2015年8月アーカイブ
■『トロイラスとクレシダ』vol.7■
男女の愛と裏切り、そして国と国の戦いの物語、『トロイラスとクレシダ』。
シェイクスピア戯曲の中でも"問題劇"と呼ばれ、上演機会も非常に少ないこの作品に、演出家・鵜山仁と、浦井健治、ソニン、岡本健一、渡辺徹、吉田栄作、江守徹ら名優たちが挑み、先日千秋楽を迎えた東京公演も、大評判&大入りとなっていました。
げきぴあではキャストインタビューや演出の鵜山さんのインタビュー、会見レポート等、その魅力を多角的に追っていますが、今回は、シェイクスピア研究者であり、本作の翻訳も手がける小田島雄志さんを講師に迎え開催された朝日カルチャーセンターの講座「『トロイラスとクレシダ』と現代」の模様をご紹介。
ゲストは演出の鵜山仁さんと、主演の浦井健治さん!
講義では、作品を深く味わえそうな、非常に興味深いお話がたくさん飛び出していました。
講義ということでしたので...受講ノート風にレポートしましょう。
以下、小田島先生のお話の要約です。
●問題劇とは何か(小田島さん)
シェイクスピア作品の中で、男女の名前を重ねたものを題名としているものは
『ロミオとジュリエット』『アントニーとクレオパトラ』『トロイラスとクレシダ』
の3本のみ。
前者ふたつははっきりとした"ラブ・トラジェディ"、愛の悲劇ですが、『トロイラスとクレシダ』だけ分類が難しく、19世紀頃から"問題劇"と言われています。
悲劇とは、主人公が死ねばだいたい悲劇になります。
トロイラスもクレシダも最後まで死なないので、愛の悲劇というのはあてはまらない。
一方でヨーロッパの演劇界で"問題劇"と言えば、だいたいがイプセンの問題劇を指します。
社会問題を扱った芝居を"問題劇"と呼ぶ、というのが演劇界の常識。
ただし、シェイクスピアで言うところの"問題劇"は少し違う。
「僕自身が一番わかりやすかったのは、あらゆる芸術家というのは、いい芸術作品を作りたいという欲望をもつ。絵描きはいい絵を描きたいし、作曲家はいい曲を作りたい。劇作家もいい芝居を書きたい。それぞれ芸術家としての意識がある。
ところが、芸術家といっても人間なので、人間として生きている以上、色々な問題に遭遇する。
その時に、芸術家としていい作品を作りたいという意識と、人間とは何かという問題意識と、どちらが上回るか。
シェイクスピアも、人間としての問題をどう考えればいいのかということを考えた。
そしていい作品を書こうという欲望を抑えて、それ以上に人間とは何かを考えたくなったのが、問題劇。いい作品を書くよりも、仮に作品としてめちゃくちゃになっても、問題を強く打ち出していく。
シェイクスピアの問題劇とはそういう性質のもの、というのが僕には一番わかりやすい」と小田島さん。
タイトルは『1960』。"走り出したら止まらない!"をキャッチフレーズに躍進を続けるメンバー6人の、久方ぶりの新作にかける思いとは...!?
作・構成・演出・出演の今村ねずみのインタビューと、各メンバーのコメントを一挙紹介!
「これまで通りにノンストップで。お楽しみはこれからだ!」
今村ねずみ
----個々の活動をしていた6人が再集結し、ひさしぶりにTHE CONVOY SHOWが始動しますね。
グループとしては年に一回、ディナーショウの活動をしていて、顔を合わせてはいたんです。でも劇場で公演するのは6年ぶりですね。それまでずっとコンボイショウをやってきて、自然のなりゆきでワンブレイクしようか、みたいな感じだったんですね。グループとしてガス抜き...っていうのかな、どこか新鮮さを探していたところもありました。
----vol.30となる今回も、ねずみさんの作・演出で。
はい。ストーリーを簡単に言うと、ある中年男が、目覚めたら闇夜の国にいた。"1960"というドアがあって、そこを開いて入っていくうちに、いろんなヤツに出会う。その旅の最後には闇を抜けていく......という話です。人と人とのつながりの物語ですね。ストレートで力強い、シンプルな話の中で、自分たちのエンターテインメントを広げていけたらいいなと。
ずっとこだわっているのは、歌って踊ってタップをやって...といったコンボイショウのエンターテインメントのスタイルを、ストーリーの中にどうやって入れ込むか。そして全員が主役で、全員が脇役であること。それは一番最初にスタートした時点から変わりません。幕が開いて、閉じるまではノンストップで走り抜けよう!と。今回も、あらためて自分たちのスタイルを全うしようと思っています。
今週末8月7日(金)にパルコ劇場にて『ウーマン・イン・ブラック』<黒い服の女>が開幕します。
たった二人の男優で語る英国ホラー演劇の傑作。日本では7年ぶりとなる本作は岡田将生さん、勝村政信さんという新キャストを迎えての上演です。
開幕を前に岡田将生さんよりコメントが到着しました~!
この作品はとてもシンプルなのに、力強さを感じるお芝居。稽古を続けているうちに、その演劇ならではの力の強さをますます感じています。世の中には、いろいろなエンターテインメントがありますが、この『ウーマン・イン・ブラック』には二人芝居の面白さだけでなく、他の作品からは決して味わえない独特の世界がある。この舞台は、お客様にどれだけ想像していただけるかが重要になってきますが、台詞や演出効果から感じる《怖さ》を楽しみながら、この世界にどっぷりと浸っていただきたいです。
僕の友達や周囲の人たちの中に、初舞台『皆既食~Total Eclipse~』(14年)をきっかけに観劇の面白さを知って、舞台を観に行く機会が増えたと言ってくれる人がいるんです。それを聞いて、嬉しくなりました。これまで、あまり舞台をご覧になったことがない方も、この『ウーマン・イン・ブラック』を選んでいただき、舞台にハマっていただけると嬉しいです。
せっかく劇場に足を運んでくださった皆様に、楽しんでいただけるお芝居を、スタッフの皆さん、勝村政信さんと一緒に作っていますので、ぜひ観に来てください! お待ちしています。(岡田将生)
撮影:御堂義乘
スタイリスト=大石裕介(DerGLANZ)/衣裳協力=WACKO MARIA
ヘアメイク=池上豪(NICOLASHKA)
是非、今年の夏は劇場でヒヤッと体験してみませんか??
今週から公演がはじまる、朗読劇「僕とあいつの関ヶ原」、朗読劇「俺とおまえの夏の陣」ですが、
ツイッターではご紹介しきれなかったキャストの皆さんのお写真を公開しちゃいます!
ますは新生チームから!
演出の中屋敷さんが、都度声をかけながら稽古が進んでいきます。
稽古初日から気合たっぷりの宮﨑秋人さん!石田三成役、徳川家康役を演じられます。
そして次は秋元龍太朗さん!
この表情、この気迫・・・本番は袴を着ての演技となりますが、ますます迫力が出そうですよね!
こちらもおひとりで井伊直政役と大谷吉継役を演じられます。
佐藤流司さん演じる松平忠吉は井伊直政の義理の息子にあたります。
秋元龍太朗さんとのかけ合いは必見ですよ~!
戸谷公人さんは島左近役と染音役での出演です。
落ち着いた声色でどちらも演じ分けられていました。
そして高杉真宙さんは小早川秀秋役で出演。
中屋敷さんから「もっと怯えた感じで」というリクエストにもすぐに反応されていました。
稽古初日だったからかどこか皆さん緊張の面持ちでしたが、中屋敷さんの指示を台本に書き込みながら
練習する姿を見て、ますます本番が楽しみになりました!
新生チームの稽古が終わると、続いて初演チームの稽古が始まりました。
1番に稽古場に到着されたのは宮下雄也さん。
初演チームの稽古の途中から稽古場に入られて、初演チームの様子をじっと見つめていらっしゃいました。
昨年末の公演と同じキャストということもあり、稽古場は冗談あり、笑いあり、お互いのイジリあり(笑)と、
とっても和やかな雰囲気でした。
しかし稽古が始まると雰囲気はガラッと変わります。
初演チームならではのアドリブも加わりつつ、稽古はどんどん進んでいきます。
「前回はこうだったよね」「こんな風にしてみようか」といったような声が飛び交います。
宮下雄也さんが加えるアドリブにキャストの皆さんは笑いをこらえながらも、全員で作品を作り上げていきます。
新生チームの佐藤流司さんと秋元龍太朗さんが演じる松平忠吉と井伊直政を、
初演チームでは木戸邑弥さんと玉城裕規さんが演じられます。
同じ役柄なのに、ここまで雰囲気が違うとは・・・これは見比べてみないと実感できないことだと思いますので、
ぜひ両チームとも皆さまには観て頂きたいです!
朗読劇『僕とあいつの関ヶ原』は8月5日(水)から7日(金)まで、天王洲 銀河劇場にて上演となります。
なんと!本日8月3日(月)14:00より当日引換券が販売となりますので、この機会をお見逃しなく~!
朗読劇「俺とおまえの夏の陣」のお写真も後ほどアップ致しますのでお楽しみに!