藤さんは昨年の残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』で共演されました。
MARIE そうそう諒くん、また一緒!
BOW 諒くんて、普段もあのまんまです。もうちょいオカマっぽい感じかな(笑)
MIKEY 彼は数年前に私のダンスレッスンにひょいと現れて。「強烈なのが来たな」と。あのとき、「MIKEYさんの作品に出るのが夢」って言ってたけど、まさか実現するとは!
MARIE 『ライチ〜』のときは、役者さんたちの食いつきがすごくて。MIKEYさんの振付を体に入れようとする姿勢も勉強になりました。
MARIE
YUYU ホント、すべてが新鮮。失敗したことを明日は頑張ろうとか、今日は気持ちを変えてみようとか、得たものはいっぱいあります。
YUYU
・・・2013年結成の東京ゲゲゲイ、メンバーはMIKEYさんのスタジオの生徒さんだったとか。
MIKU 私がMIKEYさんと出会ったのは小学校5年生。MIKEYさんはほかのダンサーとは全く違っていて、見た瞬間に興奮しちゃって。絶対一緒に踊りたいって思ったんです。
MIKU
MIKEY ゲゲゲイではいつも私の頭にあることをみんなが体現する感じです。振付の意味はあえて言わないし、みんな聞かない。説明や言葉にベクトルをおいてないんです。自分の頭で描いたことを作り続けていきたい、ただそう思っています。
BOW 今回、MIKEYさんの演出で、どんな風に出演するのか、新しい白雪姫に私たちも期待してます。いろんな方が出演されるので、お客様に「ゲゲゲイってどれ?」って思われないようがんばらないと!
BOW
東京ゲゲゲイ
なるほど彼らは、言葉を身体で表現、ダンスでメッセージを伝えるアーティストだと改めて実感! それにしても今回の*ASTERISKについてもう少し聞きたい、ということでPart.2ではMIKEYさんの単独インタビューをお届けします。
(取材・文/大西美貴)
◆ ビジュアル撮影レポート ◆
●ストーリー●
破天荒な黒人クラブ歌手デロリスは、殺人事件を目撃したことでギャングのボスに命を狙われるハメに。重要証人であるデロリスは、警察の指示でカトリック修道院に匿って貰うが、規律厳しい修道女たちからは天真爛漫なデロリスは煙たがられてしまう。そんなある日、修道院の聖歌隊の歌があまりに下手なのを耳にしたデロリスは、修道院長の勧めもあって、クラブ歌手として鍛えた歌声と持ち前の明るいキャラクターを活かして聖歌隊の特訓に励むことになる。やがて、デロリスに触発された修道女たちは、今まで気づかなかった「自分を信じる」というシンプルで大切なことを発見し、デロリスもまた修道女たちから「他人を信頼する」ことを教わる中で、互いに信頼関係が芽生え、聖歌隊のコーラスも見る見る上達する。が、噂を聞きつけた修道院にギャングの手が伸びるのも時間の問題であった...。果たしてデロリスは無事に切り抜けることが出来るのか?修道院と聖歌隊を巻き込んだ一大作戦が始まる! (公式サイトより)
蘭寿は「初のアフロヘアです! 扮装した瞬間からテンションが上がりました」と、新しい分野への挑戦に目を輝かせる。破天荒な黒人クラブ歌手デロリスは、マフィアから逃れるために飛び込んだ修道院で、規律正しいシスターたちと次第に心通わせてゆく。「歌手として輝きたいと自分のことだけを考えていた彼女が、初めて自分を必要としてくれる人と出会い信頼関係を築いていきます。シスターたちとの絆、彼女のピュアさを出してゆきたい」。
本作はウーピー・ゴールドバーグ主演の大ヒット映画を、ウーピー自身のプロデュースで2009年にミュージカル化し大成功した作品。蘭寿は招聘公演を観劇、「見た目はキュートなデロリスなのに、ダンスを踊りながら長いナンバーを歌って本当にパワフルでした。私も女性のキュートな面も表現できたら」と話す。
『アラジン』『美女と野獣』などのアラン・メンケンが音楽を担当し、ソウル、ゴスペル、ディスコミュージックなど幅広いジャンルの楽曲が詰まっている。「素敵な曲ばかりですけど音域も広いし挑戦です。ゴスペルではリズムをしっかり出し、よりパンチのある声を出せるようお稽古していきたいです」。先頃出演した地球ゴージャス『The Love Bugs』でも、大劇場を埋める歌声で進化を見せた蘭寿。「退団後ボイストレーニングを続け、発声の仕方を変えています。自分の声がどんどん変わってくるのが楽しくて」。歌う喜びを全身全霊で伝えるデロリスはまさにぴったりだ。「自分自身も心をバーンと開いて歌えるんじゃないかな。そこに至るまでは大変だと思いますが、森公美子さんも"一緒に作っていこうね"と言って下さっていて心強いです」。
5月22日(日) ~ 6月20日(月)の東京・帝国劇場を皮切りに、7月2日(土)・3日(日)の大阪・梅田芸術劇場 メインホール、その後、愛知・北海道・宮城などを廻る。東京・大阪・愛知公演は発売中。北海道・宮城公演は4月23日(土)から一般発売。
取材・文:小野寺亜紀
◆ 伊礼彼方 INTERVIEW ◆