国内唯一の公共劇場専属舞踊団「Noism」の新作登場!

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舞踊家達の圧倒的な身体によって生み出される作品で国内外で高い評価を得る、日本で唯一の劇場専属舞踊団「Noism(ノイズム)」が、4月中旬、東京都内で新作の製作発表会見が開催された。

オペラ・バレエで知られる物語をNoismオリジナルの物語として描く「劇的舞踊」シリーズ。第1作目の『ホフマン物語』(2010年)、『カルメン』(2014年)に続く、2016年の新作は、古典バレエの名作『ラ・バヤデール』を原案にした作品。古代インドを舞台に、舞姫ニキヤと戦士ソロルの悲恋を描いた物語を、劇作家・演出家の平田オリザが大胆に翻案し、オリジナル脚本を書きおろした。

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金森 穣 (演出)
2年前の夏に富山県の利賀演劇人コンクールで平田オリザさんとお会いする機会があり、直感的に平田さんと何かご一緒したいと思い、「Noismに何か書いていただけませんか」とダメもとでお願いしてみたところ、ご快諾いただきました。その後、平田さんから「既存のバレエ作品を翻案することに興味がある」と言われ、『ラ・バヤデール』を提案しました。書き上げていただいたものを読み、本当に平田さんにお願いして良かったなと思っています。

バレエの『ラ・バヤデール』をご存知の方は全く別物として観ていただいた方が良いですが、その際に何が何に置き換えられているかという事を読み説いていただければ、より作品の本質に迫れます。

今回は、平田さんの脚本をはじめ、空間を建築家の田根剛さん、衣裳をISSEY MIYAKEデザイナーの宮前義之さん、小道具を木工作家の近藤正樹さん、音楽は作曲家の笠松泰洋さんと、世界を舞台に活躍している一流の芸術家たちとこの作品を創れることを非常に嬉しく思います。ただ芸術家同士がコラボレーションをして好きなものをつくるのではなく、この作品を通して、我々が今生きている社会がどのようなものであって、どのような歴史の過程を経てこうなっているのか。そのような問題意識を、ある「幻の国」という仮想の国に置き換えた物語を通して、皆様と考え、共有できればと思います。

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平田オリザ (脚本)
私は劇作家ですが、この数年演劇の依頼は少なくなり、オペラをやったり、バレエを脚色したりする機会が多くなっています(笑)今回ご依頼をうけ、バレエの台本を書くという事がどういうことかと悩みまして、何もないところから新たに物語を書くのではなく、金森さんからヒントをいただき、『ラ・バヤデール』を翻案することにしました。

海外の、少なくともヨーロッパの公立劇場では、今この社会において問題になっている事柄について、考える題材を提供するのが公共性であるという共通の認識があります。日本の公共ホールではそのような志のある場所は残念ながら少ないですが、今回は、金森さんと共に、現代の私たちの抱える問題の根源はどこにあるのかを考えられる作品にしようと、この作品を書きました。

『ラ・バヤデール』はインドのカースト制を描いた物語ですが、それを民族対立の問題に置き換えて脚本を書きました。その設定のトレースは上手くいったのではないかと思っていますが、バレエですので、脚本の台詞を全部そのまま喋るということではありません。台詞のうちどの部分を実際に話し、どこを話さないかということは金森さんにお任せしています。創作の過程で何度も金森さんとはメールのやりとりがあり、ただ単に書いてお渡しした作品ではありませんので、今後も初日に向けお手伝いしながら一緒に創っていければと思っております。

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井関佐和子 (カリオン族の踊り子・ミラン)
『ラ・バヤデール』と聞いた時、穣さんがクラシックバレエでよく描かれるお姫様の世界とは異なる社会的な作品を選んだことは、ある種の必然と思いました。近年は特に"社会性や時事性を持った作品を創らなければいけない"と言っていることを傍で聞き感じており、今回平田さんとご一緒することは、自分にとってもあらためて世の中を考えさせられる機会になっています。

日本の舞踊界は、演劇界とは違い社会性を持った作品に出会うことがあまりありません。「表現」という言葉で済まされてしまう舞踊界にかねてから違和感があったので、この作品で世界情勢なども踏まえた創作に臨むことができるのは本当に嬉しく思います。

今回のミランという役については、穣さんから≪まれびと≫というキーワードをもらっています。今までは"強い"女性を演じ、"強い"女性の中にある"弱さ"を表現しなければならなかったのですが、今回は、時代に翻弄される"弱い"女性の中にある"強さ"を表現しなければいけません。そこには新しい挑戦があり、頑張っていきたいと思います。

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中川賢 (ミランを愛するメンガイ族の騎兵隊長バートル)
『カルメン』の初演・再演を重ねる中で"言葉を喋るように踊る"という感覚が自分の中に生まれた瞬間があり、それは今までにない経験でした。今回は更にゲストの俳優が3人いるということで、物語としてもより重層的になっているので、自分も舞踊家として"喋るように踊る"その感覚を更に深めていけるよう取り組みたいと思っています。

いつもは狭いスタジオで稽古を繰り返し、閉ざされた環境の中で毎日過ごしていますが、今回は錚々たる方々が作品に関わってくれるので、自分も皆さんから少しでも勉強できたらいいなと思っています。

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石原悠子 (物語のカギを握る"謎の女"ポーヤン/看護師)
いろいろと謎の多い役をやらせてもらうのですが、今回は2つの役がはっきりと分かれていて、自分の中で2役の差をつけようと日々取り組んでいます。まだ掴めない部分も多いのですが、これから稽古を重ねる中で沢山失敗し、沢山穣さんに挑み、「駄目だ駄目だ」と言われる中から新たな境地を発見できるように挑戦して、創っていきたいと思います。

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――平田作品について演出・金森 穣は――
簡潔。読んでいてすっと入ってくる。その表現の向こう側にある複雑な部分をとてもシンプルな形で提示していただける。凄く難しいことを簡単な言葉で言える人。

――金森穣について脚本・平田オリザは――
様々なことに挑戦する態度、決して奇をてらうのでなく真正面からぶつかっていく姿は、凄い勇気だといつも思っており、非常に素晴らしい。舞踊の実力、演出力については既に定まっていて私が言うまでもありませんが、素晴らしいと思います。


<あらすじ>
物語は一人の老人"ムラカミ"の回想から始まる。

曖昧な記憶を辿るように、かつてここにあった幻の国マランシュが蘇る。 ムラカミはかつて、ヤンパオ帝国の特務機関としてマランシュに駐留していた。風吹く荒野に忽然と姿を現したこの国に、理想を求め、多くの人や民族が集まってきた。皇帝を中心としたマランシュ族、陸軍の騎兵隊を務めるメンガイ族、踊り子のカリオン族、地方の軍閥である馬賊、そしてヤンパオからの居留民たち。それら五つの民族の人々が、偽りの協和のもと、マランシュに共存していた。

メンガイ族の騎兵隊長バートルは、カリオン族の踊り子ミランと秘かに愛し合っている。しかしマランシュの皇帝プージェは、五族協和の象徴として愛娘フイシェンとバートルを結婚させようとする。バートルはミランへの愛と民族への想いの間で苦悶する。そしてメンガイ族の独立を信じ、フイシェンとの婚約を承諾してしまう。

一方、隣国オロルから亡命してきた大僧正ガルシンも、踊り子ミランに想いを寄せている。しかしその想いはミランによって拒まれ、その背後にバートルとの逢瀬があることを知る。ガルシンが皇帝プージェにその事実を密告すると、それを知ったムラカミが特務機関として暗躍していく。

政治、宗教、民族の対立...あらゆる人々の思惑が憎しみとなって渦巻くなか、バートルとフイシェンの婚約式が始まろうとしていた──

▼公演詳細▼
劇的舞踊「ラ・バヤデール―幻の国」
7月1日(金) ~ 3日(日) KAAT 神奈川芸術劇場 ホール
7月8日(金)・9日(土) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
7月16日(土) 愛知県芸術劇場 大ホール


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