『レディ・ベス』稽古場レポート vol.2

チケット情報はこちら

■『レディ・ベス』世界初演への道 vol.5■


プレビュー開幕まで1週間を切りました!
ミュージカル『レディ・ベス』稽古場レポート、本日はロビンのシーンと、メアリーのシーンを中心にお届けします。
LadyBess0500.JPG
吟遊詩人であり、ベスの恋人になるロビン・ブレイクは山崎育三郎さんと加藤和樹さんのWキャスト。
ロビンについては、おふたりのインタビューも掲載していますので、そちらもご覧ください。

で、そのインタビューでも語られていましたが、ロビン、手にはリュートを持っています。
こちらは山崎育三郎さん。
LadyBess0510.JPG
朗らかなナンバーで、フォークロア的な懐かしさもある曲調です。
今回の『レディ・ベス』は作曲のシルヴェスター・リーヴァイさんがケルト音楽の要素を取り入れたと仰っていましたが、さっそくそんな風が感じられます。三和音の伴奏とか。
ワクワクしてきます!

自由人・ロビンには、彼を慕い行動をともにする三人組がいます。
左から、平間壮一さん、(山崎さん、)加藤潤一さん、寺元健一郎さん。
LadyBess0511.JPG

ロビンが町の人々の前で楽しく歌っているこのシーンは、彼の明るさ、縛られなさ、愛らしさが伝わるシーンであり、さらにその流れで、当時の情勢もわかる構造になっています。
つまり、ベスの姉・メアリーが王として国を治めていることを、庶民たちはどう思っているのかを、です。

LadyBess0512.JPG

ひとりの女性を、司祭が兵士たちを連れて捕まえにきました。
その横暴さに「メアリーは退位しろ!」と口々に言う町の人々ですが、ここで演出の小池修一郎さんが「もう少し整理しよう」。

まずはロビンたちに「自由だ、というところは重要なテーマ。この部分を、動きからハッキリと」と指摘。
歌い方も気になる部分があるようで、こと細かに指摘していきます。
そして山崎ロビンの"振り返り演出"を、すこしはなれたところから聞く加藤ロビン。

LadyBess0515.JPG

セリフどおりにストレートに不満を爆発させていた町の人たちには、「怒っているカトリックの司祭が、警察を連れてきた。これはかなりの権力者です。大きな教会、日本だったら本願寺、増上寺のイメージ」とわかりやすい?いや、逆にわかりにくい(?笑)表現で場を和ませつつ、
「そんな人が側にきたらどうしますか? 自分ひとりだったらゴマをするでしょう。彼が目の前にいたら、私は敬虔な信者です、暴言を吐いたのは私じゃありませんってフリをして、陰で舌を出す」と、アンサンブルの人たちの心の動きも合理性を持たせていきます。
小池さん、いくつ目がついているんだろう、というくらい、ひとつのシーンのあとの振り返りで膨大な指摘をしていきます...。

LadyBess0516.JPG


と、小池さんの演出が他の人に向いたタイミングで、ロビンと仲間たちは山崎さんの「ボーイズ、ちょっと...」の呼びかけでピアノの側に。
指摘された部分の歌を再度確認しているようです。
LadyBess0520.JPG
すると、やっぱり加藤ロビンもやってきました。
LadyBess0521.JPG
Wキャストの場合、もうひとりへのダメ出しは自分へのダメ出し、という意識は当然のことなのかもしれませんが、それにしても、もう一方のキャストにされている"自分が受けてない演出"への集中っぷりは、加藤さんはもちろんどなたも、尋常じゃないです。

そして入れ替わるように稽古ピアノの國井雅美さんの元には、このお方の姿も...。
LadyBess0525.JPG
山口さん、気になる部分の確認のようです。




そこで担当ハタと気付きました。
この稽古場...。誰も止まらない!
スゴイっ。
小池さんの演出待ち、ではなく、それぞれが自分の課題ややるべきことをきちんと認識して自主的に動いています。
プロの現場なんだなあ...。


ひととおりの"振り返り"が終わったら、次はキャストを変えて同じシーンです。
加藤和樹さんのロビン。
LadyBess05_27.JPG
少し場面は変わって、ロビンはインタビューでも仰っていたジャグリングも有り!
ジャグリングをやると訊いて大変だなあ...と思っていたのですが、単にやるだけではなく、歌いながらのワザ披露でした。うわぁ!
LadyBess0530.JPG
こちらは鏡の前で練習中の加藤さん。
LadyBess0531.JPG
そんなWロビン、カメラを見つけて視線もくれました♪
やることいっぱいで大変なのに...。ありがとうございます!

LadyBess0532.JPG

役柄同様、ムードメイカーなんだろなぁ、と思わせるサービス精神!!


シーンは変わって、ベスとロビンの場面。
花總まりさんのベスと、山崎さんのロビン。

LadyBess0540.JPG

平野綾さんのベスと、加藤さんのロビン。
LadyBess0541.JPG
どんなシーンかを詳しく書くのは控えますが、ベスものちになる名君の姿ではなく、ちょっとイヤミを言ってみたりと、愛らしい顔を見せていました。

このシーンの中でロビンがベスの手を取るのですが、単に「手を取る」のではなく、ベスの手がそこにいくためには、その前にベスがどんな動きをするのか。その動きはどんな心情から出てくるのか。小池さんのこだわりの演出は、やっぱり細かい。そして細かいだけでなく、論理的です!
LadyBess0542.JPG

組み合わせを変えて、花總&加藤コンビ。
また、雰囲気が変わりますね。
LadyBess05_43.JPG

さてシーンは変わって、女王・メアリーの場面です。
侍女をぞろぞろ引き連れてのご登場、足元にはじゅうたんまで引かれました!
未来優希さんと...

LadyBess0551.JPG

吉沢梨絵さん。
LadyBess0553.JPG
さまざまなところで「メアリーのナンバーはロック」と語られていますが、ふたりのメアリー、ともにパワフルです!こんな裾の広がったスカートなのに...。
そして、稽古場でマイクを着けずとも声量がすごい。
パワフルさは共通しつつも、未来さんと吉沢さん、まったくタイプが違うのも面白いですね。
ガツン! と来るのは同じですが、
ソウルフルな未来さんの歌を聞くと、鈍器で殴られたような気がし、
ロックな吉沢さんの歌を聞くと、鞭で叩かれたような気分になります(笑)。
それにしてもメアリーは、なぜここまで異母妹・ベスに敵愾心を燃やしているのか。
そんな姉妹の確執も、物語のポイントです。
LadyBess0550.JPG
LadyBess0552.JPG


稽古場レポート、続きます。
次はお待たせしました、ヒロイン・ベス中心のシーンをお送りする予定です!


取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)

●公演情報●
4月11日(金)~5月24日(土) 帝国劇場(東京)

 ※4/11(金)・12(土)はプレビュー公演。
7月19日(土)~8月3日(日) 梅田芸術劇場 メインホール(大阪)
8月10日(日)~9月7日(日) 博多座(福岡)
9月13日(土)~24日(水) 中日劇場(愛知)

チケット情報はこちら

前の記事「『レディ・ベス』稽古場レポート vol.1」へ

次の記事「【『Celebration 100!宝塚~この愛よ永遠に~』Vol.7】特製公演オリジナルDVD特典付チケット 限定発売!」へ

カテゴリー

ジャンル

カレンダー

アーカイブ

劇団別ブログ記事

猫のホテル

文学座

モナカ興業

谷賢一(DULL-COLORED POP)

劇団青年座

劇団鹿殺し

 はえぎわ

柿喰う客

ONEOR8

M&Oplaysプロデュース

クロムモリブデン

演劇集団 円

劇団チャリT企画

 表現・さわやか

MONO

パラドックス定数

石原正一ショー

モダンスイマーズ

ベッド&メイキングス

ペンギンプルペイルパイルズ

動物電気

藤田記子(カムカムミニキーナ)

FUKAIPRODUCE羽衣

松居大悟

ろりえ

ハイバイ

ブルドッキングヘッドロック

山の手事情社

江本純子

庭劇団ペニノ

劇団四季

演劇チケットぴあ
劇場別スケジュール
ステージぴあ
劇団 石塚朱莉