2016年7月アーカイブ
◆ 石丸幹二 ロングインタビュー ◆
劇作家・演出家の土田英生と申します。
げきぴあにもなんども登場させていただいておりますが、私はMONOという劇団をやっております。
現在のメンバーは私を含めて同世代の男性5人。
メンバーを変えずに年に一回の公演を続けてきました。
結成からだと27年、一番新しいメンバーの参加から数えても18年になります。
少し自慢してもいいような数字です。
ですからMONOはできるところまで続けます。
これまでの積み重ねによるアンサンブルの妙はどこにも真似のできないものだと思っていますしね。
しかし......このままだと劇団の高齢化は避けられません。
今の社会を物語化し、幅広い観客に届ける作品を創る為にも若返りも必要です。
そんな思いから私は二年前に「土田英生俳優育成講座」というのを開催しました。
全国5箇所で20代限定。
100人と出会うという企画です。
参加していたメンバーは翌年上演された土田英生セレクション「算段兄弟」やMONOの公演にも出演してもらっています。
高橋明日香、阿久澤菜々、石丸菜奈美も俳優育成講座の参加者です。
この三人が組んだユニットが「歪(いびつ)」です。
去年、何かやりたいという三人に私は作品を書きました。「ソラミミホンネレソラシド」という作品で、彼女たちへのインタビューを元に20代女性の本音を台本にしました。
カフェで公演し、おかげさまで好評を得ることができました。
彼女たちが今年、それを再演したいと言ってきました。
今度はカフェではなく、劇場でやりたいといいます。
どうせなら、私は書き直すことにしました。
MONOから尾方宣久、そして私も出演し、設定などを変えてより普遍的な作品に編み直しました。
タイトルも「夢叶えるとか恥ずかし過ぎる」に変更。
新しい作品として再生します。
小さい劇場で三日間だけの公演ですが、面白い作品になりました。
売れないアイドルたちが、イベント会場の舞台袖で会話バトルを繰り広げます。
嫉妬、不安、そして新しい一歩。誰しも抱える人間の姿が生々しく描かれていると思います。
MONOで培った会話のテンポや間は、彼女たちにも確実に受け継がれてきています。
ぜひ、多くのみなさんに観ていただきたいと願っています!
歪[ibitsu]
第二回公演
「夢叶えるとか恥ずかし過ぎる」
作・演出 土田英生
出演 高橋明日香 阿久澤菜々 石丸奈菜美
尾方宣久(MONO) 土田英生
2016 年 8 月 5 日(金)~7 日(日)
梅ヶ丘 BOX
●あらすじ(公式サイトより)
ある日昏睡状態に陥り、自分の夢の中に閉じ込められてしまったソラオ。
普通なら目覚めようと必死になるところだが、人一倍能天気なソラオは、どうせ目覚められないのならと、
夢の中を楽しんで過ごしはじめる。
現実の世界ではテキトーだったバンド活動もメジャーデビューを果たし、
現実の世界では片思いだった年上の女性ヨルダさんとも恋人同士になり、
夢の世界でのソラオの生活は光り輝いてゆく。
だがやがて、この世界の遠い果てから、夢の主を食い殺すほどに凶暴な魔物たちが近づいてくる。
それは所詮、夢の中の出来事にすぎないのか?
それとも夢の中では済まされないほど恐ろしい何かの
始まりなのか?
答えを知りたくないソラオは、最愛のヨルダを連れて、夢のもっと奥深く、誰も来ることのできない海の向こ
うの孤島へと逃げようとするのだった。
果たしてソラオに目覚めの日はくるのか...?
我々の住んでいるこの世界も、誰かの見ている夢なのかもしれない――。
人類の永遠の疑問をめぐる、孤独なソラオの冒険譚。
◆ 西田シャトナー INTERVIEW ◆