ミュージカル『レディ・ベス』3年半ぶり待望の再演! 花總まり、平野綾、山崎育三郎、加藤和樹らが再集結

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■『レディ・ベス』2017年公演特別連載 vol.1■

『エリザベート』『モーツァルト!』などで知られるウィーン・ミュージカル界のクリエイター、ミヒャエル・クンツェ(作)&シルヴェスター・リーヴァイ(音楽)による新作として、日本ミュージカル界が誇る鬼才・小池修一郎演出で2014年に帝国劇場で世界初演されたミュージカル『レディ・ベス』

約45年もの長きにわたり女王として君臨し、イギリスに繁栄をもたらしたエリザベス一世。
彼女が王位に就くまでの波乱の半生――異母姉メアリーとの相克、偉大なる父王ヘンリー八世と処刑された母アン・ブーリンへの思い、そして吟遊詩人ロビンとの秘めた恋――を、リーヴァイ氏ならではの美しくも壮大な音楽で綴っていくミュージカルです。
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主人公のレディ・ベスは花總まりと平野綾、その恋の相手となるロビン・ブレイクは山崎育三郎と加藤和樹。

彼らをはじめ、メインキャストは初演時のオリジナルキャストが続投し、今年、3年半ぶりの再演が決定しました。

7月某日、花總まり平野綾山崎育三郎加藤和樹が出席した取材会が開催されました。
そのレポートをお届けします。


花總まり
「今日メイク室で、ついたての向こうから綾ちゃんの声が聞こえてきて懐かしいなー! と思い、またいよいよ『レディ・ベス』が始まるんだなと思いました。小池先生からは「20歳以上も若返るので、アンチエイジング頑張ってください」というメールが来ました(笑)。そこが私にとって小池先生からの頑張れコールのポイントなのかなと思いますが、あまり気にせずに頑張りたいと思います」LadyBess17_01_02_3133.JPG


平野綾
「3年半ぶりなんですね。3年半前は、舞台経験も全然少なくて、私はミュージカル出演は3作目くらい。皆さんの足をひっぱらないよう必死だったのですが、3年半の間に色々な経験をさせていただき、少しずつ自分に自信がついてきたので、今回の公演でまったく違うものを見せられるんじゃないかなと思っています。...でもあまり皆さんは変わらない。でも私以外の皆さんは痩せたかな!? 皆さんに見習ってダイエットしなきゃと思います(笑)。今回は初演より冷静に周りをみたりも出来ると思っていますので、とにかく落ち着いて、役に対する理解を深めていきたいと思います」LadyBess17_01_03_3150.JPG


山崎育三郎
「3年半前に比べ、まったく自分自身かわっているので、今自分が感じるロビンを作りたいと思います。こないだ小池先生からメールが来て「ロビンは60年代・70年代のフォークシンガーだからね」とだけ、書いてありました。それがどういう意味かは今はよくわかっていないのですが(笑)、60年代・70年代のフォークシンガー...男らしさ...を、出せたらと思います。あと"ターザン"があるかは気になっています(笑)
3年半で大きく変ったことといえば、以前は銀座や日比谷あたりでは「山崎さんですか」と声をかけていただいたりしたのですが、今では見ず知らずの方から(他の場所でも)「あ、育三郎だ!」と言っていただけるようになりました」
※ターザン=初演ではロビンがターザンのようにロープにぶら下がって登場するシーンがありました。LadyBess17_01_04_3137.JPG


加藤和樹
「小池先生がどういう演出をされるかによると思いますが、自分から何か新しいことをしていくというより、やっていくうちに新しいものになっていくと思います。色々なトライをディスカッションしながら作っていければと思います。3年の間に自分なりに舞台も色々経験してきましたが、『レディ・ベス』は自分にとっては初めての帝国劇場の出演作品でしたし、初心に戻って自分のできる限りのことをやりたいと思っています」LadyBess17_01_05_3158.JPG

―― 初演の評価がとても高かった。多くの人に愛されたポイントはどこにあると思っているか。

花總「おそらくエリザベス1世って、日本ではそこまで詳しく彼女の生き方が浸透していない。そんな中でクンツェさんとリーヴァイさんが、彼女が戴冠するまでの生き様を壮大で素敵な音楽と華やかな衣裳、ラブロマンスも絡めながら、すごく上手く大作ミュージカルに仕上げてくださった。それをお客さまに受け入れてもらえたのが良かったと思います。ただ世界初演ということもあって、作り上げていく過程はすごく大変でした。ギリギリまで歌や場面が変更になって、でも団結しながら作り上げていけたので、もう一度同じメンバーで挑戦できることは、私はすごく嬉しいです」

平野「ベスはただのヒロインではなく、闘うヒロイン。自分で道を切り開いていきます。一方で男性はそれを見守る、包容力のあるキャラクターが多かった。また女王になる人だからといって完璧ではなく、人間らしい部分をすごく持ち合わせていて、そういうところにも共感していただけたのではないかなと思います」

山崎「この作品は"ベスの大きな決断"というのがひとつのテーマになっていますが、生きていく中で誰もが大きな決断をする瞬間があると思います。そこを、お客さまが自身をベスに重ねながら観て、感情移入できたんじゃないかな。特に女性に愛される作品でした。自分の母も僕が出た作品の中で一番『レディ・ベス』が好きだそうです。また花總さんが仰ったように、世界初演でクンツェさん・リーヴァイさんも日本に来て、ギリギリまで曲が増えたりとか色々な変更で、なんとか初日に間に合わせ、そこからみんなで作っていった感覚です。今回は(一度初演を経験し)スタートラインが前に進んでいるので、より深まった作品にしていけたら」

加藤「楽曲の素晴らしさもさることながら、お芝居の魅力がすごくあったと思います。山崎君も仰ったように、ベスというひとりの女性――女王ではあるのですが、若い女性ならではの感情、葛藤や、幸せとは、というのは人間誰しも考える。自分にとっての幸せとは何だろう、自分はなんのために生まれてきたんだろうという問いかけが、お客さまの胸を打ち、自分はどう進むべきなんだろうと考えさせるような内容が、自分自身も好感が持てました。「ひとりの人間なんだ」というところが共感を得たのではないかなと思います。もちろんその気持ちが乗った音楽というところも含めてです。再演ではそれをどれだけ高めていけるかというのは僕ら全員の課題。初演ではひとりひとりが高い意識をもって、自分には何が出来るんだろうと考えながらやっていましたが、僕は本当にいっぱいいっぱいだったので、もう少し広い視野をもって、自分には何が出来るんだろうと考えてやりたいです」
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―― リーヴァイさんの音楽の特徴、感じた印象など。

花總「ベスの歌は、もちろんデュエットで綺麗な曲もあるのですが、割と激しい、歌い上げるものが多い。ベスが登場して2曲目で『わが父は王』という曲がものすごく歌い上げる歌で、始まってすぐこんなに大きな曲を歌うのが大変で、さらに2幕の冒頭も「なんで自分が殺されるのか」と激しく歌い上げるものでした。私にとっては『レディ・ベス』の歌は自分の感情をぶつける歌が多かった印象です。でもすごく素敵な歌なので毎回歌いこなしていきたいなと思います」

平野「リーヴァイさんの楽曲は、ちょっと懐かしいような、日本人の私たちにぐっとくるようなメロディが多い。お稽古のときに衝撃だったのが、リーヴァイさんは日本語がわからないはずなのに、「ここのフレーズがしっくりこない、日本語の発音的に成立しないんじゃないか」と気づかれて、譜面がちょっと変わったんです。音楽で会話させていただいているというか、そういうものに触れてすごく幸せなお稽古でした」

山崎「リーヴァイさんの楽曲は、ジャンルを超えているというか、ひとつのジャンルじゃない。そしてクラシカルな楽曲からロックからポップスから、フェリペ(登場人物のスペインの王子)だとラテン系の音楽だったりと、キャラクターにあわせてジャンル関係なく作ってるというのがすごく面白い。音楽が鳴ると「次、この人が出てくるな」てわかるくらい、キャラクターにあわせた音楽作りが素晴らしいと思っています」

加藤「僕は『レディ・ベス』で初めてリーヴァイさんの楽曲に触れたのですが、やはりすごく耳に残ります。改めて今回聴きなおしたら、デュエットのところで結構複雑な音階にいくところもあるんですが、それが意外と心地よかったりする。耳に残るんだけど、緻密に計算されて作っているんだなと。そこがハマッた瞬間はものすごく気持ちいいです」
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―― 自身も、相手役もダブルキャストでした。舞台上で演じてみて、相手役のダブルキャストはどう違いましたか?

花總「ひと言で言うのは難しく、でもご覧になる方からは、やっぱりロビンが変わると全然違いますねというお言葉をもらったりしました。(ロビンのふたりは)自然に持っていらっしゃるものが違うので。お稽古場でアプローチの仕方から違いました」

平野「本当に難しいのですが、山崎さんがすごく天然型ロビンみたいな感じで...」

花總「かーくんも天然型じゃない?」

平野「そうか、両方天然ですね(笑)、天然の方向性が違う。本当に同じシーンをやっているのに、こんなにアプローチが違うのかと面白かったので。ふたりとも面白いですよね」

花總「確かに天然というのは同じですが、同じ"天然"でもこんなに違うのか、みたいな(笑)」

平野「天然って言い方が悪いかな?ピュア?」

花總「マイペース?」

山崎「ロビンが?僕が?」

花總「おふたかたの、普段が」

山崎「え、普段の話? (自分が)天然? かーくんはそうだけど...」

加藤「おい、ちょっと(苦笑)! でも天然の人って、自分では気づかないらしいよ」

山崎「......。」

花總「お二方とも黙々と自分の道を歩んでいるけれど、その方向がふたりとも違う、ということで」

山崎「(ベス役のふたりも)違いますね、ふたりも真逆ですよね、かーくん!」

加藤「持ってる雰囲気も違いますし。なんでしょうねえ...」

山崎「なんとなくですが、花總さんは秘めたエネルギーを持ってる方で、平野さんは爆発するエネルギー...みたいな。やっていても作品が変るくらい、自分の心が動く場面も毎回違いましたね。」

加藤「あぁ、たしかにそれはあるかもしれませんね。山崎君が言ったように、花總さんはうちから出てくる強さがあって、平野さんは爆発的な感情を(音楽や芝居に)乗せる力強さがあった気がします」
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―― 前回の稽古・公演中に印象的だったエピソードを教えてください。

花總「本当に大変でした。ここで言ってはいけないようなものも...台本がなかなか出来なかったり...(笑)。2幕がなかなか、ね。1幕を最初から作っていって、もうそろそろ1幕終わるけど2幕が来ないね、という...(笑)。大巨匠の小池先生も苦労しながら、私たちも焦りながらも、世界初演というのはこうやって作っていくものなんだ、初演はこれだけ大変なんだって、どこかわかっていた。そして山口祐一郎さんをはじめ、でも頑張ろうという空気があったので、本当に最後までラストの場面が変更につぐ変更で大変でしたが、大変な中でもみんなが前向きだったのを感じた稽古場でした」

平野「衣裳も最大で10キロくらい。メアリーさんが10キロくらいのドレスを着て、ベスも7・8キロありました」

花總「ベスは当初マントが最後に...」

平野「5メートル級のマントが!」

花總「そう、5メートル級のマントが最初はついていて、舞台稽古まで頑張ったんですが、最後の戴冠式のシーンではしごのような階段を上がっていかなきゃいけないのがあまりに重くて、泣く泣く、舞台稽古でなくなったという...」

平野「そうでした、後ろに持ってかれちゃうみたいな感じで。改良に改良を重ねてあの形になった。今回もまたあの重量級と闘わなければいけないのかと思ったら、身体をちゃんと作らなきゃなと(笑)。あと...初日の幕を開けるときにみんなで集合写真をとったんですよ。今でも家に飾ってるんですが、センターの一番いいポジションに物語のキーになるイモーテルというお花を持った小池先生が、可愛くたたずんでいる写真があるんです。すごくそれでほっこりした気持ちを思い出しました。チーム一丸となって作り上げて、もっともっとたくさんの思い出があります」

山崎「舞台が回転舞台で、さらにその盆が斜めになってるんです。結構な坂道で、腰と足がしんどくなっちゃって、身体のメンテナンスがみんな大変だったというエピソードがありますね。...あと、フェリペの平方元基君が、千秋楽の日に、自分のファンデーションを全部使い切りたいと思ったらしく。フェリペは日に焼けてる役ではあるんですが、いつもの10倍くらいの、残ったファンデーションを全部塗ったんですね。それを知らなくて舞台上でフェリペに会ったら、焦げたパンケーキみたいな顔だったんです。しかも厚過ぎて皺もなにもなくて。真っ黒い顔の人が目の前に立ってて、舞台上で全員が吹いた。あれは耐えられなかったですね(笑)」

加藤「先ほど育三郎君から"ターザン"の話が出ましたが、あれは本番始まる前、ギリギリまでどうしようかと小池先生が悩んでいらして、"場あたり"でやってみて、ダメだったら諦めるけど一回トライさせてくれって言われたのを覚えています。それで場あたりで小池先生が「いけるな」と。でも本番中、色々あったは、ありました(笑)。地方公演の場あたりのときに勢いがつきすぎて下袖から上袖にいって消えてしまうとか、逆に勢いがなくて止まっちゃったりとか。今回もしあれば、もう少し上手くやりたいです」
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――最後に。意気込みを

花總「今日改めて、3年半ぶりなんだと実感しました。もう一度スタッフ、共演者の方々と一丸となって、世界初演のときのパワーをもったまま、新たにこの作品に取り組んでいきたいと思います」

平野「またベスに挑戦させていただけること幸せに思います。前回よりもさらによいものを目指せるよう、責任持って役に取り組みたいと思います」

山崎「この2・3年で新しいチャレンジを色々やらせていただいて、自分でもどういうロビンができるか楽しみです。今年、僕はミュージカル出演が『レディ・ベス』だけ。テレビでも"ミュージカル俳優"と名乗っているので、ロビンにかけたいと思います」

加藤「自分にとっては初めての帝国劇場での作品で、右も左もわからなくて悔しい思いをしたのも覚えています。あのときから一歩一歩経験をつんでいますので、自分が出来る限りのものをこの作品にかけたいと思います。初演よりさらにすごかったね、また観たいなと言われるよう皆さんで力をあわせていきたいと思います」


取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)

【公演情報】
・10月8日(日)~11月18日(土) 帝国劇場(東京)
・11月28日(火)~12月10日(日) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)

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