2019年7月アーカイブ

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作・飯島早苗、演出・鈴木裕美によって、'93年に「自転車キンクリート」で初演された『絢爛とか爛漫とか』。これまで、さまざまな演出家、キャストによって上演されてきた名作ですが、この夏、21年ぶりに鈴木裕美による演出、安西慎太郎・鈴木勝大・川原一馬・加治将樹という顔ぶれで上演されます。

→演出家&キャストによる座談会はコチラ

先日その顔合わせ&本読み(座った状態で台本を読んでいくこと)が行われ、げきぴあはその現場に潜入。その様子をお届けします!

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まずは、スタッフ・キャストが揃っての顔合わせ。皆さんからご挨拶がありました。

◎演出・鈴木裕美さん

「すごくおもしろそうなメンツで、再びこの作品ができることをとても嬉しく思っています。すごく"役者だな"と思っている人たちに集まっていただいているので、どう生き生きと人物をつくっていくかということが稽古の中心になると思います。初演を演出していますが、当時の読み方にこだわるつもりは全くありません。この4人のキャストと私を入れた5人でどこに辿り着けるのかを楽しみにしたいと思います」

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◎作・飯島早苗さん

「この作品をザックリ言うと『自分のことを利口だと思っている青臭い馬鹿が喋っている』、それだけの話です。(一同爆笑)。なので、俳優さんが魅力的な人じゃないと目も当てられない(笑)。観る人にとっては楽しいけれど、やる人にとっては台詞がすごく多くて申し訳ない作品、私も楽しみにしています。よろしくお願いいたします」

◎安西慎太郎さん

「この日をすごく楽しみにしつつ、いろんなプレッシャーもあります。僕は自分の役と同じでとにかくぐずぐずした人間なので(笑)、そこは使いつつ、考えることをやめずに、皆さんと手を繋ぎながら戦っていけたらいいなと思っています。最後までよろしくお願いします」

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◎鈴木勝大さん

「台本を読んでいる間になんだかよくわからなくなってきてしまって(笑)。最初にこの本を手にして読んだときよりも彷徨ってしまっているので、皆さんの芝居を観たりする中でいろんなものをもらいながら、ひとつずつ自分の中で答えを見つけていけたらと思っています。よろしくお願いします」

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◎川原一馬さん

「僕はこんな声ですし、こういう喋り方ですし、雰囲気的にも加藤という役はすごくやりやすいと思っています。変態的な部分はすごく持っていると思うので(笑)、そこを存分に出させていただいて、4人で一緒に馬鹿なところとかわいいところを出せるようにがんばっていきたいと思います。よろしくお願いします」

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◎加治将樹さん

「4人芝居なので、いろんなものがバレると思います。なので楽しんで、最後のほうは4人で全裸でやっても楽しめるくらいな感じになれたらいいなと思っているので.........よろしくお願いします!!」

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皆さんの言葉からもわかるように、とても和やかな空気のなか、顔合わせは終了しました。少し休憩をはさんで、読み合わせがスタートです!

あらすじ

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1年前に発表された処女作以降、2作目が書けず悩む新人小説家・古賀(安西慎太郎)の部屋に集う、批評家志望のモダンボーイ・泉(鈴木勝大)、自称耽美小説家の加藤(川原一馬)、非凡な才能を持ち破天荒で自由に生きる諸岡(加治将樹)。

移り変わる季節のようにゆれうごく夢と才能、理想と現実の葛藤の中で、友情や恋にもがきながら、それぞれの道を探していく。

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最初に鈴木裕美さんからセットや衣裳などの説明が一通り行われたあと、「やっちゃうか!」という声かけで読み合わせが始まりました。

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安西さん演じる古賀は「2作目が書けない」作家。物語が春、夏、秋、冬と進んでいく中で、時間の経過がもろに精神状態に反映されていきます。だから春に言われて平気だった言葉も、夏に言われるとグサッと刺さったりして...。誰よりも赤くなったり青くなったりしている印象でした。だからこそ演じる人によって全然違ったものになりそうな役。作品ごとに全然違う顔を見せる安西さんがどう表現するのかすごく楽しみです!

勝大さん演じる泉は、見た目もよく、頭もよく、おしゃれなモダンボーイの批評家。読み合わせなので当然動いていないのですが、勝大さんの台詞を聴いているともう泉のクールでスマートな身のこなしが見えましたよ!評論家ならではの視点やウィットもありながら、どこか抜けたかわいさに加え、古賀への愛も見どころかなと感じました!

川原さん演じる加藤は耽美小説家。惚れやすく、好きになった女性を主人公にして耽美な小説を書いて発表してしまうという......純粋な変態。すごいことを言っているときもあるのですが、川原さんのやさしそうな喋り方や雰囲気が妙にマッチしていて、なんだか「なるほど」と納得してしまいました。立ってお芝居するとさらなる化学反応的がありそうな予感がしています!

加治さん演じる諸岡は、非凡な才能を持ち破天荒で自由に生きる小説家。書けない書けないと病んでいく古賀とは対照的に、どんどん書くし、結末のない小説でも編集者に見せてしまうような人です。裕美さんが「脳と口が近い」と説明されていましたが、それゆえの愛らしさも魅力的に表現されていて、今回の読み合わせで一番笑い声が起きていたのは加治さんの芝居でしたよ!

4人がほぼ出ずっぱり&喋りっぱなしの作品。台詞量も膨大ですし、言葉を扱う小説家ゆえのやや硬めな言い回しなのですが、スルスル入ってくるのが不思議!

4人がずっとわちゃわちゃしていて、3人で結託して1人をダンスに誘おうとしたり、恋に関して強がってみたり、仲間を心配したり、春夏秋冬の出来事でみせるさまざまな姿が人間らしくてかわいらしく、ずっと見ていたいような気持になりました。

初日なのに、もうそんなことを感じさせられ、これからどんなふうに稽古を重ねて、どんな作品になっていくのかとても楽しみになりました。本番をお楽しみに!

『絢爛とか爛漫とか』は、8月20日(火)から9月13日(金)まで東京・DDD 青山クロスシアターにて上演。

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1865年の米国・マサチューセッツに生きる四姉妹を描いた名作小説をミュージカル化した『Little Women -若草物語-』が、9月3日〜25日に日比谷 シアタークリエにて上演されます。インタビューに揃った四人は、すでに仲の良い姉妹のように笑顔が絶えません!

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左から 下村実生/彩乃かなみ/朝夏まなと/井上小百合

主人公であり、次女のジョーを演じるのは朝夏まなと。長女メグ役の彩乃かなみとは同じ宝塚歌劇団出身。稽古では組んだことがあるものの、共演は初めてだそうで、お二人から楽しみな気持ちが伝わってきます。

一方、下の妹お二人は本格的なミュージカルは初出演。三女ベス役の井上小百合、四女エイミー役の下村実生ともに、ライブとミュージカルの違いには不安もありつつ、楽しみだそう。

闍・闕臥黄隱杤044.jpg----出演が決まった時の気持ちは?

朝夏 「ジョーにすごく憧れていました」というお手紙をファンの方からたくさんいただきました。ジョーは、この物語の時代にあって、職業を持って男性に頼らず生きていこうとする、先進的で強い女性。今の女性がすごく共感できるはず。彼女の持つ情熱、意思を貫く強さ、自分より相手のために、人のためにできる行動力はとっても潔くてかっこいい。楽曲が素晴らしく、ストーリーは言わずと知れた名作で、すごく素敵な作品です。

彩乃 譜面をみると、なかなか難易度が高く、四姉妹で歌うところでは、一人1パートを担っているので、かなり自立が必要ですね。みんなふだん歌っているジャンルが違うので、どう融合するのか楽しみです。

朝夏 私も歌が楽しみ!ローリー君(林翔太)が入ることもあるし、重奏が多くて、ハーモニーも綺麗なんですよね。

----本格的なミュージカルには初出演のお二人はいかがですか?

下村 初めての大きなミュージカルなので不安もありますが、前から興味があったので、嬉しく......決まった時最初は「嘘かな」って思いました(笑)

井上 (姉ふたりに)頼りに頼っていこうと思っています。でも吸収できるものは吸収して、盗めるものは盗みたい。色んな方に「ベス役ぴったりですね!」ってすごく言っていただけたんです。ただ、本来の私はけっこう逞しいので、大人しいベスから一番遠いんじゃないかな......。だからこそ演じられることもあるのかなと思います。

下村 私は末っ子で、お兄ちゃんが2人いるので自分自身と少し近いところはあります。小さい時にお兄ちゃんの後をついていった時の気持ちを思いだしてやれたらいいなと思っています。

----みなさん、実際には男兄弟がいらっしゃるんですよね?

彩乃 純粋に姉妹だけってどういう感覚なんだろう〜!本当の姉妹ってけっこう辛辣で言葉が強めなイメージがありますから(笑)私たちも稽古場で少しずつハッキリ言える関係になれたらと。その仲の良さが舞台にも出るといいな。

下村 ジョーと喧嘩するシーンがあるんですが、そういうところで姉妹ならではの感じがでるのかな......

朝夏 (下村に)日頃のうっぷんをためておいて(笑)、本気でむかってきてね!

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----宝塚歌劇団出身の2人から、井上さん・下村さんへ伝える「ミュージカルの楽しさ」とは?

彩乃 ライブでのパフォーマンスと違って、ミュージカルでは台詞や歌を通して"誰か"を演じなければならないので、役を創っていく面白さがありますね。しかも毎日同じじゃない。

朝夏 だからこそ発見がいっぱいありますよね。相手の表現を受けて「そうくるとしたらこうだ」と作品を構築していく。そして本番でまた一段階上の表現ができたり、ちがう発見を毎日できたりするのが楽しい。

彩乃 「ああかな、こうかな」って考えることが楽しいよね。知らない自分に出会える。

----先輩2人のお話を聞いてみて、どうですか?

井上 歌を通してのお芝居、自分なりにどう表現できるのかが楽しみです。

下村 ライブだとお客様も声を出したりして一緒に盛り上がるけれど、ミュージカルのお客様はどんなふうに言葉や音楽、歌を受け取って下さるのか......。お客様が違うと自分も変わるので、それが楽しみ。舞台の上に立ってから吸収することもあるんだろうな、と思います。

----どんな舞台にしたいですか?

下村 お父さんが家を空けている中、女性だけで「やってやるぞ」と一致団結する家族のきずなを、このカンパニーで作る説得力でお伝えできたらいいなと思います。

井上 家族や大事な人を思い浮かべて観ていただけたら嬉しいです。ベスは病弱だけど誇りをもって生きていく女の子。お客様も生きることについて考えていただけたら。

彩乃 年齢や体験や今の状況によって共感するところが違うはず。お客様がなにを受け取られるのか......それぞれの思いを持ち帰っていただけたら。この舞台をきっかけに本を読み返していただいても楽しめると思います。このカンパニーならではの『若草物語』をお届けしたいです。

朝夏 原作はこれまで、映画、アニメ、漫画など様々に翻案されていますが、今回はナマの舞台ならではの、目に見えない絆や空気感が出ると思います。今は隣に住む人も知らないということもある時代ですが、この作品には、身近な人との絆であったり、失われつつあるけれど失くしてはならない大事なものが詰まっています。それをぜひ体感しに来ていただきたいですね。

朝夏の意気込みに、3人も大きく頷きます。すでに"姉妹"の繋がりを感じさせる4人が醸す空気感に、期待が高まります。

公演は9月3日(火)東京シアタークリエにて開幕。

★チケットぴあ半館貸切情報★

9月7日(土)12:30/9月11日(水)13:30

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取材・文/河野桃子

撮影/源賀津己

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7月20日(土)、赤坂RED/THEATERにて、開幕した、『ハンサム落語 2ndシーズン』。

古典落語を若手実力者が演じ、落語で引き付け、声で聞かせ、演技力で魅了する『ハンサム落語』。「二人一組」の掛け合いで行う独自のスタイルが人気のシリーズ。
今回、タイトルを一新した2nd シーズンでは、古典落語を若手実力派俳優が皆様にお届けするという部分は変わらず、出演者を「ハンサム」「二つ目(につめ)」「真打(まうち)」とチーム分けした新しい形になりました。

全出演者の中から、日替わりで5 人が登場し、同じ演目でも組み合わせによる変化を楽しめる。演目は「天狗裁き」「狸の賽」「鴻池の犬」「子別れ」。演出・脚色は初演より引き続き、なるせゆうせいが務める新シーズン。

7月19日(金)、開幕に先駆け公開ゲネプロとマスコミ向けのフォトセッションと挨拶行われ、出演者らがコメントしました。

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河原田巧也:「音や照明の入った舞台のセットの中で初めてやらせて頂いたのですが、稽古とはガラッと違っていて...「ハンサムチーム」が先頭の演目をやるのですが、トップバッターの演目は凄く緊張します。ですが、その緊張感に負けずにしっかりと地に足を付けて頑張りたいなと思います。そして自分の出番が終わったら「二つ目チーム」「真打チーム」のみなさんの演目を楽しみに見たいと思います。頑張ります!!」

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深澤大河:「今回から『ハンサム落語』初参加という事で。『ハンサム落語』は歴史のある舞台なのでド緊張しております、もう私は隠さず言います(笑)だけど、緊張はしているのですが稽古をやっている段階から物凄く楽しいので、その楽しさが見に来て下さるお客さまに伝わったら良いなと思っております。そして「ハンサムチーム」は初めて参加するメンバーで構成されているので、私達の"初めて"を皆さまに是非見て頂きたいですし、先輩方のお胸をお借りして...(お胸?!とざわつく一同...)堂々とやっていきたいと思います!」

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横井翔二郎:「「ハンサムチーム」は新参者なので、最初の稽古から手探りで始まったのですが、和合さんと稽古をした時に"あの和合さん"がこんなに頼もしく思えるんだと..(笑)現場が一緒になった事がある方もいれば、本気で初めましての方もいて、同じ演目やるにしても良い意味でバラけて色の違いが出るのが『ハンサム落語』の良いところなのかなと稽古をやりながら思いました。緊張しますが、自由に楽しくやっていけたらいいなと思います。先輩方の"お胸"をお借りしてね(笑)やっていきたいと思います。応援よろしくお願い致します!」

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和合真一:「緊張しています...(笑)私は『ハンサム落語』第九幕、『ハンサム落語』第十幕と出演させて頂いて、今回『ハンサム落語2ndシーズン』という変わり目に携われた事がまず嬉しいです。また、フレッシュな面々と楽しく新しい『ハンサム落語』の風を巻き起こせるという事で、どんな本番になっていくのか非常に楽しみでございます。今回「ハンサムチーム」「二つ目チーム」「真打チーム」という形でお送りしていくのですが、1作目から出ている方もいてプレッシャーのある「真打チーム」とは今回は別チームという事で(笑)『ハンサム落語2ndシーズン』生き生きと出来ると思います(笑)『ハンサム落語』は落語を掛け合う格闘技ですから、素敵な試合を1回1回みなさまにお届けできれば嬉しいなと思っております。」

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寺山武志:「『ハンサム落語』第九幕に続いての、2回目の出演となります。和合さんの言った通り、『ハンサム落語2ndシーズン』から「ハンサムチーム」「二つ目チーム」「真打チーム」と3つに分かれておりまして、僕ら「二つ目チーム」は中間管理職みたいな感じです。新しい風が下から来るのに、「真打チーム」の技術には及ばないというとっても辛いポジションでございます(笑)ですが、今回の公演の目標としましては、「真打チーム」の林 明寛を引きずり落して僕がそのポジションに入るというトレード革命を起こしたいと思います!(笑)」

井上芳雄さんがホストを務め、日本ミュージカル界のレジェンドたちをゲストにトークをする「レジェンド・オブ・ミュージカル」

鳳蘭さんをゲストに迎え、6月23日に開催された「vol.4」のレポートをお届けします。
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このシリーズは井上さんが「昨今ミュージカルブームと言われて久しく、東京に限らず様々なミュージカルが上演されています。ありがたい状況なのですが、逆に言えばなぜ今、こういう状況なのか? と考えます。才能ある若いミュージカル俳優もどんどん出てきていますが、未来を考えるためには過去を知らないといけない。日本のミュージカルの創生期はどういう雰囲気で、どういう方々がどんな苦労と喜びを持ってやっていらっしゃったのか知りたいと思って」と自ら企画し、はじめたもの。
その趣旨のもと、第1回は草笛光子さん、第2回は宝田明さん、第3回は松本白鸚さんをレジェンドとして迎え、先人の苦労やエピソードを紐解いてきました。

 
そして第4回のこの日、迎えたレジェンドは鳳蘭さん。

★鳳蘭★
1964年に宝塚歌劇団に入団。1970年に星組トップスター就任。1976年『ベルサイユのばら』、1977年『風と共に去りぬ』など今に続く名作に主演し、1978年に宝塚退団。

その後1980年に『ファニー・ガール』で東宝作品に初出演、今年も冬にミュージカル『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の出演が控えており、40年にわたり第一線で活躍し続けています。

 
井上さんも「とにかく "華がある" ミュージカル俳優の代表格。僕もけっこう「華がある」と言われるんですが(笑)、僕なんかの華はたいしたことないんだなと思い知らされました」と語るほどのスターであり、宝塚の"トップ・オブ・トップ"。

そんな鳳さんを迎えてのトークは、名MC・井上芳雄ですら制御不能!? な、爆笑の鳳蘭劇場となりました。
 


 
● スター星のもとに生まれたふたり!?

 
鳳さんのプロフィールを紹介した後、ご本人を呼び入れた井上さんに対し鳳さん、第一声は「お話上手ですね! 美貌があってスタイルも良い、歌うまい、お芝居うまい、お話上手。悪いところ、なに!?」
対して井上さん「悪いところ...ちょっと口が悪い?」

...と、しょっぱなから「新たな名コンビ誕生か!?」という掛け合いを見せてくれるおふたりですが、これまでに共演経験はなく、この日がほぼ「初めまして」状態だそう。
ただ鳳さん曰く、「文学座にいってる下の娘(女優の荘田由紀さん)があなたのすごいファンなんですよ。あんまり娘が『芳雄さま、芳雄さま』言うから、どんな方なんだろうと思っていて」という縁があるそうです。

井上「そうですか、お嬢さんが」

 「いい趣味しているなって思います」

井上「僕もそう思います(会場笑)(由紀さんも)素晴らしい女優さんですよね」

 「まあ、そりゃ私のDNAが」(客席大盛り上がり)

井上「謙遜というのを知らない人種ですね...! でも僕も同じ系です! それにしても、先ほど華々しい経歴をご紹介しましたが...」

 「本当に、華はあると思います(客席爆笑)。すれ違う人はだいたい、バっと振り返るんですよね。そのたびに、また私の華にやられたな~、って思って!」

開始早々、鳳さんのスター☆な人となりが炸裂です!
先に宣言しますが、この日のトーク、終始、この調子です。
その後、お互いを「芳雄ちゃん」「ツレさん」と呼び合うことが決定し...。

井上「生まれ持ってるんですね」

鳳 「私、目の前にいる人がニコニコ笑っているのが好きなんです。悲しそうにしていると、どうやってこの人を明るい気持ちにしようと思っちゃう。今日はすごくいいですよ、みなさん笑っているから。異常なサービス精神の持ち主なんですね。とにかく、前にいる人が幸せでないと嫌なの

井上「もう最初から...宝塚に入る前からそうですか?」

 「生まれつき? 子どもの頃の写真をみたら、妹がまじめな顔をしている隣で満面の笑顔でこんなことをして(↓)私が写っています。本当に...スター星(に生まれついた)?」(客席笑)

井上「あぁでも、わかります。僕もちょっと同じ星...スター星の方面の人間なので(笑)。人前に出ると、やっぱり皆さんに笑ってほしいですよね」

▽「こんなことをして」のポーズ
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鳳さんの小気味よいトークに、いつもの当シリーズでは少し緊張気味の井上さんも、今回ばかりは爆笑モード。ツッコミも冴えます!

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※朝日新聞 東京本社版 夕刊 2019年7月18日(木)より転載

堤真一の次なる挑戦は、たった3人だけの緊張感漂う会話劇。 小川絵梨子が演出を担い、さらに宮沢りえ、段田安則という演技派が共演者に名を連ねる。

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撮影:石阪大輔 スタイリスト:中川原寛(CaNN)

堤 真一/つつみしんいち●1964年、兵庫県出身。舞台、映画、テレビで活躍。主演映画『泣くな赤鬼』が上映中のほか、11月にも主演映画『決算!忠臣蔵』の公開が控える。現在、新国立劇場中劇場での舞台『恋のヴェネチア狂騒曲』に出演中。

 チリの劇作家アリエル・ドーフマンが、1990年、自らの経験を下敷きに書き下ろした戯曲『死と乙女』。ドーフマンは本作の舞台を「長い独裁政権の後に民主主義政権に移行したばかりの国ならどこでも」と記しており、その登場人物たちも、ドーフマン同様、そんな混乱した時代の被害者と言える。反政府側で闘っていた弁護士のジェラルドと、かつて治安警察から拷問を受け、その傷がまだ癒えない妻のポーリーナ。物語は彼らの家に、ロベルトという医師を招き入れたところから始まる。

「とても複雑な構造の作品だと思いました。まず誰が真実を話しているのか謎ですし、僕が演じるジェラルドと、段田(安則)さん演じるロベルトとの関係が実際どうなのかもわからない。(宮沢)りえちゃん演じるポーリーナにしても、本当のことを言っているのか、それとも精神を病んでしまっているがゆえの妄想なのか...。だからやはりどんな稽古を積み重ねていくかがとても重要になってくるでしょうね。その中で演出の小川絵梨子さんが僕らにどういう共通意識を持たせるのか。そして、どういう作品に仕上げようとしていくのか。稽古で大きく変わると思います」

 演出の小川とは今回で3度目の顔合わせ。国内外さまざまな演出家と現場を共にしてきた堤だが、中でも小川への信頼は厚い。

「小川さんはどちらかというと海外の演出家に近いタイプですね。稽古場は、役者側からどんな小さなことでも意見をぶつけられる雰囲気ですし、言いやすい。この作品でも、多くのディスカッションに時間を費やすことになると思います。心理的にどういう流れなのかとか、それを掴んだ上でどう表現するのか、しないのかとか...。僕にとってとても信頼できる演出家ですし、久々にご一緒出来るのが楽しみなんです」

 キャストの宮沢、段田も、堤にとって舞台での共演経験が多い、この上なく心強いメンツだ。

「この3人で小さな空間で芝居ができることがとても嬉しいです。これまでの段田さんとの共演舞台でも本当に勉強になることばかりでしたし、りえちゃんはとにかく真面目で頼りになる人。そんなふたりに共通して言えるのは、一緒にやっていて余計なことを考えないで芝居そのものに集中できるということ。だから今回心配なのは、僕自身だけってことですね(笑)」

 中でも段田は、堤にとって特別な、尊敬する先輩のひとり。

「普段は兄貴分みたいな感じで、関西弁で一緒にワーワー話していますが、同じ舞台に立った瞬間、高みに引き上げられるというか、それによってこちらも変われる感覚があって。昨年『民衆の敵』で久々にご一緒した時も、少しでも引っかかることがあると、演出家のジョナサン(・マンビィ)にどんどん質問をぶつけていくんです、役者の心の動きにものすごく素直に。しかも周りにいる僕ら役者たちにもわかりやすいように、ちょっとジョークも入れて演出家に問いかけてくれる。段田さんによって僕らもヒントをもらえましたし、いつの間にかそれが皆を巻き込むディスカッションに広がっていくことも多かったんです。段田さんにはいろいろな場面で助けていただき、勉強させていただいています。りえちゃんも、段田さんと共演した『コペンハーゲン』(16年)以来2度目の小川さんとの顔合わせですから、それぞれが一歩踏み込んだディスカッションを通して芝居作りができるのではないでしょうか。そういった役者との密なやり取りを今回小川さんも楽しみにしているんじゃないかと思います」

 演劇ファンならずとも期待せずにはいられない、巧者3人の化学反応。さらに近い日本を想起させるようなその衝撃的な内容には、考えさせられることも多いはず。

「これに近いことは、今もどこかで実際に起きているだろうと思います。それはとても怖くもありますが、だからこそ今、この作品を上演する意味があると思います」

(野上瑠美子)


『死と乙女』
9月13日(金)~10月14日(月・祝)
シアタートラム(東京都)
料金:全席指定-8,000円
【作】アリエル・ドーフマン
【翻 訳】浦辺千鶴
【演 出】小川絵梨子
【出 演】宮沢りえ / 堤真一 / 段田安則


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東野圭吾の初期作品であり、その驚愕のトリックから名作と名高い『仮面山荘殺人事件』がこの秋、初めて舞台化されることに。平野綾、木戸邑弥、辰巳琢郎と注目のキャストが揃う中、脚本・演出を担当するのはこれまでも『容疑者Xの献身』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』と東野作品の舞台化を手がけてきた演劇集団キャラメルボックスの成井豊さん。そして山荘に集う人物たちの1人を演じるのは、元乃木坂46メンバーで、グループ卒業後は初めての舞台出演となる伊藤万理華さん。舞台に関するお話をたっぷり伺いました!

  

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――まず成井さんにお伺いしたいんですが、これを舞台化することになった経緯というのは。

成井 単純に、2年ほど前に読んで大感動して。「これをやりたい!」と思ってしまったんですよ。これは山荘に閉じ込められた人々の間で起こる殺人事件なので、舞台にもしやすそうですし。ただ私の場合、そういう「場所が全く動かない、時間もあまり飛ばない」という作品をむしろやらない人間で(笑)。普通は「演劇にしやすい」と言われる作品にはあまり興味を持たない人間なんですよね。となると、この作品を舞台化すると僕らしさが出せないんじゃないか、というのも感じました。

 

――それでも、作品に惹かれたポイントはどこだったんでしょう?

成井 ネタバレになっちゃうので非常に話しづらいんですけど、「真相が分かった瞬間」のヒロインの思いですね。それと同時に、基本的には主人公の樫間に感情移入して読んでますから、彼の気持ちがわかる部分もありますし。この作品はトリックの部分で非常に話題になった作品のようなんですが、東野さんの作品は『容疑者Xの献身』にしろ、トリックの凄さだけでは終わらないドラマの深さを持っている。そこに感動しました。

 

――伊藤さんはこの作品、読まれてどう思われましたか?

伊藤 私、活字が苦手で、普段全く読まない人間なんですけど(笑)でも1日で読んでしまって。それぐらいすっと入ってくるし、先が気になる作品だったんです。だからこの作品に自分が出られるんだ、と思うとすごく楽しみです。でももう雪絵の役を演じることが決まった状態で読んだんですけど、全く共通点もなくて......だからそこはまだ想像ができないですね。

成井 原作の雪絵って、言葉遣いがちょっと現代にそぐわないところがあるよね。今どき、上流階級の人でもあんな言葉遣いしないでしょう、という。だから共通点がない、と感じたんじゃない?

  

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伊藤 そうなんです。

成井 もう30年近く前の作品だからね。僕は2019年でやりたいんですよ、なので今の言葉遣いにアレンジします。そうすれば共通点も見つかると思いますよ。

伊藤 そうなんですね! よかった(笑)。セリフでも言ったことないような言葉遣いだったので......。

 

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昨年上演され好評だった朗読劇「青空」が 8/9(金)より三越劇場にて上演される。

少年と動物の絆を描いた作品を豪華出演者が日替わりで朗読をします。

今回、松井珠理奈さん佐藤晴美さん(E-girls/Flower)鈴木福さんの3名からコメントが到着しました。

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松井珠理奈さん

いろんな役を演じてみたいと思っていましたが、まさか、このような役を演じる日がくるとは思ってませんでした!

わたし自身、動物が大好きで、わんちゃんも飼っていてその存在にいつも癒されています。

人と動物の絆や大切さ、今私たちがこうして暮らすことができている、日々の感謝の気持ちをしっかり込めて演じたいと思います!

佐藤晴美(E-girls_Flower)縮小350.jpg佐藤晴美さん(E-girls/Flower)

悲しい戦いの中、沢山の強い愛に触れることができる素敵な作品だと思いました。

個人的には初めての朗読劇ですが、台本を読んだ時思わず涙してしまった言葉達をしっかりお伝えできるように頑張ります!!

是非楽しみにしていてください!!

鈴木福 縮小350.jpg鈴木福さん

今回初めて朗読劇に参加させていただくことになりました。
素晴らしい方々との共演で、とても緊張しますが嬉しいです!

戦時中に少年と犬の麦、猫の小太郎たちが一生懸命生きていく姿、国を愛す気持ち。

命を大切にする心を声だけで表現するというのは難しいと思うし、なかなかできない経験なので、楽しみながら頑張りたいと
思います!!

ぜひ今年の夏は、「青空」を観に劇場へお越しください。

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今夏、動物を愛する全ての人に贈る青春物語。

この物語は犬と猫の気持ちが言葉となります。

彼らの本音にクスリと笑ったり、涙したり、心が豊かになったり、温かくなってください!

公演は2019年8月9日(金)~8月18日(日)に東京・三越劇場にて上演。チケットは発売中!

詳細:公式HP https://hounangumi.info/

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■ミュージカル『SMOKE』2019年版 vol.5■
 
 
昨年日本初演され、その濃密な世界観と美しい音楽でたちまち話題となり、多くの熱狂的ファンを生み出したミュージカル『SMOKE』
20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)の遺した詩と彼の人生にインスパイアされたミュージカルで、たった3人のキャストが、ミステリアスで奥深い世界を作り上げていきます。

今年はキャスト・劇場を変え、6月と7~8月の2パターンで上演中ですが、ひと足先に上演された"大人SMOKE"こと池袋芸術劇場バージョンを経て、いよいよ浅草九劇の〈ORIGINAL CAST〉バージョンも始動しています!

その稽古場を7月某日、取材してきました。
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◆ about『SMOKE』 ◆

李箱(イ・サン)の作品「烏瞰図 詩第15号」にインスパイアされ、その詩のみならず彼の人生やその他の作品群の要素も盛り込み作られたミュージカル。
イ・サンは、才気ほとばしる作風が讃えられる一方で、その独自性と難解さゆえに酷評もされた、両極端の天才詩人。結核をわずらった後、日本に流れつき、そのまま異国の地・東京で27歳の若さで亡くなります。

このミュージカルでは、彼の精神世界を謎めいた筆致で描き、誰も想像できなかった物語が繰り広げられます。
登場人物は、
 詩を書く男「(チョ)」、
 海を描く者「(ヘ)」、
 心を覗く者「(ホン)」
の3名のみ。 俳優の実力も問われる、スリリングな作品です。

 

浅草九劇の〈ORIGINAL CAST〉バージョンは、3つの役どころそれぞれトリプルキャストです。
」...大山真志、日野真一郎、木暮真一郎
」...大山真志、日野真一郎、木内健人
」...池田有希子、高垣彩陽、元榮菜摘
その組み合わせ、なんと27通り!
初演で「海」を演じた大山さんと、「超」を演じた日野さんは、今回は「海」「超」の2役を演じます
これはお稽古も大変そう!

 
その3×3×3の稽古場、どう進めているのかというと、(少なくともこの日は)シーンごとにキャストが入れ替わり、全員でリレーするように、全体を通していました。
 

メインで取材していた時間帯は、「超」=大山さん、「海」=日野さん、「紅」=元榮さんの組み合わせ。
大山さん、日野さんは初演も出演していましたが、初演とは違う役どころを演じているところをちょうど拝見できました!
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オーランド・ブルーム主演、デヴィッド・ルヴォー演出のブロードウェイ版『ロミオとジュリエット』が映画館で上映中です。

 

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本作は、2013年9月にニューヨーク・ブロードウェイで開幕し、ブルームはこの舞台でブロードウェイデビューを果たしました。

オーランド・ブルームと言えば、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』のウィル・ターナー役や『ロード・オブ・ザ・リング』のレゴラス役で世界的に有名な大スター。

そのブルームがシェイクスピア4大悲劇のひとつ『ロミオとジュリエット』でロミオ役に挑戦した話題の舞台です。

演出は日本でも名の知れた演出家デヴィッド・ルヴォーが手がけました。

演劇ファンには説明不要のルヴォーですが、少しだけ経歴に触れると、トニー賞を受賞したアントニオ・バンデラス主演の『NINE』をはじめ、ジェシカ・ラングの『ガラスの動物園』、日本で上演した、宮沢りえ、堤真一出演の『人形の家』などビッグネームとタッグを組み数々の作品を世に送り出してきました。昨年の草なぎ剛主演『道』の演出は記憶に新しいところ。

そんなプレミアム感満載の舞台を、日本語字幕付きで映画館で鑑賞できるチャンスを見逃す手はないとばかりに、早速映画館へ足を運びました。

 

R&J_gekipia_main.jpg(C)Carol Rosegg

 

『ロミオとジュリエット』は14世紀ごろのイタリア・ヴェローナが舞台として描かれていますが、ルヴォー版では現代を思わせる演出となっています。

例えば、ロミオがバイクにまたがって登場したり、衣裳もTシャツにジーンズという装いでこの物語が現代とどこか地続きになっているかのように感じます。

  

R&J_gekipia_sun.jpg(C)Carol Rosegg

 

オーランド・ブルームのロミオは、登場した瞬間から観客の視線を一気に集め、美しい顔立ちと凛とした佇まいで"モンタギュー家"の一人息子を体現。

誠実さと大人の色気が混在した魅力的なロミオに、ジュリエットがたちまち心を奪われてしまうのは無理からぬことと妙に納得してしまいました。

少しネタバレになりますが、ジュリエットの乳母がロミオのことを悪く言いたいのに、思わず「ハンサム」と口にしてしまう場面は可笑しかったです。

  

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(C)Carol Rosegg

 

敵対する"キャピュレット家"の一人娘ジュリエットは、舞台を中心に活躍している実力派女優のコンドラ・ラシャドが務めます。アフリカ系アメリカ人の彼女は大きな瞳がくるくると動き、活発で可愛らしいジュリエット像を造形していました。

 

R&J_gekipia_mon.jpg(C)Carol Rosegg

 

前半のふたりが恋する場面では、詩のように流麗なセリフがこれでもかと繰り出され、衣裳やセットといった視覚面ではなく、言葉によって甘美なシーンが構築されていました。また、時折挟み込まれるコミカルなセリフや仕草に度々笑いが起こり、この作品が喜劇的要素を含んでいることを改めて実感。観客の感度の高さはさすがブロードウェイですね!

 

演出面では、作品のテーマのひとつである"炎"が効果的に使われていました。
その意味するところは、舞台だからこそ成立する表現方法なのだと思います。

 
今回の上映は、松竹が本場ブロードウェイの舞台を映画館で楽しめるようにと立ち上げた【松竹ブロードウェイシネマ】の第二弾。

東京・東劇では、3週間の限定公開で、大阪、名古屋のほか、全国でもロードショー予定とのこと。公開期間が限定されているようなので、鑑賞される予定の方は事前に公式アカウント等で確認されると良いと思います。

 

<公式アカウント>
https://www.instagram.com/shochikucinema/
https://www.facebook.com/ShochikuBroadwayCinema

▼オーランド・ブルーム主演 ブロードウェイ版「ロミオとジュリエット」予告
https://www.youtube.com/watch?v=TcLi5fhoazY

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7月9日、『実験落語neo~シブヤ炎上まつり2019~』が渋谷の劇場、CBGKシブゲキ!!で開催され、満員の盛況となった。1970年代~80年代に、新作(創作)落語のレジェンドである三遊亭円丈が、渋谷の文化発信基地であった小劇場「ジァン・ジァン」で開催していた新作落語の会を、2016年に復活させ始まった「実験落語neo」。今回で早くも15回目を迎えた。
中でも、三遊亭円丈作の新作落語を出演者たちが演じる、1年に1度の特別な会が<シブヤ炎上まつり>だ。

開場中、ロビーで上演される三遊亭はらしょうによるウエルカム落語の演目も、円丈の代表作「悲しみは埼玉に向けて」。ロビーには人が溢れ、そのままの熱気をもっていよいよ開演。

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トップバッターは、三遊亭粋歌。台風の命名をテーマにした「あきな5号」を披露。本妻派と架空の愛人派の小競り合いをキュートに演じていた。

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2番手は、笑福亭たま。「ご挨拶がわりに」と30秒のショート落語を次々と披露。客席の空気をつかんで、「アマゾンの朝は早い」へ。ホームドラマ的要素のある演目に、自作のギャグを詰め込んだ一席で、客席を笑いの渦に巻き込んでいた。

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次に登場したのは、春風亭百栄。45年ぶりに出所した任侠が現世に戸惑う「イタチの留吉」という演目を披露。留吉が憑依しているかのような高座に、客席がドッと沸いていた。

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仲入り後は、柳家喬太郎が登場。円丈作「82年はバラ色だった」を改作し、「令和元年はバラ色だった」を口演。令和元年を神様のミスで体験できなかった男の話。不思議な話ではあるものの、喬太郎の瞬発力と演技力で、笑いと静寂が一瞬で入れ替わるような、客席をぐっと引き込む魅力的な一席となっていた。

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トリは、全作の生みの親、三遊亭円丈。「奇跡の噺家・柳家ヘレン」を披露。三重苦の噺家が客席の反応を知るため紐を客席に投げ、「面白かったら引っ張って」という、観客参加型落語である。会場が文字通り一体となり、爆笑の渦に包まれたまま、高座を下りた。

自作の落語を持つ実力者が円丈作品を演じているのだが、総じてそれぞれの自作の演目かのような錯覚を覚えると同時に、円丈作品の底知れない発想力を感じられる会となっていた。



<上演記録>
『実験落語neo〜シブヤ炎上まつり2019〜』(第十五回)
2019年7月9日(火)
会場:CBGKシブゲキ!! (東京都)
出演:三遊亭円丈、柳家喬太郎、春風亭百栄、笑福亭たま、三遊亭粋歌


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