■ミュージカル『1789』2018年版特集vol.2■
待望の再演となるミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』、顔寄せに続き、稽古場も取材してきました。
そのレポートをお届けします。
この日の稽古場で最初にあたっていたシーンは、バスティーユ監獄のシーン。
バスティーユといえば、この物語の舞台であるフランス革命前夜の時代には主に政治犯が収容されていた場所。
その彼らを解放しようと市民たちが襲撃した事件、「バスティーユ襲撃」といえばフランス革命の始まりであり、バスティーユ監獄はフランス革命の象徴的アイコンです。
物語の主人公・ロナンは、王妃マリー・アントワネットとその愛人フェルゼン伯の逢引きに遭遇。
王妃の侍女オランプのとっさの機転で、やってきた秘密警察から王妃は逃げることが出来たものの、その騒ぎにまきこまれたロナンはたまたま革命派が印刷したビラを持っていたことから、捕えられ監獄へ入れられてしまったのです。
ロナン(Wキャスト)=小池徹平さん
ロナン(Wキャスト)=加藤和樹さん
そこで再会したのが、この人。
ペイロール=岡幸二郎さん。
ペイロールはロナンの父を処刑した貴族将校。
民衆の敵の象徴のような存在を、岡さんが冷徹に、憎々しげに演じています。
しなる鞭!
抵抗するロナン!
岡ペイロールの "鞭使い" は見惚れるほどで、鞭をロナンに巻きつけ引き寄せる...というシーンも、何度繰り返してもちゃんと決まります。
しかし演出の小池修一郎さんは、さらなる見栄えを追求。
岡さんと打ち合わせののち......、
鞭はもう少し高い位置に当たって欲しいようで......。
舞台上では見せることのない、岡ペイロールの笑顔も出ました♪
それにしても、ものすごいスピードで稽古は進んでいきます。
再演メンバー、2年前の動きが身体に染み付いているのでしょうか?
登場人物の動線的には、ほぼ迷いなくピシっと動きが決まっていくよう。
そんな中でも、"形をなぞるだけ" にはしない小池演出。
ここでは、ペイロールによるロナンの拷問を見ている兵士たちと牢獄の囚人たちの関係性を、しっかりと整理し直していました。
騒ぐ囚人たちを兵士が牽制するのですが、それでも両者とも「ここで起こっていること(拷問)に興味がある、見ていたい」ということを明確にさせ、一種異常な空気を作り出していました。
稽古場レポート、続きます。
最後に、取材中に登場シーンのなかったマリー・アントワネットさまたちのお写真をどうぞ!
▽ 凰稀かなめさん、龍真咲さん
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)
【公演情報】
4月9日(月)~5月12日(土) 帝国劇場(東京)
6月2日(土)~25日(月) 新歌舞伎座(大阪)
7月 博多座(福岡)
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