■『レディ・ベス』2017年公演特別連載 vol.6■
3年ぶりに上演される、日本発の大作ミュージカル『レディ・ベス』 。
稽古場レポート第2弾です!
本日最初にお届けするのはこちら、ロビン・ブレイクの登場シーン。
ロビンは詩人で作曲家。
本人曰く、「旅に生きる流れ者」...だそうです。
ロビンはダブルキャストです。
山崎育三郎さんと...
加藤和樹さん。
山崎さんと加藤さんは、3年前の初演時も仲良さげでしたが...
→★初演時の稽古場レポートです
今回も変わらず、ふたりで相談したりアドバイスしあったりしている模様!
さて、ロビンと言えば、お仲間の3人組も忘れてはいけません。
ホラティウス・スウィフト=加藤潤一さん
スクラッグ・トター=寺元健一郎さん
バギー・リンガー=石川新太さん 石川さん(元・少年ルドルフです!)は今回からの初参加ですね。
ロビンと3人の仲間たちは、大道芸をして暮らしています。
4人の "仲間" 感!出てますよね!
人々の前で「人生は一度きり、自由に生きろ」と歌い喝采を浴びている彼らの歌声が止まってしまう出来事が。
大谷美智浩さん扮するロンドン塔長官ヘンリー・ベディングフィールドが、ひとりの女性を捕らえようとするのです。
メアリー女王のプロテスタントに対する弾圧の厳しさ、その反発としての庶民の間でのベス人気がわかるこのシーン、覚えているファンも多いかと思いますが...。
えっ、そんな!!(←私の心の声)
↑心配そうに見つめる加藤ロビン
↑山崎ロビンのこの表情
もちろん全体のストーリーとしては同じなのですが、ひとつのエピソードごとに見直しが入って練り上げられているようですよ。
シーンを一度通したあと、振付の桜木涼介さんを中心に小返しを。
「民衆の皆さんは、ふんわり通らないで。(抵抗の声を上げながらも)やっぱり長官は恐ろしい存在なので、警戒して、空気を研ぎ澄まして」と桜木さん。
場面は変わって、ベスの居城・チェスハント城。
"レディ・ベス" と呼ばれている王女・ベスが本を読んでいます。
ベス=花總まりさん
ベス=平野綾さん
読んでいるのは、ティンダル訳の新約聖書。
カトリック信者であるメアリー女王の統治下では、禁書となっている本です。
前回のレポートでお伝えしたプロローグ部分でも出てきたので、ベスの言う「貴重な一冊」という言葉が、初演に比べて説得力を増しています。
こちらはベスの教育係キャット・アシュリー=涼風真世さんと、
家庭教師ロジャー・アスカム=山口祐一郎さん。
簡単に言うと、姉であるメアリー女王に疎まれ、王女でありながら厳しい立場にあるベスを見守る、数少ない味方です。
ふたりとも表情が優しい。
山口さんと涼風さんは役の上のみならず、稽古場でも皆さんを「見守っている」感じで、ニコニコ優しい笑顔で共演の皆さんとお話している風景が見られました。
さて、そんなベスの穏やかな日常を、この方が破ります。
司教スティーブン・ガーディナー=石川禅さん。
メアリー女王に対してベスが謀反を企てていると言い、その証拠こそが、ベスの「貴重な一冊」である禁書・ティンダルの聖書だと言うのです。
花總ベスと石川ガーディナー。
王女であるベスを敬うそぶりも見せない石川ガーディナーのこの表情!
この騒動の直後に歌い上げるベスのナンバー『我が父は王』は、ベスの誇り高い心がわかる、作品を通しても重要なビッグナンバー。
初演から3年を経て、花總ベスも平野ベスも、歌の深みが増しています! 本番舞台、ご期待ください!!
稽古場レポート、まだ続きますよ~。
取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)
【『レディ・ベス』2017年公演 バックナンバー】
#1 花總まり、平野綾、山崎育三郎、加藤和樹取材会レポート
#2 平野綾ロングインタビュー
#3 稽古場レポート Part1
#4 演出・小池修一郎インタビュー(前編)
#5 演出・小池修一郎インタビュー(後編)
【公演情報】
・10月8日(日)~11月18日(土) 帝国劇場(東京)
・11月28日(火)~12月10日(日) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)