●StarS ロングインタビュー●
「ファンの皆さんと一緒に"StarS"が完成しました」
――まず1stコンサートの感想からお伺いします。大盛り上がりでしたね!
井上「僕たちの予想を超える盛り上がりでした! というか、やる前は予想がつかなかったという方が正しいかも。自分たちとしては稽古中から、これは皆さんに喜んでもらえるはずだ、と自信を持って作っているつもりではありましたが、実際どう受け入れられるかはやってみないとわからなかった。でも盛り上がりが大きくて嬉しかったですね。日に日に盛り上がっていったし、お客さんが"StarS"として自分たちを受け入れていってくれた。最初は「引かれたらどうしよう」とか(笑)、おっかなびっくりだったのですが、みんな「楽しいね、楽しいね」ってなってくれたので...すごく幸せでしたね」
浦井「今までの、役者3人それぞれを応援してくださっている人たちが支えてくださってる感じがコンサートから伝わってきました。スタッフ含め、今までやってきたことは間違いなかったと思えたし、みなさんの"愛"がとても大きかったんだなということを改めて感じさせられました」
山崎「はじめはやっぱり不安も大きかったし、「StarSって何なんだろう」というのが自分たち自身も明確に見えていない部分もあって。でもコンサートをやる中で、お客さまも日に日に慣れてきたといいますか、一緒に参加してくださって、僕たちもだんだん自分たちの"色"というものが見えてた。この1stコンサートでStarSのひとつの形ができたなと思います。皆さんと一緒に作った、ファンの皆さんと一緒にStarSが完成したなと思えた1stコンサートでした」
「今、すごく熱い時を過ごしています。部活みたい。武道館は"甲子園に行っちゃった!"みたいな感覚(笑)」
――以前もインタビューでお互いの印象をお伺いしたのですが、1stコンサートを終えて、その印象は変わりましたか?
浦井「より、ふたりが"頼れる人"になりました。信頼関係が築けた。このふたりと一緒にやれてよかった。今まではなかなかミュージカル界で"横の繋がり"ってなかったんですが、その繋がりというものをダイレクトに感じられましたし、"仲間"だと思いました。そういう関係性って、『二都物語』でもそうですが、今後舞台の上で出会った時により鮮明に出てくると思います」
山崎「そうですね。言葉で言い表せないような空気感といいますか、お互いの存在がすごく身近になって、今までの舞台の共演では作れないような関係性がコンサートを通して作れました。すごくいい出会いだった。StarSがあったからこういう関係が築けたし、自分がこの仕事を今後もやっていく上でふたりの存在というのは、刺激でもあります。ふたりの姿を見て自分も頑張ろうと思えるし、"StarSの看板"も感じながらステージに立たなきゃなと思います。だからふたりは僕にとって"刺激的な存在"になりましたね」
井上「もともと仲良かったし、何かを感じたから一緒にやろうとは思ったんですが、CDデビューしてコンサートをして...と、大きなことを経験して、色んなことを乗り越えて、だから今はやっぱり絆、"ユニット感"を強く感じています。最初は「どうしたらいいんだ」みたいなところもあったんですが、コンサートを経て今は、時々3人で集まってもすぐに「はいどうもー」みたいなね(笑)、ちょっとお笑いグループみたいな感じでの空気感で。「俺たちユニットなんだな」っていう安心感がありますね。それはやっぱり大きなことを乗り越えたからこそ生まれるもの。育三郎は「青春」って言ったんですが、すごく熱い時を過ごしています。もう、部活みたいだよね」
山崎「ああ~!」
浦井「わかる、わかる!」
井上「全国大会出ちゃった!みたいな(笑)」
――武道館が。
井上「うん、甲子園行っちゃった! みたいな。そういう感覚かな」
――ということで、次は日本武道館公演ですね。ちなみにCDジャケット撮影時にもお話をお伺いしていて、この時すでに山崎さんが武道館公演をやりたいって仰っていましたが...。
山崎「ホント!? じゃあ、そこから?」
井上「有言実行じゃん!」
浦井「すごーい!」
――この時、実際に決まっていたわけじゃないんですよね?
山崎「何も決まってなかったです」
井上「ぜんぜん決まってなかったですよ! え、どこどこ?」
(記事を読み出す井上さん&山崎さん)
浦井「ちなみにStarSの最後の大きなSっていうのはね...」
井上「あ、ちょっと静かにして。今読んでるから(笑)」
山崎「健ちゃん、今そこじゃないからね(笑)」
井上「(読んで)ホントだ~...。じゃあ紅白もいけるんじゃないの、これ!」
山崎「この記事、武道館コンサート、のあと"一同笑"、になってますね。なんで笑ってるんだろう!(笑)」
浦井「でもミュージカル俳優で日本武道館って、前代未聞ですよね。今後、僕らの経験を次の世代の人に、いいな、かっこいいな、とか、こういうことも出来るんだなって思っていただいて、日本武道館でやる人が増えていったらいいですよね。僕らがひとつのきっかけになっていければいいなって思います」
井上「うん、そうだね。でもすごいことだと思いますし、やろうと思って、やりたいと思って実現できることではないと思うんですよね。実際、この時は本当に決まっていなかったですし、シアターオーブのコンサートの時でも決まってなかった。でもやっていくうちに盛り上がっていって、次は何をするんだ、StarSはどこが強みなんだろうって話をみんなでした時に、やっぱりこれだけ盛り上がったら大きいことやりたいね、しかもできるだけ早く年内に、期間はとれないから一発大きなことを、と言ったら武道館しかない!って。それまでもなんとなく言葉にはしていたんですが、そこから本当に出来るのかなって、みんながいろいろ調整してくれて。これが実際やれるってなったってことは、もう、そういう運命なんだと思います。でもそこには自分たちの力なんてほとんどなくて、応援してくださった皆さんと動いてくれているスタッフが僕たちを武道館に行かせてくれた。だから『ありがとう公演』でもあるし、『みんなで行こう』、本当にそういう思いが強いですね」
「StarSの強みは、3人のハーモニーが何十倍にも輝くところ。それに、お客さまもスタッフも、みんなで夢を見ているところ」
――今、井上さんのお話の中にも出てきました"StarSの強み"は、何だと思いますか?
井上「やっぱりトークが面白いところじゃないですかね(笑)」
浦井「あとは3人のハーモニーが何十倍にも輝くところ。それに3人だけじゃなくて、お客さまもスタッフも全部あわせてStarSという集合体で、みんなで夢を見ているというのが大きな強みだと思います。みんなで前に進んでいるという一体感」
山崎「それにやっぱり、ライブですね。舞台、お客さまの前で表現するということをやってきた3人なので、レコーディングのブースとか、カメラの前よりもやっぱりお客さまがいるとより輝ける」
――そして、もともとStarSは「ミュージカルの素晴らしさをもっと広めたい」という思いで3人が結成したとのことですが、そのあたりの手ごたえは?
井上「今、育三郎は『レ・ミゼラブル』、僕と浦井君は『二都物語』をやっていますが、そこのお客さんの反応もいいよね」
山崎「そうですね。StarSで知って、初めて舞台を観ましたって方もたくさんいらっしゃって。僕たちのやりたかったこと、目指していたものが形になっているのは実感します」
井上「あとはCDをリリースして、爆発的に売れて一瞬にして世間に広まったりしないかな、という期待もちょっとあったんですけど(笑)。今はそういう世の中じゃないですもんね。そんなに簡単に知名度があがったりはしない。でも逆に、自分たちのホームグラウンドであるミュージカル、演劇のお客さんの力、熱さを感じました。気に入ったら何回も観に来てくれたり、それについてみんなと話をしたり、応援したり一緒になって喜んでくれたりする。そこが盛り上がっていれば、まわりの人たちが「あら、楽しそうなことやってるね」って、そこから広がっていくんだなっていうのは、やってみて初めてわかりましたね。そういう広がり方で僕たちはいい。一歩一歩という感じが、今、出来ているんじゃないかな」
↑この"StarSポーズ"の発案者は、山崎さんだそうです。
「僕にとってはミュージカルが"運命の人"。その人を信じて、どこまで自分も成長できるか」
――最後に。それぞれにとっての"ミュージカル"とは?
浦井「ほんとにふたりって、最初からミュージカルを愛して、この世界に入ってきたんです。それに比べると僕は、ミュージカルを知らずに入ってきた。今はもちろん大好きなんですが、でもやっぱりStarSで、ふたりの歌唱やスキルを身近に見て、色んな手法とか引き出しがあるということを改めて知って、よりミュージカルの魅力というものを感じました。ミュージカルというジャンルが愛おしいです。それはここ数年で自分の中でも大きく変わったことだし、舞台に立つということは自分にとって大事な場所であり、神聖な仕事。今後もミュージカルに関わっていける役者でありたいなと思います」
山崎「そうですね...。やっぱり子供の頃から音楽が好きだったし、母親がすごく歌が好きで、小さい頃からずっと歌を聴きながら育ったのもあり、ミュージカルを初めて観た時に、普通のお芝居を観るよりもさらに自分の心に訴えかけるものがあった。何て言うんだろう、歌うことで、よりその人の感情がカンって自分に突き刺さったというか。そう感じたのが小学生低学年の頃。そこから、自分の中にミュージカルというものがなくてはならないものになったし、「観に行きたい」から、ある時「出たい」になった。観るのももちろん好きですけれどね。ミュージカルは総合的なエンターテインメント。歌って踊ってお芝居する、この3つができるって、改めてすごいことだと思います。そのひとつずつをとっての仕事があるものを、全部やるというのはアスリートみたいなもの。それに、そこに向かっている人たちがすごく好き。やっぱりみんな舞台が好きで、舞台に立ちたいって思いがほんとに強くて、誠実で、ストイック。ふたりとの出会いもそうなんですけれど、そんなミュージカル俳優の人たちに会うことも刺激的で、魅力ですね。僕は、だから...この世界にハマっている...のだと思います」
井上「僕も、自分の基本、根っこの部分です。ミュージカルがなかったら、今こうしてませんし、ミュージカルのために今まで生きてきた、みたいなところもあるので...。だから好きすぎてあまり冷静に語れないところがあるのですが、ただ、もう10年以上この仕事をやらせてもらって、色んなことを経験していく中で、ちょっと距離を置いて見てみると、育三郎が言ったようにすごいジャンルだなとは思うんですよ。歌って、お芝居して、踊りも踊って。それは誰もができるもんじゃないし、そういう意味ではすごいジャンル。でも"お芝居"ということで考えたら、お芝居だけをやってる人たちにはどうしても敵わないところがいっぱいあって、それを埋めるためにはどうしたらいいのかとかも考えますし、一方でミュージカル俳優である僕たちがこうやってユニット組んでコンサートをやってもいいんだという懐の深さがあったりもする。もっと可能性があるジャンルなんじゃないかなと思うんです。それは、やっている人たちのポテンシャルが高い分、余計に。でもなんとなく、日本特有の、"ミュージカル界の狭さ"もあったりして...それはそれで心地良いんですが、もっと広い目でみたり、StarSみたいに違うことをしたりしてみたときに、ミュージカル界はもっとやれるね、となる可能性があるくらい、豊かなジャンルだと思っています。...僕にとってはミュージカルが「運命の人」みたいな感じだから。だから自分が運命として出会った人を信じて、どこまで自分も成長できるかなとは思います」
この日はなんと9つ(!!)の取材をこなしたという3人。
この取材が最後だったのですが、疲れも見せず、よくしゃべり、笑ってくれました。
コメントが途中で迷子になってしまいがちな浦井さんに、丁寧にツッコミを入れる井上さん(笑)。
ツッコミを受けても「こういうの!こういうところがわかりあってるの!」と嬉しそうに説明をしてくれる浦井さんに、横で大爆笑している山崎さん。
それに対し、さらに「今日俺ね、自分がツッコもうと思ったものの半分もツッコんでないからね。その倍くらい心の中でツッコんでるからね!」と井上さん。
本当に"ユニット感"が出てきたなと思う、3人の息の合い具合でした。
『三大ミュージカルプリンスコンサート StarS ありがとう公演~みんなで行こう武道館』公演は、11月11日(月)に開催されます。
チケットは9月7日(土)に一般発売を開始します。
★先行抽選「プレリザーブ」受付決定★
【受付期間】8/29(木)11:00~9/3(火)11:00
※対象席種:スタンド席のみ。
撮影もノリノリで挑んでくれた3人です!
楽しそう~!!
撮影:源賀津己