『ミス・サイゴン』#10 東京公演千秋楽レポート! 市村エンジニア、帝劇での最終公演も「また帝劇でこの作品の舞台に立つという新しい夢が生まれた」

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■2016年版『ミス・サイゴン』 vol.10■


先週11月23日、2016年の『ミス・サイゴン』東京公演が幕を下ろしました。
1992年の初演以来25年目、この日時点の国内上演回数は1426回。
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そのうち839回をエンジニア役として務め上げていた市村正親さんが、今期で作品を"卒業"されることが発表になっています
その市村エンジニアの帝劇公演最終日でもあったこの日は、キャストの皆さんの熱演と、客席の熱気が入り混じり、素敵な劇場空間となっていました。

スペシャルなサプライズもあったこの日の特別カーテンコールのレポートをお届けします。
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まずはトリプルキャストで頑張った小さな俳優、この日のタム(キムの息子)役は君塚瑠華ちゃん。
「おつかれさまでした。ありがとうございました。」
と可愛らしい声で(笹本さんのマイクを使って、かな?)ご挨拶です。
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ジジ役、中野加奈子さん。中野さんのジジ、カッコよかったですね。
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「時が経つのはあっというまで、7週間毎日のように出入りしていた帝国劇場と...見慣れた光景やいつもお世話になっている方たちに今日でお別れを告げないといけないことが、とても悲しく、寂しく思います。色々なことを思い返しながら、いま自分がここにいられるということは決して当たり前のことではなく、いかに自分がラッキーなのか、と実感しています。一期一会...、市村さんが公演前に皆さんに語ってくださった言葉なのですが、一瞬一瞬を大切にしたい。これからツアーも始まります。大千秋楽まで、この素敵なサイゴンカンパニーとともに一生懸命頑張っていきたいと思いますので、これからも応援どうぞよろしくお願いいたします」


トゥイ役は神田恭兵さん。
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「製作発表の時に、僕はこのトゥイという役に俳優として育てられた...ということを話したのですが、実はその言葉の裏に、いつも僕が目標にしている方の言葉がありました。それは市村さんに言われた言葉なんです。僕は(2008年には出演していたが)2012年の『ミス・サイゴン』に出ていなかったのですが、そのことを市村さんにお話した際に「なぜトゥイに選ばれなかったのか、そのことをもっとちゃんと考えて仕事をやっていったほうがいいよ」という言葉をもらったんです。それを自分で見つめなおして、今のこの瞬間もずっと胸の中でその言葉を言いながら、この舞台の上に立っています。やっと帝国劇場の千秋楽まで来ましたが、まだまだ舞台が続いていくんだなと思うと、幸せで仕方ないです。どうぞ皆さま、一緒に大千秋楽に向けて盛り上がっていきましょう」
心のうちを赤裸々に話してくれることの多い神田さんのご挨拶は、いつも印象に残ります。


エレン役は知念里奈さん。
前回公演まではキムを演じていましたが、もうすっかりエレンの顔ですね。
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「私は役替わりをして初めての公演だったのですが、9年間(2004年~2012年)この作品に出させていただいて、知っていたはずの『ミス・サイゴン』という世界ですが、また違う役を通して見るとぜんぜん違う景色がありました。日々たくさんの学びと発見があり、エレンという役に向き合うと、彼女に自分が何かを問われているようなそんな思いで毎回やっていました。今日、東京楽ですが、これから地方公演にまいります。1回1回大切に、そしてミスター・サイゴンの市村さんの背中をしっかり見つめながら頑張ってまいりたいと思います」


ジョン役、上原理生さん。
「3度目の青いポロシャツ・上原理生です」...と笑いをとりながら(上原さん、ジョン役は2012年、2014年に続き3回目)。
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「毎度毎度、最後のシーンでやるせない気持ちになるんですが、ジョンとしてどうすることが正しかったのか、何が正解だったのかということを今回特に強く考えるんです。でも答えはまだ出ません。だけどそうやって、何かを考えるきっかけを持つことがこの作品の意味のひとつなのかなと思いながらやっています。地方公演はこれから始まりますが、1回1回真摯に誠実に舞台に立って、作品のメッセージをお届けしたいと思います。また劇場で皆さんにお目にかかれることを楽しみにしています」


クリス役、上野哲也さん。
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「僕は初日の挨拶で「全公演絶好調でいく」という宣言をしたんですが、正直「いやいや実際は途中でバテたりするんじゃないかな」と思ったんですが、やってみたらいつも「今日」が一番絶好調でした。今日も、この大千秋楽が一番絶好調でした!...というのも、やっぱお僕がちょっとでも疲れた顔してくるとカンパニーの皆が肩を叩きながら「絶好調絶好調」って言うんです。絶好調と頑張れがほとんど一緒のようになっていたんですが(笑)。でもそういう風にここにいる皆さんに支えてもらって、千秋楽まで来ることができました。本当にこの帝劇で作ってきた『ミス・サイゴン』が自信を持ってこれから地方に旅立てるという気がしています。地方も上野哲也、絶好調で行ってまいります!!」
上野さんのポジティブさ、きっとまわりも元気にしているハズ!


キム役、笹本玲奈さん。
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少し掠れた声でしたが、
「幕が下りた瞬間に声が...変になってしまいました(苦笑)。よく出来た身体だな、よくここまでもったなと自分で自分を褒めてあげたいと、誰かが言ってた言葉を言いたいです。本当に毎日命をすり減らす思いで、キムとしてやっていました。上野さんもおっしゃっていたとおり、ちょっと元気がなさそうだなって思ったらすぐにファミリーの皆さんが声をかけてくださって、そしてお客さまの温かいメッセージがこんなにも励みになったことは、こんなにも身にしみたことは、本当に生まれて初めてです。皆さまに感謝しております。そして...東京公演を降板してしまった昆夏美ちゃんの、絶対に復帰してやるという強い思いを、いつも間近でみていましたので、何より彼女の気持ちがわたしの一番の力になったと思います。彼女が地方公演に戻ってくるまで、『ミス・サイゴン』は続きますので、来年の1月22日(愛知での大千秋楽)まで、どうぞよろしくお願いいたします」


そして最後はこの方、エンジニア役はミスター・エンジニアにしてミスター・サイゴンの市村正親さん!
...のご挨拶なのですが、ここでサプライズ!

24年間エンジニアを演じている市村さんに、同じく16年間この帝国劇場の舞台に主演として立ち続けている堂本光一さんが、100本の赤い薔薇を抱えて千秋楽のお祝いに駆けつけました。
「先日僕が帝国劇場で(主演舞台の)『SHOCK』1500回を迎えたんです。その時に市村さんが観劇に来てくださって、ステージにも上がってお祝いしてくださったので、何かお返しができないかなとずっと思っていたので」と言いつつ、「市村さんはじめとして、笹本玲奈さんや出演者の皆さんが作り上げたこの千秋楽の空間にいま、僕が立っていること、本当に恐縮です」とも話す気の遣いっぷり。
いやいや、客席からも堂本さんのサプライズ登場は大歓声でしたよ。
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で、こんな会話です。

↓↓

市村「僕がエンジニア役ファイナルだから、次のエンジニアを...?」
堂本「とんでもないです! 僕はどちらかと言えばタムを狙いたい」(場内笑)
市村「でもクリスもできるよね」
堂本「それか、あそこ(舞台下手)でボンデージ着てた人いたでしょ!(※バンコクのシーンですね。場内笑&拍手!) ...でも僕、『ミス・サイゴン』は何度も拝見させて頂いているんですけど、本当に皆さんが命を削る思いで立っていらっしゃるから、観ている側も本当にエネルギーをもらえるんだなと毎回感じています。でも市村さん、卒業されるという...」
市村「卒業? うん。ちらほら(そんな話が)ね」
堂本「僕の個人的な意見としては、まだ見たい!」(場内またまた拍手)
市村「今から24年前、初めて帝劇に『ミス・サイゴン』のエンジニアで立って。24年たってまだこの『ミス・サイゴン』に出られていることは奇跡だなと思って。最近胃がんをやったり色々あったのですが、その時には皆さんの温かい応援メッセージがあったから、2年後にまた絶対やってやるって思いました。今回、東京千秋楽までどこも故障なくやれたことはやっぱり奇跡に近いこと。でもやっぱりここまでくると...クリス(堂本さん)とエンジニア(自分)で...!」
堂本「タムでもいいです」
市村「タムにしてはちょっとでかいんだねー(笑)。だから今回、一応"卒業"という形をとりましたが、また夢が出来ちゃった。もしまた帝劇で『ミス・サイゴン』をやることがあれば、そこに立つという夢が。『ミス・サイゴン』ってオリンピックごとにやってくるんだよ(笑)。東京オリンピックが今度ありますから、またやれ、またやれと聞こえるような(場内またまた、またまた拍手!)。たしかに4年後だったら僕も相当な年になってますが、自分も努力して4年後を目標にやっていこうかなという気持ちが、この(堂本さんからの)花を頂いた瞬間から生まれました!」
堂本「楽しみにしています!」


...という会話からの、改めまして、エンジニア役・市村正親さんのご挨拶です。
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「本日は私の卒業式に、ようこそおいでくださいました(笑)。光一君と話をしていまして、チラッと言っちゃいましたが、また新たな目標が出来ました。その目標に向けて、精一杯、健康にも体力にも気をつけていきたいなと思っています。本当に『ミス・サイゴン』は僕にとっては演劇の夢を掴むことのできた作品です。先日、森光子賞を頂きまして、その賞は(森さんのように)90歳まで現役でやらなくてはいけないというような賞です(笑)。それをもらった時に「90歳まで俳優をやるなら、その中に『ミス・サイゴン』があってもいいのかな」なんて思いました。新しい夢は、『ミス・サイゴン』で皆さまと"入学式"としてお会いできたらと思います(笑)。何年先になるかわかりませんが、また『ミス・サイゴン』の僕の入学式でお目にかかることを期待して、御礼の言葉に代えさせていただきます。ありがとうございました」


ぜひ"入学式"叶えて頂きたいですね!
期待して待ちつつ、その前にまだ2016年『ミス・サイゴン』カンパニー、ツアー公演があります。
各地の皆さま、まずは2016年公演をぜひお見逃しなく。


▽ 堂本さん、笹本さんへも花束を贈っていました。
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取材・文・撮影:平野祥恵(ぴあ)

【『ミス・サイゴン』2016年 バックナンバー】


【公演情報】
・12月10日(土)・11日(日) 岩手県民会館 大ホール
・12月17日(土)・18日(日) 鹿児島市民文化ホール 第1ホール
・12月23日(金・祝)~25日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール(福岡)
・12月30日(金)~1月15日(日) 梅田芸術劇場メインホール(大阪)
・1月19日(木)~22日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール

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