2度目のロミオに挑む、古川雄大ロングインタビュー ――ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』

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シェイクスピアの不朽の名作を、情熱的で美しい音楽でミュージカル化した『ロミオ&ジュリエット』
2001年にパリで開幕、その後世界各国で上演されて500万人以上を動員している、世界的ヒット作です。

日本では2010年に宝塚歌劇団星組が初演、その後宝塚でも繰り返し上演されるとともに、2011年・2013年には男女混合の日本オリジナルバージョンも登場。ともに、大反響となりました。

魅力は、モンタギュー家とキャピュレット家の対立を表すアクロバティックな激しいダンス、青春を謳歌する若者たちのまぶしさと一転して起こる悲劇の対比、登場人物の上に覆いかぶさる"死"の影、そしてその中に咲くロミオとジュリエットの愛の純粋さ......。
耳に残る印象的なロックナンバーとともに、ドラマチックな物語が繰り広げられる、これぞ"フレンチ・ミュージカル"の傑作です。

【『ロミオ&ジュリエット』バックナンバー】
●2011年公演
●2013年公演


さて、4年ぶりの待望の上演となる2017年、キャストはオーディションを経てガラリとフレッシュな顔ぶれに!
しかも今回は"新バージョン"となることが発表されており、注目を集めています。

そんな2017年版、ロミオは古川雄大さんと大野拓朗さん。
ジュリエットは乃木坂46の生田絵梨花さん、そして新人・木下晴香さんがキャスティング。

ほぼ全配役が新キャストとなる中、2013年公演に引き続きの出演となるロミオ役・古川雄大さんにお話を伺ってきました。


◆ 古川雄大 INTERVIEW ◆

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――4年ぶりのロミオ役ですね。2回目のロミオに挑戦しようと思ったのはなぜでしょう。

「何かをやり残したという感覚もありますが、単純にロミオは魅力的な役。男だったらたぶん、誰しもがやりたいような役だと思います。やりたいという憧れの気持ち...でしょうか。もちろん、前回感じた悔しさを晴らしたいという思いもありますが」


――近年、古川さんは大作ミュージカルにひっきりなしにご出演ですが、2013年公演はグランドミュージカルとしては初主演でしたよね。大劇場でセンターに立ったお気持ちはいかがでしたか?

「やっぱり(カーテンコールで)一番最後に出ていく時には、なんだかもう...。何て言えばいいんでしょう。感動もあり、複雑な気持ちもあり...」


――複雑、とは。

「最後に拍手で迎えられる瞬間というのは、ちゃんと"背負った"人しか出ちゃいけない、というような重みがあるんです。前回は、城田優君という存在が、船長としていましたので...。でも、やっぱり感動ではありました」
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――そうなんです、『ロミオ&ジュリエット』といえば、初演からずっと城田優さんが作品をひっぱってきたイメージがあります。今回はその城田さんが卒業し、作品としても新しい一歩となりそうですが、その中でダンサーさんを除けば古川さんだけが、唯一の作品経験者です。

「はい、僕が城田君みたいな存在になれるように頑張りたいな、と思ってます。前回とはちょっと違うプレッシャーのかかり方が予想されますよね...。(大野)拓朗は「頼ります」って言ってくるんですよ。といっても彼も..."ちゃんとした子"ですから(笑)。ふたりで一緒に作品を引っ張っていけたらなと思っているんですが。...僕、あんまり頼られたりするタイプじゃないので(苦笑)」

――そうなんですか? 新しいジュリエットのおふたりもまだ10代ですし、頼られるのでは?

「どうでしょう、まだ本格的なお稽古も始まっていませんし、距離感も詰められていないのですが。頼ってくれたらいいな...という感じでしょうか。僕、本当にあまり頼られるタイプじゃないんですよ、むしろ頼りたいキャラ。僕に悩み事を相談してくる人もあんまりいないし(笑)」


――でも船長として引っ張っていこうという決意をされている。どうやってこのカンパニーを引っ張っていきましょう?

「そうですねー......。色々なタイプがあると思うのですが、今年の春に出演した『1789-バスティーユの恋人たち-』のふたりの座長(小池徹平さん、加藤和樹さん)の姿を見て、僕はみんなとコミュニケーションをとって、みんなで横一列に並んで、一緒に歩いていこうというスタイルで行きたいと思ったかな。ついてこい!というタイプには、なれないと思うので」


――まさに『1789』の歌詞にもあったように、みんなで肩を組んで。

「はい、肩を組んで、いきたいです」
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――そしてまた4年前にお話を戻して。ロミオとして生きた時間は、幸せでしたか? さきほど悔しい思いをした、とも話されていましたが。

「うーん、幸せも苦しさも、両方ありました。でもそれはどの作品においても両方あるのだと思います。ロミオについては苦しい瞬間の方が多かったかな。自分の問題なのですが、稽古中に努力の方向を間違えて、喉を壊してしまったり。悔しい思いもたくさんしました。でもロミオとして舞台に立たせてもらって、(カーテンコールで)最後に礼をするというのはなかなか出来ない体験です。すごくまわりの皆さんに支えていただいたなと思いました」


――前回はロミオがトリプルキャストでした。同じ役の人のことは意識はしますか?

「ライバル視をするといったようなことは、あまりなかったです。といいますか僕は、そういう余裕もなかった。『エリザベート』のルドルフ役を経て、ロミオという誰もが憧れる役へ、すごい抜擢をしてもらったので、自分で言うのもなんですが、すごく努力もしました。だから自分のことでいっぱいいっぱい、僕のロミオを作るぞ、という感じでしたね」


――"古川さんのロミオ"はどういうものを目指してましたか?

「とにかくピュアに、すべてのことに新鮮に反応していけたら、と思っていました」


――今回もそれは変わらず?

「稽古に入って、実際に自分もどうなっていくのかな、と思いますが、でもやっぱり新鮮に反応して、とにかくまわりの状況やまわりの人たちに振り回される男でいたい...かな。その中で愛を貫くという、すっと一本の筋が通ったロミオを作りたいですね。あとは...初々しさ、フレッシュさをちょっと出したいですね(笑)。この前、『エリザベート』をマサ君(中河内雅貴さん)が観に来てくれたんですが、「お前もう、(ルドルフには)ちょっとおっさんだな」って言われちゃって(笑)。だから課題は"フレッシュさ"です」
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――『エリザベート』といえば、今回もうひとりのロミオ、大野拓朗さんとは2012年の『エリザベート』で、同じルドルフ役を演じて以来ですね。あの時のルドルフ・トリプルキャストは、平方元基さんが長男、古川さんが次男、大野さんが三男と呼ばれていたのを覚えています(笑)。

「誰が言い出したんでしょうね、でも確かに、なんだかそういう感じでしたよね(笑)。拓朗はちょくちょく僕の舞台を観に来てくれたり、会ったりはしていますが、一緒にお芝居をするのは久しぶりですね。もう、歌稽古を数回一緒にやりましたが、4年という時間を僕はものすごく感じました。"成長している"って言ってしまうと、僕の目線がちょっとおかしい感じですが。すごい頑張ったんだなと思うし、だから僕も頑張らないと、って思います。お互いにとってお互いが、いい存在になるんじゃないかな」


――そして今回の注目ポイントとしては、新バージョン・新演出になるという。

「『エリザベート』が、去年新演出になって、ガラっと変わったじゃないですか。両バージョンに出演して、体験した身からすると...、"全部"変わる気がします! 本当にガラっと変わると思いますよ」


――演出の小池修一郎さんからは、何か聞いていますか?

「いえ、まだ何も伺っていないので、僕の予想なんですが(笑)」


――小池さんの作品への出演、続いていますよね。

「『1789』『エリザベート』、そして『ロミオ&ジュリエット』。1年のうち8ヵ月くらいはご一緒していますね(笑)。演出家の方も、色々なタイプがいらっしゃいますが、小池先生はやっぱり、"先生"という存在です。実際「小池先生」とお呼びしています」


――小池さん、どんな方ですか?

「...難しいです。冗談なのか本気なのかわからなかったり。あと例えが多いんです。『1789』の時も、歴史的な話ですが、現代に置き換えた説明をしてくださることも多かった。でもそれも、捉え方によってはクスっとなったり、シリアスに受け止めればすごく真面目なものだったり...。難しいことも多々あります。ジョークをたくさん言う方なんですけど、どこかは常に、本気な部分があるんです」
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――そして『1789』『ロミオ&ジュリエット』とフレンチ・ミュージカルの出演も続きます。古川さんから見た、フレンチ・ミュージカルの魅力は。

「まず曲がカッコいい。全部の曲が素敵で、耳に残る。重い、大きなテーマを、アップテンポのノリのいいライトな曲で歌ったり、中には重厚な曲もあったり...。全体を通しての"流れ"もあるし、僕はすごく好きなタイプです」


――歌う側としては、難しいですか?

「いやぁ、難しいですよ! 『ロミオ&ジュリエット』のナンバーは全員、キーが高い。中でもベンヴォーリオが一番大変じゃないかな。でもロミオも高いです。オリジナル版(フランス)だと、"抜いて"ミックスヴォイスで軽々と歌いますよね。フランス語と日本語の違いもありますが、僕らはそういう感じでは歌えない。"張って"歌っちゃう。だから余計に難しいんです」


――客席で聴いていても、キーが高いなー!と思います。でもフレンチ・ミュージカル・サウンド特有のカッコよさがありますよね。話を少し戻しますが、ロミオを演じる上で、古川さんが一番大切にすることはなんですか?

「やっぱり、"愛"だなと思います。純粋に、愛というものがどれだけパワーがあるのか、ということを描いていると思うので」
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――ロミオとジュリエットの愛については、どう見ていますか?

「出会った瞬間、衝撃が走ったんでしょうね。すごく素敵だなと思いますが、客観的に見ると、可哀想。障害のせいで愛を貫けないって、すごく切ない。でもふたりの愛の結果、まわりの大人たちが変わっていくので。うん、やっぱり愛っていうものはすごく素敵だし、パワーがありますよね。自分自身がロミオの状況になったら愛が貫けるかは...正直、そんな経験はないから、わからないのですが。恋愛というより、自分に子どもがいたらその気持ちはわかるのかも、とちょっと思いました。"この人が死んで、絶望的で、自分も死を選ぶ"というのは。だからその重さなども、演じる上ですごく考えないといけないと思っています」


――最後に、2017年版『ロミオ&ジュリエット』の、古川さん的"推しポイント"をお願いします!

「すごいものになる気がします。『1789』のキャッチコピーのようですが、革命が起こる気がします。...ハードル上げすぎかな(笑)。でも、"革命寸前"くらいまでにはいかせます! そしてまず、"再演とは思うな"、ですね。僕らも新しいものを作る気持ちで、頑張ります」
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なお、インタビューに先立ち、古川さんをはじめキャストの皆さん数名が参加している歌稽古も拝見させていただいたのですが、古川さん、伸び伸びと歌っていらっしゃって、その堂々とした歌唱は、やはり4年の経験を得ての新生・古川ロミオの誕生を十分に期待させるものでした。

そして新・ジュリエットの生田絵梨花さん&木下晴香さんも、とてもいい感じ!

古川ロミオとの『エメ』も、とても透明感があって素敵で、しかもかなりハイレベル。
音楽監督の太田健さんの指導も(もちろん細かい発声の注意などもありつつも)、「この曲はふたりが一番愛し合って盛り上がっている瞬間だから、抑揚のふり幅も、ふたりぴったり合うといいよね」といような......歌と心情をあわせるような細かいものにまで踏み込んでいました。

ジュリエットについては古川さんも「なんかもう、まさにジュリエットの声なんじゃないかと思うぐらい綺麗な声でしたよね~」と話していらっしゃいました。

2017年の『ロミオ&ジュリエット』、大いに期待しましょう!

取材・文:平野祥恵(ぴあ)
撮影:イシイノブミ


【公演情報】
・2017年1月15日(日)~2月14日(火) 赤坂ACTシアター(東京)
 一般発売:8/27(土)
 [プリセール受付中!]8/25(木)23:59まで
 [一般発売直前プリセール]8/26(金)10:00~
・2017年2月22日(水)~3月5日(日) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)
 一般発売:10/15(土)

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